静かな退職(Quiet Quitting)とは?背景やリスク、対処方法を紹介

更新:2024/02/29

作成:2023/11/20

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック執行役員

静かな退職(Quiet Quitting)とは?背景や対処のポイントを紹介

いま組織開発やマネジメントの世界で、「静かな退職(Quiet Quittig)」というキーワードに注目が集まっています。「静かな退職」は実際に退職するわけではなく、在籍した状態で必要最低限の仕事しかやらず、まるで退職したかのような状態となる働き方のことです

 

当然、静かな退職をする社員が増えれば、企業の活動に大きな悪影響を及ぼしかねません。企業はどのように静かな退職のリスクに備え、対処すればよいのでしょうか。本記事では静かな退職について取り上げ、背景や対処のポイントを解説します。

 

 

<目次>

静かな退職(Quiet Quittig)とは?

静かな退職は、この数年世界的に広がっている働き方を指す言葉です。まずは、静かな退職の意味、また静かな退職と関連付けられる現象について説明します。

 

静かな退職(Quiet Quitting)の意味

静かな退職(Quiet Quitting)とは、実際に退職するわけではなく、必要最低限の仕事しかやらずに、まるで退職したかのような状態となる働き方のことを指す言葉です。コロナ禍でのリモートワークも契機として米国で中心に広がり、世界的に広まっています。

 

静かな退職では仕事に対して怠惰な姿勢を取っているわけですが、背後にあるのは仕事をサボりたいという強いネガティブな感情ではありません。リモートワークで家族との時間が増えたことで、「家族との時間を大切にしたい」という気持ちが芽生えたこと、また、根底にある「仕事のために何かを犠牲にするようなことはしたくない」という価値観から起こっているのです。

 

先進国ではある程度の豊かな暮らしが実現しているからこそ、若手世代を中心に「出世や待遇UPのために、何かを犠牲にする生き方は幸福ではない」という価値観が拡がったという側面があります。

 

静かな退職と対比されるハッスルカルチャーとは?

静かな退職と対比されるのが「ハッスルカルチャー」です。

 

ハッスルカルチャーとは、仕事の目的を達成するために必死になって働くメンタリティのことで、日本でいうと「昭和の熱血サラリーマン」「猛烈社員」といったキーワードに象徴されるような働き方です。

 

出世や好待遇に価値が置かれていた時代には、ハッスルカルチャーが受け入れられてきました。しかし、終身雇用が崩壊し、世界的に見ても経済の低迷や環境破壊が問題化するなかで、ハッスルカルチャーの風潮は薄れてきています。

 

 

静かな退職が増えている原因とは?

ここまで見たように、日本国内においても静かな退職は増えています。その原因は何でしょうか?

 

日本の雇用慣習と組織・企業文化

日本で静かな退職が増えている原因として、日本の雇用慣習と組織・企業文化も大きな影響を与えていると考えられます。ロッシェル・カップという経営コンサルタントは、著書『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』で、以下のように考察しています。

 

  • 仕事について、スキルとアウトプットでなく、長時間労働や、どんな任務と勤務場所でも引き受けることといった、服従を重視していること
  • 労働力の区分(正社員と非正規社員、総合職と一般職)があり、区分間移動が難しいこと
  • 「非標準的」労働者の活用が苦手、すなわち多様性・柔軟性に乏しくワークライフバランスに関する問題への対処の姿勢が不足していること
  • 従業員が自ら仕事内容や勤務地を選ぶことが困難であること
  • 昇進と給与がほとんどの場合年功序列であること
  • 業績評価で適切なフィードバックが十分に行われていないこと
  • リスクに立ち向かうことへのサポートが欠如し、失敗を厳重に懲戒する傾向にあること
  • 仕事内容が明確に定義されていないこと
  • 解雇する良いプロセスが無く、やる気を失った従業員が満足感のない仕事に縛られたままになること
  • コスト削減を強調するだけで社員のやる気を増大させる施策に乏しいこと
  • 従業員を都合の良い存在と捉えており、どんな要求でも正社員は不平を言わずに実行すると考えていること
  • 人材育成方法が確立されていないこと
  • 旧来の人事異動を繰り返し、その企業特有のスキルと知識を備えた万能選手を作り出していること
  • ヒエラルキーを重視するあまり、意見交換や疑問提起が不足し、上司のいいなりになりがちであること
  • 社内調整とコンセンサス重視のため、時間がかかり柔軟性に欠ける意思決定プロセスを経ること
  • 過度の労働時間と通勤時間によりワークライフバランスが取れないこと
  • 権限移譲がなされておらず、意思決定が高次レベルでなされるため、体制順応主義、躊躇・ためらい、消極性に繋がっていること

