新入社員研修で使う資料作成のポイント!目的や資料作成のコツも紹介

更新:2023/07/28

作成:2022/04/23

高嶋 阿由里

高嶋 阿由里

株式会社ジェイック

新入社員研修で使う資料作成のポイント!目的や資料作成のコツも紹介

新入社員研修で使用する資料は、新入社員にとってわかりやすいと同時に、新入社員があとから自分で復習・振り返りができるようにすると効果的です。

 

記事では、新入社員研修の効果を最大化し、新入社員の成長を加速させる資料作成のポイントを解説します。

<目次>

新入社員研修の資料を作成する目的

まず新入社員研修の資料を作成する目的から確認していきましょう。

 

①新入社員が研修後に復習できるようにする

新入社員だけでなく、研修受講者の特徴として、講師が話している内容に意識が向いてしまいます。講師に意識が向くこと自体は素晴らしいことですが、講師の内容に意識がいくと、メモを取る手が追い付かないことも多々あります。

 

とくに新入社員研修はインプットする知識量が多い特徴もありますので、資料は簡易な内容ではなく、資料を読むことで「ある程度は研修の内容が理解できる」ように作成することがお勧めです。

 

②口頭で伝わりにくい内容を視覚化する

新入社員研修でレクチャーする内容は、仕事の心構えやビジネスマナー、報連相の重要性、実践的な内容など幅が広いです。新入社員にとって、講師の話を聞くだけでは理解が追い付かない内容もあるでしょう。

 

また、新入社員は仕事に関してまだ知らないことがたくさんあります。イメージできないことを口頭だけで説明されても、内容の理解はしにくいものです。そこで、図やデザインなど視覚的にわかりやすくまとめた資料を作成することで、新入社員の研修理解が深まります。わかりやすい資料を通じて、新入社員の研修理解を深めることが、資料を作成する目的の一つです。

 

③人事の工数を削減する

新入社員向けの研修資料を毎年作成することは忙しい人事にとってかなりの負荷になります。担当分野によりますが、新入社員研修を準備する期間は、翌年度の新卒採用、新年度の向けた評価や異動等の準備、新入社員の受け入れ準備など、やらなくてはいけないことがたくさんあります。

 

新入社員研修の資料作成は、マニュアルやテンプレートになるものを作成しておくことで、人事の工数削減を図ることも目的の一つです。新人や研修の目的に合わせて内容を微調整することで研修準備が終わるようにすることがポイントです。

新入社員研修の資料の作成ステップ

次に新入社員研修の資料を作成するステップを見ていきましょう。
資料の作成ステップ、というよりは、研修内容の決定ステップといってもいいかもしれません。まず研修内容がしっかりと決まらないと資料作成には入れませんので、研修内容の詳細を決めていくステップをしっかりと押さえておきましょう。

 

資料作成ステップ① 資料作成の目的を確認する

最初に、資料を作成する目的を確認しましょう。前章で3つの目的を解説しましたが、どの目的にウェイトを置くかによっても、資料の内容や構成が変わるでしょう。

 

資料作成ステップ② 各部署に必要な内容をヒアリングする

次に各部署に新入社員研修で必要な内容をヒアリングしましょう。

<ヒアリングの内容>

・配属時点で新入社員にどのような意識やスキルが欲しいか?
・とくに身に付いていて欲しいものは何か?
・知っていればいい内容はどれか?

資料作成する前に、各部署にヒアリングして研修プログラムや資料内容を検討していきましょう。

 

資料作成ステップ③ 新入社員研修で身に付けてもらうスキルを選定して内容を決める

ヒアリングを踏まえて、新入社員研修を通して新入社員に身に着けてもらいスキルを決めます。

 

一般的には、

・社会人としてのマインドセットや心構え
・ミッションビジョン、自社で働くうえでの組織構成、共通言語
・基礎的なビジネスマナーや報連相など
・配属後に必要となる基礎スキル

といったテーマになるでしょう。

 

限られた研修期間で身に付けられる内容は限られます。
よって、研修スケジュールや各部署からヒアリングした内容、新入社員研修の目的などを照らし合わせて、身に付けさせたいスキルを選定することがポイントです。どの内容に研修内でしっかりと時間を割くかによって、資料作成のポイントも変わってきます。

新入社員研修の資料作成 3つのポイント

次は、研修効果を上げるために大切な資料作成のポイントを解説していきます。

 

資料作成のポイント① 資料に目次を付ける

新入社員は教える内容や幅が多岐にわたります。資料には目次を付けて、新入社員が研修後に振り返りやすくしましょう。
スムーズに振り返りがしたい項目をすぐに探せて、復習をしやすく、また、OJTに入ったとき等にも手引書として役立つようにしましょう。

 

また、目次を作成することは新入社員だけでなく、資料を作成する側にもメリットがあります。はじめに目次を作成することで、資料の構成をイメージしやすくなります。実際に資料を作成するときにも、アウトラインや目的と構成内容がブレていないかを確認しやすくなるでしょう。

 

なお、目次があると、研修を行なうときや説明するときにも全体像の共有が容易となり、新人の理解を深めやすくする効果もあります。

 

