モチベーションは、人が行動を起こす際の動機付けや目的意識を意味する言葉です。モチベーションは多くの科学的研究がなされており、実務に使える理論も多くあります。
そして、モチベーションを高めて仕事に取り組むことで、生産性の向上や業務効率の改善などの効果が期待できます。
本記事では、モチベーションの意味や関連する理論を紹介したうえで、高めるために押さえるべきポイントを紹介します。
<目次>
モチベーションの意味
モチベーションは、人が行動を起こす際の動機付けや目的意識を意味します。
日本語に直すと、「動機」のほかに、「行動意欲」や「やる気」などの言葉とも近い意味合いだといえるでしょう。
ただし「やる気」と同義と言われると、いわゆる精神論的なものと解釈してしまう人も多いでしょう。
しかし、モチベーションは多くの科学的研究がなされているもので、いくつもの理論が確立されており、実際のマネジメントでも活用できるものです。
モチベーションの意味について詳しくは「モチベーションとは?|言葉の意味や下がる要因、高め方のポイントを解説」の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
なお、組織をマネジメントする上で、モチベーションと類似する概念に「エンゲージメント」があります。
エンゲージメントは仕事や組織との精神的な結びつきを指す言葉であり、「エンゲージメントが高い=モチベーションが高い状態」とも言えるでしょう。
実際にモチベーションやエンゲージメントの高低が業績やパフォーマンス、生産性に相関していると言うデータは数多くあります。
従って、自分自身や従業員のモチベーションを高めることは、組織をマネジメントするうえで非常に重要です。
モチベーションに関係する理論と法則
モチベーションに関係する理論と法則を6つ紹介します。
- マズローの5段階欲求説
- ハーズバーグの二要因理論
- マクレガーのX理論・Y理論
- 期待理論
- 目標設定理論
- マクレランドの欲求理論
いずれの理論も、実務に応用できるものであり、モチベーションを高めるためにやるべきことが見えてきますので、ぜひご一読ください。
マズローの五段階欲求説
マズローの五段階欲求は、人間の欲求が5段階のピラミッドのように構成されていると定義した考え方です。低次から順番に5つの欲求が定義されています。
- 1.生理的欲求
- 2.安全の欲求
- 3.社会的欲求
- 4.承認欲求
- 5.自己実現欲求
マズローの5段階欲求説では、低次の欲求が満たされないと高次の欲求には移管しないとされています。
つまり、仕事のやりがいや意味付けにつながる「自己実現欲求」を十分に発揮してもらうためには、その前にある4つの欲求を満たす必要があります。
従業員の4つの欲求を満たすためには、労働・労務環境の整備を基盤として、とくに組織内での居場所や心理的安全性を確保することで、社会的欲求や承認欲求を満たすことがポイントになります。
承認欲求について詳しくは「承認欲求とは?|特徴や充たし方、マネジメント上の注意点を紹介」の記事で解説しています。
承認欲求に基づいたマネジメント方法もわかりますので、参考にしてみてください。
ハーズバーグの二要因理論
「ハーズバーグの二要因理論」はアメリカの臨床心理学者のフレデリック・ハーズバーグが提唱した、職務への満足・不満足が引き起こす要因に関する理論です。
ハーズバーグは、仕事の満足度は特定の要因によって左右されるような単純なものではなく、満足度を上げる要因(動機づけ要因)と不満を引き起こす要因(衛生要因)は別物であると考えて、二要因理論を提唱しました。
満足度と不満足度に関わる要因は、それぞれ以下の表のとおりです。
満足度を上げる要因(動機づけ要因) | 不満を引き起こす要因(衛生要因) |
---|---|
・達成 ・承認 ・仕事そのもの ・責任 ・昇進 など | ・会社の政策 ・管理方式 ・監督 ・給与 ・対人関係 ・作業条件 など |
従業員のモチベーションを高めるうえでは、まず衛生要因の不足を解消することが大切です。
衛生要因を満たすことなく動機づけ要因を強化したとしても、モチベーションは上がりませんし、中長期的に維持することも困難です。