 

成果主義やジョブ型人事などが導入されるなかで変化している部分もありますが、組織を顧みたときに当てはまる部分もあるのではないでしょうか。

 

日本では、長時間労働や服従重視、ワークライフバランスへの対処の姿勢、仕事内容や勤務地を選べないこと、年功序列、人材育成の不足、ヒエラルキー重視、権限移譲の不足などなど、こういった日本独自の雇用慣習と組織・企業文化が、静かな退職を加速させている可能性があります。

 

仕事に対する価値観の変化

静かな退職が増加している要因としては、仕事に対する価値観の変化も考えられます。

 

  • 今の若手世代は、物質的にある程度充足した環境で育ってきた
    →努力して物質的な何かを手に入れることへの執着が薄い
  • 日本経済の成長ステージが終わり、右肩上がりの未来が描けなくなった
    →努力しても明るい未来を描きにくい
  • 働き方と価値観の多様化が進んできた
    →会社で偉くなる以外の選択肢が増え、出世競争への興味が薄れている

 

上記のような要因の影響を強く受けているのが、以下のような若手世代です。

 

  • 大きな夢や目標を目指すのではなく現実的な「さとり世代」
  • 社会貢献性やプライベートを重視する「Z世代」

 

若手世代を中心に仕事に対する価値観が大きく変わってきた中で、静かな退職の概念が共感されるようになったとも考えられます。

 

ワークライフバランスの重視

ワークライフバランスを重視するようになったことも、静かな退職が増えている原因のひとつです。仕事への価値観が変わる中で、人生における仕事の優先順位が変わってきたのです。

 

昭和の時代には「プライベートよりも仕事を優先する」という価値観が一般的でした。しかし、現在は逆転しています。プライベートを犠牲にして仕事に打ち込むよりも、プライベートや結婚、育児、介護などのライフステージの変化に自分の時間を使うことを重視する人が圧倒的に増えています。

 

いまの若手は、プライベートを犠牲にして仕事を頑張っている上司やそのような文化を持つ会社は、たとえ成果をあげているとしても嫌う傾向にあります。「成果をあげていること」よりも「人間的に尊敬できる」「ワークライフバランスが取れている」ことを評価するのです。

 

先行きの不透明さや未来への悲観

日本固有の事情として、先行きの不透明さなども静かな退職を増加させている要因です。

 

残念ながら、現在の日本が成長ステージを終えて一種の衰退期に入りつつあることは、人口推移やさまざまな経済指標を見れば明らかです。単純にいえば、昭和の高度経済成長期は「頑張れば明るい未来が待っている」時代でしたが、現在は「頑張っても日本自体が右肩下がりになる可能性が高い」と思っている人が増えています。企業の将来性、その中で働く自分のキャリア形成や待遇などについても、悲観的に考えている人も多いでしょう。

 

未来に展望が持てなくなると、人は将来のために努力をしようとしなくなり、「仕事は最小限の労力で、ほどほどにやればいい」と考えがちです。その結果、静かな退職の状態になりやすくなるのです。

 

解雇規制の存在

日本においては解雇規制が強く、企業は簡単には従業員を解雇できないことも、静かな退職が広まりやすい要因です。

 

日本の労働法規は労働者保護の姿勢が強く、企業が一方的に従業員を解雇することはほぼできません。また、成果主義が進んだとはいえ、給与が下がるケースというのは非常にまれです。従って、日本においては静かな退職をしたからといって解雇される、部門ごと売却される、減給されるようなことは余り考えられません。

 

最近は副業が解禁されている企業も増えている中で、「本業は必要最小限にして固定給与をもらえればいい。その分、副業で稼ごう」と考える人も増えています。

 

このように、解雇規制は従業員のリスクを防ぐ代わりに、静かな退職を増やすことに繋がっているとも考えられます。

 

ロールモデルの不在

ロールモデルが不在であることも、静かな退職につながります。

 

職場に手本としたい理想の上司がいれば、従業員は自身も具体的なキャリアやスキル習得をイメージしやすく、働くモチベーションを保ちやすいでしょう。しかし、ロールモデルがいないと、従業員は方向性を見失い仕事に対する意欲を保ちにくくなります。

 