資料作成のポイント② 内容を詰め込みすぎない

1ページに内容を詰めすぎると、“何が重要”で“何を学べばよいか”が、一見したときに理解できません。基本となりますが、図やグラフを用いて、新入社員でも理解しやすいように作成を心がけましょう。

 

また、資料内容を構成するときには、

・MECEを意識する
・箇条書きを活用する

を取り入れると、簡潔でわかりやすい資料になるでしょう。

 

どうしても補足事項や用語の説明で内容が多くなる場合は、別ページへの記載等の工夫もおすすめです。

 

資料作成のポイント③ 他者からフィードバックをもらう

他者から資料へのフィードバックをもらうことも、分かりやすい資料を作るうえで大切なポイントです。資料を作成していると、自分で気付けない箇所も数多く出てきます。資料を作成した後には、積極的にフィードバックをもらって、内容を修正していきましょう。

見やすい資料を作成するコツ

WordやPowerpoint等で見やすい資料を作成するには、デザイン上もいくつかのコツがありますので、紹介しましょう。

 

箇条書き、カラーリング、図形をうまく使う

見やすい資料を作成するコツとして、箇条書き、カラーリング、図形を上手に活用することが大切です。

・箇条書き
→並列するいくつかの要素を分かりやすく伝えるには、箇条書きを有効活用しましょう。
・イラスト
→カラーで資料を作る際、使う色をベースカラー、メインカラー、アクセントの3色程度に抑えることで、見やすく、また注目させたい箇所を分かりやすくすることが出来ます。
・図形
→ものごとの全体像や事柄の関係性をわかりやすく伝えるうえでは、図形をうまく活用することがお勧めです。

それぞれ基本的な手法ですが、3つをしっかり押さえるだけで、資料は見やすくなります。

 

デザインの4原則

デザイナーではない方でも使える「デザインの4原則」という考え方があります。配布資料やパワーポイントを作成するためには、先ほどの箇条書き、カラーリング、図形に加えて、4原則を押さえておくと見やすい資料を作ることができます。

 

-整列
“整列”は、要素を整えて配置することです。資料の中で、“左揃え”や“中央揃え”などが混在している資料はとても見にくいものです。とくに、同じ階層にある情報はきちんと同じ位置に行頭を揃えて整列させる等をするだけで、情報が見やすくなります。

 

-近接
“近接”は、近い関係性の要素をグループ化して近距離におく、逆に遠い関係性にある要素は少し離れた場所に置く等で、見た目に情報の関係性を反映させると理解しやすくなります。

 

新入社員研修の資料で考えると、スライドや資料の一枚一枚だけでなく、目次を作成する時に研修内容の近接性を意識しておくと、後々振り返りがしやすい資料になるでしょう。

 

-反復
“反復”は、同じ仕様を繰り返し使うことで、資料を見る人が理解しやすくなる効果です。たとえば、同じ内容のスライドを作成する際には、デザインフォーマットやスタイルを繰り返し使用したほうが、理解されやすくなります。書籍の見出しや文章の構成なども、反復の手法が取り入れられています。

 

-強弱(コントラスト)
“コントラスト”は、強弱をつけるという意味です。色、フォントサイズ等にコントラストを用いることで、読み進めやすい、また、注目して欲しい箇所に目線が集まるデザインになります。

 

だらだらとすべてを同じフォントで作成する等ではなく、情報量を絞り、注目させたい箇所は思い切って目立つようにするのがポイントです。なお、「反復」のルールと合わせて、いくつかパターンを決めて、資料の中で繰り返し使うことで、見る側にとって「重要な箇所」がより分かりやすくなります。

“チェックリスト”を研修資料に盛り込む

新入社員研修の資料を作成する際には、研修で学んだことが、「実際にできるようになったのか」を新入社員に確認してもらうためにチェックリストのページを盛り込むこともおススメです。

 

チェックリストを盛り込むことで、新入社員が

・できるようになったこと
・まだできていないこと

などを確認しやすくなります。

 

また、新入社員に定期的にチェックリストを記入して提出してもらうと、「全体の進捗」「○○さんが苦手な内容はどこか?」などを把握して指導に反映することが出来ます。また、新入社員の理解状況を客観的に知ることで、人事や研修担当者は、翌年度の研修改善につなげることも出来るでしょう。

まとめ

記事では、新入社員研修で使用する資料作成のポイントを解説しました。

 

  • 1)目的の明確化
  • 2)各部署へのヒアリングと新入社員に身に付けてもらいたいスキルの選定
  • 3)資料のアウトラインと内容作成
  • 4)周囲にフィードバックをもらう

といったステップを通じて、分かりやすい資料を作成しましょう。

著者情報

高嶋 阿由里

株式会社ジェイック

高嶋 阿由里

明治学院大学卒業後、精密機器メーカーに勤務。新規事業をPJとして立ち上げから収益化までを行い、事業部にまで発展させる。その後、住生活関連のベンチャー企業に入社し、人事として社長直下で働いた後、ジェイックに入社。ジェイックでは、講師として受講者に寄り添い、現場でチームメンバーと協働して動ける「自立型人材」を育てる研修に特徴がある。

保有資格

「7つの習慣®」担当インストラクター、アンガーマネジメントファシリテーター、EQPI®トレーナー等

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