企業が成長を続けていくうえで、人材育成は非常に重要な要素です。人材を「人財」と書く会社もあるとおり、人材は企業にとっての財産であり、組織の発展や業績の向上は社員の成長にかかっています。
一方で、多くの企業が人材育成に課題を抱えています。人材育成には時間がかかり、すぐに目に見える形で成果に結びつかないことも大半です。そのため、積極的な取り組みにためらいを持つ企業も少なくありません。
HRドクターを運営する研修会社ジェイックには、「人材育成を効果的にするには、どのように取り組めばいいか」と、悩みを持つ人事担当者からの問い合わせも多く寄せられます。
社員の能力を高める人材育成を効率的に進めていくには、どのような課題に目を向け、どのようなポイントに注意して自社にとって最適な人材育成手法を選択すべきなのでしょうか。
企業における人材育成の課題と成功させるためのポイント、そしてさまざまな人材育成の手法を解説します。
<目次>
人材育成とは
人材育成は、企業の成長や発展・業績向上に貢献する人材を中長期的な観点で育てていくことを指します。単にスキルを高めるだけではなく、企業の価値観を理解して、目標達成に向けて主体的・自発的に取り組む人材を育成することも非常に重要な視点です。優秀かつ意欲的な人材は、中長期的な企業の成長に欠かせない存在です。
従来まで、終身雇用制度と年功序列制度が一般的であり、大量生産等の“規模の経済”が成立していたころは、人材育成も標準化と効率化が重要でした。
しかし、モノの充足による産業のサービス化、また、IT活用による分業やインターネットサービスが拡大してきた中で、主体性やリーダーシップ、エンゲージメント、チームビルディングなど、これまでとは異なるポイントが、人材育成において重要性を増しています。
厚生労働省の調査でも、自社の競争力を高めるために最も強化すべき事項は「人材の能力・資質を高める育成体系」がトップとなっています。人材育成は企業の成長と発展に大きな影響を与えるものであり、多くの企業が人材育成に従来以上に力を入れるようになっています。
人材育成の目的
企業が人材育成に取り組む目的は様々あります。ここでは、人材育成の目的やゴールを5つに分けて確認しておきます。
スキルアップ
人材育成における最も一般的な目的は社員のスキルアップです。基本スキルの向上や専門スキルの習得によって、社員を戦力化する、目標達成を実現する、生産性を向上するといった部分です。
基本スキルの不足は業務の非効率化につながりますので、人材育成による底上げや習得は必須です。たとえば、新入社員に向けたビジネスマナー研修や新任管理職への研修などが基本スキルの習得に当たるでしょう。
また、ITの発展や分業が進む中で、専門スキルの習得も企業の発展にとって欠かせないものになってきました。各分野が細分化・専門化する中で、一定の専門スキルがなければ外部パートナー等を会話も出来ないといった状態もあるでしょう。
モチベーションの向上
社員のモチベーション向上も人材育成で実現させたい目的ものひとつだといえます。研修に参加することで成長実感を得たり、組織からの期待を感じたりすることがモチベーション向上に繋がります。
最近では、雇用の流動化が進んだ中で、成長実感の獲得やキャリア形成の機会が得られないと若手社員は容易に離職する傾向が強まっています。
ようやく1人前になってきた若手社員の離職は企業にとって手痛いダメージです。適切な人材育成は定着や離職防止にも役立ちます。
経営戦略の浸透と実行
人材育成には自社の経営戦略を浸透・実行するという目的もあります。未来の事業構造を見据えて、求められるスキルを事前に人材育成という形で準備しておく、つまり人材育成を通じて企業の未来を作っていくわけです。
経営戦略や事業方針と人材育成を紐づけることは、社員にとっても自社の将来についての理解が深まる、学ぶモチベーションの向上、キャリア展望の獲得に繋がるといった効果もあるでしょう。
ミッション・ビジョン・バリューの浸透