働き方の多様化によって今までに存在しないキャリアが生まれていたり、発するカルチャーで育ってきた管理職世代の働き方が若手にとってロールモデルにならなくなっていることも考えられます。

 

 

静かな退職のリスク

静かな退職をする人が増える、また、そうした人を放置することは、企業に悪影響を及ぼします。静かな退職が企業に与えるリスクを確認しておきましょう。

 

生産性の悪化

静かな退職によってまず影響が出るのが、組織の生産性です。

 

意欲的に仕事に取り組む人は様々な工夫をしながら、より生産性が高い仕事を目指します。しかし、静かな退職状態の人は、負荷のかかる仕事には積極的にチャレンジしなくなりますし、工夫をすることもなくなり、生産性は悪化するでしょう。

 

それが各部門にも影響を及ぼし、組織全体の成長を妨げることになります。

 

優秀人材の流出

静かな退職をする人が増えると、優秀人材の流出も起こりやすくなります。

 

優秀な人材ほど、自らが成長できる職場や刺激を与えあえる仲間を求めるものです。周囲が必要最低限のことしかしない状況では、刺激や成長は得られませんし、職場に活気もなく、優秀人材にとって退屈で居心地が悪い場所となります。

 

優秀な人材は転職に困ることはありませんので、自社の環境がつまらなくなれば、転職してしまいます。そして、優秀層が減少して、停滞層が増えると、職場に残った優秀層にとってどんどん以後居心地が悪くなり、さらに優秀層の離脱が加速します。

 

このように、静かな退職は優秀人材の流出を起こすとともに、企業の将来にも大きな影響を与えます。

 

組織の雰囲気悪化

静かな退職は組織の雰囲気悪化ももたらします。生産性が悪化し、優秀な人材が流出するようになってしまうと、組織は活気を失っていきます。
職場の雰囲気が悪くなると、さらなる離職をもたらしますし、業績にも明確に影響が生じてくるでしょう。

 

そのような状況を何とか立て直そうと、上から業績や成果への圧力が強く加わるようになると職場の雰囲気はさらに悪化し、人間関係もぎくしゃくしたものになりやすくなります。

 

そのような事態に陥ってしまうのを防ぐためにも、静かな退職には早めに対処することが重要になってきます。

 

ストレス増加

静かな退職は、従業員全体のストレスを増加させてしまうリスクがあります。

 

静かな退職状態の従業員は積極的に仕事を行わないので、業務の負担が他の社員にのしかかることになります。それによって、従業員のストレスが高まるのです。

 

さらに、メンタルヘルスなどで休職や離職する従業員が出てきてしまうと、その分の業務の負担が従業員にのしかかり、さらにストレスを生むという悪循環を生んでしまいかねません。

 

 

静かな退職が起こりやすい企業の特徴

静かな退職が起こりやすい企業には、いくつかの特徴があります。静かな退職を防ぐうえでも、静かな退職が起こりやすい企業の特徴を押さえておきましょう。

 

ビジョンや業務範囲が明確になっていない

よく見られるのが、ビジョンや業務範囲が明確になっていないケースです。

 

組織や上司が明確なビジョンや方針を示せないと、メンバーが進むべき方向が分からず、積極的に前に出ることもやりづらくなります。業務範囲が不明確である場合も同様で、はっきりと自分の仕事だと認識できたものしかやらない傾向が強くなります。

 

今の若手世代はタイムパフォーマンスを重視しており、「無駄なことはしたくない」という心理が働きやすいものです。また、若手に限らず「無駄な苦労はしたくない」のが人の心理です。

 

ビジョンや方針が見えず、主体性を発揮しにくい環境であれば、結果として、必要最低限の仕事しかやらない状態に流れやすいでしょう。

 

適切な成果主義が運用されていない

適切な成果主義が行われていない企業でも、静かな退職は起こりやすくなります。

 

評価は仕事に対する重要なフィードバックです。「頑張っても頑張らなくても同じ評価になる」「成果よりも年齢や上司との人間関係の方が大事」という状態で、努力しても正当に評価されなければ、無駄な努力になるのを嫌って動こうとしない人が増えます。

 

評価基準が明確化されていなかったり、評価に対して適切な報酬を与えられていなかったりすると、従業員はモチベーションを失い、静かな退職の状態になってしまうでしょう。

 

従業員のウェルビーイングに配慮されていない

従業員が静かな退職を選びやすい企業として、従業員のウェルビーイングに十分に配慮されていない職場、ワークライフバランスが取りにくい企業もあげられます。

 

