ボスの条件
皆様、ジェイックの知見寺（ちけんじ）でございます。
先日、上海で、ある会社の朝礼を見学に伺いました。
朝礼の開始は、月曜日の８：３０。
当日はひどい土砂降り。
ところが、遅刻する社員さんはひとりもいませんでした。
これだけで、この会社の教育レベルの高さを感じました。
教育でもっとも力を入れているのが、朝礼。
朝礼では、日創研さんの「１３の徳目」の小冊子を使って、
一人ひとりが意見を発表します。
明るい元気なとても良い雰囲気で朝礼が進んでいきます。
この朝礼を始めて1年たったくらいから、中国人社員の皆さんの
考える力と表現する力、更には感謝する力について、
成長していると実感したそうです。
私も、読んだことがありますが、「１３の徳目」は
非常に良くできている小冊子だと思います。
「１３の徳目」の詳細は以下ＵＲＬから、ご確認ください。
http://www.arigatou-keiei.jp/13tokumoku/13tokumoku_set.html
さて、今回は上海セミ・ホーダイにて、既に４回も講演をして
いただいている古閑総経理のお話しからご紹介させていただきます。
セミナーのタイトルは、「あなたは、老板と呼ばれていますか？」
古閑さんは、単身で上海にきて７年、継続して会社の業績を
伸ばし続けています。
会社の日本人は、古閑さんだけ。１３人の中国人を
マネジメントしています。
７年間の経験から、中国人社員から「老板」と呼ばれるような
存在に、日本人TOPがなることが、ビジネスを成功させる
重要なポイントだと、実感されています。
「老板」を辞書で調べると、会社、工場など私企業の
所有者・経営者と書かれています。
的確な翻訳がないのですが、しいて言うと「ボス」と
いう感じでしょうか？
「ボス」も外来語ですね。（笑）
日本で言う社長は、中国では、「総経理」ですが、
中国人からすると「老板」と「総経理」では大きく
異なるようです。
中国人は、「総経理」はポジション・役割的な意味合いを感じ、
「老板」は親しみを持ち、距離が近く感じる。
人として尊敬する対象でもあります。
確かに、社員から尊敬される存在であれば、
マネジメントも上手く回りそうですよね。
そこで、中国人社員から、「老板」と呼ばれるように
なるベースとして、
中国語を学ぶ
中国の文化を学ぶ
中国人の流行を学ぶ
ことを、古閑さんは薦めています。
上記のことを学ぶために、セミナーの中で、古閑さんから
お薦めの書籍や映画、ＴＶ番組の紹介がありました。
＜書籍＞
「上海」 田島栄一著 ＰＨＰ新書
「貝と羊の中国人」 加藤徹著 新潮新書
「上海」 榎本康子著 中公新書
「中国の大問題」 丹羽宇一郎著 ＰＨＰ新書
「大地の咆哮」 杉本信行著 ＰＨＰ
「大地」 パールバック著 新潮文庫
「大地の子」 山崎豊子著 文春文庫
「ワイルド・スワン」 ユン・チアン著 講談社文庫
＜映画＞
「南京南京」
（南京事件を題材に、日本人の苦悩も表現しています）
「1942」（河南大機飢饉）
「泰国」（バラエティ）
「非誠勿擾」（バラエティ：中国人の北海道旅行火付け）
＜テレビ番組＞
「舌尖上的中国」
（これは中国食文化のほか、中国語の勉強になる秀逸番組）
「中国好声音」（中国版スター誕生）
「時尚生活」（上海流行）
「CCTV総合新聞」
古閑さんがお薦めしている本の中では、元上海総領事の
杉本さんが書かれた「大地の咆哮」を読んだことがあります。
杉本さんは、上海総領事在任中に末期ガンが判明し、
その病苦を押して書き上げた本です。
外交官として長年の中国勤務の体験を踏まえて、
政治・経済・外交・軍事から農村問題にいたるまで、
自分の経験と考えを、脚色や誤魔化しなしに記述しています。
直接ビジネスで中国に関係ない方でも、
是非、読んでいただきたい１冊です。
「大地の咆哮」
詳細は以下のアマゾンのサイトにてご覧ください。
杉本さんは、「中国認識で大切なことは、机上の理論を
排した現実に即して中国を理解することだ」と仰っています。
中国にいて、自分の眼で見て、耳で聴いて、肌で感じることを
おろそかにしてはいけないと実感しました。
