イグニション・ポイント株式会社|カルチャーフィットを最重要視し多様性のあるメンバーを一つにまとめる

更新:2024/10/08

作成:2024/09/27

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社会環境の変化を機敏にとらえ、これからの時代に必要とされる価値をプラットフォームの形で提供するイグニション・ポイント。2024年版Great Place to Work® Institute Japan「働きがいのある会社」ランキング中規模部門において、8年連続でベストカンパニーに選出されています。

 

理念である「ゆたかな人生のきっかけを」の体現のため、職場環境や各種制度を時代に応じて柔軟に整えつつ、いかに社員一人ひとりの成長やキャリア実現へと結び付けているか、人事総務部 人事責任者の宮崎 達矢様にお話しいただきました。

会社情報

会社名:イグニション・ポイント株式会社様
設立:2014年6月
従業員:グループ全体:403名(2024年9月現在)
コンサルティング事業、イノベーション事業、インベストメント事業を柱に、クライアントのDXやイノベーション創出、新規事業の創発や、スタートアップへの投資と投資先の成長支援を行うことで、企業が目指す改革や変革実現を支援する。また、自社による事業創出や共創を行うイノベーションファームとして、3つの事業が相互にコラボレーションしながら企業や行政、大学と連携して新規事業を創発するなど、自らイノベーションを生み出して展開している。

<目次>

Q.貴社の事業内容について教えてください

 

宮崎様:当社には大きく3つの事業があり、クライアント向けのコンサルティング事業と、自社事業の創出をするイノベーション事業、さらにベンチャーへの投資を中心としたインベストメント事業を柱としています。

 

この3つのうち、2つは事業に組み込んでいるという会社はありますが、私の知るかぎり3つ全てを事業に組み込んでスケールしている会社をまだ他で見たことがなく、それがイグニション・ポイント最大の強みだと思っています。

 

なぜそうした他にない事業展開をしているかといえば、創業以来、当社では「ゆたかな人生のきっかけを」を理念として掲げていることにあります。

 

幅広いサービスがあることで、それだけ社員のビジネスチャンスは増えることとなり、そうした仕事の機会・経験により当社社員の一人ひとりが思い描くキャリアを実現させ、ゆたかな人生を歩んでいけると思うのです。

 

さらにいえば、当社では「ゆたかさを生みだすあらゆる革新のプラットフォームになる」というビジョンを掲げています。

 

「ゆたかな人生のきっかけを」は、「あらゆる革新のプラットフォームになる」ことによって実現できると思います。そのプラットフォームが先ほどの3事業であり、それぞれがつながって構成されています。

Q.宮崎様のご経歴についても教えてください

宮崎様:私は2019年にイグニション・ポイントに入社しました。新卒で人事コンサル会社に入社し、クライアントワークを7年間行いました。

 

2016年に社員数8000人規模のIT系ベンチャー企業に人事として入社し、2年目からは年間1000名規模の採用を行う採用責任者を務めました。その後、イグニション・ポイントにお声がけをいただきました。

 

私の入社当時、当社は80人くらいの会社で、最初の業務は採用がメインでした。そこから倍々ゲームのように会社が急成長し、現在約400人規模となっています。

 

それに合わせて業務は採用だけでなく、制度・教育・カルチャーづくりなど全方位的に広がっていきました。業務の枠を超えて連携を図ったり、ときには、より優秀な人材を採用するために人事制度そのものを変えることもありました。

 

現在は、人事の責任者としてメンバーは15人ほどいます。採用、教育、労務に加えHRBPなども立ち上げ、人事全般を統括しています。

Q.8000人規模の会社から現職に転職したポイントは?