衛生要因を一定レベルまで満たした後は、衛生要因をそれ以上高めてもモチベーションはあまり上がりません。さらに高めるためには、今度は動機づけ要因を強化する必要があります。
マクレガーのX理論・Y理論
1950年代後半にアメリカの心理・経営学者であるダグラス・マクレガーによって提唱された理論が「X理論・Y理論」です。
X理論・Y理論は、マズローの五段階欲求説を踏まえて、人間観と動機づけに関して、「X理論」と「Y理論」の2つの対立的理論があると整理したものです。
Y理論:人間は条件次第で、自ら責任を受け入れて責任を取ろうとする
現代のモチベーションマネジメントでは、Y理論が考え方の中心になっています。
X理論はある種の“性弱説”と捉え、基本的な歯止めの仕組みや成果主義の人事評価制度を整え、そのうえで、Y理論に則って動機づけとモチベーション向上を図るイメージです。
期待理論
期待理論は、「行動によって自分が期待し、価値を認める代償が得られると思えば、その行動に対するモチベーションが生まれる」という考え方です。
期待理論は、肌感覚でも非常に納得感がある考え方であり、成果主義型の人事評価制度や外的動機付けの基本となる考え方です。
頑張り次第で自身が望む期待と報酬が得られるのであればモチベーションは高まりますし、逆に得られる見込みがない、頑張っても意味がない思えばモチベーションは下がってしまいます。
目標設定理論
1968年にアメリカの心理学者のロックが提唱したのが「目標設定理論」です。「目標設定理論」は、目標という要因がモチベーションに及ぼす影響を調べた理論です。
「目標設定理論」では、目標設定がモチベーションに一定の影響を及ぼすとしており、明確かつ高い目標が、結果としてモチベーションやパフォーマンスに好影響を及ぼすことを確認しました。
目標設定理論はマネジメントにおける目標設定の基本となる考え方であり、後述するSMARTの原則と併せて、目標設定に反映していきましょう。
マクレランドの欲求理論
「マクレランドの欲求理論」は、アメリカの心理学者デイビッド・C・マクレランドが1976年に提唱した、モチベーション理論のひとつです。
欲求理論では、人の動機は以下4つに分類できるとしています。
- ・達成動機
- ⇒自分の力で何かを成し遂げたい
- ・権力動機
- ⇒人に影響を与えたい
- ・親和動機
- ⇒人の役に立ちたい
- ・回避動機
- ⇒リスクを避けたい
人は4つの動機いずれも持っているとされていますが、どこを重視したいかは人によって異なります。従って、まず個々の従業員がどの動機が最も強いのかを理解することが必要です。
そのうえで強い動機に適したアプローチを行うと、効果的に動機付けを実施できます。
モチベーションに関する理論については「モチベーションアップさせる5つの方法|主要な理論と下がる原因も解説」の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
モチベーションが低下する理由
モチベーションUPを考えるとき、まずはモチベーションが低下する要因がないかを考えて排除しにいくことが大切です。
モチベーションを落とす要因を放置したまま、高めるアプローチをしても一過性で終わってしまう、思うように効果が出ないことが多いものです。
モチベーションが低下させる大きな5つの要因を紹介します。
- 労働環境が悪い
- 正当に評価されていないと感じる
- 人間関係がうまくいっていない
- 将来のキャリアが見えない
- ライベートで悩みがある
順番に見ていきましょう。
労働環境が悪い
長時間労働をはじめとした労働環境が悪い状態は、モチベーションを高めにくい環境と言えます。
マズローの五段階欲求で言うところの安全欲求や生理的欲求が脅かされている状態で、上位の欲求を生じさせることはできません。
日々の仕事に追われるばかりになってしまうと、目標や仕事の意味について考える暇もなくなります。
取り組んでいる仕事の意味や目標を意識する機会がないとモチベーションを高めるきっかけを掴めず、ただ仕事をこなすだけの状態にもなりがちです。
また、長時間労働が常態化すると生産性が低下し、成果が上がりにくくなる。結果として、モチベーションがさらに低下すると言う悪循環に陥るでしょう。
