この10年ほど、LINE連携の採用管理ツールを導入する企業が一気に増えました。
さまざまなメリットがある一方、選び方を間違えると目的に合わないツールを導入してしまい、十分な費用対効果が得られないこともあります。
記事ではLINE連携の採用管理ツールを導入するメリットと選ぶポイントを解説し、おすすめのツール7個も紹介します。
<目次>
- 採用管理にLINEを活用する企業が増えている理由
- LINE連携の採用管理ツールを導入するメリット
- LINE連携可能な採用管理システムを選ぶときのポイント
- LINEと連携可能な採用管理ツール7選
- LINE連携可能な採用管理システムを選ぶときの注意点は?
- LINE採用ツールを使って採用活動を改善しましょう
採用管理にLINEを活用する企業が増えている理由
実感のある通り、コミュニケーションのインフラとして、LINEは非常に普及しています。特に就活生にとってはメールよりもLINEのほうが圧倒的に馴染みやすいツールになっています。
中途採用でも、メールよりもほぼ確実にスマフォに入っているLINEのほうがアクセスしやすいでしょう。
結果として、通常のEメールでコミュニケーションするよりも開封率や応答率が高い、レスポンスが早いなどのさまざまなメリットが得られます。
LINE連携の採用管理ツールを導入するメリット
LINE連携の採用管理ツールには、いくつかのメリットがあります。
- 求職者とコミュニケーションが取りやすい
- 求職者対応が効率化する
- メールより確実に情報を届けられる
- ブロックや既読スルーでNGサインがわかる
- 採用担当者の負担を軽減できる
求職者とコミュニケーションが取りやすい
LINEのメッセージは短文で済むため、就活生にとってメールよりも形式を気にせず気軽に返信をしやすい環境を作れます。
就活生の場合、メールは「敬語を使わないといけない。でも正しい敬語が分からない」といったことで返信が止まりかねません。
実際に、「ネットで敬語を調べないと企業当てのメールを送るのは怖い」という声もあります。
中途採用の場合、敬語の問題はありませんが、スマフォから短文で返せるLINEのほうがレスポンスは早くなる傾向があります。
求職者対応が効率化する
前述の通り、メールのやりとりだと、求職者、特に就活生には心理的なハードルが生じます。
しかし、LINEでのやりとりに切り替えることによって、気軽に連絡を取りやすくなり、返信スピードが上がります。
企業側もメールと比べて短文でのメッセージ送信が可能なので、求職者対応のスピードが加速します。
メールより確実に情報を届けられる
メールの場合、相手のメール設定によっては意図せず迷惑メールに振り分けられるようなこともあります。また、届いても他のメールに埋もれることもあるでしょう。
しかし、LINEであれば埋もれることもほとんどありませんし、送信側から「既読」を確認できることもメリットです。
ブロックや既読スルーでNGサインがわかる
LINEにあるブロック機能を使えば学生からのNGサインがひと目でわかるため、無駄な工数を削減できます。
ブロック機能だけでなく、送信したメッセージの既読の有無、既読後の対応スピードからも求職者の志望度が測れます。
採用担当者の負担を軽減できる
LINE対応の採用管理ツールでは、メッセージの一斉自動送信に加えて、チャットボット機能や説明会や面接日程などの自動調整できる機能が搭載されていることも多いでしょう。
これまで一人ひとりに行なっていたメッセージのやりとりを自動化・簡略化できれば、採用担当者の負担を軽減できます。
LINE連携可能な採用管理システムを選ぶときのポイント
LINE連携可能な採用管理システムにはさまざまな種類があります。ここでは選ぶ際のポイントを4つ紹介します。
- LINE連携の機能はなにが備えられているか?
- 採用管理システムとしての機能は十分か?
- セキュリティ対策はしっかり実施されているか?
- コストがどのくらいかかるか?
LINE連携の機能はなにが備えられているか?
