Apex(エイペックス)株式会社|会社のコアバリュー実現こそが働きがいのある職場への近道となる

更新:2024/07/22

作成:2024/07/12

Marketo用記事サムネv28_Apex

ハイクラス人材を主に東京を拠点とする国内の各企業へ紹介しているApex(エイペックス)。2024年版Great Place to Work® Institute Japan「働きがいのある会社」ランキング中規模部門において、第11位に選出されています。

 

誠実、コミュニケーション、チームワーク、コミットメント、人、適応能力の6つのコアバリューを常にビジネスの中心に置きながら、いかに働きがいのある職場づくりを実現しているかを、代表取締役 Brock Worbets(ブロック・ワーベッツ)様に伺いました。

会社情報

会社名:Apex(エイペックス)株式会社様
設立:2010年
従業員:約130名(2024年6月現在)
中間管理職から経営トップレベルのバイリンガル人材・グローバル人材を、外資系企業や日系グローバル企業へ紹介する。顧客の規模は大手有名グローバル企業をはじめ、中小企業や日本初進出のスタートアップ企業までと幅広い。現在は21国籍の約130名のスタッフ(そのうち約半数が女性)が在籍し、製薬、科学技術、医療機器をはじめ、ヘルステック、バンキング・ファイナンシャルサービス、コンシューマー、サプライチェーン・購買、法務・コンプライアンス、人事・総務、財務・会計、ITの11の業界をカバーし、求職者、採用企業のニーズに合った人材紹介サービスを提供している。

<目次>

Q.貴社の沿革と事業内容について教えてください

ブロック様:東京・渋谷区恵比寿で人材紹介をしている会社です。当社の主な特徴としては2点あり、1つは人材紹介の中でも中間管理職から経営トップレベルのバイリンガル人材を紹介している点です。

 

また、2つ目はヘッドハンティング型のエージェントであることです。大手のエージェントでは求人を掲載して、そこに不特定多数の応募をいただく形ですが、当社ではまず各クライアント企業様が求める人材についてヒアリングしたうえで、候補者リストを作成しています。この手法であればマッチ率が高く、お客様から高い評価をいただいています。

 

2010年に私を含めた5名のコンサルタントによって設立した当初は、製薬、科学技術、医療機器などのヘルスケア業界に注力していました。現在は約130名のスタッフがおり、ヘルスケア業界以外に、ファイナンス、コンシューマー、IT業界など全11の業界をカバーしているエージェントとして成長中です。

 

今回、初めてGPTWの「働きがいのある企業」にエントリーし、中規模部門で11位を獲得でき、さらに「女性の働きがいランキング」では5位にランクインすることができました。

 

ほかにも『最も成長を遂げた企業』、『ライフサイエンスリクルートメント企業』、『最も働きたい中規模リクルートメント企業』、『ヘルスケア&ライフサイエンスリクルートメント企業』、『エグゼクティブサーチカンパニー・オブ・ザ・イヤー』など、多くの賞を頂き、それらによって徐々に周りから認知されているようになってきたと感じています。

Q.ブロック様はカナダ出身ですが、なぜ日本で事業展開を考えたのでしょうか?

エイペックス_ブロック氏

 

ブロック様:少年期を思い返せば、私が小学6年生くらいの時、私の家に15~16歳の日本人が1年間ホームステイしたことがあり、その頃から日本という国に馴染みを持ったのだと思います。

 

さらに、ソニーや任天堂などの日系企業が世界へ規模を拡大しており、日本のパワーはすごいと思っていました。そこからますます関心は高まって、大学ではアジア経済を研究し、さらに卒業後は日本へ渡り、英語教師として青森で3年間過ごしました。

 

英語教師として勤めた後、オンラインの求人サイトに履歴書を掲載したところ、日本のリクルート会社からスカウトされ、その会社に入ることになりました。入社した会社の社長は優しく、働く環境は非常に楽しく、多くのことを学ぶことができました。

 

そこで6年ほど働き、さらに経験を積むべく別の仕事を探しましたが、リーマンショックの影響で仕事は見つかりませんでした。それなら自分で会社を作ってしまおうというのが、日本での会社設立のきっかけです。

 

日本で会社を作るのは難しくありませんでしたが、設立のタイミングは最悪でした。初年度の2010年はリーマンショックの影響を受け、翌2011年は東日本大震災があり、そんな状況では人材募集もなく、最初の数年間はとても苦労しました。

Q.ヘルスケア業界にフォーカスしたのはなぜですか?

