自責思考は問題やトラブル、物事の結果に対して「自分に原因がある(自分にも原因の一端がある)」と考える姿勢を指します。自責思考は成長し成果を出し続けていくために大切なマインドセットの一つです。
自責思考は優秀な人材として活躍するために必須のものですが、自責思考を勘違いして捉えると、過度なストレスを抱えたり自信を失ってしまったりすることにつながります。
本記事では、正しい自責思考のあり方を紹介すると共に、他責思考との違いや自責思考がもたらすメリット、自責思考を適切にコントロールする方法を解説していきます。
<目次>
- 自責思考とは?他責思考との関係
- 自責思考が生まれる、また歪む背景
- 他責思考が生まれる背景
- 自責思考を持つ人の特徴
- 自責思考のメリット
- 自責思考のデメリットや歪んだ自責思考の注意点
- 適度な他責思考がもたらすメリット
- 他責思考に偏るデメリット
- 自責思考をコントロールする方法
- 自責思考を適切にコントロールするために役立つサービス
自責思考とは?他責思考との関係
まずは、自責思考の具体的な中身や他責思考との関係を解説します。
自責思考とは?
自責思考とは、問題やトラブルが発生した際に「自分に原因がある」と考える姿勢を指します。人生を成功させるためには自責思考を持つことが重要です。
ただし「自責」思考は誤って理解されている側面もあります。
「自責」や「他責」といった言葉は責任の所在を示すものだと解釈されてしまいがちで、自責は積極的に「上手くいかなかった責任を自分がとる」ことだと思われがちです。
上記も間違いではありません。「責」という漢字は、元々「義務を果たせなかった(納税できなかったり借金を返せなかったりした)人を棘のついた枝で攻撃する」という成り立ちになっています。
つまり、漢字の「責」は「悪いのは私です。罰してください」という意味なわけです。しかし、この思考で「自責」していてはメンタル的に病んでしまいやすくなります。
これに対し、英語で「責任」を意味する「responsibility」という単語は、response(反応する)とability(能力)から成っており、「物事に対して反応する力」を意味しています。つまり、英語の「責任」とは「結果に影響を与えられる」(だから結果に責任がある)というある種の自己効力感からくるものです。
ビジネスの成果につながる自責思考は、英語の思考パターンを意識することが大切です。ぜひ以下のような自責思考を意識してください
他責思考とは?
他責思考は、自責思考の逆で、問題やトラブルが発生した際に自分以外に原因があると考える考え方です。
他責思考を持っていると、自分よりも相手に問題があると考えやすくなります。
そのため、取引を打ち切られてしまうというケースに遭遇すると、「予算の都合なのではないか」「製品の良さをちゃんと理解してくれなかったからだ」と、相手側に何か問題があったからだと受け取るようになり、自分の側には、あまり意識がいかなくなります。
また、相手以外に環境のせいにするのも他責思考です。たとえば「売れないのは不景気だから」「コンペに負けたのはうちの商品/サービスが悪いからだ」といった考えです。
自責思考と他責思考の関係
自責思考と他責思考は、結果に対する原因をどこに帰属させるかという点が違います。
ビジネスで成長し成果をあげるためには、自責思考を持つことが大切です。ただ、前述の通り、自責思考は自分を責めるものではありません。「自分はこういうことが出来たかもしれない」という前向き・未来志向な思考です。
責任の所在も「自分に100%の責任がある」ということではなく、「自分が影響できたかもしれない、であれば責任の一部は自分にある」というのが適切な自責思考です。
逆に言えば、「自分の責任」という自責思考が考えすぎる人は、意図的に他責思考を持つことも大切です。
たとえば、トップセールスパーソンの多くは他責思考で「このサービスの価値を理解できなかった顧客が悪い」「不運だった」と考えることで気持ちを切り替えて、どんどん次に向かう、とも言われます。その意味では、自責思考を基本としたうえで他責思考を適切に使うことが大切だと言えるでしょう。