企業のミッション・ビジョン・バリューの浸透も人材育成の重要な目的です。ここでのミッションは企業が果たすべき使命、ビジョンは実現したい将来像、バリューは組織として守るべき価値観です。
ミッションやビジョンが浸透すれば、社員のエンゲージメントや内発的動機づけに繋がります。また、バリューが浸透すればコミュニケーションの円滑化や判断基準の共有、人材育成の効果性向上にも効果があります。
リーダー・幹部の確保と育成
企業が中長期的に発展していくためには、リーダーや幹部の確保が不可欠です。事業規模や拠点の拡大、新規事業への挑戦、また、世代交代等に際しては、組織の要となるリーダー・幹部を計画的に育成しておく必要があります。
リーダーや幹部候補の育成は短期的に実現できるものではありません。とくに幹部クラスは必要となるスキルも多岐にわたりますし、同時に会社に対する姿勢、組織メンバーから信頼される人格など、多くのものが必要となります。
育成期間は中長期にわたりますし、中長期にわたるからこそ途中で候補者が離職してしまうことも珍しくはありません。だからこそ、計画的に人材育成に取り組んでおく必要があるのです。
人材育成における課題
それでは、企業が人材育成を行なうにあたり、どのような点が課題となっているでしょうか。よくある3つの課題を説明します。
重要性の認識不足
人材育成に取り組む企業が抱えがちな課題のひとつめが、まず人材育成の重要性が社内で十分に認識されていない場合です。
人材育成は、得てして中長期的な取り組みであり、短期的には目に見える効果が見えるとは限りません。また、Off-JT等の研修であれば対象者の稼働時間を減らす、OJT等であれば指導者に負荷がかかります。つまり、結果は目に見えづらいのに負担は確実に生じるのです。
従って、人材育成の担当者だけでなく、経営陣の強いリーダーシップによって、人材育成の重要性を幹部また管理職層に浸透させることが大切です。
人材育成は担当する部門や外部のリソースだけでなく、現場や部門を巻き込んで進めていく必要があります。人材育成の重要性を全社の共通認識とできるか否かは、人材育成の取り組み成果を大きく左右するものです。
育成スキルの不足
人材育成に関するスキル不足が課題となる場合もあります。人材育成を担当する部門が人材育成の全体設計や育成・研修プログラムの設計に関する知識がなければ、効果的な育成ができず、行き当たりばったり、場当たり的な育成になってしまって効果性が低くなるでしょう。
また、若手社員を指導する管理職や先輩社員の育成スキルが十分でない場合もあります。
例えば、PDCAサイクルや経験学習モデルの理論、ソーシャルスタイルや動機付け等に関する知識やスキルがなければ、現場での育成効果は低くなりますし、モチベーション低下・離職等にも繋がりかねません。
人材育成にあたっては、管理職や先輩社員など指導する側の意識やスキルを高め、育成能力を向上させるための取り組みも必要です。
時間・予算の不足
企業の中には時間や予算の不足が人材育成の課題となっている場合も少なくありません。社員が日々業務に追われているため、スキルアップに割ける時間を確保できないなどです。
とくに現場における指導側である管理職がプレイングマネージャーとしての役割を求められ、人材育成に十分な時間を割けないこともよくあります。管理職の生産性向上などに関する指導から入ることが必要な場合も多いでしょう。
また中小企業の場合、外部を利用して育成をすることが一般的ですが、当然コストがかかってきます。予算不足が人材育成におけるハードルとなる場合もあるでしょう。
コストについては、「卵が先か、鶏が先か」という議論に近いものがあり、予算があるから人材育成に投資できる、人材育成することで生産性があがって投資できるようになる、どちらも正しい側面があります。
経営陣のトップダウンで、できる範囲で優先順位が高い、投資対効果の高い部分から人材育成に投資するしかありません。
人材育成を成功させるポイント
本章では、人材育成を成功させるために必要なポイントについて5つの点から説明します。
現状を把握する
