現代社会では、コミュニケーション能力が必要とされ、課題意識を持っている人も多くいます。
調査データでも「今後20年間で必要とされるスキル」第1位はコミュニケーション能力となっています。(調査名:今後20年間で必要とされるスキル・調査主体:Linkedin)。
記事では、コミュニケーション能力を簡単に鍛える方法を解説します。また、そもそもコミュニケーション能力とは何か、コミュニケーション能力が低いことでどんな問題が生じるか、コミュニケーション能力が高い人/低い人の特徴なども解説します。
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<目次>
- コミュケーション能力とは?
- コミュニケーション能力が低いことで生じる問題
- コミュニケーション能力を簡単に鍛えたいなら「結論ファースト」を意識しよう
- コミュニケーション能力を鍛える方法
- 自らを知って、相手を知る「コミュニケーションタイプ診断」
- コミュニケーション能力が高い人の6つの特徴
- コミュニケーション能力が低い人の6つの特徴
- コミュケーション能力の種類
- コミュニケーション能力を高めることで得られるメリット
- まとめ
コミュケーション能力とは?
コミュケーション能力とは?
コミュニケーション能力は「人と情報交換や意思疎通する能力」を指し、社会で生活していく中で必要不可欠な能力です。
コミュニケーション能力というと自分の意見や考えを他者に「発信する力」が注目されがちですが、周囲の意見や感情を「受け取る力」も非常に大切であり、コミュニケーション能力という言葉には両方の意味が含まれています。
人とのコミュニケーションは双方向に生じる行動であり、「発信する力」「受け取る力」、双方が備わってはじめて「コミュニケーション能力の高い人」と言えるでしょう。
コミュニケーションとは?
コミュニケーション、とくに仕事におけるコミュニケーションは「情報伝達」が一つの重要な目的ですが、それだけではなく、「お互いの意思や考え、価値観を理解しあう」ことも非常に大切です。
コミュニケーションの難しい点は、相手との関係性、またその場の状況によって、多様なバリエーションや変化がある点です。
そのため、それぞれの状況で適切な行動を取れるコミュケーション能力は、就職活動などでも会社や社会で活躍する能力の一つとして重視されます。
コミュニケーション能力が低いことで生じる問題
コミュニケーション能力が低いとどんな問題が生じるでしょうか。よくありがちな問題を確認しましょう。
受け身のコミュニケーション
コミュニケーション能力が低い人は、他者とのやり取りが「受動的」になりがちです。
前述した通り、べつに会話の中では「話す」「自分から話題を提供する」だけが大切なわけではありません。
しかし、コミュニケーションが受け身になると、そもそもコミュニケーションの頻度が落ちます。頻度が落ちると、情報を得られなくなりますし、相手との関係性も築きにくくなります。また、仕事でもプライベートでも、適切な「報連相」は周囲の助けを借りるために不可欠なものです。
コミュニケーションが受け身になると、報連相も最低限となり、結果的に周囲の力を借りることができなくなってしまいます。
自分本位で自分の都合ばかり優先してしまう
コミュニケーション能力が低い人の中にも、自ら発信していくことが得意な人もいます。
しかし、こうした人は「受信すること」が苦手なケースが多く、自分勝手な態度や人の話を聞かずに自分の話をするなどの行動をしてしまいがちです。周囲から、わがまま、自分勝手と思われたら、ちゃんとした関係性を築くことはうまくいきません。
コミュニケーションでは、相手の話を受け止めることこそが関係性を築く上で大切です。「自分はこのように考えているけど、どう思う?」と質問を投げかけるなど、お互いに話し合える状態、相手の話を引き出すことが大切です。
コミュニケーション能力を簡単に鍛えたいなら「結論ファースト」を意識しよう
コミュニケーション能力を向上させたいと思っていても、コミュニケーション能力はすぐに身につくものではありません。
しかし、誰でも意識するだけで「話が伝わりやすい」と思ってもらえる簡単なテクニックがあります。それは「結論ファースト」を会話に取り入れることです。「結論ファースト」とは、結論と話の全体像を始めに伝えることで、聞き手が話し手の伝えたいことを把握しやすくなる話法です。