正当に評価されていないと感じる
正当に評価されていないと感じると「このまま頑張っても報われない」といった不満につながり、モチベーションの低下を引き起こします。
評価が不当だと感じれば、「頑張っても意味がない」という雑念も生じます。
また、低い評価は組織から「尊重されていない」という感覚を生み、社会的欲求や承認欲求が満たされていない状態です。結果として、高次の欲求にあたる自己実現欲求を満たすのは難しくなります。
正当に評価されていないと感じるのは、評価制度の基準が不明確だったり、上司の好み・主観で判断されており公平ではないと感じたりする場合が多いでしょう。
なお、本当に「不当か?」ではなく、本人が「不当と感じている」ことがモチベーション低下の理由となりますので、組織や上司からすれば「正当」なのに、本人は「不当と感じてモチベーションを落とす」ということはよくあることですので注意が必要です。
人間関係がうまくいっていない
人間関係がうまくいっていない状態はストレスが大きくなり、モチベーションの低下につながります。
人間関係への不満も、正当に評価されていないと言う感情と同じく、社会的欲求や承認欲求が満たされていない状態です。
実際に人間関係がうまくいっていないと起こり得る事例を、以下にピックアップしてみました。
- うつ病をはじめとした身体的な異常が出る
- 周囲とコミュニケーションが減る
- 仕事でのミスが増える
マクレランドの欲求理論における親和動機が強い人は、人間関係のストレスがモチベーション低下のとくに大きな要因となります。
将来のキャリアが見えない
将来のキャリアが見通せていない状態だと仕事に対する動機づけができず、仕事へのモチベーションを維持できなくなります。
期待理論を裏返せば「そもそも将来の展望が見えないと頑張れない」ということになりますし、ある程度定年等も意識し始めるミドルやシニア世代になると「頑張っても先が見えないのであれば、何とかやり過ごして逃げ切ろう」という思考にもなりがちです。
なお、若手層の場合、先が長いからこそ、「先が見えないから頑張らなくていい」とはなりづらい傾向にあります。
一方で、キャリア自律が謳われることが増え、ある意味で転職という選択肢を当たり前のものとして持っている若手層の場合、キャリアの展望が見えないと転職という選択肢につながりますので、こちらも注意が必要です。
プライベートで悩みがある
プライベートの悩みもモチベーション低下の要因となります。「仕事とプライベートは分けて考えろ」とも言われるものですが、人間の意識は完全に切り分けられるものではありません。
プライベートでの悩みがあれば、意識はどうしても悩みに引っ張られて、仕事の集中力は低下してしまうものです。。
モチベーションが下がるとどうなるか?
モチベーションの低い状態が続いてしまうと、以下のようになってしまいます。
- 行動が受け身になる
- 生産性が低下する
- 離職率が上がる
ひとつずつ解説します。
行動が受け身になる
モチベーションが低下してしまうと、指示待ちになったり必要最低限しか取り組まなかったりと、受け身な行動が増えます。
受動的な状態になると、プロセスも未達成、成果も出ず評価されない、スキルアップできずに成長実感なども得られないということになり、更なるモチベーションの低下という悪循環にも陥りかねません。
生産性が低下する
モチベーションの低下は生産性にも直結します。受動的な状態と同様に、成果を出すことが難しくなる、組織からの評価が下がる結果となり、さらなるモチベーションの低下にもつながります。
また、生産性の低下は個人の問題だけでなく所属しているチームや部署の成果や生産性にも影響を及ぼす恐れがあります。
離職率が上がる
モチベーションの低下、そこからの悪循環に陥れば、最終的には退職という結果にもつながります。
退職はやはり周囲のモチベーションにも影響を及ぼし、連鎖的なモチベーション低下や退職につながる恐れがあります。
また、社員が退職すれば、その分の仕事を他の誰かが負担することになる、また、採用活動が必要となり、採用コストや育成の負担が生じるといったことにもつながります。
従業員のモチベーションを上げる方法