自責思考が生まれる、また歪む背景
自責思考が生まれる、そして、過度な自責思考に陥ったり自責思考の意味が歪められてしまったりする背景には、育った環境や社会などからの影響があります。どんな要因やプロセスがあるかを解説します。
自助努力を重んじる家庭環境
他人の力に頼らずに自助努力によって道を切り開いていくように教育された人は、他人のせいにすることなく「自分としてはどうすればいいのか」を常に意識するようになります。そうして育てられた人は、やがて謙虚でストイックな大人へとなっていきます。
また、そこまでストイックというわけではなくとも、子供の頃に他人のせいにしたことに対して「人のせいにしちゃダメ!」と怒られた経験等が重なると、他責思考が抑制されるようになります。「他人のせいにするのは、わがままであり良くないことだ」ということを学習していくと、代わりに自責思考が強まっていきます。
ただし、「自助努力」の重要性という範疇の環境であれば良いですが、いつも頭ごなしに「他人のせいにするな!」と叱られて自信を失うような環境ですが、“歪んだ”自責思考に陥ってしまうでしょう。
インポスター症候群によるもの
インポスター症候群は自分の能力や貢献を過小評価してしまう心理傾向で、女性で多く見られます。
インポスター症候群の人は、優秀な能力や実績があっても自己評価が低く、時には「自分は周囲を騙して高く評価されている」と感じ、自責の念に駆られやすくなります。
謙虚さは大事ですが、インポスター症候群は自己肯定感が低く「自分はダメ人間だ」と感じやすい状態です。インポスター症候群も自傷的な“歪んだ”自責思考に陥ります。
日本における社会的な風潮によるもの
和を重んじる日本社会の中では、他者に対して批判的な態度を取ることは控えるべきこととされています。そして、真面目で謙虚であることが美徳であるとされます。
そのような社会的価値観の中では、自責思考を取らないと周囲から批判されることにもなります。結果として、表面的な意味でも、内面としても自責思考を持った人が多くなる傾向にあります。
また、失敗することを恥であると捉える武士の文化の影響も挙げられます。失敗して恥をさらせば厳しい罰を受けることを求められることから、これが本来の自責思考を歪めてしまう一因になっているとも考えられます。
他責思考が生まれる背景
自責思考と同様に、他責思考も生まれ育った環境などの影響で生じる側面があります。
甘やかされて育てられた家庭環境の影響
自責思考の場合とは逆に、甘やかされた環境で育つと他責思考になりやすくなります。甘えて育ったため人格的に未熟な部分が多くなり、厳しいことや辛いことに直面してしまうと未熟さが出てしまい、自分の能力不足や失敗を直視できず、他人や環境のせいにしてしまいます。
ダニングクルーガー効果によるもの
ダニングクルーガー効果とは、能力の低い人や経験の浅い人が、正しく自己評価できずに、自分を過大評価してしまうという認知バイアスです。
能力不足に、生まれ持ったポジティブな性格や周囲からの適切なフィードバック不足が掛け合わさると、自分の能力を正しく認識することができずに、自分を過大評価するようになっていきます。
自己を過大評価した結果、ミスやトラブルを起こした時に、環境や他人に問題があったと思考・主張するようになり、自分に非があることを認めなくなります。
傷つきたくないという気持ち
心理的安全性が低い環境下で育った等の背景があると、過去のトラウマから「自分を守ろう」とする心理が強く働くようになります。
結果として、ミスやトラブルが発生すると自己防衛のために他人のせいにすることが起こりやすくなります。自分を守るために、他者に対して攻撃的な態度を取るようなイメージです。
自責思考を持つ人の特徴
自責思考を持つ人には以下のような特徴を持っていることが多く、ビジネスにおいて自責思考を持つ重要性にもつながっています。
素直で優秀であることが多い
自責思考を持っているメンバーは、周囲からのフィードバックを素直に受け入れられる傾向があります。また、自分が行動した結果等に関しても、前述したように「この結果になったプロセスには自分にも責任の一端がある」と捉えますので、自分の行動や判断を振り返って学びや改善につなげていくことができます。
