昨今の採用市場では、少子化の影響で優秀な新卒・若手の採用がどんどん難しくなっています。結果として「母集団形成ができない」「新卒の内定者数が採用計画に達していない」と苦戦している企業は年々増加しています。
そこで、解決策として、社会人経験がある若手人材となる第二新卒の人材獲得に乗り出す企業が増えてきました。
本記事では「第二新卒の採用を検討したい・強化したい」という採用担当者向けに、第二新卒のおすすめの採用方法、実施のメリット・デメリット、採用しやすいタイミングなどを解説します。
第二新卒の採用を検討している担当者の方々は、ぜひお読みいただき、第二新卒の採用活動で参考になれば幸いです。
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<目次>
- 第二新卒の基礎知識
- 第二新卒を採用するおすすめの方法5選
- 第二新卒を面接する際のポイント3つ
- 第二新卒を採用するメリット3つ
- 第二新卒を採用するデメリットと注意点3つ
- 第二新卒を採用しやすいタイミングや時期
- 第二新卒採用が中堅中小企業やベンチャー企業におすすめな理由
- まとめ
第二新卒の基礎知識
第二新卒は、法律等で定められたものではありません。しかし、新卒や既卒などのカテゴリを比較すると、第二新卒の定義や特徴が見えてきます。
第二新卒とは?
大学や専門学校などを卒業し、正社員として就職したあと、1~3年で離職した若者を指します。もともとリクルートが1990年代に提唱した言葉になります。
新卒との違い
新卒採用は、過去に就業経験のない在学中の学生を採用するものです。
第二新卒は、正社員での就職経験がある人を対象とするため、新卒採用ではなく、中途採用に含まれる概念となります。
既卒との違い
既卒は、第二新卒と近い概念です。第二新卒と既卒は、どちらも中途採用におけるポテンシャル採用の対象です。
既卒と第二新卒の違いは、正社員での勤務経験があるかどうかです。一般的に、既卒者は大学や専門学校などを卒業後、正社員での勤務経験がない若手層を指します。たとえば、大学卒業した後もアルバイトを続けていた人、ワーキングホリデーなどに行っていた人、資格試験やプロスポーツ、芸能分野に挑戦していた人などが該当します。既卒者は、フリーターなどの属性とも少し似ているでしょう。
中途採用における即戦力度への期待としては、経験値だけで見ると「キャリア層 > 第二新卒 > 既卒」というイメージです。
キャリア層との違い
中途採用におけるキャリア層とは、採用ポジションに類似した業界や職種経験、専門性などを持ち、入社後に即戦力としての活躍を期待する採用活動の対象です。
第二新卒で経験者採用をする場合もありますが、一般的にはキャリア層と比べれば、ポテンシャル採用の色が強くなり、業界経験や職種経験は不問とするケースも多くなります。
第二新卒を採用するおすすめの方法5選
第二新卒の採用にも、さまざまな手法があります。自社のターゲットに合う人材を効率よく獲得するには、以下のような主要な手法から、自社の採用力に合う手法を選ぶことが大切です。
第二新卒向けの人材紹介(エージェント)
人材紹介(エージェント)は、採用要件を伝えることで、登録者のなかから自社に合う人材を紹介してもらえるサービスです。
内定承諾までのすべてのプロセスを人材紹介会社が代行してくれるため、採用活動の工数を極限まで減らせる点も魅力です。
ネームバリューなどの母集団形成力が低い中堅中小やベンチャー企業でも、自社が求める人材と確実につながれますし、完全成果報酬で採用できるまで費用がかからないことも嬉しいポイントです。
ただし、上記のように全プロセスを人材紹介会社が代行し、かつ成果報酬ということで、人材紹介は一人あたりの採用単価は高くなります。採用した人材の年収の30~35%、もしくは、第二新卒や既卒層の場合、固定費型で採用1名あたり100~120万円程度の固定金額が相場です。
人材紹介のなかには、第二新卒層に特化した下記のようなサービスもあります。
- マイナビ20’s
- 就職Shop
- 就職カレッジ
- ハタラクティブ など
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第二新卒向けの求人サイト
求人サイトは、中途採用におけるメジャーな手段です。
dodaなどの大手サイトでも、第二新卒のカテゴリを設けられていますが、第二新卒に特化した求人サイトもいくつかあります。
