話し方は表情筋を鍛えたり、朗読したりすることなどのトレーニングを通じて確実に上達するスキルです。
話し方が上達すれば、営業成果に直結したり、マネジメントがスムーズになったりするなどのメリットがあります。
特に営業職や人事、広報職など不特定多数の人と関わることが多い職種では効果を感じられるでしょう。
本記事では話し方トレーニングの方法やツール、また、伝わりやすい話し方をする人の特徴も解説しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
<目次>
- 話し方トレーニングの方法4選
- 話し方トレーニングのおすすめツール・サービス
- 話し方トレーニングで得られる成果
- 伝わりやすい話し方の特徴5つ
- 話し方トレーニングが有効な職種
- デール・カーネギーの話し方トレーニング
- まとめ
話し方トレーニングの方法4選
話し方トレーニングとして基礎になるおすすめ方法は、以下の4つです。
- 1.表情筋を鍛える
- 2.腹式呼吸を身につける
- 3.朗読をする
- 4.1人で対話してみる
いずれも1人で始められることばかりなので、ぜひ取り入れてみてください。
1.表情筋を鍛える
表情筋を鍛えることで話している最中に自然な笑顔を作れるようになり、相手に好印象を与えられます。
表情筋を鍛えるおすすめの方法は「あいうえお体操」です。口を大きく開けて「あ・い・う・え・お」と繰り返し発声することで、口の周りの筋肉が鍛えられます。
ぜひ鏡に向けて、意識的に口を大きく動かしてやってみてください。
2.腹式呼吸を身につける
腹式呼吸を身につけることで、通りのいい声を発せるようになります。腹式呼吸とは、息を吸うときにおなかを膨らませ、吐くときに凹ませる呼吸方法のことです。
意識するだけで身につけるのはかなり難しいので、トレーニングの時間を取ることが有効です。腹式呼吸トレーニングの手順は、以下の4ステップです。
- 1.仰向けの状態でへその下に手を当てる
- 2.息を吸うときにおなかを膨らませる
- 3.吐くときにおなかを凹ませる
- 4.1~3を繰り返す
毎日5分行うだけでも腹式呼吸が身につけられ、声質がよくなります。
話し方のトレーニングに声質が重要なのかと思う人もいるかもしれませんが、話を聞く相手に与える印象という点において、声質や声量、声のペースなどは話の内容と同じぐらい重要です。
また、腹式呼吸を身に付けることで滑舌等も良くなりますので、ぜひ試してみてください。
3.朗読をする
話しているときに言葉がスラスラと出てくるようにするためには、朗読のトレーニングがおすすめです。
書籍を朗読する過程でさまざまな語彙を吸収できますので、積み重ねることで表現力が豊かになります。
ただし、朗読する際は黙読にならないように注意しましょう。黙読になってしまうと流れ作業になり、頭の中に発した語彙が残らなくなってしまいます。
人に聞かせていると意識しながら声に出して読むことが大切です。
また、朗読中に録音をしてみるのもおすすめです。
自分の声を聴くのは気恥ずかしいものですが、朗読している際の抑揚の有無や話すスピードをチェックでき、自分の話し方の癖がわかるようになります。
4.1人で対話してみる
筋の通った話ができるようになるトレーニングとして、1人で対話してみるのもおすすめです。1人で対話することで得られる効果は、論理的に考える癖を身につけられることです。
取り組む際のポイントは、ひたすら「なぜ?」「どうやって?」と5W1Hで深掘りしていくことです。
1人での対話は頭の中で考えるだけでも問題ありませんが、紙に書き出してみたり、声にだしてみたりすると、思考プロセスを捉えやすくなるでしょう。
話し方トレーニングのおすすめツール・サービス
話し方トレーニングは道具なしでも取り組めますが、ツールを活用すればより効率よく進められます。
また、近年では話し方を磨くためのサービスもあるので、必要に応じて活用してみるのもいいでしょう。ここからは、話し方トレーニングを行ううえでおすすめのツールやサービスを紹介します。
1.ボイスレコーダー(スマフォ)