例えば、会社の企画会議で自分が提案を行う場面をイメージしてください。冒頭で「私はこういう企画をやるべきだと思っています」で、話の結論から伝えるのが結論ファーストです。
結論ファーストを実践して、最初に伝えたいことの結論、ポイントを述べることで、聞き手は「あなたが何を伝えたいのか」を理解したうえで話を聞けるようになるため、飽きにくく、また、理解度が高まります。
そして、結論ファーストと合わせて「全体像ファースト」、つまり「今日は、この企画を推す理由3つと、想定される効果、実施の必要コストについて説明します」といった形で、何を話すかの構成を伝えると、聞き手はさらに聞きやすいでしょう。
コミュニケーション能力を鍛えるには時間がかかりますが「結論ファースト」&「全体像ファースト」を意識すれば、相手とのコミュニケーションが円滑になります。
ビジネスにおけるコミュニケーション能力向上は、まずは「情報のやり取り」をスムーズにすることが必須です。それには、「結論ファースト」&「全体像ファースト」がお勧めです。
結論ファースト・全体像ファーストを意識して話そうとすると、話を始める前に頭の中で結論と全体像を整理することになります。頭の中が整理された状態でコミュニケーションを取ることで、相手の興味関心や反応に気を配る余裕も生じてくるでしょう。
コミュニケーション能力を鍛える方法
次にコミュニケーション能力の鍛え方について紹介します。
明確に伝える「発信力」を鍛える
発信力を鍛えるうえでは、まずは「言語能力」の強化から意識して取り組むと良いでしょう。前述の通り、仕事においては「結論ファースト」の伝え方、また相手がイメージしやすい「事例」や「例え話」を使うとことが効果的です。
①結論ファーストの話し方
プライベートよりも情報のやり取りが大切になる仕事においては、「自分の伝えたいこと」、または「相手の知りたいこと」といった結論をきちんと伝えることが大切です。
そのためには、「はじめに結論を伝える(結論ファースト)」が効果的です。
はじめに結論を伝えて、その後に結論の解説、根拠や事例、理由などを伝えていくと相手が理解しやすくなります。
結論ファーストの伝え方として、よく取り上げられるのがPREP法です。PREP法は、
- 1.Point⇒結論
- 2.Reason⇒理由
- 3.Example⇒事例
- 4.Point⇒再び結論
という順番で物事を伝えるというコミュニケーションで、相手が理解しやすい伝え方だと言われます。
これが出来ていない人は、まずPREP法を心掛けるだけでも、ビジネス上の発信力、コミュニケーション能力は向上するでしょう。
②事例や例え話
PREP法の中でも「Example(事例)」が入っているように、具体的な事例や例え話があると、抽象的な話や難解な話でも相手は理解しやすくなります。
結論などに直結する事例があれば、それを使うのがよいですし、相手にとって馴染みがない話、新しい話などをする際には、「例え話」を使うとよいでしょう。
例え話をするときは、「相手が理解している事柄」に紐づけて話すのが有効です。
少し年代が上の方に向けになるかもしれませんが…「野球で言えば、巨人阪神戦みたいなものですよ」「ここで受賞できれば、甲子園出場みたいなもので、周囲から信頼されるきっかけになります」といった形で、“相手が知っていること”に例えるのが大切です(上記は野球に例えていますが、当然、相手が野球のことを全然知らなければ“わかりにくい例え話”になってしまいます)。
結論ファーストとPREP法、そして、事例と例え話、この2つを意識するだけでも伝えたいことを相手に理解してもらう発信力が高まるでしょう。
信頼につながる「傾聴力」の鍛え方
繰り返しになりますが、コミュニケーション能力では「発信力」だけではなく、「受信力」も大切です。
しかし、“話し方”を学んだことがあっても、“聞き方”を学んだことがある人は意外と少ないかもしれません。
なぜなら、私たちは普段から“聞く”ことを無意識にやっているからです。自分が普段から無意識にやっているからこそ、意識して学ぶことが少ないのです。
聞き方の中でもとくに大事なのは「傾聴力」です。
傾聴とは、「相手の話に集中して聴く」、そして「話を理解するだけではなく、相手の感情や見えている世界まで考えて聴くこと」です。相手の感情や見えている世界を想像しながら聴くことで、相手の話に共感することができ、そして、相手から深い信頼を得ることができます。