たとえば、株式会社学情が運営するRe就活は第二新卒にフォーカスした求人サイトです。
また、株式会社ビズリーチが展開するキャリトレも20代専用を打ち出しています。
なお、企業が求人サイトを利用した場合、最初に求人広告を出稿した後は基本的に求職者からのエントリーを待つことになります。従って、企業の母集団形成力が高ければ、求人サイトは効果が出やすいでしょう。一方で、認知度の低い中堅中小企業、ベンチャー企業の場合、成果が出づらいこともあるでしょう。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、ダイレクトリクルーティングサービスの提供企業に登録された人材を企業が検索して、直接メッセージ等を送ってアプローチできる採用手法です。
求人サイトが求人広告を出稿したら「待つ」形になるのに対して、ダイレクトリクルーティングは企業が能動的にアプローチできる「攻め」の採用手法と言われます。
ダイレクトリクルーティングの場合、企業側が詳細条件で絞り込みをすることで、第二新卒など、自社が欲しいターゲットを見つけられるでしょう。
また、ダイレクトリクルーティングの場合、文面を工夫したり、こまめにメッセージを送信したりすることで、ネームバリューなどの低い中堅中小企業やベンチャー企業でも、自社が求める人材を獲得できる可能性が高くなります。
ただし、ダイレクトリクルーティングを成功させるためには、スカウトメッセージの文面の工夫や運用工数が必要です。
リファラル採用
リファラル採用とは、自社の社員に友人や知人を紹介、推薦してもらう採用方法です。縁故採用の進化版ともいえます。
紹介をする既存社員は、友人知人と自社の両方を良く知っているため、リファラル採用では、ミスマッチが起こりにくいです。
また、大手の求人サイトやエージェントを利用するよりも、コストを圧倒的に抑えられる魅力もあります。
ただし、リファラル採用は、「2023年度に5人採用する」「10月までに3人採用したい」などの計画的な採用には不向きです。
集団面接会
求人サイトだと応募が来にくい、ダイレクトリクルーティングに取り組む工数がない、成果報酬でリスクを抑えたいといった場合は、HRドクターの運営会社である株式会社ジェイックの集団面接会「就職カレッジ」を利用するのもおすすめです。
就職カレッジに参加すれば、Web研修をやりきったポテンシャルの高い第二新卒・既卒などの若手を一気に面接できます。
採用カレッジは、イベント融合型の人材紹介サービスで、求人票の作成から企業紹介、面接調整、クロージングまでを株式会社ジェイックの担当者が代行します。
極端にいえば、企業は「面接をして合否を決めるだけでいい」ので、工数を抑えて、スピーディーに採用できます。
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第二新卒を面接する際のポイント3つ
応募してきた第二新卒のなかから優秀な人材を獲得し、定着から活躍につなげるには、以下のポイントを押さえるとよいでしょう。
ポテンシャルを見極める
第二新卒を採用する場合、異業種・異職種から採用するケースが多くなります。したがって、新卒ほどの完全ポテンシャル採用ではありませんが、第二新卒の場合もポテンシャルの見極めが大切です。
ポテンシャルとは潜在能力や活躍可能性、いわゆる“伸びしろ”であり、自社における活躍可能性です。
第二新卒の成長や活躍可能性などの伸びしろは、内面の思考や行動特性、価値観などから見極めることが大切です。
第二新卒の場合、社会人経験がある分、一社目の就職先、また就職後の職歴内容とパフォーマンスからある程度は推し量ることは可能です。
ただし、業種や職種が異なれば、やはり一社目の職歴などだけは判断できませんので、行動特性(コンピテンシー)や内面の思考特性や動機をしっかりと見極める必要があります。
しかし、内面の特性や動機は面接だけで見極めることが難しい部分でもあります。
したがって、第二新卒のポテンシャル採用をする際には、しっかりとした構造化面接を実施して内面を見極める、また適性検査を併用することで見極め精度を高めることがお勧めです。
カルチャーフィットを重視する
第二新卒は、正社員を経験しているため、一社目で元からの価値観等に加えて、社会人としての考え方や働き方を身に付けています。
中途のキャリア採用と比べると価値観や働き方は固定化しておらず、入社後に自社の価値観に染まる側面もありますが、新卒ほどの柔軟性はないでしょう。