以前はボイスレコーダーを買おうとするとそれなりの値段がしましたが、いまは殆どのスマフォに録音機能が付いており、ボイスレコーダーとして使えます。
スマフォのボイスレコーダーで自分の話しているところを録音してみると、話し方の癖やスピード、トーンなどに気づけるようになります。
実際にスピーチしたり顧客と打ち合せをしたりする機会がある人は、その現場を録音してみてください。聞き返してみることで、改善すべき言い回しや話の内容がわかるようになるでしょう。
スピーチやプレゼンテーションを行う機会がない人は、先述した朗読トレーニングで録音してみるといいでしょう。
2.トレーニングアプリ
スマフォで話し方トレーニングができる「トレーニングアプリ」もおすすめツールの1つです。トレーニングアプリを使うと、話すスピードや声の大きさに関してフィードバックをもらえます。
また、トレーニングアプリによっては話の練習をするために、他ユーザーとフリートークができるアプリもあります。
話し方トレーニングでうってつけなのは「話すこと」なので、積み重ねることで、いざ話すときにも言葉がスラスラと出てくるようになるはずです。
面接対策を目的に話し方トレーニングに取り組んでいる方は、HRドクターを運営する株式会社ジェイックが提供している面接練習アプリ「steach」もおすすめです。
steachは神奈川県のプロジェクト支援も受けて開発された面接練習アプリで、自分の喋り方、話の内容や声、表情に対してAIからフィードバックを受けることができます。
利用は無料ですので、面接に苦手意識を持っている方はぜひご利用ください。
リンク:面接練習アプリsteach
3.話し方講座
「話し方を上達させたい」というニーズは年々高まってきていることもあり、近年では有料の話し方講座も増えてきています。
多くの話し方講座では話し方のテクニックを教わったり、同じ目的を持った受講生とお題に沿って話をしたりします。
社内教育の一環として、話し方講座を導入するのも1つの手です。
他の方法よりもコストはかかってしまいますが、スピーチや話術のプロから実際に教われるため、効果的にトレーニングできるでしょう。
話し方トレーニングで得られる成果
話し方トレーニングを積み重ねて上手に話せるようになると、仕事の場であらゆる成果を上げられるようになります。
取引先や顧客からの印象がよくなったり、プレゼンやスピーチの効果を高められたりします。
取引先や顧客からの印象が良くなる
商談の場などで上手に話せるようになれば、取引先や顧客からの印象がよくなり、営業成果に繋がります。
淡々と機械的に話す人と、伝わりやすさを意識して話している人では、後者のほうが好印象を持たれるものです。営業職や販売職の人はとくに効果を感じられるはずです。
プレゼンやスピーチの効果を高められる
話し方を鍛えればプレゼンテーションやスピーチで正確に伝えられるようになり、聞き手側も話を受け入れやすくなります。
とくに人に指導したり、影響を与えたりするような業務の場合は、プレゼンテーションやスピーチ力が仕事の成果に直結します。
講師や人事担当者、広報、また、企業の経営者や幹部など、大人数の前で話す機会が多い人は、成果を感じやすいでしょう。
伝わりやすい話し方の特徴5つ
話が上手な人は、伝わりやすい話し方をしているものです。本章では伝わりやすい話し方の特徴5つを紹介しますので、ぜひ話し方のトレーニングとして真似してみてください。
- 1.論理的で筋道を立てて話している
- 2.わかりやすい言葉を使っている
- 3.具体例やたとえ話を使う
- 4.情報量を絞り込んでいる
- 5.感情に訴えかけている
順番に見ていきましょう。
1.論理的で筋道を立てて話している
伝わりやすい話の前提とも言えるのが、論理的で筋道が立てられていることです。論理的とは、主張と根拠が繋がっている状態のことです。
話の論理が整理しなかったり破綻したりしていると、全体像や主張に至るまでの筋道が分からず、聞き手が混乱してしまいます。
論理的な話をするためにおすすめの方法は、はじめに結論と全体構造を伝えることです。聞き手の頭の中に、結論と全体像を描いてあげると、理解しやすくなります。