人材育成で最初に取り掛かるべきことは現状の把握です。人材育成の方針や計画を立案するにあたっては、あるべき姿を描き、それに対する現状を分析して、ギャップを明確にする必要があります。
なお、目に見える問題だけから入ると、本質的な課題設定を誤る可能性があります。自社の経営状況や事業特性も踏まえて、あるべき姿から入っていくことが大切です。また、現状を把握する際には、経営層や幹部陣だけからではなく、年齢・性別・役職などさまざまな層の社員からのアンケートやヒアリングも効果的です。
現場からの声や不満に引っ張られてしまわないようにする必要はありますが、現場の実情や課題をしっかりと吸い上げることが大切です。
目標を設定する
現状を把握したら、次に行うべきは優先順位と目標の設定です。優先順位を定めて、目標を設定することによって、人材育成に用いるべき手法が明確になります。
組織として守るべきバリューの設定、また、職種・階層・専門性などに応じて必要なスキル、姿勢や能力のレベルを設定しましょう。
なお、企業の将来像に照らして必要な人材要件やスキルを現場部門や人事担当部門が十分に理解できていないケースもあります。経営戦略に沿った人材育成とするためには、経営層とのすり合わせが重要です。
幹部・管理職の意識を高める
幹部や管理職の人材育成に対する意識を高めるのも大切なポイントです。幹部や管理職が人材育成の重要性を十分に理解していなければ、部下である社員の育成に積極的な協力は見込めません。人材育成を成功させるには、全社が一丸となって「人材を育てる」という意識を持つ必要があります。
たとえば、人材育成において研修等のOff-JTをする上では、上司を巻き込んで研修前の意識づけや研修後のフォローアップをどれだけできるかが研修の効果性を左右します。また、現場での実務を通じて人材育成は、上司や管理職層が人材育成にどれだけの意識を持っているかで効果がまったく変わります。
幹部や管理職による人材育成への積極的な関与は、人材育成を成功させるうえで不可欠です。これまで人材育成に消極的だった企業の場合、幹部や管理職の意識改革は非常に重視すべきです。幹部や管理職の意識は、人材育成を成功させるための必須要件です。
学習機会の確保
働き方や価値観の多様化に伴って、社員の学習機会を十分に確保する必要性も高まっています。雇用の流動化が進む中で、成長実感が得られない、キャリア展望が見えないことが、若手社員、とくに優秀な若手層の転職要因になっています。
企業は優秀な人材の流出を防止するうえでも、学習機会・成長機会の提供が求められています。社員の成長意欲に応え、機会を確保し提供することが企業の人材育成を成功させるポイントのひとつとなっているのです。
学習方法(学び方)の浸透、仕組み化
人材育成の効果を高めるためには、学習方法(学び方)を浸透させることも大切です。人材育成を成功させるためには、そもそも学ぶ風土、成長する意識をつくる必要があります。
日常業務を成長に繋げるためには経験学習モデルやセルフコーチングを意識した業務日誌の活用、MBO(目標管理制度)を軸にしたPDCAサイクルの運用などがポイントです。
また、Off-JTやセミナー、読書等を効果性の高いものにするためには、自分の仕事へのブリッジングのやり方、実践への落とし込み、タスクブレイク、時間管理等の基本的な学習や実践のスキルを高める必要があります。
人材育成の手法
人材を育成するためにはどのような手法があるでしょうか。人材育成の代表的な手法7つを紹介します。
Off-JT
人材育成の手法として最もわかりやすい形式が「Off-JT(Off the Job Training)」です。日常業務を離れた集合研修等を指します。
Off-JTのメリットは、まず短期間で集中的に学習することで、体系的な知識を身に付けられることです。多くの企業が新入社員研修や新任管理職研修等で取り入れています。体系的な知識学習を効果的なものにするためには、一方的な座学ではなく、ケーススタディやロールプレイング等のアクティブラーニングにより、実践的な研修にする取り組みが重要です。