傾聴するうえでは、「非言語能力」も大切です。
「相手と目線を合わせる」「相槌を打つ」「表情などで理解や同意を示す」などのポイントを押さえると、相手が安心して話すことができます。相手が安心して話せる環境を作り、相手の話を引き出せるようになりましょう。
コミュニケーション研修の有効性
コミュニケーション能力は“天性の才能”と思われてしまうこともありますが、トレーニングすることで向上できる能力です。
HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは「人を動かす」一段上のコミュニケーション能力を身に付けられるデール・カーネギー・トレーニングを提供しています。世界100か国以上、900万人以上が受講してきた『人を動かす』に基づくコミュニケーション能力強化のプログラムにご興味あれば、ぜひ下記から詳細をご覧ください。
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自らを知って、相手を知る「コミュニケーションタイプ診断」
われわれは生きていく、また仕事をするうえで、さまざまな人とコミュニケーションを取ります。中には自分と価値観が違う、苦手と感じる人もいるでしょう。そんな時に「コミュニケーションタイプ(ソーシャルスタイル)」の考え方を知っておくと有効です。
「コミュニケーションタイプ診断」とは?
コミュケーションタイプ診断は、個人のコミュケーションを4つのタイプに分類する理論です。
コミュニケーションスタイルによって、特徴的な話し方、また、相手が心地よいと感じる会話のスタイルがあります。
自分のタイプ、また相手のタイプを知ることで、「なんとなく苦手」だったものが、「会話の特徴、重視するものがこう違う」と合わない理由が明確になります。理由が分かると、精神的なストレスが軽減されますし、理性的に相手のタイプに合わせてコミュニケーションを取ることもしやすくなります。
自分のタイプを知る
コミュニケーションタイプ診断では、「自己主張の強さ(強い・弱い)」と「感情の出し方(出す・出さない)」という2つの軸に基づいて、コミュニケーションのスタイルを4つのタイプに分類します。
上記を理解して、自分の強みになる項目を意識して伸ばすとコミュニケーション能力の向上につながります。弱みを知ることで意識的に対策・改善することもできるでしょう。
さらに、相手のタイプを知ることで相手に合わせたコミュニケーションも取りやすくなります。こちらについては、次の段落で詳しく紹介しましょう。
相手のタイプに合わせたコミュニケーション
コミュニケーションのスタイルに応じて、相手が心地いいと感じる話し方や聞き方があります。
相手のタイプによって適切なアプローチ方法は異なるので、相手のコミュニケーションタイプを想像して、相手に合わせたコミュニケーションを選択するとよいでしょう。
コミュニケーション能力が高い人の6つの特徴
本章ではコミュニケーション能力が高い人が持っている6つの特徴を紹介します。特徴を知ることが能力を鍛えることにもつながりますので、ぜひ参考にしてください。
相手に興味、関心を持っている
コミュニケーション能力の高い人は、意識的に「他者に関心を持つ」ようにしています。
他社に関心を持つうえで大切なことは、「相手の関心事」に興味を持つことです。相手の関心事に興味を持つと、相手は喜んでしゃべってくれるでしょう。
自身の解釈だけで話を聞いたりするのではなく、他者の世界を知ったり、それに合わせて興味を示したり、共感することが良好な関係性を築く結果に繋がっています。
相手の関心事に興味を持ってしゃべってもらうためのポイントは、『人を動かす』の原則、“しゃべらせる”を解説した記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
人間力などの土台がある
ここでの人間力は、先ほどの「関係性を築く力」にもつながってくるところです。
周囲からの信頼性を得るための基本行動や姿勢を普段から示していること。それが何より大切です。
コミュニケーション能力が、仕事で成果をあげるための木の幹になるような力だとすると、人間力などの土台は木の根っことなる部分です。栄養や水分を吸い上げ、幹を支えるしっかりした根っこがなければ、太い幹を持った大樹は育ちません。