結果として、ビジネスパーソンとして成長しますし、上司や周囲からも頼りになる優秀な人材とみられることが多いでしょう
責任感があり、周囲からの信頼が厚い
自責思考のメンバーは、当然責任感も強く、上司や周囲、顧客が安心して仕事を任せることができます。途中で仕事を投げ出してしまうようなこともなく、信頼されるビジネスパーソンとなるでしょう。
また、自責思考を持った人が上司の立場になった場合、チームに問題やトラブルが発生した際にはリーダーとしての責任を持って対処しようとするでしょう。従って、リーダーとしても部下からの信頼を得られるようになります。
他人や環境のせいにしない上司には部下も安心してついていくことができますし、部下にもよい影響を与えるでしょう。
当事者意識が高く、目標達成にコミットしやすい
自責思考を持っていれば、当事者意識も高くなります。「自分が結果に影響を与えられる」という自己効力感があるからこそ、当事者意識は高くなるわけです。自分が組織やプロジェクトを引っ張っていかなければならないという気持ちを持ち、主体的に行動します。
前向きであり、改善サイクルを回せる
適切な自責思考は、上手くいかない自分を責めるような自罰的なものではなく、内省を生み出し経験学習サイクルを回すものです。
失敗や挫折を経験した際に「自分はあの時に、どうしていれば失敗を防げたのか?」や「自分に足りなかったものは何だったのか?」を振り返り、体験から学んでいくことで次に生かすことができます。
また、適切な自責思考を持っている人は成功体験からも学びます。「何が成功の要因だったか?」「成功を再現するためには自分はどうしたらよいか?」という思考をします。こうした改善サイクルを回し続けていくことで成長を続けるでしょう。
自責思考のメリット
問題やトラブルが起きた際、「自分にも原因の一端があったのではないか?」と考える自責思考を持つことで以下のようなメリットが得られます。
成長のチャンスをつかみやすい
周囲や環境の責任にせず、周囲のフィードバックを素直に受け取る、また、経験学習を回すことで成長スピードが速くなります。周囲や上司からの信頼もあつくなり、少し挑戦的な仕事や機会をもらえることも増えるでしょう。自責思考の人材は、成長チャンスを得やすくなります。
他人との争いを起こしづらい
他責思考の人材は、他人や環境の責任にすることで周囲と摩擦を起こしたり、上司や顧客からの信頼を失ったりしがちです。
大抵の結果は、何かの要因が100、他が0ということはありません。主要因はありつつ、それを見落としたり、適切な手を打てなかったりといったことが重なって結果が生み出されます。自責思考の人材は「自分にも責任の一端がある」と認めることで、他人を傷つけたり周囲からの信頼を失ったりすることがありません。
周囲の環境に流されずに努力できる
他責思考の人材は、問題やトラブルが生じた時、他人や環境のせいにすることで状況に流されがちです。しかし、自責思考の人材は、自分にも責任の一端がある、自分は状況に影響を与えられると考えます。
従って、結果がなかなか出なかったり、上手くいかない状況だったりしても、自分が主体となって行動することで、状況に振り回されてしまうことなく努力し、結果を出すことができます。
自責思考のデメリットや歪んだ自責思考の注意点
自責思考は、ビジネスで成果を上げていくために大切な考え方です。しかし、行き過ぎた自責思考や歪んだ自責思考は、以下のようなデメリットや注意点もあります。
ネガティブ思考になりやすく、自分に自信を持てない
自責思考が行き過ぎるとは、言われたことを真面目に実行しようとする一方で、完璧主義やネガティブ思考に陥る傾向が増えてきます。これは言われた通りにできなかった場合「どうして自分はちゃんとできないのか?」と自分を責めてしまうことにつながります。
また、ミスが続いてしまうと自分に対して自信を失っていってしまい、完璧にやりきれる自信が持てない仕事に対して消極的になっていってしまいます。さらに自分に対して自信を持てないことで、新しいことへのチャレンジを避けるケースも多くなるでしょう。
