「年代別の退職状況と退職防止施策」を調査 最も退職を防ぎたい年代1位は「30代」、効果的な施策は「キャリア形成の支援」

更新:2024/11/26

作成:2024/11/25

HRドクターを運営する株式会社ジェイックは、株式会社アスマークに調査委託した「年代別の退職状況と退職防止施策」に関するアンケート調査の結果を発表します。(回答者数:企業の経営者・人事担当者200名、調査日:2024年9月22日~2024年9月25日)

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<目次>

最も退職している年代:1位「20代」(30.5%)、2位「30代」(20.0%)

「最も退職している年代をひとつ選択してください」と質問したところ、「20代」が30.5%、「あてはまる年代はない」が23.5%、「30代」が20.0%、「新入社員(入社1年未満)」が9.5%、「60代以上」が9.0%、「40代」が4.5%、「50代」が3.0%となり、20代という回答が最も多い結果となりました。

 

 

最も退職を防ぎたい年代:1位「30代」(28.5%)、2位「20代」(27.0%)

「最も退職を防ぎたい年代をひとつ選択してください」と質問したところ、「30代」が28.5%、「20代」が27.0%、「あてはまる年代はない」が20.0%、「新入社員(入社1年未満)」が14.0%、「40代」が8.5%、「50代」が2.0%、「60代以上」が0%となりました。「最も退職している年代」で1位だった20代とほぼ同率ですが、退職が発生している世代では、20代と10.5ptの差があった30代が防ぎたい年代として1位となりました。

 

 

年代別、退職を防ぎたい理由(自由記述・一部抜粋・上位順に記載)

「上記の設問で、最も退職を防ぎたい年代を選んだ理由を教えてください」と質問したところ、以下の回答が寄せられました。

 

▼30代
・主戦力だから
・中堅として活躍を期待しているから
・今後会社の中心となる年代だから
・一番能力を発揮できる年齢層だから
・ベテランで社員の育成においても戦力になるから
・これまでの教育や経験の成果が現れ、将来の幹部候補として期待できる年代であるから
・若手とベテランを繋ぐパイプ役の年代の退職率が上がっているから
 

▼20代
・最も吸収率が高く、将来的にも戦力になりやすいから
・伸びしろに期待しているから
・将来の企業を担う人材だから
・組織の若返りを目指しているから
・せっかくお金かけて採用しているのに、すぐに退職したらもったいないから
・やっと戦力になってきたときの退職が多いから
 

▼新入社員(入社1年未満)
・育てていきたいから
・将来性があるから
・採用、教育コストを回収できないままの退職を抑制したいから
・社内の平均年齢が高齢化してきているから
 

▼40代
・長期間の経験値があるから
・最も仕事の能率が良いから
・企業風土もわかっており、自立、自律的に仕事ができるから
・優秀な幹部候補が多いから
・中堅となり、戦力として大きくなっているため今後の活躍が期待できるから
・ある程度キャリアを積み、仕事に対して自信を持ったことでキャリアアップを目指す退職が多いから
 

▼50代
・ベテランの技術流出を防ぎたいから
・政府の推奨があるから
 

【年代別】効果があると思う退職防止施策: 30代は他年代と比較し、「キャリア支援」「働きがい向上」に需要

「各年代に対し、効果があると思う退職防止の施策をすべて選択してください」と質問したところ、全年代で「待遇面の向上(給与・福利厚生)」が最も多く選ばれる結果となりました。待遇面以外の施策に関して年代別の傾向を見ると、まず新入社員や20代は「休日・休暇・労働時間の向上」「コミュニケーションの活性化」といった居心地よい環境に関する施策が、圧倒的に効果があると考えられています。30代・40代でもこれらの施策は効果があると考えられていますが、同時に30代になると「経営層や上司へのマネジメント研修の実施」「働きがいの向上」「キャリア形成の支援」「経営層や上司との定期的な1on1」など、徐々に個別のキャリアやマネジメントなどの要素の必要性や効果性が増してくると考える傾向が伺えます。

 

 

調査結果へのコメント

今回の調査結果について、ジェイック取締役の近藤は、次のように述べています。

 

「今年8月に厚生労働省が発表した令和5年『雇用動向調査』によると、入職率(常用労働者数に対する入職者数の割合)は前年と比べ1.2pt上昇し16.4%、離職率(常用労働者数に対する離職者数の割合)も0.4pt上昇し15.4%となり、労働市場における人材の流動性は増していることが伺えます。今回の調査では、経営者や人事が最も退職を防ぎたいと考える年代は30代で、僅差で20代が続きました。20代には将来性や成長の期待、30代には主戦力や中堅としての役割への期待が背景にあり、これらの年代の定着が企業の中長期的な成長に重要な影響を与えると考えられるからでしょう。

 

経営者や人事が効果的だと考える退職防止施策として、全世代で『待遇面の向上』が最も効果的とされ、特に若手層では『休日・休暇・労働時間の改善』『多様な働き方の導入』などの労働環境に関する施策も上位に入っています。同時に、最も退職を防ぎたい30代では、『キャリア形成の支援』や『経営層や上司との定期的な1on1』『経営理念やMVVの浸透など働きがいの向上』などの施策も存在感を増しています。経験を積んで職場でも主戦力になってくるからこそ、キャリア形成や働きがいのあるマネジメント環境などを求めるわけです。こうしたニーズに応えるためには、社員の成長を後押しする、管理職の対話力を向上させる研修やキャリア自律の支援が大切になってきます。」

 

【調査概要】

調査名称:「年代別の退職状況と退職防止施策」についてのアンケート
調査対象:経営者・人事担当者
調査機関:株式会社アスマーク
調査方法:Webアンケート
調査期間:2024年9月22日~2024年9月25日
回答者数:200名(従業員50名以上の企業の経営者100名、従業員100名以上の企業の人事担当者100名)

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