宮崎様:前職はそれなりの規模があり、給与面で不満もなく、すぐに転職を考えていたわけではありませんでした。ただ、私の中で転職するならこういう会社に行きたいという3つの条件を持っていました。

 

1つ目は50~100人規模でこれから急拡大をしていこうとする会社であること、2つ目は事業内容にオリジナリティがあるかということ、そして3つ目は前職から給与を下げないという条件です。

 

こんな自分勝手な条件に合致する会社は多くはありません。そのため、条件をすべて受け入れてくれたイグニション・ポイントに出会えたときは「こんな会社は他にない!これも一つのご縁だ」と感じました。

 

8000人規模の会社では、人事をはじめほとんどの仕組みがすでに出来上がっているので、そこから抜本的な変革を起こすことは困難です。

 

急成長をしているイグニション・ポイントであれば、人事としてのキャリアを生かしつつ、そこからスクラップ&ビルドを繰り返すことで、人事として理想とする会社を作れるのではという期待がありました。

Q.急成長する中、採用、育成、マネジメントでの苦労点があれば教えてください

 

宮崎様:他社でもあるように、当社でも100人の壁がありました。100人までは能力のある突出した個(社員)が数名いれば、その数名が全体を支え、会社として成り立たせることも可能ですが、100人を越えると個の力だけでなく、組織全体の力が必要になってきます。

 

そうなると、個人として能力がある社員にも組織のマネジメントをしてもらわなければなりません。しかし、今まで個人として成果を上げていた人にいきなり組織をマネジメントしろと言っても、なかなか上手くできるものでもありません。

 

そのため、マネジメント教育を組織に取り入れる必要がありました。しかし、単なる教育だけではなかなか実践に結び付かないため、社員がより意識できる仕組みづくりも同時並行で行いました。

 

例えばマネージャーの評価基準の中に、マネジメントができているかどうかを示すためのチームメンバーのエンゲージメント指数を加えました。このようにエンゲージメント指数を評価基準に取り入れることで、マネジメントを半強制的に意識づけることができるのです。

 

そのあとにやってきた300人の壁は、今も続いていると言ってもいいかもしれません。300人となると、今度は年齢、ライフステージをはじめ価値観や専門性など、様々な要素にマネジメントが必要になってきます。300人を超えてから、マネジメントの難易度が格段に上がりました。

Q.100人、300人など人数に伴い採用基準も変化しましたか?

宮崎様:変わった部分とそうでない部分があります。まず変わった部分としては、社員数に対する採用割合が増えたことです。前年100人採用だったものが、今年は150人と急増しています。

 

5年前ならば未経験者の中途採用はしない方針でしたが、ここ1~2年で教育体制も整い、採用できるようになりました。

 

一方で変わっていない大きな採用基準として、カルチャーフィットがあります。これは数年前よりかなり厳しくなっていると思います。以前は「能力が高いから」「仕事できそうだから」という理由で採用することもありました。

 

しかし、カルチャーフィットしない方がマネージャークラスで入社した場合プレイヤーとしては優秀でも、マネジメント能力が不足しているケースがあり、結果として組織に悪影響を及ぼす要因となってしまうことも起こりえます。

 

これを踏まえ、能力に加えてカルチャーへの親和性を重要視しています。社員の多様性は進んでいきますが、カルチャーフィットしていれば束ねていけるのです。

Q.働きがいを高めるために、どのような施策を行っているのでしょうか?

 

宮崎様:エンゲージメントには、仕事内容、上司・同僚との関係性、報酬など、様々な要素があると考えています。ただ正直、特段変わったことはやっておらず、当たり前のことを当たり前に実践しています。

 

例えば、1on1ミーティングは多くの会社でも実施していますが、当社では上位の社員をパフォーマンスマネージャーとして各メンバーに紐づけています。パフォーマンスマネージャーはキャリアや日々の仕事、プライベートな相談も聞き、解決に導いていきます。

 

会社によってはそうした役割はマネジメントクラスにはつかないこともありますが、当社では全社員に適用されています。例えば、執行役員のパフォーマンスマネージャーは社長となります。

 

1on1は2週間に1回、15~30分間必ず行います。もう少し長いスパンで考えてはどうかと言われたこともありましたが、例えば1カ月に1回であれば、もし仮に転職を考えている社員がいれば、1カ月の間に新たな転職先が決まってしまうでしょう。

 

そうなると次の1on1の話題は退職のことしかありません。すでに本人の気持ちは次の会社に向かってしまっているので、そこから引き戻すのは難しくなります。

 

1on1を実施する会社は多いですが、どこまで徹底しているかが重要だと思います。会社によっては上司が一方的に話すだけだったり、そもそも社員の業務が優先されて日程をスキップすることもあるかもしれません。