2.わかりやすい言葉を使っている
話す内容の中でわかりやすい言葉を使っているかどうかも大切です。
分かりにくい言葉を多用されると、聞き手は言葉の理解に時間がかかってしまい、話についていけなくなります。また、そのうち思考停止して、話を聞こうとしなくなる場合もあるでしょう。
そのため、相手の理解レベルに合わせて言葉を選ぶことが大切です。
どうしても難しい言葉を使わなければいけないときは、聞き手の理解を追いつかせるために、適宜意味を説明してあげるといいでしょう。
私たちは、つい“自分が馴染んでいる言葉”を使ってしまいがちです。
そのなかに業界用語や専門用語、社内用語、略語、一般的な意味とは違う意味で使われる言葉などが混じっていることは良くあります。
聞き手がどのような人なのかわからない場合は、中学生でもわかるくらいの言葉で説明するのがおすすめです。
3.具体例やたとえ話を使う
聞き手の理解を促すには、具体例を含めることも有効な方法です。
相手がイメージしやすい具体例やたとえ話を用いることで、話の内容と聞き手が持っている知識を結び付けられるようになり、理解が進みやすくなります。
反対に具体例がないと話が抽象的になりがちで、聞き手が理解できなかったり、できたとしても時間がかかったりします。
なお、具体例を用いる際は、聞き手側にとってなじみのある事例や事柄を基に展開することが大切です。聞き手にとってイメージしにくい具体例では、理解を促す効果は薄くなってしまいます。
4.情報量を絞り込んでいる
伝わりやすい話は基本的に、伝えたい情報を中心に話す内容を絞り込んでいます。話の中に情報量が多すぎると、聞き手の理解が追いつきませんし、記憶にも残りにくくなります。
情報量が多いと伝えたいことがぼやけてしまい、聞き手側からすると「何を伝えたいのかわからない」状態になってしまうのです。
話を聞き手にしっかり伝えたいのであれば、伝えたいことを明確にし、不要な情報をそぎ落とすことが大切です。
5.感情に訴えかけている
感情に訴えかけるように話すと、聞き手側が話に聞き入るようになり、理解してもらいやすくなります。どれだけ上手に丁寧に話をしても、聞き手側が聞く態度でなければ聞いてもらえません。
感情に訴えかけるうえで一番重要なのは、熱意をもって話すことです。
また、ストーリーで伝えたり、具体例などを話したりすることも感情を動かすうえでは有効です。相手の頭の中に映像や動画が映し出すことを意識して喋るとよいでしょう。
話し方トレーニングが有効な職種
話し方トレーニングはビジネスパーソンなら誰もが仕事に生かせるものですが、以下4つの職種では、とくに効果を感じる場面が多いでしょう。
- 経営者、管理職
- 営業職
- 講師、人事
- 広報職
1つずつ解説します。
経営者、管理職
経営者、管理職が話し方トレーニングを受けると、社員やメンバーとのコミュニケーションで効果を発揮します。
自分の意見を一方的に押し付けるだけでは、部下は付いて来ません。部下に自分の話を受け入れてもらうためには尊重しながら接し、聞く姿勢を持たせることが重要となります。
話し方トレーニングでは、聞き手側の聞く意欲を維持させる話し方なども身につけられます。
管理職や経営陣が話し方トレーニングで部下にわかりやすく伝えられるようになれば、マネジメント力や成果の向上に繋がるでしょう。
営業職
営業職の場合、顧客や取引先に自社商品やサービスのことを正確に伝え、購買の決定を促すことが求められます。
営業職のコミュニケーションでよくある失敗が、聞き手を置き去りにして一方的に話してしまうことです。
営業職は、相手が知らないこと、また自社のサービスを伝える機会が多いために、こうした失敗が起こりがちです。
話し方トレーニングを経験することで、相手の理解度に合わせて話を進められるようになり、しっかり理解してもらえます。
また、感じよく話せるようになれば聞き手側から好印象を持たれ、営業の成果や受注に繋がるでしょう。特にプレゼンテーションやコンペがある業界では、効果を発揮するでしょう。
講師・人事
講師や人事も人前で話す機会が多いことから、話し方トレーニングの効果を実感しやすい職種です。