したがって、第二新卒を採用するうえでは、必要とする能力と相手のスキル、行動特性等のマッチングを示すスキルフィットと並んで、自社のバリューや組織文化と相手の価値観のマッチングを示すカルチャーフィットも確認して採用活動をすることが大切です。
入社後の受け入れ態勢、オンボーディングを整備する
第二新卒の場合、業界や職種経験のどちらか、もしくは両方ともない場合が比較的多いものです。そうなると、入社後にしっかりと受け入れ、育成をすることが大切です。
ポテンシャルの高い第二新卒を定着させ、早期の戦略化を促すには、組織全体で以下のようなオンボーディングの仕組みを整備する必要があります。
- 自社のミッションや共通言語の勉強会
- ウェルカムランチを開催
- 既存社員への紹介
- 目標設定と達成のサポート
- ブラザー・シスター制度の導入 など
第二新卒を採用するメリット3つ
ここまで第二新卒を採用する具体的な方法を説明してきました。ここから第二新卒を採用するメリットを3つ紹介していきます。
新卒採用よりも柔軟に採用できる
第二新卒採用は、新卒採用と比べると企業側が必要なタイミングで人員確保が行えれます。
新卒採用で早期採用に取り組んだ場合、内定から実際の入社までに1年以上かかることも一般的ですが、第二新卒は離職済みであれば即時、在職中だとしても2~3カ月での入社が可能です。
そのため、第二新卒の人材は、企業の人員ニーズや事業計画に合わせて採用を行うことができます。
教育コストを削減できる
第二新卒採用は、新卒採用と比較すると教育コストを削減できるという利点があります。第二新卒は新卒で入社して、新入社員研修を受けており、業界や職種は違っても正社員としての実務経験を持った人材です。
従って、ビジネスマナーやコミュニケーションスキルなどの基本的なスキルを持っていることが多いでしょう。同業や同職種経験者であれば、OJTのみで仕事にキャッチアップすることも可能です。そのため、基本的な業界や職種に関する知識を教育するリソースを節約でき、早期の即戦力化が期待できます。
会社のカルチャーに馴染みやすい
第二新卒は異なる社風や文化を受け入れやすいのもメリットといえます。1社目の経験はあるものの、仕事や会社に対する価値観がまだ固まっていないためです。
一概に断定するのは注意が必要ですが、例えば30代中途採用の人材だと、前職の仕事のやり方や当たり前の習慣を中々改善できずに早期離職してしまうケースも少なくはありません。ある程度、自社のカルチャーや風土に適用しやすいのも第二新卒採用の魅力の1つです。
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第二新卒を採用するデメリットと注意点3つ
ここまで第二新卒を採用するメリットを説明してきました。しかし、メリットもあればデメリットもよく理解した上で採用計画を立てる必要があります。ここから第二新卒を採用するデメリットや注意点を3つ紹介していきます。
即戦力としての活用は難しい
第二新卒の採用では、即戦力として期待しすぎないように注意が必要です。第二新卒は確かに正社員経験はありますが、いわゆるキャリア採用とは比較になりません。前職での経験が短い場合も多く、即戦力として期待すると、期待値とずれてしまうことはよくあります。
例えば、第二新卒を採用したものの、業界知識や特定のスキルが不足していたため、研修期間を長く設ける必要が生じプロジェクトが後ろ倒しになってしまったというケースもあります。
そのため、第二新卒の採用においては即戦力としてカウントするのではなく、受け入れ部署ともしっかりすり合わせを行った上で、採用に取り組む必要があります。
前職のやり方で仕事を進めてしまう
第二新卒で採用した人材が、前職のやり方で仕事を進めてしまうケースもあります。とくに入社して間もない頃は、前職で培った方法やプロセスのまま仕事を進めてしまうことがあります。
第二新卒は1社しか経験がないことから、自分の経験したものが正しい、常識になってしまいがちです。従って、その企業における標準的なやり方をきちんと理解せずに仕事を進めてしまうと、トラブルになる可能性も多いでしょう。
とくに前職で経験しているものと同じ仕事内容ほど、前職での進め方などをきちんと確認したうえで、丁寧に教えたほうがいいでしょう。そのほうがトラブルや期待値のズレが生じずに、お互いに良い結果につながります。
早期離職の可能性がある