人間力を高めるうえでは、自己理解を深めることも大切です。自分の強みだけではなく、弱みなどもきちんと知っている状態になると、人の良さや苦手な部分を理解する、咎めるのではなく認める、共感することで関係性を築くことが可能になるでしょう。
相手の立場に立って物事を考えられる
コミュニケーション能力が高い人は、相手の立場になって考えて、共感することが出来ています。
憶測などで思い込みを立てるのではなく、相手の話を誠実に聴く、また、何が起こったかという「事」だけでなく、相手にとってはどう見えていたか、そして、相手はどう感じたかという主観や感情を理解しようとすることが大切です。
人は、それぞれの価値観を持ち、それぞれの視点で世界を見ています。相手の立場、相手の視点でイメージしながら、話を聴くことが大切です。
相手が「私を理解してくれようとしている」と感じる姿勢が関係性を築いていくことに繋がっていくでしょう。
相手の立場に立って、相手を理解するためのコミュニケーションについては、下記の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。
相手の話を引き出す質問力がある
相手のことをよく知るためには、質問を通じて、相手の話を深掘りしたり、より深い情報を引き出したりことも大切です。
コミュニケーション能力が高い人は、相手から話や感情を引き出すための高い「質問力」を持っています。ここでの質問力とは「その人に聞かなければわからない質問をすること」を指します。
人のことを深く知る、また、相手の立場を理解するためにも、その人ならではの経験や感情など、本音に当たる部分を聞き出すことが重要です。
なお、聞き出すためには質問力だけではなく、相手が信頼して自己開示してくれるかも重要です。
ここでも基盤となる関係性を築く力などが大切になってくるわけです。
共通点を見つけることができる
コミュニケーション能力が高い人は、関係性を築き、会話を盛り上げるためにお互いの共通認識を知ることを重視しています。
人は、相手との共通点を見つけると親近感を抱き、相手を信頼するようになります。共通点を見出す力も、相手との関係性を築く力につながってくるのです。
共通点を見つけるために有効な方法のひとつが「抽象化」することです。抽象化とは「一つの情報からいつくかの要素を見つけること」です。
話を抽象的に捉えて、自分の経験との共通点を見つけることで話を広げること・共感することに繋げることが可能になります。そうしてお互いに理解できる話をすることで話が盛り上がり、関係性を築くことにつながるでしょう。
適度な自己開示をする
コミュニケーション能力が高い人の特徴は、会話の中で「適度な自己開示」をすることも得意です。
自己開示するメリットは、相手からの信頼を得られることです。適度な自己開示は相手への信頼を表現するだけではなく、相手の自己開示も促します。
自分から自己開示することが、お互いのことをより深く知る関係を築いていくことにつながります。
コミュニケーション能力が低い人の6つの特徴
前章とは逆にコミュニケーション能力が低い人に見られがちな6つの特徴、行動パターンを紹介します。自分が日常のコミュニケーション内でやってしまっているものがないか確認して、直していくと、それだけでコミュニケーション能力の改善につながります。
自分の価値観を押し通す
コミュニケーション能力が高い人が行う自分の経験や考え方を開示する、共有することはお互いの信頼感を高めることにもつながりますが、自分の世界観や考えを「押し付ける」ことはNGです。
人の価値観は人それぞれであり、何が正しい、また間違っているというものではありません。もちろんケースバイケースで「正しい判断」はあるかもしれません。
しかし、コミュニケーション能力が低い人は、常に自分の価値観を押し通そう、自分の主張を強要するような態度をとってしまい、相手と対立したり、拒絶反応を受けてしまったりしがちです。
相手の立場に立って物事を考えることができない
関係性を築いていくために、相手を尊重することが大切になります。
しかし、コミュニケーション能力が低い人は、自分の都合を優先しすぎたり、相手の価値観を認めない姿勢をとってしまったりして、相手との関係性を壊す行動を取りがちです。