まず大前提として、ワークライフバランスを取ることに対する優先度、また、労働者の権利意識は、この数十年で大きく変わっています。従って、ワークライフバランスが取れなかったり、サービス残業を強いられたりするような職場は、そもそも従業員のエンゲージメントは低く、主体性は発揮されづらいものです。

 

加えて、ウェルビーイングに配慮されていない職場では、従業員は自分自身のメンタルダウンを防ぐための防衛手段として静かな退職という選択肢を取ることも増えるでしょう。

 

 

静かな退職への対処方法

静かな退職は、増加すると組織に大きな悪影響を及ぼします。静かな退職を増やさないためにどのように対処すればいいかというポイントを解説していきます。

 

従業員のエンゲージメントや本音の把握

静かな退職を起こさないためにも、従業員のエンゲージメントや本音の把握をしましょう。

 

静かな退職と一時的にパフォーマンスが落ちている状態は見分けがつきづらい側面があります。ですので、従業員のエンゲージメントや本音、組織の状況を正しく把握することが重要です。

 

従業員や組織の状況を把握するうえでは、パルスサーベイやエンゲージメント調査も有効です。パルスサーベイは従業員個々のモチベーションやストレス状況、エンゲージメントを知ることができます。また、エンゲージメント調査は組織全体や各部署の状況を掴むことができます。

 

ただ、パルスサーベイやエンゲージメント調査は表面的な情報になってしまう側面もありますので、外部サービスを使った1on1やキャリア面談などと組み合わせることも有効です。

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ミッション・ビジョン・バリューの浸透

ミッション・ビジョン・バリューを組織に浸透させることも、静かな退職を防ぐ上では重要なことです。「何のために働くのか」が明確になることで、働きがいが生まれ内発的動機につながります。

 

現代においては物質的な欲求がある程度充足する傾向にある中で、社会貢献や精神的な価値を重視する傾向は強まっています。ミッション・ビジョン・バリューを浸透させることで「何のために仕事をするのか」「何を実現するのか」「何に貢献するのか」が明確になり、内発的動機につながります。

 

仕事を「価値のある」「やりがいのある」ものにすることも、静かな退職を防止するためには重要になってきます。

 

働きがいの発見

個人の働きがいを作るということも重要です。そのためには、組織のミッション・ビジョン・バリューの浸透だけでなく、個人のミッションステートメントを創出することで内発的動機を高めることが有効です。

 

ミッションステートメントとは、「私たちがどんな人生を生きるか?」を文章やビジュアルとして形にしたものです。ミッションステートメントを持つことで、個人として人生で何を大切にしたいのか、その中でどんな仕事にどんな意味があるのかが明確になります。

 

個人にとって最も大切なものは自分の人生となりますので、個人のミッションステートメントと組織のミッション・ビジョン・バリューを紐づけることで、働く意味がより明確に強固になるでしょう。

 

 

業務範囲や成果の明確化、正当な評価制度

業務範囲や期待する成果を明確化するとともに、正当な評価制度を作ることも、静かな退職を防ぐのに有効です。個々の従業員にどんな期待をしているか、どんな業務範疇や権限なのか、どのような成果を評価するのかを明確にして、成果を正当に評価することが大切です。

 
このように、やるべきことや成果に対する報酬が明確になれば、目標達成のための行動計画も立てやすくなり、主体性も発揮しやすくなります。

 

また、人事の評価基準を明確にし、成果をあげた従業員に対して成果に見合った報酬を得られるようにすることが大切です。パフォーマンスに応じた評価が得られることで、外発的な動機付けにつながります。

 

なお、基準を明確にして成果創出をサポートしたうえで、成果が上がらなければ、それに見合った評価をすることも大切です。成果をあげなくても組織に残れてしまうことも静かな退職を生み出す要因となります。

 

ウェルビーイングの実現

ウェルビーイング向上も静かな退職の防止に大事な要素です。ウェルビーイングとは、肉体的、精神的、社会的に、満たされた状態を指します。ウェルビーイングを実現することで、従業員は健康な状態で働くことができます。

 

日本経済全体で右肩上がりの成長を描くことが難しくなっているなかで、報酬やポジション以外にやりがいを見出す人は増えています。貪欲に組織の成長ばかりを追い求めるよりも、従業員の心身の健康にも配慮することの大切さが増しています。

 

また、女性活躍が進んでいきますし、今後は介護問題なども大きくなってきますので、個々の価値観や家庭の事情などを考慮してウェルビーイングの実現をサポートする制度を整える必要があるのです。