一人で抱え込んでしまいやすい
自責思考が強くなってくると、責任感も強まってきます。そして、責任感の捉え方を誤ると「自分が全ての責任を負わなければならない」と考えるあまり、他人に仕事を任せたり頼ったりすることが出来なくなります。
必要に応じて上司に相談したり、同僚に手伝ってもらったりといったチームプレーが苦手となり、一人でたくさんの仕事を抱え込んでしまいがちです。
過剰に自分と関連付けてしまう
何か問題が発生した際、明確に周囲や環境の側に問題があるようなケースでも、自責思考が行き過ぎると「自分にも何か問題があったのでは?」と必要以上に自分と関連付けてしまうことも出てきてしまいます。
ミスやトラブルについて自分に責任が無い場合にも過剰に責任を感じてしまうことにもつながります。
ストレスによりメンタルダウンしやすい
一人で多くの仕事を抱え込んでしまったり、過剰に責任を感じ過ぎたりすると、それだけストレスも大きくなってきます。行き過ぎるとメンタルダウンや休職等にもつながりかねません。
改善サイクルを回せない
自責思考は正しい姿勢のように見えますが、歪んだ自責思考は「すべて私の責任です。罰してください」で失敗を終わらせてしまいます。結果的に振り返りや改善を生み出しません。
改善サイクルをうまく回せないことで本人の成長が止まってしまうだけでなく、組織としても生産性の向上やイノベーションが生まれなくなるでしょう。
適度な他責思考がもたらすメリット
行き過ぎた他責思考は対人関係でトラブルを起こしたり周囲の信頼を失ったりしますが、適度な他責思考を使うことは仕事をしていく上でプラスに働く側面もあります。適度な他責思考を持つ人には、以下のような特徴があります。
周囲に影響力を与えられる自信を持てる
適度な他責思考は、自己効力感につながります。前述の通り、過度な自責思考は自信や手生成、積極性を失わせてしまいます。
一方で、適度な他責思考を持った人は、自分のやることに自信を持っており、どんな時にも堂々と振る舞うことができます。そうした堂々とした態度が、周囲の人に対して安心感を与える側面もあるでしょう。
適度な大雑把さを生み出す
自責思考がもたらす責任感が過剰になると、物事をすべてコントロールしようとしてマイクロマネジメントに陥ったり、細かなリスクにこだわったりする傾向があります。管理職がマイクロマネジメントになってしまうと、チームや部下の活力が削がれることになります。
一方で、適度な他責思考は、程よい“大雑把さ”につながります。「ゴールと方向性を示して要所だけチェックする」といったマネジメントスタイルを実現するには、適度な他責思考が必要となるでしょう。
行動力や挑戦心につながる
自責思考が強すぎるとリスクに敏感となり、行動にブレーキがかかってしまいます。しかし、適度な他責思考を持つ人であれば、そのようなことは無くなります。
リスクを過度に恐れることがなく、積極的に行動することができます。チャレンジ精神が旺盛であり、力強いリーダーとして組織を引っ張っていけるでしょう。
ストレスマネジメントに強くなる
適度な他責思考は、仕事や責任を一人で抱え込み過ぎることを避けられます。自分が関係ないことに対しては、「自分に大きな非はない」と認識することでストレスを受けずに済みます。メンタルが安定しやすくなり、メンタルダウンのリスクを最小限に抑えることができるでしょう。
トラブルや問題の原因を客観的につかみやすい
歪んだ自責思考は、とりあえず「自分に責任がある」と考えてしまうことで、自分以外のところにある要因を見落としてしまいがちです。これに対して適度な他責思考は、周囲や環境も含めて分析して要因を見出すことで、客観的に原因を把握できるようになるでしょう。
積極的になれる
適度な他責思考は、過度に責任を背負い過ぎないことで、リスクに対するプレッシャーを少なくしてくれます。自責思考が強すぎる人は適度な他責思考を取り入れることで、行動に対する心理的なブレーキを緩めることができ、積極性を持つことにつなげていけるでしょう。