このような行動の原因は、自分の立場だけで判断することです。
コミュニケーション能力が高い人の特徴で紹介した通り、相手の話を聴いて、相手の立場に立って考えることが大切です。
相手の意見を取り入れない
前の2つにも関連しますが、コミュニケーション能力の低い人は相手の意見を否定してまったり、拒絶しがちです。
すべての意見を聞き入れることが大切なわけではありません。
しかし、自分のことを思って話してくれたことを全否定したり、自分の主張を押し通すために拒絶したりすると、当然印象は悪くなります。
相手からは「そう見えている」ということを受けいれて、たとえば、なぜ自分にその言葉をかけてくれたのかを考えて質問するなど、相手の言葉を一度受け止めることが大切です。
人の話をしっかりと聞いていない
コミュニケーション能力が低い人の特徴で、本人は意外と気づいていないことのひとつが「相手の話をしっかりと聴いていない」ことです。
話を聞いているときの態度は、すぐ相手に伝わってしまいます。
相手の話を真剣に聞いていなければ、相手の印象は当然悪くなります。関係性を築くことなどできるわけもありません。
しっかりと真剣に話を聴く、そして、相槌を打つ、質問をするなど興味のある姿勢や理解しようとする姿勢を見せることが大切です。
自分が話せる話題が少ない
コミュケーション能力が低い人の特徴として、「自分が話せる話題が少ない」ことも挙げられます。
何を話していいのかわからなくなってしまうために、コミュニケーションを取ることに対して消極的、また自信がなくなってしまっています。
対策としては、「自分の関心のあることについて、内容を知らない人でも理解できるように他のことで例えて説明する」「ニュースサイトなどを定期的に見て、話題になりそうな事柄をチェックする」などがあります。
そして、自分で話題を提供できなくても、じつは問題ありません。
「話題を提供できないから会話に詰まってしまう」というのは、実はコミュニケーションを“喋る”ことだと勘違いしているからです。
じつは自分で話せる話題がなくても、前述したように「相手が興味ある話題」を質問すれば、会話は盛り上がるものです。
自己開示をしない
コミュニケーション能力が高い人は「適度な自己開示」をしています。
適度な自己開示をすることで、相手は親近感を持ってくれたり、信頼してくれたりしますし、相手も自己開示しやすくなるからです。
しかし、コミュニケーション能力の低い人は積極的に心を開くことを苦手としている人が多くいます。
そこには「相手が受け入れてくれるか?」が怖いといった心情もあるでしょう。その気持ちは分かりますが、勇気をもって自分から自己開示することで、関係を築ける、相手も自己開示しやすくなることを理解する必要があります。
別にすべてを伝えようとする必要はありません。たとえば、相手に質問したいテーマに関して、「自分の場合はこうですが、あなたはどうですか?」といった形で自己開示から質問の流れにつなげるとよいでしょう。
コミュケーション能力の種類
コミュニケーション能力の種類は大きく分けて3つに分けられます。先ほどは、「発信する力」と「伝える力」という出し手・受け手という視点で区分しましたが、コミュニケーションの中身という点に注目すると、「言語能力」「非言語能力」「関係性を築く力」の3つに分けられます。それぞれの内容について説明していきましょう。
言語能力
「言語能力」とはその名の通り、言葉を使用したコミュニケーション能力を指します。
ただし、一言で「言葉」といっても話し言葉や書き言葉、相手との関係性によっても言葉の使い方は変化します。
人とのコミュニケーション、とくに情報の伝達には適切な言葉を使う「言語能力」は欠かせません。自分の意思や考えを正確に伝える・理解してもらうための手段として重要な役割を担っています。
非言語能力
「非言語能力」とは言語以外を使用したコミュニケーション能力の種類を指します。非言語の中には、自発的な行動と自然的な行動が存在しています。
<自発的行動>
- -話している内容を身振り手振りで表現する
- -目を合わせる
- -指で示す
<自然的行動(意識的にやることもありますが、無意識に生じるもの)>
- -目をそらす
- -頭をかく
- -耳を触る
自発的行動は、主に「意図して実施することで言語能力をサポートする行動」、そして、自然的行動は主に「自然と行って心理的な状態を表現する行動」になります。
