時間管理ができない人の特徴と原因とは?すぐできる改善方法を紹介!

時間管理ができない人の特徴と原因とは?すぐできる改善方法を紹介!

時間管理ができない人は、ほかのメンバーと同じように仕事をしているのに、なかなか生産性が上がらない、あるいは成果を出せないなどの特徴があります。時間管理ができない理由には、どのような原因があるのでしょうか。また、時間管理ができない問題は、本人の工夫や努力で改善できるものでしょうか。時間管理能力を向上させるには何をしていくことが必要なのでしょうか。

 

本記事では、時間管理ができない人の特徴と原因、時間管理ができないことによるデメリットを紹介したうえで、時間管理ができる人になるためのコツと上達方法を解説します。

<目次>

時間管理ができない人の特徴と原因

時間管理とは、成果に向けて自分の時間をきちんと計画・活用することです。時間管理では、タスク、スケジュール、時間リソースの3つの管理が求められます。はじめに、時間管理ができない人の特徴と原因を解説していきましょう。

 

 

物事に優先順位を付けていない、優先順位が誤っている

ホワイトカラーの場合、プレイヤー層でも常に複数のタスクを抱えていることが多いでしょう。限られた時間でさまざまなタスクを効率よく終わらせるには、適切な優先順位を付けることが重要です。

 

適切な優先順位を付けられず、目がついた仕事、催促された仕事などを優先的に進めてしまう人は、作業をスムーズに進められなかったり、納期遅れなどを起こしたりしがちです。そして、いつもバタバタと忙しく、中長期的な生産性を上げることもできない傾向があります。

 

 

 

タスクの把握や管理ができていない

例えば、営業担当の場合、お客様のアポイント以外にも以下のようにさまざまなタスクがあります。

  • 客先に持っていく資料の印刷
  • お客様からの問い合わせ対応
  • 見積書や契約書の作成
  • SFAへの商談内容入力
  • 展示会の準備

など

 

以上のように多くのタスクがあるにも関わらず、自分のスケジュールのなかで、人との約束やアポイントしか管理していない人も、時間管理ができていません。

 

ホワイトカラーの場合、常に複数のタスクを抱えています。そして、商談や打ち合わせ、最近ではメールやチャットのやり取りでもタスクはどんどん発生するでしょう。発生したタスクをきちんと把握・管理できていないと、抜け漏れや納期遅れを起こすようになります。

 

 

タスクにかかる時間を見積もれていない

優先順位は付けている、自分にどのようなタスクがあるかも把握している。しかし、一つひとつのタスクにかかる作業時間が適切に見積もれていないと、時間管理はできません。

 

そして、集中力が必要だったり、長い時間が必要なタスクをきちんと把握したうえで実施時間を確保できなかったりする場合、そういった仕事がどんどんあと回しになって溜まっていくでしょう。

 

また、ビジネスでは、お客様からの問い合わせや相談、上司からの作業依頼といった想定外の仕事もたくさんあります。多くの飛び込み仕事などを予測したバッファを持たない場合、自分が計画したスケジュールで作業を進められなくなります。

 

 

仕事で関わる人とコミュニケーションがとれていない

なかには、コミュニケーション不足で、管理すべきタスクに関する情報がそもそも不足している人もいます。例えば、若手が初めて自社の展示会を運営する場合、前もって前の担当者に必要な準備や段取りを確認しなければ、余裕を持って準備を進めることはできません。

 

また、上司やメンバーなどとの相談やコミュニケーションをせず、何でも一人で抱え込んでしまうのも時間管理ができない原因の一つになります。

 

 

病気が原因で時間管理できない場合もある

なかには、ADHDなどが原因で時間管理ができない可能性もあります。ADHDなどにはさまざまなタイプがあるため、「特定の問題があればADHDに違いない」とは一概にいえません。

 

ですが、日常生活において、以下のような問題で支障をきたしているような場合は、医師に相談してみてもよいでしょう。

  • 単調な仕事を持続できない
  • 約束や締切を忘れることが多い
  • 集中力が続かない
  • 仕事や課題を途中で投げ出してしまう
  • 財布や鍵などの大事なものをよく失くす など

時間管理ができないデメリット

時間管理ができないと、以下のようなデメリットや問題が生じやすくなります。

 

 

生産性が下がる

時間管理ができなければ、要領よく自分のタスクをこなすことはできません。

 

例えば、A・B・C・Dという4つのタスクを抱えていた場合、時間管理が上手な人は、単純作業であるAとCを組み合わせたり、クリエイティブな作業であるBを頭が冴えている朝一番で行なったりする工夫やスケジューリングを行ないます。

 

一方で、時間管理ができない場合、当日の気分や依頼順で作業を進めることで、多くの時間がかかり、生産性も下がってしまうでしょう。

 

 

生産性が上がらない

時間管理ができない人は、緊急ではないが重要な仕事、例えば、長期的に見て自分の能力や生産性を上げるための勉強、成果を上げるための種まき、新たな仕事への取り組みといったことがおろそかになります。

 

いつも目の前の仕事に追われる自転車操業の状態であり、忙しいわりに成果が上がらない、同じことをずっと繰り返している状態に陥りやすくなります。

 

一方で、時間管理ができる人は、上述のような自己成長や成果を上げるための種まきを怠らず、どんどんより高い成果を上げていきます。時間管理のスキルによって短期的な生産性だけでなく、中長期的な生産性にも大きな差がついていくのです。

 

 

予定や納期を忘れるなどのミスが増える

生産性が下がったり、自分の計画や思いどおりに作業が進められないと、納期やアポイントに間に合わせなければならない焦りから、ミスが増えたり、ほかの予定を忘れたりしてしまいます。