第二新卒を採用する際は、早期離職の可能性があることも念頭に置いて接する必要があります。なぜなら、「第二新卒 = 前職を早期退職した人材である」と言うこともできるからです。
いまの時代、転職することが悪いわけでは全くありません。一方で、第二新卒の中には、「逃げの転職」をしてしまった層もいますし、退職のハードルが下がっている層がいることも事実です。
こういった層は、期待値と違ったり、大きな壁にぶつかったりした時、また退職という道を選んでしまう可能性があります。
いまの若手は新卒も含めて、転職していくキャリアが当たり前の感覚であり、昔のような「愛社精神」は薄くなっている傾向があります。採用する際には、仕事やキャリアに対する姿勢、壁への向き合い方などはしっかりと見極めが必要です。
第二新卒を採用しやすいタイミングや時期
第二新卒の採用は、新卒採用とは違って、それぞれ個人のタイミングで転職活動が行われます。従って、新卒採用のように「こういう人材を採りたいならこの時期」といった明確なものはありません。
ただし、その中でも、第二新卒の採用市場で、一番採用しやすいタイミングは、1月〜3月といわれています。
なぜなら新卒入社した人材の場合、4月入社しているケースが殆どです。だからこそ、第二新卒の場合、入社1年や2年といった節目を見ながら転職活動をする傾向が中途のキャリア人材よりも強くなります。イメージとしては、年末などに転職を決意して、1月2月で活動して、3月を有給消化して、4月入社するといったイメージです。
また、次に第二新卒を採用しやすいタイミングは、7月~9月です。これも4月入社のタイミングと同じく、日本企業の場合、3月末決算が一番多いですので、10月からの下半期に向けたタイミングと言うことになります。
なお、11月~12月の時期はボーナスを貰うまでは在職したいと考える人が多く、この前後、10~12月末退職は少なくなる傾向にあります。
第二新卒採用が中堅中小企業やベンチャー企業におすすめな理由
新卒採用の場合、早期採用や秋冬採用など採用時期のずれはありますが、大枠で言うと、すべての就活生がほぼ一斉に就職活動を実施して、また、企業側もすべての企業が一斉に採用活動を行なう形になります。
したがって、中堅企業やベンチャー企業も大手企業と同じフィールドで戦うことになりがちです。そうなると、ネームバリューや採用活動に割けるコストなどの問題で、自社が求める成果が得られないこともあります。
近年では、大手企業も第二新卒採用を実施する企業は増えています。しかし、新卒層やキャリア層と比べると、まだ第二新卒採用を実施している大手企業は少ないといえます。
したがって、母集団形成力の低い中堅・中小企業やベンチャー企業でも、うまく工夫することで、第二新卒の優秀な人材を獲得できる可能性があります。
また、新卒採用の場合、近年ではサマーインターンシップから早期の新卒採用が当たり前となっています。
そうすると、例えば、2025年4月入社(25卒)の優秀層を採用しようと思うと、2023年4月には準備をはじめて、2023年8月~9月にサマーインターンシップを実施。2024年1~3月などには内定を出すといったスケジュールになります。
つまり、入社2年前に準備をはじめて、内定を出してから入社まで1年以上かかるわけです。
中小企業やベンチャー企業の場合、経営状況や事業計画の変化も大きく、上記のようなスケジュールで採用活動に取り組むことは難しい場合もあるでしょう。
しかし、第二新卒や既卒者をターゲットにした場合は、例えば、採用活動を始めてから1~3ヵ月程度で内定を出し、内定から入社も即時~1,2ヵ月程度です。
したがって、いまの経営状況や事業計画を踏まえての採用活動をしやすいわけです。
まとめ
第二新卒とは、大学や専門学校などを卒業して正社員として就職したのち、1~3年で離職した若者を指す言葉です。
第二新卒には、キャリア層や新卒の優秀層と比べると採用しやすく、すぐに入社してくれる魅力もあります。
第二新卒の採用手法は、新卒や中途と同じように求人サイトやダイレクトリクルーティング、人材紹介などがあります。第二新卒や20代に特化したサービスを選択するとよいでしょう。
第二新卒の採用をするうえで、あまり工数をかけられない場合などは、HRドクターの運営会社である株式会社ジェイックの「就職カレッジ」の利用もぜひ検討してみてください。
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