「中途採用のポイントを俯瞰的にご紹介」【知見メール276号】

中途採用のポイントを俯瞰的にご紹介

 

皆様、ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。

 

GWの前半に、クアラルンプールへ旅行しました。

初めてです。

 

クアラルンプール国際空港に着いたのが、夜12時くらい。

そこからホテルへ移動するのに、通常ならタクシーを使うのですが

Grab(グラブ)というシェアリングの自動車が便利と聞いていたので

試しに使ってみました。

アプリは、事前に日本でダウンロードして、設定までしてあります。

(ただ、支払をクレジットカードで行う設定は、上手くできませんでした。)

 

アプリを立ち上げると、現在地が表示され

どこまで行くのかホテル名を入力。

そして、検索ボタンをクリック。

 

すると、すぐに、この車でいいか?と表示されました。

ホテルまでの料金がでていますが、事前に調べていたタクシー料金より

15MR(マレーシアリンギット、400円くらい)安いです。

また、ドライバーの評価や、顔写真、車種が明示されます。

空港への到着時間も表示されて、5分とのこと。

「OK」をクリックすると、この車の現在位置がスマホ上で

確認できます。

 

そして、時間通り5分で迎えにきました。

にこやかな20代の男性。

深夜で、高速道路がすいていたこともあり、あっという間に

快適にホテルに到着しました。

 

その後、クアラルンプール市内の観光でも、2回Grabを使いました。

最初は歩いて回るつもりだったのですが、暑くてとてもじゃないけど

無理でした。

大きなショッピングモールや観光スポットには、最初からGrabの

ピックアップポイントが、日本のバス停のようにあります。

 

・英語を話すことなく、スマホのアプリ上で完結

・事前に金額が決まっているので、ぼられる心配が少ない

(それでも心配な方は、評点が高いドライバーを選ぶと良いでしょう。)

で、とっても便利でした。

 

1点気を付けるとしたら、WIFIルーターを持っていくこと

でしょうか。

 

マレーシアから日本に観光に来られた方は、日本でも

Grabが使えればいいのにって、きっと思うでしょうね。

 

 

さて、最近、採用に関するご相談をよくいただきます。

特に、弊社のお客様ですと中途採用に関してが多いです。

 

「WEBの求人広告を使って、エントリーは何人かあるけど

実際には面接にきてくれない」

 

という内容です。

 

そこで、今回は、俯瞰的に、中途採用のポイントについて

ご紹介します。

 

まず、採用の前に、自社の定着率を振り返ります。

 

採用の難易度が高くなっているということは

採った社員には、できるだけ長く定着してもらい

戦力になってもらう必要があります。

 

「採っては辞め」では、お金と時間がかかり過ぎます。

 

また、定着率が高いこと自体が、自社の採用力をアップ

する要因となります。

 

尚、新卒採用では、過去3年間の採用者数と離職者数

平均勤続年数の開示が求められます。

定着率が悪いと、新卒採用では絶望的な状況になりかね

ません。

 

早期に退職するタイミングとして、よく挙げられるのは

1)入社して、3ヶ月以内

2)入社して、6ヶ月から1年くらい

3)入社後、3年前後

です。

 

今回の話しは採用ですので、視点だけ簡単に触れると、

1)は、採用と面倒をみる体制の問題

2)は、いわゆるリアリティショック

入社前に期待していたことと実際のギャップ

3)は、今後の成長に対する期待と現状の成長実感の課題

です。

 

定着率をあげる、早期に戦力化する手立ても打ちながら

採用に取り組む必要があります。

 

中途採用活動をスタートする時に、まず取り組んでいただきたいのが

どんな人を採用するか明確にすることです。

 

「採用基準(スペック)の明確化」

 

というキーワードを耳にされたことがあると思います。

 

では、どうやって作ればよいのか、私なりのやり方を

具体的にご紹介します。

 

まず、中途採用した方には

1年後、どんな「成果」を期待するか

そして、できれば、3年後に期待する「成果」まで

文章で書きだします。

ここでのポイントは、「成果」で書くことです。

「成果」ですから、達成したのか、できなかったのか

客観的に判断できる表現になります。

能力要件ではありません。

 

一旦、書き出したら、それを経営者、採用する部門の責任者

採用する方の直接の上司になる社員の3名とミーティングを行い

摺合せを行います。

この時のポイントは、大変でも文章で同意を取り付けることです。

(細かいテクニックで言うと、プロジェクターを使って、

文章を投影しながら行うと進めやすいです。)

 

3者の考えていることは、ほぼ違います。

立場が違うので、当然といえば、当然ですが。

 

そのためにも、1年後、3年後の期待値を明確にするときには

ここまでやってくれたらいいよねという「BEST目標」と

最低ここまでやってもらえれば合格という「OK目標」の

2つに分けて文章にします。

 

倍の文章が必要になるので、面倒に思われるかもしれせんが

3者の期待値が、そもそもBESTで言っているのか

OKで言っているのか、それをすり合わせないと、議論がかみ合い

ません。

また、ひとつの設定にすると、大抵BESTの期待値設定となり

そもそもそれを期待できる人材には会えませんよ!