 

ミスによってお客様への謝罪や上司への説明をすることで、さらに余計な時間が過ぎてしまい、当初考えていたとおりに仕事を進められない悪循環にも陥るでしょう。

 

 

信用を失ってしまう

他のメンバーと比べて生産性が著しく低かったり、ミスが多かったりすれば、社内外での信用を失い、新しい機会や大きな仕事を任せられることはなくなります。

 

時間管理が下手な人は、結果として、ほかのメンバーより長く仕事をしているものの、なかなか成果が出ないという悪循環に陥ります。

 

 

心に余裕がなくなり精神的に追い込まれてしまうことも

時間管理ができないと、さまざまなタスクに追われて心の余裕もなくなっていきます。時間管理ができないことでタスクを効率よくこなせず、残業などの時間外労働が増えれば、精神的に追い込まれて、うつ病などに陥ることもあるでしょう。

 

時間管理ができる人になるためのコツと上達方法

時間管理ができる人になるためのポイントを紹介しましょう。

 

 

タスクを見える化する

タスクに抜け漏れがないようにするには、手持ちのタスクをすべて洗い出し、一つの場所で管理することが大切です。管理をするときには、大きなタスクだけでなく、資料印刷や帰社後のSFA入力といった細かなタスクもすべて書き出すことがおススメです。

 

新しいタスクが発生したら、すぐタスク一覧に書き込みます。もしくは、すぐに書き込めなければ、あとで書き込めるようにメールをブックマークする、メモを残すなどして、抜け漏れないようにしましょう。

 

初めのうちは、半日に1回程度タスクを洗い出し、とにかく抜け漏れが出ないようにする、「やるべきことはタスク一覧に書いてある」状態にすることが大切です。

 

 

納期と所要時間を見積もる

洗い出したタスクに納期と所要時間の見積もりを入れていきます。所要時間の見積もりには、一定の経験が必要です。所要時間がわからない場合は、同じチームの先輩や上司に確認してみるのもよいでしょう。

 

なお、タスク管理するうえでは、所要時間が短くても、誰かの確認が終わらないと進められない、誰かからの仕事が上がってこないと進められないといったタスクは要注意です。

 

 

洗い出したタスクに優先順位を付ける

手持ちのタスクの優先順位を決めていきます。優先順位でポイントになるのは、納期と重要度です。

  • 納期  :いつまでに対応しなければならない仕事か?
  • 重要度 :将来の生産性向上や種まきにつながる仕事か?

 

時間管理というと、多くの人は納期優先だけでスケジューリングしがちです。しかし、納期だけで仕事を決めていると、前述した自転車操業になりがちです。生産性を高めるためには、緊急ではないものの重要な仕事に意識的に時間を使っていくことが大切になります。

 

 

タスクをスケジュールに落とし込む

アポイントの空き状況などを踏まえて、タスクをスケジュールに落とし込みます。急な飛び込み仕事などが入る可能性を考えると、詰め込み過ぎないことも大事です。また、スケジュールに落とし込んだ段階で時間が足りないことが判明した場合、自分のタスク量を上司などに相談することも大切になります。

 

 

時間管理ツールを利用してみる

時間管理ツールを利用したり、スケジュール帳やノートに書き出したりして、時間の使い方を把握することも大切です。最初は大変ですが、時間記録を取って自分がどのように時間を使っているかを把握することは、時間管理のスキルを高めるうえで有効です。

 

自分が何に時間を使っているのか、また、どこで計画と実績がズレたかといった振り返りと改善のPDCAをまわすことが大切です。

 

PDCAを何度かまわしていると、「タスクDとEは一緒に作業したほうがいい」や「タスクFのタイプは朝、タスクGのような所要時間が短いものはスケジューリングせず仕事の合間に片付けていくほうが効率的」「自分はタスクHのタイプでいつも所要時間を短く見積もって失敗する」といったパターンがわかるようになってきます。

まとめ

時間管理ができない人には、以下の特徴があります。

  • 物事に優先順位を付けていない、優先順位が誤っている
  • タスクの把握や管理ができていない
  • タスクにかかる時間を見積もれていない
  • 仕事で関わる人とコミュニケーションがとれていない

 

 

時間管理ができない場合、ビジネス面で以下のデメリットや問題が生じやすくなるでしょう。

  • 生産性が下がってしまう
  • 中長期的な生産性も上がらない
  • 予定や納期を忘れるなどのミスが増える
  • 信用を失ってしまう
  • 心に余裕がなくなり精神的に追い込まれてしまう

 

時間管理ができる人になるには、以下のコツや上達方法を実践するのがおススメです。

  • タスクを見える化する
  • 納期と所要時間を見積もる
  • 洗い出したタスクに優先順位を付ける
  • タスクをスケジュールに落とし込む
  • 時間管理ツールを利用してみる

 

時間管理で特に大事なのは、「タスクの見える化」です。時間管理が苦手だという人は、まずはタスクの見える化だけでも徹底的に取り組みましょう。

 

また、タスクの見える化ができた次ステップとして、生産性向上に役立つのは適切な優先順位付けです。タスクの優先順位を適切に付けるには、時間管理のマトリックスという考え方を活用するのがおススメです。時間管理のマトリックスのやり方を知りたい人は、以下のページから資料をダウンロードしてみてください。

 

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著者情報

宮本 靖之

株式会社ジェイック シニアマネージャー

宮本 靖之

大手生命保険会社にて、営業スタッフの採用・教育担当、営業拠点長職に従事。ジェイック入社後、研修講師として、新入社員から管理職層に至るまで幅広い階層の研修に登壇している。また、大学での就活生の就職対策講座も担当。

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