「稲盛さん 驚きの目標設定@京セラ中国」【知見メール224号】

稲盛さん 驚きの目標設定@京セラ中国

 

 

皆様、ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。

 

 

 

中国のネットの雄アリババが

運営する支付宝(アリペイ)は、ご存知でしょうか?

 

 

スマートフォンにアプリを設定すると、

いろんなものの支払いが簡単にできます。

ネットショッピングの支払はもちろん、

電気代や水道代などの

公共料金の支払いもできますし、

食事をして割り勘にしたときも、

支付宝で支払いができます。

ある人が、食事をしてお金を全員分支払ったら、

割り勘した金額をこの支払った人へ、

支付宝を使って支払います。

 

現金を動かす必要がありませんし、

細かく割った数字でも面倒になりません。

 

ちょっと、分かりにくいかもしれませんが、

個人から個人へ、

スマホを使ってネット上でお金のやり取りができます。

 

私も、中国人社員の力を借りて

登録しましたが、とても便利です。

 

 

実は、支付宝を登録した

一番の目的は別にありました。

 

支付宝の口座にお金を入れておくと

利息が付くのですが、

1万元(20万円)預けておくと、

1日1元から2元(20円から40円)

くらいの利息が付きます。

 

しかも、これは毎日の複利です。

 

計算してみてください、

0.0002%の毎日の複利を年利に換算すると、

どれだけになるか?

 

 

年利約7.57%です。

日本の普通預金の口座とは

比べものにならないですよね。

 

 

中国の銀行の普通口座にある元を、

どうせなら支付宝に預けようと思ったのです。

 

ところが、スマホから、

お金を支付宝に入れようとすると

 

「中国の身分証がないと、預け入れできません」

 

とメッセージがでます。

 

残念ですが、当然でしょうか。。。

 

 

アリババは、ここで集めたお金も含め、

莫大な余剰資金を使って、

中国の中小企業への融資の事業に乗り出しています。

国営の大手銀行が手を出していない領域です。

 

融資の事業に乗り出すことによって、

化ける可能性のある事業の情報が

アリババに集まります。

 

 

中国にいると、お金と情報、

そしてネットのインフラをもつ、

アリババが今後どんなことをするのか、

目が離せないです。

 

 

 

さて、今回は、先月6月3日に、

上海で講演をしていただいた、

京セラ中国の責任者、

後藤総経理のお話しをご紹介したいと思います。

 

 

京セラさんは、1974年の中国進出以来、

現在では社員数2万1000人を超えています。

 

そんな、中国の京セラを率いるのは

京セラ本体の執行役員でもあり、

5年前に上海に赴任した、

京セラ(中国)の董事総経理の後藤さんです。

 

その後藤さんに、どうやって

京セラフィロソフィーを中国人社員に浸透させ

中国人社員を育成したのか、

お話しいただきました。

 

 

後藤総経理は、上海に赴任する前に、

アメリカ、シンガポールと

海外駐在を経験されていらっしゃいます。

 

 

50分ほど、後藤総経理から講演をしていただき、

その後1時間は、参加者の皆さんに

書いていただいた質問カードを私が読み上げ、

後藤さんに回答をしていただきました。

 

 

「中国人、アメリカ人、シンガポール人で

京セラフィロソフィーの

伝わり方に違いがありましたか?」

との質問がありました。

 

後藤さんの回答は、

「違いはないですね。

人として正しいことをしましょうというのが、

京セラフィロソフィーの根本ですので、

どこの国の人かは関係ないですね。」

「ただ、説明の仕方や言葉は、

国に合わせて変えています。」

 

 

京セラフィロソフィーを伝える場のひとつとして、

飲み会や社内にある和室

「集思堂」で社員と直接対話をしています。

 

 

「私は、頑張っています!」

という発言があったときに

「頑張っているっていうのは、どういうこと?」

と質問を投げ返します。

 

京セラフィロソフィー、経営12か条のひとつ

 

「誰にも負けない努力する」

 

誰とは、同僚である他者ではなく、

自分に負けない努力をすることだと

気付いてもらえるよう、説明するのではなく、

質問をし続けるのだそうです。

 

 

また、目標を達成できなかったり、

決めたことを実現できなかった場合には

 

「やれなかった?やらなかった?どっちかな?」

 

と投げかけます。

 

 

とにかく、社員との直接対話の場を重視して、

たくさん持つようにしていらっしゃいます。

 

ですから、社内の飲み会でダブルヘッダーの

はしごはよくあることだそうです。

 

トップが京セラフィロソフィーを浸透させるために、

自ら情熱をもって、時間を投入していることに、

率直に流石だな、と思わされました。

 

 

 

最後に、後藤さんの座右の銘をお聞きすると

 

「想いは叶う!」

 

とのこと。

 

また、今の後藤さんの「想い」は何か、

お伺いすると、

 

「5年前に赴任した時には、

稲盛から中国で1,000億円の

ビジネスにする目標を受けました。

先日5月に上海で会うと、

1,000億円がみえてきたせいか、

5,000億円はやらないとな!」

と言われたそうです。

 

 

後藤さんから

「中国で5,000億円を達成することが、

今の私の想いです!」

との宣言がありました。

 

オーナーの命を受け

中国ビジネスを立ち上げている

私からしますと、捉え方が凄いです。

 

 

このセミナーの後、

御礼として後藤さんと会食させていただきました。

その場で、頭に浮かんで

拭い切れないでいたことを質問しました。

「最初、1,000億円と言われ、

達成がみえてきたら更に5,000億円が目標だ、

と言われたとき、

目標がどんどん高くなることを

後藤さんは自分の中でどう処理されたんですか?」

 

「この中国は京セラが1,000億で終わるくらいの

マーケットではないと

示唆を受けたと感じましたし、

事実私もそうだと思います。」

と、確信のこもった力強い返答でした。

 

 

私は、上海に赴任するとき、社長に

「日本のジェイックの売上を超えるまで、

戻ってこなくていい!」と言われました。

 

「戻る戻らないの前に、

それは簡単ではないですよお」

 

「だって、中国の人口は日本の10倍以上だろ。

簡単じゃないか!!」

 

「いやいや。。。」

 

後藤さんの話しをお聞きして、

自分の捉え方の小ささに、へこみました。

 

最後にセミナーの中で

説明された京セラ中国さんが

求める人材をご紹介します。

 

1.自律型感動型人間

自ら考え、自ら学び、自ら人の為に行動し、

それにより周囲の人に感動を与える

 

2.素直な心をもつ人

自分自身のいたらなさを認め、

日々努力する謙虚な人

 

3.共感能力がある人

人と心を通わせ、

国籍、年齢、性別に関わらず

相手の意見を良く聞き、

尊敬する気持ちを持ち、

職域を超えて共感の輪を広げて

価値創造ができる人

 

 

著者情報

知見寺 直樹

株式会社ジェイック 執行役員|上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 副董事長

知見寺 直樹

東北大学を卒業後、大手コンサルティング会社へ入社。その後、株式会社エフアンドエム副本部長、チャレンジャー・グレイ・クリスマス常務取締役等を経て、2009年ジェイック常務取締役に就任。総経理として上海法人(上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 )の立ち上げ等を経て、現在はHumanResourceおよび事業開発を担当する。

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