本章ではモチベーションUPの施策を紹介します。モチベーション低下の要因になっていそうな部分に手を打つと同時に改善に向けた施策を実施していきましょう。
- 適切なタスク分配と勤怠管理
- 人事評価制度の運用
- 心理的安全性の確保
- 仕事の目的や意味付け
- 適切な目標設定
- 結果に対する適切なフィードバック
- 失敗を恐れない雰囲気を作る
順番に見ていきましょう。
適切なタスク分配と勤怠管理
モチベーションをあげるための基本事項として、適切なタスク分配と勤怠管理が挙げられます。
スケジュールに一定のゆとりをもって働けるようになると、仕事に集中できるようになり、モチベーションも維持しやすくなります。
反対に、過度に負荷がかかり心身に影響が出てしまうと、モチベーションは維持できません。
長時間残業を強いられるような環境では、身体的に負荷がかかりますし、身体の負荷は心の不調にもつながっていきます。
モチベーション改善の基本事項として、誰か特定のメンバーや部署に負荷が偏っていないか、また、勤怠状況を確認して過度な残業や休日勤務などが生じていないか確認しておきましょう。
人事評価制度の運用
モチベーション高く働いてもらうためには、「物心両面」の充実が必要です。そして、「物」の筆頭に来るのがやはり待遇です。
従って、待遇に影響を与える人事評価制度の適切な運用は、モチベーションの維持・改善を考えるうえで非常に大切です。
組織においては、さまざまな職種の人が働き、経験値もバラバラであり、成果を左右する要因は本人の能力だけではありません。
従って、完璧な人事評価制度と言うのはある意味では存在しないといっても過言ではないでしょう。
だからこそ、実態にあわせて改善していく、そして、上司部下のコミュニケーションやフィードバックも含めて適切な運用を実施していくことが最重要です。
成果に応じた適切な評価と市場水準を踏まえた報酬設計を確保しましょう。
心理的安全性の確保
心理的安全性は、チームの成果などに向けて、おかしな遠慮や不安を感じずに率直に意見を述べたり質問を出来たりする環境です。
心理的安全性が確保された環境は、社会的欲求や承認欲求を満たすことにもつながります。
まずは従業員同士の相互理解を促すところから始めてみましょう。組織のリーダーが率先して従業員の心理的安全性を確保する動きを取ることが大切です。
仕事の目的や意味付け
仕事の目的や意味付けは、自己実現欲求にもつながる動機付けの重要要素です。仕事の目的や意味付けは、以下2つの側面から実施することが大切です。
- 1.組織のミッション・ビジョン・理念などの視点
- ⇒「自分の仕事には社会的な価値がある」と感じられること
- 2.個人の人生やキャリアの視点
- ⇒「今の仕事が自分の望む人生やキャリア、待遇などにつながる」とイメージできていること
上記2つの側面からアプローチすることがモチベーションを高めることにつながります。
適切な目標設定
目標設定理論でも紹介した通り、従業員一人ひとりに対して適切な目標設定をすることはモチベーションを高めることにつながります。
目標を設定する際は「SMARTの原則」に沿って考えることが基本です。
- Specific:具体的、わかりやすい
- Measurable:数字で表す
- Achievable:達成可能性
- Relevant:関連性
- Time-bound:明確な期限
上記のような目標設定をしたうえで、前述の通り、目標に対する意味付けをすることが大切です。
組織における目標設定は、組織にとっては合理的であり、ミッションやビジョンの実現、事業計画の達成につながるものになっていますが、個人にとっての意味は明確になっていないことが多いでしょう。
個人のキャリアやビジョンへの意味付けをキチンとすることがポイントです。
なお、目標の立て方については「目標設定の具体例 職種や階層別の定番と設定を効果的にするポイントを解説」で詳しく解説しています。ご興味あればご覧ください。
適切なフィードバック
フィードバックもモチベーションを高めたり、維持したりするうえで大切です。適切なフィードバックは、存在に対する承認です。