 

当社では、人事が社員全員のカレンダーに1on1がきちんと予定されているか、人事部が確認し、実施を徹底しています。

 

なお、エンゲージメントサーベイも同様に毎月行っていて、回答率は毎回95%以上あります。これもただ「回答してください」だけではなかなか回答が得られないため、何度も提出を促しています。

 

もちろん社員を信頼していることが基本にありますが、きっちり統制をとるべきところはとり、それを続けることで習慣化されていくのです。

Q.それには普段からのコミュニケーションも大事ですね。一体感を高めるために工夫されていることについてお聞かせください

 

宮崎様:会社の規模が拡大するにつれて充実したコミュニケーションを維持することが課題になってきていると感じています。

 

1on1を実施して個人レベルのコミュニケーションの充実を図っていく一方、それだけではチームや部署ごとの一体感が難しくなってきます。そこで部会を月1回行うなど、バランスを考えた対策を立てています。

 

会社全体では、先日当社が創業10周年を迎えたので、周年パーティを開催しました。それ以外にも、社内交流会や社員と社長とのランチ会を定期的に行っており、今後もコミュニケーションの機会を増やしていく予定です。

 

その他、コミュニケーションの一環として、社内の声を受け取り、生かすための仕組みづくりを進めています。意見が経営層に届くように、オンライン目安箱や社内アンケートを定期的にとり、それらを元に新たな福利厚生を導入することもあります。

 

先月も家事代行サービスなど、社員がより働きやすくなるようDE&I推進の一環として3つの福利厚生を新たに導入しました。

 

とはいえ、当社の大半の社員はベンチャー志向であり、独立したコンサルタントとしての意識を持っています。そのため、画一的なコミュニケーションでは満足せず、各自が担当する業務においても常に新しいことに挑戦したいと考えています。

 

そのため、一体感を求めるだけの施策では、逆にコミュニケーションが円滑に進まなくなる可能性があります。

 

例えばコンサルティング以外の業務にも挑戦したいという声もあり、CXOチャレンジで新たな事業責任者に就いたり、投資事業でキャピタリストとして転身したりするケースもあります。

 

しかし、こうした場合でも会社が懇切丁寧に場を提供するわけではなく、あくまで立候補制です。立候補があった際には、会社としても可能な限りのサポートを行っています。

 

もちろんイノベーション事業やインベストメント事業からの公募もありますが、やはり社員から「この事業に興味が合って、ぜひ取り組みたい」という強い意志を持って事業責任者に直接アプローチするケースが多い印象です。

Q.今後の取り組みについて教えてください

 

宮崎様:現在、グループ全体で社員数約400人、イグニション・ポイント単体で約300人いますが、単体でまず500人を目指したいと考えています。

 

人数が増えるとまた新しい壁が生じてきますので、対策を考えながらの増員が必要です。また採用だけでなく、社員が離職しないように会社に留まるための施策も重要です。

 

社員が増えるにつれ、カルチャーにズレが生じないように教育体制も必要になります。それに伴い、マネジメントの難易度も上がるので、マネージャーへの教育もより充実させていかなければなりません。今後、社内で教育に関する議論がより多く出てくるでしょう

 

また、ルールの明確化も必要ですね。社員が少なければ目が行き届きやすいですが、人数が増えるとともに多様性も増すため、ガバナンスが機能するためには一定のルールが必要です。

 

しかし、ルールで縛りすぎることは、会社として大事にしている「イノベーション」を阻害することにも繋がりかねないため、そのバランスをとることは難しい課題でもあります。

 

ルールを確立するためには評価制度を仕組みに取り入れて、社員をうまく導いていく必要があります。その中で成功体験を積んでもらい、会社が面白いと感じてもらえれば、一歩ずつステップアップしていくのではないでしょうか。

 

人事としても、会社の成長において単純な規模拡大だけではなく、社員にチャレンジの機会を提供し、仕事に面白さを感じてもらえるかがポイントです。

 

一方で、会社としての市場におけるオリジナリティをどう作っていくかも重要な課題であり、今いる社員が会社にどこまで夢を持てるのか、そこが原動力となっていくでしょう。

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