ブロック様:理由は2つあります。1つは父親が獣医師だったので、私もクリニックによく遊びに行ったりと、自然と医療に触れる環境がありました。獣医にこそなりませんでしたが、その経験がヘルスケア分野に興味を持つきっかけになりました。

 

もう1つは、リーマンショックで通常の会社は人材募集等を控えていましたが、実のところ製薬メーカーや医療機器メーカーはいつも人材を探していました。

 

なぜ不況の中でも採用を継続できるのか、それは日本のヘルスケアシステムの環境の良さにあります。アメリカとヨーロッパの製薬メーカーは常に日本進出を狙っており、アジアにチャンスがあると考えていたのです。

 

こうした状況が見えていたので、当社は最初からヘルスケア業界におけるバイリンガル人材の紹介に注力していました。

 

これらの企業には日本で働くバイリンガル人材が必要です。営業などのポジションは国内リクルート企業でも対応できるかと思いますが、英語を重視する場合は当社が選ばれるはずだと確信していました。

 

そうした状況下でしたので、その後の成長において大きな障害はなかったと思います。ただ、数名のスタートから30~40人までは順調に増えてきましたが、その頃に少し成長が鈍ったことがあります。

 

振り返ってみると、当時は会社としてのシステムが不十分だったので、次のフェーズへと成長しにくい状況になっていたのです。いわゆる「50人の壁」というものでした。

 

そこで採用や育成にリソースと時間を割き、しっかりした社内プロセスを構築することに集中しました。バイリンガルのいい人材を社内で採用する姿勢に変わりはありませんが、これらのプロセスの構築が、次のフェーズに進むための大きな機動力になりました。

Q.ブロック様の考える「いい人材」とは、どのような人を指すのでしょう。

ブロック様:シンプルですが、スマートでポジティブな人。そして一生懸命になれる人です。インテグリティ(誠実さ)も大事でしょう。

 

私は人を育てていくことに興味があり、そうした方に出会うと、いつも積極的に仕事を教えたくなります(笑)。できるだけ力を発揮しやすいよう、環境づくりにも余念はありません。

Q.多国籍のスタッフがいる中で、文化や慣習の違いをどう束ねているのですか?

エイペックス_多国籍

 

ブロック様:確かに21国籍の社員がいますが、意図的に多国籍の人材を集めたというわけではありません。ジェンダーや国籍を問わず、シンプルに会社の求める人材として、インテグリティを持ち、ポジティブな側面と高いモチベーションを持った方を採用した結果として、現在の構成になっています。

 

採用された女性の割合も6割強になっていますが、特段ダイバーシティのチームを作ろうというわけでもありません。

 

結果的に多国籍なスタッフが集まるようになりましたが、それによって組織の方向性が大きく変わることはありませんでした。設立当初から変わらない、まとまりのあるチームワークとフラットな体制を目指す姿勢を維持しています。

 

社内では社長である私も社員と並んで座り、すぐに話を聞けるようにしています。社長室は私には必要のないものです。こうしたことでコミュニケーションが向上し、そこで醸成されたチームワークは強固なものとなりました。

 

コロナ禍では、海外メンバーが日本に来られませんでしたが、積極的にビザサポートを行ったり、年単位で来日できないスタッフについては定期的にコンタクトを取るなど、モチベーション維持に努めました。

 

とくに時差のあるヨーロッパのスタッフはいったん韓国へ行き、そこからリモートで研修を行い、学んでもらうこともありました。

 

社内では常に透明性を持って情報共有し、文化背景の異なるメンバーのマネジメントにおいては、「こういう場合ならこう動いてこう理解してくれるはず」という誤解を招くコミュニケーションにならないようにしています。

 

また、社員同士のコミュニケーションは基本的には英語です。私たちは「分かりやすいコミュニケーションをとること」と「物事をシンプルに捉えること」を重視しており、入社時から何度もリマインドし、周知徹底させています。

 

ここで言う「分かりやすさ」や「シンプルさ」とは、会社内で使われるシステムやプロセス、言葉が簡単に理解できることを意味します。それはテレビ教育番組の「セサミストリート」のように、誤解されることのない表現を使うことです。「分かりやすく、シンプルであること」が大切なのです。

Q.貴社は女性の働きがいでも評価があり、女性活躍も顕著になっていますね?

ブロック様:会社があえて多国籍企業になろうとしたわけではないのと同様に、あえて「女性にとっての」働きやすさを追求したわけではありません。誰もが一人のエイペックス社員として働き、互いが性別・年齢・国籍問わずに接し、フェアな立場を保っています。

 

体調を崩したときや子供が熱を出したときは、チャットで上司に休暇申請をすれば1分以内に承認されます。上司もしばしばホリデイで日本にいないような、いい意味での気ままさがあり、風通しの良い社風であるため、仕事とプライベートのメリハリがあります。

 

ワークライフバランスがよく取れていることが、働きやすさにつながっているのではないでしょうか。

 

国内企業では、まだまだ女性が任される部署や業務内容がなんとなく決めつけられているように思えます。しかし当社ではそういう「暗黙の決めつけ」などはなく、ゼロの段階から選択肢は本人にあります。

 

そのため当社の女性社員からは働くうえで「あまり性別を意識したことはない」「女性だからと心配するようなことはない」という声が聞かれています。

Q.社員はどのようにマネジメントラインに上がっているのでしょうか?