非言語能力としては、こうした自然的行動、そして、自発的行動の両方をうまくコントロールして、活用していくことが大切です。
関係性を築く力
コミュケーション能力の一つとして、言語・非言語以外に「関係性を築く力」があります。関係性を築く力は、コミュニケーション能力の基礎となる力になってくるものです。
関係性、つまり、そもそも信頼関係がないと、どれだけ言語能力・非言語能力を活用してもテクニックだけで終わってしまい、深い効果は発揮されません。
関係性を築いていくために、は自分のことを伝えて理解してもらうことまた、他者のことを知って理解すること、そして、ベースの信頼性・人格が必要です。
自分を知ってもらうためには自分からのアピールは大切になりますが、他者への配慮も重要です。自分のことを知ってもらうために自分の話ばかりしても印象はよくなりません。自分を知ってもらうことと共に、相手に誠実な関心を寄せ、他者を知ることが大切になります。
また、ベースの信頼性や人格は、約束を守る、必要な時に謝る、相手を尊重する、誠実であるといった日常の行動や姿勢からつくられるものです。
3つをきちんと高めることで、コミュニケーション能力のベースを固めていきましょう。
関係性を築くための基本行動や姿勢については、以下の「信頼口座の残高を増やし、良い人間関係をつくるための6つのポイント」でも詳しく紹介していますので、ご興味あればご覧ください。
コミュニケーション能力を高めることで得られるメリット
コミュニケーション能力を高めることでどんなメリットが得られるでしょうか。すでに想像できていることも多いかもしれませんが、確認しておきましょう。
良好な人間関係が構築できる
コミュニケーション能力の要素としても紹介した通り、コミュニケーション能力を高めることで「関係性を築く」ことができます。
周囲との良好な人間関係は何か行動を起こす、成果を出す、また、幸せな人生を送るうえで、基盤となるものです。
的確な情報の交換・共有
コミュニケーション能力が高い人は、相手の言葉の裏側にある興味や関心をきちんと受信することが出来ます。
また、普段から関係性を築いていることで、自分からコミュニケーションを取るハードルもありません。
だからこそ、適切なタイミングで適切な人にコミュニケーションする、いわゆる“報連相”の能力が高くなっています。
- 報告:仕事の進捗や結果を相手が必要とするタイミングで共有する
- 連絡:関わっている人に役立つ内容を共有する
- 相談:物事を前に進めたり、問題や課題を解決したりする
コミュニケーション能力が高いと、的確な情報の交換・共有を通じて、周囲の力を借り、成果をあげることが容易になります。
仕事におけるコミュニケーションの円滑化
仕事を行う上では、他者と協力して何かに取り組む場面が多くあります。コミュニケーション能力の高い人は、周囲と意思疎通を図りながら仕事に取り組むことができます。
先ほどの「報連相」にもつながりますが、「主体的に発信する」また「他者の立場を踏まえた情報共有」をしていることで、認識のズレや意見の大きな食い違いも防いでいます。
もちろん自分の都合で仕事を頼むこともあるでしょうが、その際にも相手のメリットなどを考えてなるべくwin-winとなるように、相手の負荷を減らすように依頼することで、スムーズに協力してもらうことが可能です。
まとめ
記事では「コミュニケーション能力とは何か?」から「コミュニケーション能力の鍛え方」までを紹介してきました。
人は「社会的な生き物」ともいわれる通り、周囲と関係を築いて生きていくものです。とくに仕事においては、周囲と連携して成果を上げるコミュニケーション能力が求められます。
コミュニケーション能力を構成する「発信力」と「受信力」、どちらも鍛えることで確実に向上できるものです。
HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、「人を動かす」一段上のコミュニケーション能力を身に付けられるデール・カーネギー・トレーニングを提供しています。
世界100か国以上、900万人以上が受講してきた『人を動かす』に基づくコミュニケーション能力強化のプログラムです。ご興味あれば、ぜひ下記から詳細をご覧ください。
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