良い成果を褒めることはもちろんですが、悪い結果などに対するフィードバックも適切なものであれば「あなたを見ているよ、気にかけているよ」というメッセージになります。
また、フィードバックを通じて、次にやるべきことが明確になれば、目標設定理論や期待理論などの視点でもモチベーションを高める効果があります。
失敗を恐れない雰囲気を作る
従業員が失敗した時、「次に切り替えよう」と思わせられる雰囲気を作ることも大切です。挑戦すれば失敗も付きものです。
失敗を恐れない環境を作るためには、まずは上司が部下に寄り添うところから始めましょう。
逆失敗して責め立てられるような雰囲気であれば委縮してしまい、意欲的に仕事に取り組むことは難しくなるでしょう。
部下のモチベーションを管理するポイント
前章では、組織全体をみて、モチベーションを下げない、また高めるための施策を紹介しました、ここでは、管理職などの視点で、メンバー1人1人のモチベーションを管理するためのポイントを紹介します。
モチベーションを管理する主なポイントは、以下の3つです。
- ひとりの人間として尊重する
- 相手に応じたマネジメントをする
- プライベートに干渉しない
順番に見ていきましょう。
ひとりの人間として尊重する
仕事における上司と部下の関係は、あくまで業務上の役割分担や権限に関するものです。
仕事における評価やフィードバックなどは冷静に部下のパフォーマンスを見て実施する必要があります。
同時に大前提として、部下を自分の対等なひとりの人間として尊重し、接する意識を持つことが大切です。
上司が人間的に偉いわけではありません。
業務上の役割や権限を勘違いして、部下を見下して接するような態度を取れば、信頼関係は築けませんし、相手のモチベーションに悪影響を及ぼしてしまうでしょう。
相手に応じたマネジメント
人の価値観や思考、状況はそれぞれ異なるので、相手に応じたモチベーション管理のアプローチが重要です。
本記事で紹介した期待理論や目標設定理論は、万人に共通したモチベーションに関する理論です。
一方で、マクレランドの欲求理論に照らし合わせれば、人によって動機の要因になる要素は変わることが分かります。
また、マズローの欲求段階に照らし合わせれば、従業員が満たされていない欲求のレベルに応じて対応を変える必要があることも分かります。
たとえば「自分の居場所がない」と感じているメンバーが求めているのは承認欲求であり、その状態の相手に自己実現欲求に当たる仕事の意味付けを話したとしても、あまり意味がありません。
まずは承認の声かけや評価を伝えて、承認欲求を満たすことが必要です。
また、親和動機が強い相手に対して、信頼関係を築けていない状態で目標設定や仕事の意味付けをしてもやはり意味がありません。
親和動機が強い相手であれば、まずはしっかりと信頼関係をつくることが重要でしょう。
部下に接する際は相手の動機要素や満たされていない欲求に応じて、動機付けのアプローチをすることが大切です。
プライベートに干渉しすぎない
部下のプライベートにはあまり干渉しすぎないことも大切です。プライベートのことは、あくまで部下自身の問題です。
前述した通り、プライベートの悩みが、仕事のモチベーションに影響することも事実です。ただ、相手が望んでもいないのに、プライベートに過干渉すれば関係性が悪化する恐れがあります。
わかりやすい例だと、モチベーション低下の原因が失恋の場合、干渉すると却ってセクハラ扱いされてしまう恐れがあります。
また、部下が失敗したときの要因にプライベートのことを持ち出すと、人格を否定された気分になり、さらにモチベーションを下げる原因になりかねません。
部下自らが相談してきた場合や、上司として心配していることを伝えることはOKですが、こちらから余り部下のプライベートには口を挟まないほうが良いでしょう。
まとめ
モチベーションは、人が行動を起こす際の動機付けや目的意識を意味する言葉です。
日本語で「やる気」と表現すると、精神論的な印象を持たれがちですが、モチベーション=動機付けに関しては科学的な研究が多数されており、実務に役立つ理論も多数あります。
モチベーションに関する主な理論やマネジメントのノウハウについて紹介しましたので、組織やメンバーをマネジメントする上での参考になれば幸いです。