また、もう1つのメリットは、日常業務から離れて集中的に思考できることです。こちらのメリットは、リフレクションやキャリアプランの構築、新規事業の立案等において生かすことが出来ます。
OJT
職場を離れた研修であるOff-JTに対し、現場で実施する人材育成が「OJT(On the Job Training)」です。先輩や上司が実務に携わりながら育成対象者のレベルやペースに合わせて指導していく手法です。
現場における教育であるため、実践的なスキルが身につき、人材育成手法の中でも短期間で成果に結びつきやすいのが特徴です。また社内の人材による指導であることから、外部コストが発生しない点もメリットといえます。
一方で、具体的なノウハウである分、断片的な知識になりやすく応用が利きづらいといった点、指導者のレベルや見識によって教育の効果性が大きくばらつく点、1対1もしくは1対象人数で実施するためOJT指導者への負荷が発生するといった点がOJTの注意点です。
eラーニング
IT環境の普及に伴って利用が進んでいる人材育成手法が「eラーニング」です。オンラインで学習できるツールやサービスを活用して社員が自分のペースに合わせて学習する手法を指します。動画が中心ですが、最近では、アプリを使ったり、ゲーム形式で実施したり、音声を使ったりといった形でeラーニングの形式も多様化しています。
eラーニングのメリットは、場所・時間を問わず実施が可能なことです。受講対象となる社員は自分のペースや隙間に応じて学習を進めていくことが出来ます。運営側としても、日程調整等が発生しない、コンテンツを蓄積して再利用できる、費用的にも安価といったメリットがあります。
一方で、各自が自由に学べるからこそモチベーションや性格によって進捗がばらつく、基本は知識のインプットであり仕事へのブリッジングや実践は各自に任せられる、疑問や質問の解消などがされづらいといった点が注意点です。
Off-JT、OJT、eラーニングという主要な人材育成手法は絶対的な優劣があるわけではなく、それぞれのメリットと注意点を踏まえて、内容や意図に応じて適切に組み合わせていくことが大切です。
自己啓発
自己啓発は社員による主体的な学習を企業側が支援していく人材育成手法です。具体的には業務に紐づく資格等を会社が指定して資格の取得や維持費用を補助する、また、社員が自由に使える学習サービスやeラーニングを契約して学べる環境を提供するといった形式が一般的です。
自己啓発は社員が自らの意思で学ぶことになりますので、学ぶ意欲が高くなることが特徴です。また、自由時間を使った学習となるので、業務への影響も出にくいといえます。
一方で、会社が学んでほしい対象に学んでほしいことを学ばせることができない(対象や内容がずれる)、自主的な学習となるため企業側の管理が難しいという点が注意点です。
メンター制度
メンター制度は、異なる部署の社員がメンターとなって新入社員や若手社員のフォローを担当する仕組みです。同一の部署では相談するのが難しい内容でも他部署であれば話しやすく、問題解決や意思決定、キャリア形成、離職率の低下等に役立ちます。
メンターが信頼できる相談相手となれば、組織へのエンゲージメントを高める効果も期待できます。また、メンター側も新入社員や若手社員からの目標となれるよう、業務に対する責任感が高まりやすいといえます。
一方で、OJTと同じようにメンターによって、人材育成の効果に差がつく、場合によっては新入社員や若手社員に悪影響を与える場合もあるというのが注意点です。
1on1
1on1は上司と部下が定期的に実施する面談(ミーティング)で、通常の目標設定、評価面談、業務進捗のレビュー等とは別に設定されます。1on1は、部下が主体となってテーマを設定して、業務に関することでも良いですし、直接の業務外となるキャリア形成やスキルアップ、会社の方針に関する質問等のテーマも扱うことが特徴です。
上司が確認したいこと・指示したいことではなく、部下が訊きたいこと・相談したいことにフォーカスすることで、信頼関係やコミュニケーションの円滑化、また、中長期的な人材育成に役立つことが期待されます。
