「信じると決めたから、信じる」【知見メール125号】

「信じると決めたから、信じる」

 

 

皆様、ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。

 

 

現在、弊社では、2012年入社の新卒採用活動を行なっています。

 

入社4年目の女性社員を中心に、

6名のプロジェクトチームで動かしています。

みんな本来の自分の業務がある中で、

更に新卒採用プロジェクトの業務を担当してくれています。

 

 

めちゃくちゃ忙しいはずなのですが、

このプロジェクトに関わっているメンバーは、

6名全員がイキイキと仕事をしているように感じます。

 

・ ジェイックの仲間として加わってもらう学生はどんな人が良いのか?

・ ジェイックの良さってどこだろう?

・ それはどうすれば、学生に上手く伝わるのだろうか?

 

ということを考え、しかも実際に学生に対してこれらのことを、話します。

 

また、学生から

 

・ どうしてジェイックを選んだのですか?

・ 今の仕事は、どう思っているのですか?

・ 将来は、どうなりたいと考えているのですか?

 

などの質問が飛んできます。

 

 

きっと、若手社員にとって採用活動ほど、

 

・ 自社の社会的価値を感じる

・ 自分にとって、自社の意味を感じる

 

場はないのでは、と思います。

 

 

さて、今回は、先週の水曜日、4月20日に

弊社主催で行なったセミナーをご紹介します。

 

 

セミナーの講師は、昨年8月までマクドナルド社員で

いらっしゃった鴨頭(かもがしら)さんです。

 

鴨頭さんは、全国にあるマクドナルド3,400店舗の中で、

お客様満足度全国1位

従業員満足度全国1位

セールス伸び率全国1位

の3冠王を受賞したことのある方です。

 

その後は、店長を指導する立場に当時最年少で着任し、

全世界のマクドナルドでの優秀社員表彰まで受けていらっしゃいます。

 

 

そんな鴨頭さんですが、店長に昇進した初めてのお店で大失敗します。

(仙台一番町店です。私は大学が仙台でしたのでよく知っていますが、

一番町というのは東北一のショッピングモールです。)

 

 

利益は上げているお店でしたが、

お客様へのサービスやアルバイトの仕事振りは、

レベルがとても低かったのです。

 

そこで、鴨頭さんは、着任するとすぐに

全社員、全アルバイトを集めて、こう宣言します。

 

「このお店はマクドナルドの基準からすると、全て基準外だ。

これからは、俺が基準だ。ついてこられないヤツは辞めてもいいぞ!」

 

 

鴨頭さんは、朝4時から深夜まで、休みなく働きます。

ただ、休まなかったのではなく、休めなかったのです。

 

自分がいないときに、アルバイトが接客に手を抜くのではないか?

商品のオペレーションが遅くなるのではないか?

雑になりはしないか?

社員は、アルバイトと一緒になって自分の悪口を言っていないか?と。

 

時には、先に帰るふりをして、お店を外から見ていたこともあります。

 

今振り返ると、少し精神を病んでいたかもしれないと、思うそうです。

 

 

従業員のモチベーションは、ぼろぼろ。お店の数字も最悪でした。

結局、このお店を10ヶ月で去ることになります。

 

 

 

次のお店は、弘前のマクドナルドでした。

社員は、鴨頭さんひとり。他の従業員は全てアルバイトです。

 

 

このとき、前のお店での失敗から得た覚悟が鴨頭さんにはありました。

 

そのきっかけは、前店の送別会で投げかけられた、

唯一慕ってくれていたアルバイトからの一言でした。

 

「店長は、本当にみんなに伝えていたんですか?」

「店長が、なぜマクドナルドを大好きなのか?

このお店をどんなお店にしたいのか?

それは、なぜなのかを・・・。

あと、私たちクルー(アルバイト)にとって、

マクドナルドで働くことがどんな価値や意味があるのかを・・・。」

「僕は、店長の思いを知っています。でも、他のクルーは・・・。」

 

このことから、鴨頭さんは、

「一人ひとりと向き合っていなかった!」と気付き、

「人生を懸けて一人ひとりと向き合おう」と決意します。

 

 

従業員の課題は、自分自身の課題。

できていないことを「自分のせいである」と認識できると、

「どうすればできるようになるのか」を考えるようになる。

 

他責は破壊をもたらし、自責は改善をもたらす。

 

そして、

「信じられるようになる前に、『信じる』と決めます。」

 

 

入店してくるアルバイトを、一人ひとり、必ず、

国道を挟んだ向かいにある繁盛店Mバーガーの前に連れて行きました。

そして、

「こんな風に一杯のお客さんが楽しんでいるお店に一緒にしていこう」

と宣言します。

 

お店の数字も、アルバイトに全て明らかにします。

売上、原価、利益、数字を全てです。

 

 

すると、高校2年生のアルバイトが、ある提案をしてきました。

それは、スタッフの控え室の壁に、

大きな木の絵を描いた模造紙を貼り付けます。

そして、お客さんの名前を覚えたら、

花の形に切り取った色紙にその名前を書いて、

木の絵に貼っていくことでした。

 

いつしか、その木は「ホスピタリティーの木」と呼ばれるようになりました。

 

 

また、ある時、別の女子アルバイトが、質問してきました。

「店長、紙芝居って、いくらするか知っていますか?」

鴨頭さんは、よく分からないと回答します。

 

すると、

「図書館に行けば、ただで借りられるんですよ!

私、これからお店に入るときには毎日、図書館で紙芝居を借りてきます。

そして、お店で紙芝居をやります。」

 

このアルバイトは、お店の数字を知っているので、

お金がかからなくてできるイベントは何かないかと考えていたのです。

 

夕方になると、お店が子供で溢れかえったそうです。

 

 

また、ある時には、男性アルバイトが、

「店長、弘前では卵を月曜日に買うって知ってますか?

弘前では、どこのスーパーも月曜日に必ず卵の特売をするんです。

だから、うちのお店でも月曜日に何か特売にしてはどうでしょうか?」

 

この話をもとに、月曜日限定のテリヤキバーガー割引サービスを始めます。

 

すると、これが大ヒット。

 

 

この頃には、「ホスピタリティーの木」が花で一杯でした。

お客さんのお店に来る目的は、マクドナルドのバーガーではありません。

お店のアルバイトさんに会いたくて、お店に来るのです。

 

 

この弘前のお店から始まって、

全国展開をしたキャンペーンがいくつもあります。

バリューセットのスタンプラリーや、お代わり自由企画、

曜日別ハンバーガー半額企画も、弘前発です。

 

 

 

そして、お店の数字は、月商520万円だったのが、

2年後には、1,200万円になります。

 

 

この年に、弘前店は、3,400店舗中、

お客様満足度全国1位

従業員満足度全国1位

セールス伸び率全国1位

となるのです。

 

鴨頭さんは、こう話しています。

「日本一最低な店長を、日本一の店長にしてもらった。」

「仙台一番町店のときも、弘前店のときも、スキルは変わっていないと思う。」

「変わったのは、従業員を『信じる』と決めたこと」

「本気で一人ひとりと係わろうと決めたこと」

 

リーダーとして、重い投げかけをもらった気がします。

著者情報

知見寺 直樹

株式会社ジェイック 執行役員|上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 副董事長

知見寺 直樹

東北大学を卒業後、大手コンサルティング会社へ入社。その後、株式会社エフアンドエム副本部長、チャレンジャー・グレイ・クリスマス常務取締役等を経て、2009年ジェイック常務取締役に就任。総経理として上海法人(上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 )の立ち上げ等を経て、現在はHumanResourceおよび事業開発を担当する。

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