「人を見る目」がある方だと思いますか?【人を残すvol.151】

経営者向けメールマガジン「人を残す」fromJAIC

「人を見る目」がある方だと思いますか?

ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。

 

弊社は1月決算なのですが、毎年2月の第一金曜日に全社員参加の
事業計画発表会を行っています。

 

今年は、3年ぶりに東京・御成門の会場に200名を超える社員が集まり
リアル開催いたしました。

 

経営Topの話の伝わり具合、社員表彰での感動、懇親会での盛り上がり、
どれをとっても、直近2回のオンライン開催とは比較になりません。

 

多くのことがコロナ前に戻りつつあります。

 

一方で、コロナになり導入されたことの中には、アフターコロナでも
続くだろうと思われるものもあります。

 

そのひとつが、採用活動におけるオンライン説明会やオンライン面接です。
特に、採用活動初期においては、学生側・企業側双方にとってオンラインは
大きなメリットがあります。

 

しかしながら、オンラインでの面接はリアルの面接以上に難易度が高いです。
そもそもリアルでの面接でも、難易度が高いタスクだと思っています。

 

そこで、最近読んだ面接に関する本の中で、抜群だった書籍を紹介させていただきます。

 

その本は、

 

小野壮彦『人を選ぶ技術』、フォレスト出版。

 

著者は、人材エージェントとして世界有数のエゴンゼンダーの共同経営者になった方です。
また、新卒でアクセンチュアに入社し、その後、プロトレード起業から楽天に売却。
Jリーグ・ヴィッセル神戸の取締役、ZOZOの本部長と、多彩な経歴をお持ちの方です。

 

世界最高峰のヘッドハンターとしての教育を受けておられ、
かつ実業でも大きな成果をあげてこられていますので、
理論と実績に裏打ちされた内容になっています。

 

この本は、次の2つの質問からスタートします。

 

質問① あなたは「人を見る目」がある方だと思いますか?
質問② もし、それを科学的に伸ばす方法があったら学びたいと思いますか?

 

この質問に、どうお答えになりますか?

 

著者が、この質問を172名にした結果、
一つ目の問いには、6割以上の方が「自分は人を見る目がある」と答えたのですが
二つ目の問いには、8割以上の方が「関心がある」と答えたそうです。

 

みなさんが、「人を見る目」を高めることに
関心をお持ちでしたら、この本は大変役立つと思います。

 

体系だって説明されていますし、事例も豊富ですので、大変理解しやすいです。

 

どんなことが書かれているのかは、以下の目次をご覧ください。

 

序章 「人を選ぶ」ということの意義

 

第1章 「人を見る目」を分解する
「人を見る目」は誰に対して使えるか?
「人を見る目」は何に役立つのか?
私たちが下す「優秀認定」は意外と怪しい
同様に人の「有害認定」もけっこう怪しい
無意識の「認知バイアス」が私たちの目を曇らせる
「優秀で無害な人」の意外な落とし穴
「人を選ぶこと」は人を排除するのが目的ではない

 

第2章 人を「階層」で捉える
人は「4つの階層」で構成されている
誰でも見抜ける地上階「経験」「知識」「スキル」
地下1階の「コンピテンシー」とは?
相手のコンピテンシーを見抜くための必須技術
ミステリアスな地下2階 人間のポテンシャル
ポテンシャル・モデルを因数分解する
好奇心のサブセットは「吸収」と「更新」
洞察力のサブセットは「集める」と「つなげる」
共鳴力のサブセットは「結ぶ」と「響く」
胆力のサブセットは「腹決め」と「律する」
エネルギーレベルを統合して「器」を評価する
地下3階の「使命感」と「劣等感」が人を突き動かす

 

第3章 相手の本質を見抜く実践メソッド
実践メソッド①【整える】自らの心を整える
実践メソッド②【和らげる】感情は伝播する
実践メソッド③【あぶりだす】できているようで、できていない
実践メソッド④【ボーッと見る】感性をいかに活性化させるか
面接でハマりやすい意外な三つの落とし穴

 

第4章 人を見る達人となるために
「量の力」を侮らない
「見抜く」と「見立てる」の違い
書けないうちは思考ではない
自分を知らなくては他人をみることなどできない
「自覚的なバイアス」と「無自覚のバイアス」を熟知する

 

第5章 地雷を踏まないための知恵
EVILな人を特定することの重要さ
EVILの典型タイプは「マウント型」と「ナルシスト型」
突発性EVILに注意
突発性EVILの3タイプ
見極めるべきは「しきい値」の高低

 

第6章 人を選ぶ現場で今起こっていること
「減点」をひたすら回避する日本の組織風土
日本企業はなぜ「ワイルドな採用」ができないのか?
猛烈な競争社会のアメリカで起こっていること
「見切る速さ」の違いが生産性の違いを生む
経営者の悩みは、ほぼすべて「人選び」
「人を選ばない」という大胆な挑戦をした会社
育てることは大事だけど、選ぶことはもっと大事
「人選び」がますます重要になっていく時代

 

終章 「人を見る力」がもたらす究極の喜び
「自己開陳」の底知れぬパワー
魂と魂が響き合う出会い
「人を見る目」が「人を信じられる世の中」をもたらす
「人を決めつけること」がない世界を目指して

 

如何でしょうか?
どこも詳しく読みたい内容ばかりではないでしょうか?

 

私も大変勉強になりましたが、その中でも特に学びになったのは

 

「ポテンシャル・モデルの因数分解」です。

 

人物の評価で、「ポテンシャルが高い、低い」とよく表現していました。
しかし、きちんと整理して考えられていませんでした。

 

それを著者から、

 

ポテンシャルの因子は、「好奇心」「洞察力」「共鳴力」「胆力」の4つである

 

と提示されました。

 

私自身も思考してみましたが、「確かにそうだな!」と腹落ちしました。
これからは、ポテンシャルはこの4軸でみようと決めた次第です。

 

ビジネスは、人との関わりで成り立っていると思いますので
ご一読をお薦めいたします。

 

小野壮彦『人を選ぶ技術』、フォレスト出版、2022年

 

今回の執筆者:「知見寺直樹」
(株式会社ジェイック 取締役)

著者情報

知見寺 直樹

株式会社ジェイック 執行役員|上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 副董事長

知見寺 直樹

東北大学を卒業後、大手コンサルティング会社へ入社。その後、株式会社エフアンドエム副本部長、チャレンジャー・グレイ・クリスマス常務取締役等を経て、2009年ジェイック常務取締役に就任。総経理として上海法人(上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 )の立ち上げ等を経て、現在はHumanResourceおよび事業開発を担当する。

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