 

カウンセリングや人間ドックを導入したり、休暇や手当などの福利厚生を充実させることなどが有効でしょう。

 

多様なキャリアパス・キャリアモデルの構築

静かな退職を防ぐには、多様なキャリアパスモデルを構築することも有効です。

 

従業員が現在の部署で自身のやりたい仕事がない場合、自社で将来的に希望のキャリアパスが歩めない場合、自身のやりたいことが見つけ出せない場合などに、モチベーションやエンゲージメントが下がり、静かな退職の状態になる可能性があります。

 

例えば、社内公募制度で望むキャリアに挑戦する機会が得られる、マネジメントとプロフェッショナルという複線的なキャリアパスを用意する、時短勤務や週3・週4日勤務のような多様な働き方を準備するなど、キャリアパス・キャリアモデルの多様化を進めることが有効です。

 

 

静かな退職に対処できるサービス

静かな退職への対策に乗り出そうとしても、従業員がどんなことを考えているのかがつかめないと、有効な対策につなげるのは難しいものです。トップダウンでやる気を起こさせるにしても今の時代には限界があり、場合によってはパワハラだと受け止められかねません。HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、静かな退職を防止し、今の時代に適したマネジメントを実現するためのサービスとして、以下のものを提供しています。

 

従業員のエンゲージメントと本音がわかる「Kakedas(カケダス)」

まずご紹介するのが、キャリアコンサルタントとの面談を提供する、キャリア相談プラットフォームの「Kakedas(カケダス)」です。

 

Kakedasでは、国家資格キャリアコンサルタント2,000人以上の中からAIが相性の良い人を10人選び出し、相談者はその中から自分が気に入ったキャリアコンサルタントを相談相手として選ぶことができます。

 

守秘義務を持った外部のキャリアコンサルタントが面談を担当することで、相談者は会社や上司に言いづらい悩みや心配事も安心して話すことができます

 

面談を通じて従業員自身のストレスやモチベーションが改善され、同時に、把握できた従業員の本音は個人を特定されない形でレポートにまとめられ、組織の側にフィードバックされます。

 

レポートでは、従業員のメンタルヘルス、プライベートの充実度、周囲の理解といった項目も記載され、パルスサーベイ等では分かりづらい組織の課題を可視化することができます。

 

見えづらい従業員のエンゲージメントや本音を把握できるようになることで有効な施策につなげることができ、従業員のエンゲージメント向上や静かな退職への対策に役立てることができます。

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デール・カーネギー・トレーニング

静かな退職を防ぐためには、上司がいまの若手に適したボトムアップ・対話型のマネジメントを実施できるようにすることも大切です。

 

対話型のマネジメントスキルを身に付けるうえでお勧めなのが、デール・カーネギー・トレーニングです。

 

デール・カーネギー・トレーニングを受けることで、「人間関係30の原則」が身につき、部下との間に良好な人間関係を構築できるようになります。心理的安全性も高めることができ、部下の困りごとを早期に広い、解消することもできるでしょう。

 

ハッスルカルチャーで成長を追求してきた組織は、体育会系的なトップダウン型のマネジメントになりがちです。デール・カーネギー式のトレーニングによりボトムアップ型のマネジメントを実現することで、“圧”に頼ることなく部下が自発的に動けるようにし、働きがいがある職場へとつなげていくことができます。

「7つの習慣®」研修

受け身になりがちな従業員の主体的を引き出すうえでお勧めなのが「7つの習慣®」研修です。

 

従業員にとっての静かな退職のメリットは、自己主導的な働き方ができることです。しかし、自分の殻に閉じこもって必要最低限のことしかしなければ、周囲や組織からの評価も低くなります。結果的にやりがいもどんどん失われていってしまい、人間関係も壊れていってしまいます。

 

7つの習慣®を通じて、自分自身の人生の軸(ミッションステートメント)を作り、自分の人生と仕事のやりがいを結びつけることができます。また、望ましい結果を長期的に得続けられるように主体性を発揮する方法も身に付けることができます。

現在、世界的に広がっている「静かな退職」ですが、企業としては放置するわけにはいかない問題です。特に日本においては少子化の課題もあり、新卒や若手人材、優秀人材の確保は難易度が増す一方です。

 

時代の変化に対応して企業を成長させるために、記事で紹介した静かな退職の背景や防止策が参考になれば幸いです。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック執行役員

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

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