というような、無意味な目標設定になりかねません。

 

実際に、採用活動で使うのは、「OK目標」です。

 

「OK目標を」実現するために、現時点で必要と思われる

能力・経験・知識・行動特性の4つを文章にします。

 

更に、重要なのは、会社の文化・風土に適合するかどうかです。

どんなに優れた人材でも、御社に適合しないのでは意味が

ありません。

逆に、優秀で適合しない人材は大きなマイナスをもたらす

可能性すらあります。

 

適合するかどうかを判断するためには、まず自社の文化・風土を

文章化して、その中から、採用時に重要な項目をピックアップ

します。

ただ、このアウトプットは非常に難易度が高いです。

定性的なもので、かつ、いろんな見方がありていますので。

 

そこで、私は、この部分に関しては、「マルコポーロ」という

診断を使っています。

選択式の設問に答えると、自社の文化・風土をいくつかの評価軸で

定量的に表現してくれます。

あとは、この診断と同じエンジン上で動く設問に応募者が

回答すれば、自社の文化・風土との適合度を評価してくれます。

(会社側への設問と応募者が答える設問は異なります。)

 

「マルコポーロ」に関心のある場合には、このメールの返信で

ご連絡ください。

弊社の活用事例などをご紹介させていただきます。

 

「採用基準」

・1年後の期待する成果

・3年後の期待する成果

・現時点で持っている必要のある能力・経験・知識・行動特性

・自社に適合する人材の判断基準

を用意して、応募者を募ります。

 

初めて作る時には、100点のものを目指さなくて結構です。

まずは、作成して、どんどん修正して良いものにする進め方を

お薦めします。

最初に作ったものは、感覚的には「50点、60点かな」という

くらいで十分です。

 

ただ、この採用基準を上手く機能させるためには

必要不可欠なことがあります。

 

それは、選べる状態にあることです。

採用枠が1名あり、目の前に候補者が1名しかいません。

しかも、これから応募者が現れる見通しがたっていません。

となると、合理的な判断を下しにくくなります。

 

ですから、自社にフィットした方の応募を増やす活動も

大変重要になります。

 

「採用力」の公式は、

 

(自社にフィットした人材に会える力)

×

(人材を口説く力)

×

(人材を見極める力)

 

「採用基準」は、この3つの力の素になるものです。

面倒なように感じられたかもしれませんが、これがないと

3つの力を高めることが難しくなります。

 

掛け算ですので、どこかが弱いと、最終的に

よい結果を出すことができません。

 

採用力をすぐにアップすることはハードルが高いですが

ひとつひとつ着実に取り組み、レベルアップするしかありません。

 

これからは、「採用力」のある会社でないと成長できないと思います。

更にいうと「戦力化力」も。

 

「採用力」「戦力化力」も、人事が大きくかかわるものです。

私個人としては、人事の強化に本気で取り組む会社かどうかが

これからの企業の盛衰を分けると捉えています。

 

皆さんの会社では、人事の強化ついてどうお考えでしょうか?

 

 

お薦めのお店は、クアラルンプールのバー「Supper Club 」

KLセントラル駅のすぐ近く。冷えた生ビール飲みたいのなら

ホテルよりも、安く飲めます。

https://tabelog.com/malaysia/A8201/A820103/82000515/

著者情報

知見寺 直樹

株式会社ジェイック 執行役員|上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 副董事長

知見寺 直樹

東北大学を卒業後、大手コンサルティング会社へ入社。その後、株式会社エフアンドエム副本部長、チャレンジャー・グレイ・クリスマス常務取締役等を経て、2009年ジェイック常務取締役に就任。総経理として上海法人(上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 )の立ち上げ等を経て、現在はHumanResourceおよび事業開発を担当する。

⼤カテゴリ:

    中カテゴリ:

    関連記事

    • HRドクターについて

      HRドクターについて 採用×教育チャンネル 【採用】と【社員教育】のお役立ち情報と情報を発信します。
    • 運営企業

    • 採用と社員教育のお役立ち資料

    • ジェイックの提供サービス

    pagetop