両職種とも理解度の異なる複数人を相手に話すことが多いので、より多くの人に伝わりやすい話をすることが求められます。
また、人事の場合は採用活動や研修、人事制度の説明などで相手に影響を与える力が大切になります。
話し方トレーニングでプレゼンテーション力やスピーチ力を磨いておくと、採用成功やインナーブランディングにつながります。
広報職
取材やイベントの司会進行など、オフィシャルな場で話をする機会が多い広報も話し方トレーニングが活きやすい職種の1つです。
広報職は特に対外的な印象をつくるポジションであり、会社のイメージアップに繋がる振る舞いが求められます。伝わりやすさだけでなく表情や声のトーンなども鍛えておくと、より効果的です。
デール・カーネギーの話し方トレーニング
HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、「話し方を鍛えたい」というビジネスリーダーの需要にこたえる形で、話し方トレーニングで有名なデール・カーネギーと公式に提携して話し方トレーニングを提供しています。
ジェイックが提供している講座は「コミュニケーション&リーダーシップ講座」と「プレゼンテーション・トレーニング」の2つです。それぞれについて詳しく紹介します。
コミュニケーション&リーダーシップ講座
「コミュニケーション&リーダーシップ講座」では、コミュニケーション力やマネジメント力を高めたい管理職およびチームリーダーを対象とした講座です。
リーダーシップを発揮するうえで必要になる内容を、人間関係の原則に基づいて提供いたします。
【コミュニケーション&リーダーシップ講座の内容】
- 従業員のエンゲージメントを高める方法
- モチベーション理論
- コーチングテクニック
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- フィードバック
- タイムマネジメント
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- メンバーを育てる褒め方
リーダーシップを発揮してチームをまとめることで、チームの成果を飛躍的に改善できる可能性があります。マネジメント力を向上させたいリーダーや管理職、経営者層の方にお勧めです。
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プレゼンテーション・トレーニング
「プレゼンテーション・トレーニング」は、プレゼンテーション力を鍛えたい人を対象とした講座です。
トレーニングを通じて、人を惹きつけたり動かしたりするプレゼンテーションスキルを身に付けられます。
経営者や管理職の人であれば社員やメンバーの心を掴んで動かしたり、営業であればコンペのときに競合を圧倒できたりするようになるでしょう。
プレゼンテーション・トレーニングの特徴は、伝わりやすいプレゼンテーションについて体系的に学ぶだけでなく、実践形式であることです。
毎回の講座で、プレゼンテーションを撮影し、プロの講師からのフィードバックを得られるという非常に実践的なトレーニングです。
まとめ
日本では話すことに苦手意識を持っているビジネスパーソンも多いですが、話し方はトレーニングで確実に上達できるスキルです。
上手に話せるようになれば聞き手の印象がよくなり、商談の場であれば成約に繋がる、マネジメントであれば部下を動かせるようになるでしょう。
記事で紹介した4つの話し方トレーニングは1人でも取り入れられるので、できることからぜひ始めてみてください。
また、プロの指導を受けて飛躍的に話し方を鍛えたい人向けに、HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、話し方教室で有名なデール・カーネギー社と公式に連携して、『人を動かす』話し方トレーニング、また、プレゼンテーション・トレーニングを提供しています。
ご興味あれば、ぜひ下記よりお問い合わせください。
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