他責思考に偏るデメリット
前章で紹介した通り、適度な他責思考はさまざまなメリットにつながりますが、他責思考に偏ってしまうとデメリットが多くなります。他責思考がもたらすデメリットを確認しましょう。
成長の機会を失う
成果を生み出し望むキャリアを形成するためには、人材として成長していくことが必要です。しかし、他人や環境のせいにしてばかりだと、自分の改善すべき点が見えなくなってしまいます。
上司なども、他人や環境のせいにする部下に対しては徐々に指導やアドバイスを諦めます。そうなってしまうと、成長の機会を失い、キャリアも行き詰まってしまうでしょう。
対人関係でトラブルを抱えやすい
ビジネスで成果を上げるためには、周囲とのコミュニケーションを円滑に行い、信頼関係を築くことが重要になります。しかし、周囲を批判してばかりでは、信頼関係を築くことは出来ないでしょう。
偏った他責思考の典型的なパターンは「上手くいったときは自分の手柄、失敗したときは他人のせい」というものです。行き過ぎた他責思考は争いごとを生み出し、人間関係を壊していくでしょう。
確認不足などによる損失を生みやすい
他責思考の人は、細かい部分や面倒なことは他人任せにする傾向があります。相手に丸投げした部分で認識の食い違いが生じてしまうと、思わぬトラブルに発展してしまうケースも生じるでしょう。
他人に丸投げしたり押し付けたりしていると、確認不足や認識のずれも生じやすく、見落とした内容によっては大きなトラブルにもつながります。
自責思考をコントロールする方法
適切な自責思考をもに付け、歪んだ自責思考に振り回されてしまったり、自責思考のデメリットが強く出てしまったりしないようにするためにどう対処すればよいかを解説します。
適切な「自責思考」の意味を知る
まず重要になってくることが、「自責思考」の本来の意味を知ることです。
「自分を責める」「自分が責任を取る」ことが自責思考であると捉えてしまうと、責任を感じて自分で自分を責めてばかりの状態になってしまい、メンタル的にも疲弊してきてしまいます。
そうではなく、「自分が及ぼせた影響力を考える」ことが適切な自責思考であると知ることで、「自分には何ができたのか?」をしっかりと考えて改善していき、次につなげるということができるようになるでしょう。
EQを強化しメタ認知力を身につける
自責思考だけが強くなりすぎると、自分とあまり関係ないことまで自分に関係がある、責任があると判断して、勝手に物事を背負い込んでしまいます。
誤った判断に陥ってしまわないようにするためには、EQを強化することです。自身の感情、ストレス等の状態を把握して、自分を客観視(メタ認知)できるようになることが有効です。
自分の状態を自分で客観的に把握することで、自分が抱え込み過ぎていないか、過度な自責傾向に陥っていないかをチェックして、理性的に自責思考と他責思考をマネジメントできるようになるでしょう。
自分と他人の「強み」を認識する
一人で背負い込み過ぎてしまうことを防ぎ、チームで成果を上げられるようになるためには、自分と他人の「強み」を理解することも有効です。
自責思考が強くなりすぎると、自己効力感を失ってしまうことは前述の通りです。また、「他人に任せるなど無責任だ」「他人にやらせてその人がミスをすれば、自分の責任になる」と考えてしまうあまり自分で全部やろうとしてしまう傾向も出てくるでしょう。
自分の「強み」を知り、活用することは自己効力感につながります。また、他人の「強み」を知ることで、過度な心配をせずに、相手に任せた方がいい仕事が出来るようになるでしょう。
自分と他人の強みを組み合わせられるようになることで、一人で抱え込み過ぎてしまうことを防ぎ、チームとして成果を最大化させるにはどうすれば良いのかを考えられるようになるでしょう。
セルフコンパッションを実践する
自責思考が強すぎると、過度に“ストイック”な状態となり、自分で自分を大切にできなくなります。メンタル的に自分を追い詰め過ぎて潰れてしまうというのを防ぐために意識しておきたいのが、「セルフコンパッション」です。