ブロック様:当社の昇進システムは明確です。まず結果を出し、数字として挙がっていることが前提となりますが、そのうえで何よりも重要なのは、対象者がマネジメントラインに上がりたいかどうかです。

 

例えば営業として成果を上げ、昇進の機会があったとしても、本人がプレイヤーとして仕事を続けたい場合は無理にマネージャーになれとは言いません。逆に、若手であってもマネージャーに就きたいのであれば、年齢や、経験が浅いなどの理由で断られることもありません。

 

実際、6年前に入社したカナダ人のスタッフは、1~2年目にどんどん社内グレードを上げ、今やシニアビジネスマネージャーに昇進し、すでに10名ほどのセカンドマネジメントを行っています。このように、それぞれのメンバーの意向を尊重していくことが第一です。

 

ただそうであっても、当社におけるマネジメント層はまだ男性の比率が高く、女性の比率を増やすための取り組みも進めています。

Q.マネージャー昇格前後における研修等はありますか?

ブロック様:昇進をしたら、必ずアドバンストレーニングを受けなければなりません。そこでリクルーターとして付加価値を高めるための議論をしたり、ロールプレイなどをグループで行ったり、各チームのマネージャーからケーススタディの説明を受けたりします。

 

これらのトレーニングは、同じタイミングで昇格したほかのチームメンバーと参加するので、新たなコミュニティが形成され、垣根を越えた仲間意識が生まれるなど、楽しく参加できる内容になっています。

 

もちろん、マネージャーになる前のトレーニングもあり、将来的にマネジメントに興味があるスタッフが参加しています。一般の企業ではマネージャートレーニングを受けると、暗黙の了解ですぐにマネージャーにならなくてはならないケースも多いようですが、当社でそのようなことはありません。

 

各々が希望するキャリアパスを尊重しているので、マネージャーになりたければそのままプロセスを進められます。一方で、プレイヤーとしてもう何年か頑張りたい場合は、タイミングが来たときに改めて相談することも可能です。

 

繰り返しとなりますが、まずは本人の意思が第一で、そこからトレーニングを受け、昇進するプログラムを構築していきます。

 

ほかにも、入社すると受けるべき研修はあります。採用に関するトレーニングやクライアントとのやり取りに関するトレーニングがあり、会社の重要なコアバリューやプロセスを全員が学ぶようになっています。

Q.GPTWをはじめ多数受賞されていますが、そこで評価された貴社ならではの「働きがい」を生み出す組織風土について教えてください。

エイペックス_女性の働きがい講演

 

ブロック様:当社では「共感と祝福の文化」を重んじており、四半期ごとに全社でセレブレーションの機会を設けています。

 

そこでは四半期の会社の営業実績や個人の昇進、売上の成果などをプレゼンし、皆でお酒と食事を楽しみながらそれらを祝います。誰がどのくらい活躍し、貢献しているかを全員で把握することで、互いを祝福し合い、改めて自分も頑張ろうという刺激を得ることができます。

 

称え合うことで自然とポジティブな雰囲気となり、それがチーム全体の働きがい向上につながっていると実感できます。

 

当社が掲げているコアバリューは設立時からのもので、今述べた「共感と祝福の文化」のように、互いを認め、会社を大切にしていこうという雰囲気のもとに作られたものです。

 

これまで当社もアップダウンの時期は何度もありましたが、何か困難があったときは初心に戻り、コアバリューを思い出すようにしています。それが支えとなり、働きがいにもつながってきました。

Q.働きやすさと成長の両立を成し遂げるためのポイントがあれば教えてください。

ブロック様:私自身がもともとヘルスケア業界に精通し、まずはそこに特化して自分の会社を立ち上げ、成長させてきた経緯があります。

 

ただ、企業が大きくなると一つの業界に特化するだけでは全体のパイが小さくなり、チーム内や社内での競争も大きくなります。それならば成長のために他の業界にも手を広げ、パイをもっと大きくしていこうと考えました。

 

当初のヘルスケアから、ITやコンシューマー、金融など、急速に幅広くお手伝いさせて頂くようになったのは、それが理由です。

 

そうした中で、社内では積極的なコミュニケーションをとり、透明性をもって情報をシェアするという姿勢を当初から信条としています。これが最終的には働きやすい環境づくりや社員のモチベーションアップにつながっていると考えています。

 

余談ですが先ほどもお伝えしたように、私は人に何かを教え、育てることが好きなのです。母親が教師だったこともその要因なのかもしれません。新しく採用は続けているので、その方々にも全員で丁寧に教育していきます。

 

一方で、すでに自立し、売り上げを出しているメンバーもたくさんいますので、彼らにもしっかりケアを続けていきたいと思っています。これまでも会社はそのためのプロセスやシステムをしっかり構築してきており、それを継続することで今の成長につながったと考えています。

Q.今後さらに働きがいを高めるために考えていることがあれば教えてください。

ブロック様:マネジメントの重要性は企業の成長においてますます増しています。これまで通りマネージャートレーニングを行いますが、さらに追加のマネージャートレーニングを導入し、一度きりではなく継続して行うようにしていきます。

 

そのため先ほども述べた通りまずは個人の意向を尊重しつつも、マネジメントに興味がある人にはどんどんチームマネジメントを任せ、マネージャーとしてのキャリアパスを提供していきたいと思います。そうすることで、それぞれが自分なりの働きがいを感じられるようにしたいですね。

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