OJD
OJDは、最近人材育成分野で注目される概念で、On the Job Developmentの略称です。OJTと同じように「実務を通じた人生育成」ですが、OJTが業務の遂行に必要な技術の習得(Traning)を目的とした人材育成手法であることに対し、OODはより中長期的な視点でのキャリア開発(Development)に主眼を置いている人材育成手法であることが特徴です。
日本の大手企業で行われていたジェネラリストの育成が、OJDのイメージに近い部分があります。異なる部署や職種でのマネジメントを経験させる中で管理職・幹部候補の育成を図っていたのが、日本企業でのジェネラリスト育成です。
OJDはジェネラリスト育成を目的とするものではありませんが、幹部やリーダー層の育成をイメージしながら、実務としてどういう経験をさせていくことが良いかを考えて異動や配置していく。そして、OJTやOff-JTとも組み合わせながら人材育成を図っていくイメージです。
OJDでは長期的な人材育成を前提に定期的なフィードバックを重視するのが特徴です。また社員のペースに合わせた個別指導が一般的であり、対象である社員も高い意欲を持って取り組むことができます。
OJDは日本の労働人口減少と世界的な競争の激化、雇用の流動化が進む中で、優秀な若手社員の抜擢と育成が急務であるという企業側のニーズに伴って運用が活発化しつつある人材育成手法です。
階層別人材育成
人材育成は全社一律で行なっても効果は期待できません。階層や職種等に応じて育成をしていくことが一般的です。
本章では最も基本的となる階層別の人材育成について、新入社員、若手・中堅社員、管理職の3階層における取り組みのポイントを説明します。
新入社員
新入社員の人材育成は、入社後の新入社員研修とその後に続くOJTから構成されるのが一般的です。
・社会人としての心構えや仕事への姿勢等のマインドセット
・ビジネスマナーや報連相等の汎用的なビジネス基礎
・ミッションビジョン、沿革、共通言語等の理解(組織社会化)
等で構成されることが一般的です。そして、新入社員研修の後半もしくはOJTで、業務を遂行するための各職種等で必要な基礎知識やスキルの習得を図ることになります。
・新入社員研修の初期で、マインドセット研修等を通じてリアリティショック等に対する心構えを準備させる
・組織に馴染む(組織社会化)のフェーズを研修に組み込み、ブラザーシスター制度等を通じてフォローする
・OJTの品質が指導者によってばらつかないようにキチンと計画、また人事からマインド面等をサポートする
・入社半年や1年などの節目で振り返り研修等を挟んで、成長実感の獲得とモチベートする
といった点がポイントです。
なお、最近では入社前の内定者研修に力を入れる企業も増加しています。オンライン採用も増えた中で、社風や職場、業務に対する入社前の不安を抱きやすくなっていますので、辞退防止も兼ねてオフィスの見学や懇親会を含めた内定者研修を実施するイメージです。
若手・中堅社員
入社3年目以降の若手社員や中堅社員向けの人材育成では、自身のキャリアプランを意識させることがひとつのポイントです。最近では、とくに優秀層ほどキャリア展望が見えない、成長実感が得られていない等の理由で離職することが増えています。
管理職になるのか専門職になるのかなど、キャリアプランによって求められるスキルも異なってきます。若手・中堅社員向けの人材育成は自身の将来像を考える契機を与えてリモチベートすると同時に、必要なマネジメント能力やスキル獲得につなげていくことが大切です。
当然、次世代リーダーの候補者層でもありますので、新人や後輩のマネジメントや指導、必要となる専門スキルの獲得、また、リーダーシップや主体性を更に一段磨くといった点も若手・中堅社員向け人材育成で求められるポイントです。
管理職
管理職の人材育成は、一番重要になるのは新任管理職の育成です。プレイヤーと管理職では求められる役割と責任、そして動き方と必要な能力が変わります。