セルフコンパッションとは、他人に思いやりを持ち、同情するのと同じように、自分自身を思いやり、大切にする考え方です。
とくに生まれ育った家庭環境などで、過度な自責傾向に陥っている人は、必要以上に責任を背負い過ぎてメンタルダウンを起こしやすくなりますので、あるがままの自分を受け入れられるようにすることが大事になってきます。
自責思考を適切にコントロールするために役立つサービス
HRドクターを運営する研修会社のジェイックでは、自責思考を適切に理解しコントロールすることをサポートする以下のようなサービスを提供しています。
7つの習慣®研修
一般的に「自責思考を持つことは重要である」とされていますが、これまで解説してきたように自罰的な自責思考はストレスを抱え込んだり自己効力感を失ったりして、メンタルダウンにつながってしまうリスクも出てきます。
適切な自責思考を身につけ、主体的に行動していけるようにするのにお勧めなのが、7つの習慣®研修です。
スティーブン・R・コヴィー博士によって成功した人に共通する要素についてまとめたれた7つの習慣®には、「インサイド・アウト」と呼ばれる概念があります。インサイド・アウトとは、「自分の外部に原因や責任を求めるのではなく、自分の内部にあるものを変えることで、外にあるものを良くしていくこと」です。
7つの習慣®の中核とも言えるインサイド・アウトの考え方、また、責任の範囲を適切にとらえる影響の輪/関心の輪といった考え方を理解し実践していけるようになることで、適切な自責思考の基に行動していけるようになるでしょう。
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7つの習慣の内容や効果については以下の記事で要約しています。
EQ研修
過剰に自分と関連付けてしまったり、不必要に責任を背負い込み過ぎてしまったりすることは、自身のメンタル状態を好ましくないものにしてしまいます。
ネガティブな感情に飲み込まれず、自分の状態を客観的に見つめられるようになる能力がEQです。「心の知能指数」とも呼ばれるEQは、適切なトレーニングによって鍛えることが可能です。
EQ研修では、EQPI®検査で感情マネジメントの現状を可視化し、診断結果を踏まえて自分に合った強化計画を立ててEQを伸ばしていくことができます。
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強みの生かし方を身に付けるストレングス・ファインダー®研修
自己効力感を高め、周囲の力をうまく借りながら成果を生み出していくためには、自分や他者の「強み」を正しく理解し生かすことが必要です。
強みの理解と活用スキルを身に付けられる研修が、ストレングス・ファインダー®研修です。
ストレングス・ファインダー研修では、世界3,100万人(2024年3月時点)が受けた才能診断ツールであるストレングス・ファインダー®を活用することで、自分の才能を可視化し、才能を成果につなげるためにどうすればよいかを学ぶことが出来ます。
外部1on1を提供するKakedas
自責思考に偏ってしまうと、誰にも相談しないまま一人で多くの仕事を抱え、ストレスが多い状態になりやすいものです。
EQとセルフコーチングを身に付けている人であれば、自分の状態をメタ認知し、更に自分を適切な状態に導いていくことができます。しかし、そこに至るまでは、自分の感情や状態を内省し、理性を働かせるためには他者との対話を使うことが有効です。
自分自身の内省を促すキャリアコンサルタントとの1on1面談を提供するサービスがKakedas(カケダス)です。
KakedasはAIによって選び出された従業員それぞれと相性の良い外部のキャリアコンサルタントが面談を担当することで、相談者が安心して話せる対話の場を提供します。
守秘義務をもった第三者が面談することで、上司には言いづらい仕事の悩みを打ち明けやすく、また、一人でたくさんの仕事を背負い込み過ぎていないかどうかを客観的に認識できるでしょう。
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