コンビニスイーツはお好きですか?【人を残すvol.158】

いつも大変お世話になっております。
株式会社ジェイックの梶田です。

 

皆様は、甘いものはお好きですか?
 
私は結構好きで、仕事終わりでちょっと疲れたときには、
甘いものが欲しくなり、コンビニでスイーツを物色します。
 
私は岐阜出身なのですが、子供の頃、
秋になると、父によく栗拾いに駆り出されました。
 
長靴を履いて麦わら帽子を被るんです。
 
長靴は、落ちている栗のイガイガ(皮)を両足で踏んで割って、
中の栗を取り出すためです。
 
秋口なのに麦わら帽子を被るのは、木から落ちてくるイガ栗から、
頭や顔を守る為です。
 
そうやって持ち帰って、祖母が作ってくれる「栗きんとん」は、
年に一度のお楽しみでした。
 
手ぬぐいでペースト状にした栗をぎゅっと絞って水分を取るんです。
その祖母の手元をじっと見つめていた記憶があります。
(栗きんとんは岐阜県発祥のスイーツです)
 
今は、コンビニに行くと年中「モンブランケーキ」が売られています。
ついつい手が伸びてしまいます。
 
先日、なんとなくテレビを見ていたら面白い番組をやっていました。
 
コンビニスイーツを、プロのパティシエさんたちが、
合格か不合格か判定するという企画でした。
 
あとで聞いたのですが、回転ずしとかファミレスとか
いろいろなシリーズがあるそうです。
 
その中に「モンブラン」が出てきました。
 
「モンブラン」は、本来季節もので、
和栗の収穫量も減っていて、そもそも原価が高く、
コンビニ各社は、お手頃な価格で提供するために、
様々な工夫をしているそうです。
 
確かに、私も「これ栗か?」と思いながら食べた商品もあります。
 
番組では、「コンビニモンブラン」の開発担当者が、
工夫に工夫を重ねて安価な商品に仕立て、
それをパティシエさんたちが、実食していました。
 
結果は、たしか多数決で「合格」となったと記憶していますが、
その中で、「不合格」としたひとりのパティシエさんが、
こんなことを言っていました。
 
“この価格でこの商品を出せる事はすごいと思うが、
これを私は「モンブラン」とは言えない。
安くておいしければいい、ということを日本市場が認めてしまったら、
日本の食文化が廃れてしまうと思うんです。
安全で良いものを伝えていくということは、コストがかかるんです。
今後の日本の食文化のために、どうして譲れないものがある。
だから、どうしても「合格」が出せなかった”
 
私は、それを聞いて、ごもっともだなぁ、と思いました。
 
プロの職人として、こういうことをメディアできちんと言い切ったところに、
この方のパティシエとしての矜持(プライド)を感じました。
 
そして、その言葉を受けて、その「コンビニモンブラン」の開発担当の方が、
こう答えたのです。
 
“そういったご意見を踏まえながらも、
これからも安くておいしいコンビニスイーツを世に送り出したい、
そう思います”
 
この言葉にも、とても感銘を受けました。
 
職人とは言えないかもしれないけど、コンビニとして、
これからも、多くの消費者に向けて、安全で安くておいしいものを提供していく
という使命感が大いに感じ取れました。
 
どっちが正しいということではないと思います。
どちらも正しいことを言っているのです。
 
自分に課せられた役割や責任を全うしようという双方の
プロフェッショナルとしての矜持(プライド)に、魅せられました。
 
「モンブラン」を食べて、私も、もっと仕事を頑張ろうと思います。
 
今回の執筆者:「梶田貴俊」
(株式会社ジェイック 西日本代表講師)

コンビニスイーツはお好きですか?

著者情報

梶田 貴俊

元株式会社ジェイック シニアマネージャー(現ジェイック契約パートナー)

梶田 貴俊

前職、通信機器ベンチャー商社勤務時代にリーマンショックを経験。代表取締役として、事業再生計画を推進し同社のV字回復を実現した。現在はジェイックの講師として研修事業を牽引している。

著書、登壇セミナー

『会社を潰さないためのSunday Management List ―中小企業のリーダーがやるべき日曜日のマネジメントリスト』

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