この変化を意識・スキル面できちんとキャッチアップしないと、プレイヤーとして優秀だったけど管理職としては成果を上げられないということになりかねません。従って、新入社員研修と同じく、立場が変わった初期のタイミングできちんと人材育成の施策を入れることが大切です。
また、それ以降は中堅管理職と上級管理職という2つの区分に分けます。
中堅管理職の場合、大きくは2つ、1つはマネジメントスキルの強化:PDCAサイクルやKPIマネジメント、ロジカルシンキング、部下育成に関する不足スキルの習得、もう1つはマンネリ化を防いで意識変革するようなマインド面に重きをおくプログラムです。
上級管理職の場合は、幹部候補として、新たに必要なる事業戦略、アカウンティング、マーケティング等のスキルを習得すると共に、自分担当組織だけでなく、事業や全社といった高い視座で物事を捉えて考える姿勢を持たせるような人材育成が大切です。
ジェイックの人材育成サービス
HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、新人・若手の育成、また、若手を育成できる管理職の養成に強みを持っています。
最後にジェイックが提供する4つの人材育成サービスを紹介しますので、ご興味あるものがあればぜひご覧ください。
階層別カスタマイズ研修
階層別カスタマイズ研修は、内定者から幹部層まで幅広い世代に対応したカスタマイズ研修です。内定者から幹部層まで幅広い世代に対応し、貴社の課題や状況に応じた研修プログラムを提供します。
研修効果を高め、行動変容・結果変容にコミットするために「4:2:4の法則」に基づいて単発の研修プログラムだけでなく、事前の取り組み・事後のフォロー方法までを提案するところで、ジェイックの特徴です。
「7つの習慣®」研修
世界中のビジネスパーソンが大きな影響を受け、販売部数4,000万部を超えるスティーブン・R.コヴィー博士の著書『7つの習慣』をもとにしたワークショップ形式の研修です。
社員の主体性やリーダーシップ、仕事に対するエンゲージメントの向上、管理職層のマネジメント力向上、組織風土とコミュニケーションの活性化といった課題に大きな効果を発揮します。ジェイック自体がリーマンショック時に導入して、上場の原動力ともなった研修プログラムです。
メソッド研修
「原田メソッド研修」は原田隆史氏が開発した目標達成手法を研修化したプログラムです。プロスポーツ選手をはじめ、野村證券やキリンビールなどの大手企業など5万社10万人以上が実践する実績あるプログラムです。
「人間力の向上」と「仕事力(目標達成力)の向上」を両立させるプログラムであり、また、メソッドを実践するための各種ツールが充実していることが大きな特徴です。
JAICリーダーカレッジ
JAICリーダーカレッジは中堅・中小企業の管理職が「管理職の責任感」を身につけ、リーダーとして活躍するためのプログラムです。ヒューマンスキルと目標達成力にフォーカスしたプログラムで、「学ぶ⇒職場で実践する⇒振り返る」という学習サイクルを回すことで確実な行動変容を実現する継続学習の体系となっています。
360度評価や上司面談を通じて学ぶ意識づくりを形成する、固定担任制とフォローセッション(オンラインクラスのみ)で実践をしっかりと後押しする仕組みなども、行動変容が実現させるポイントです。
まとめ
記事では人材育成の目的から課題、成功させるためのポイントまで解説しました。多様な人材育成の手法や階層別研修についても簡単に紹介しました。
人材育成は自社の課題を明確にしたうえで、社員のモチベーション向上につながる形で進めていく必要があります。長期的な視点に立って計画的に実施していけば、企業にとっての将来の成長を加速させる人材の育成にもつながります。
社内に時間やノウハウが不足しているという場合には、外部サービスの利用を検討するのも効果的です。ジェイックではさまざまな社員教育支援サービスをご用意していますので、お気軽にお問い合わせください。