当たり前の話ですが、LINE連携の機能としてどんな機能が備えられているかを確認することが大切です。
LINE連携は技術的なハードルや制約もあり、ツールによって意外と機能が違うことも有ります。
採用担当者はパソコンからアクセスして、メールとLINEを並行して使う、LINE宛にパソコンからメッセージ送信する、採用管理ツールの個人情報と紐づけて一斉送信や個別のやり取りをするといったニーズがあるはずです。
しかし、LINE連携を謳うツールの中にはメッセージの一斉送信しかできず、双方向でのやり取りは出来ないなど機能に制限があるものもあります。
また、求職者情報とLINEをどうやって紐づけるかというフローもLINE連携のツールを使う上では大切です。
採用管理システムとしての機能は十分か?
LINE連携の採用管理ツールは開発の沿革によって、「採用管理ツール」発祥のものと「LINE連携のメッセージツール」発祥のものがあります。
とくにLINE連携のメッセージツール発祥のものは採用管理ツールとしての機能が不十分なものも少なくありません。
母集団形成のチャネル連携や採用の管理・効果検証など、採用を円滑にする機能が備わったシステムを選択する必要があります。ただし、一般的に高機能になるほど導入費用も高くなります。
自社の母集団人数や利用チャネルと照らし合わせて必要な機能をきちんと判断することが大切です。
セキュリティ対策はしっかり実施されているか?
採用は学生の重要な個人情報を管理することになります。万が一、データが漏洩した場合、信用を失ってしまいかねません。
LINE連携に限らず採用管理ツール全般の選定基準になりますが、不正ログイン対策やデータの暗号化などのセキュリティ対策がされていることはもちろん、アカウント毎のアクセス権限設定やIP制限や二重認証などの機能がしっかりしている方が安全です。
コストがどのくらいかかるか?
予算がそこまで割けない場合は、初期費用や月額費用が少額のシステムの検討がおすすめです。採用管理ツールは登録できる求職者数などに応じて費用が変わるものが多くなります。
自社の母集団人数なども踏まえてコストを検討しましょう。
LINEと連携可能な採用管理ツール7選
ここからはLINEと連携可能な採用管理ツールを7つ紹介します。
- MOCHICA(モチカ)|株式会社ネオキャリア
- sonar ATS|Thinkings株式会社
- 採用一括かんりくん|HRクラウド株式会社
- ジョブカン採用管理|株式会社Donuts
- next|株式会社アローリンク
- キャリタスContact|株式会社ディスコ
- Reworks cloud|株式会社リアライブ
MOCHICA(モチカ)|株式会社ネオキャリア
MOCHICA(モチカ)は学生や求職者とLINEでやり取りできるチャット対応採用管理ツールです。学生への連絡や歩留まり管理ができるのはもちろん、LINEでメッセージが送信できます。
月額1万円以下から利用可能で、運用サポートなども充実しています。学生とのLINEコミュニケーションに強みをもつツールといえるでしょう。
sonar ATS|Thinkings株式会社
sonar ATSはLINE含む多くの媒体と自動連係しており、自動化に強く、大規模運用と効率化に強みを持つ採用管理ツールです。
求職者への連絡手段として、Eメール・LINE・webメール(マイページ内の機能)の3種類があります。
新卒採用に対する機能も中途採用に対する機能もそろっており、採用活動を効率化することが可能です。
上述したとおり自動化に強く、応募御礼から日程調整まで求職者への連絡や対応を自動化する機能が強いのもsonar ATSの特徴です。
さらに、複雑な採用業務を一目でわかるフロー図にして可視化できるなど、職種別採用やジョブ型採用、早期選考と通常選考の並行などにも強くなっています。
採用一括かんりくん|HRクラウド株式会社
HRクラウド株式会社の採用一括かんりくんは、新卒・中途採用でのバランス感や使い勝手に優れたツールです。
LINEで候補者とやりとりすることはもちろん、候補者からの連絡などをSlackやChatworkなどに通知する機能も充実しています。
全候補者への一斉送信や個別配信はもちろん、選考ステータスや説明会参加者などのセグメントごとに送信することも可能です。
採用管理ツールとして、全体の数字進捗状況と候補者ごとの採用選考進捗ステータスを一目で把握できます。
ナビサイト、イベント、自社ホームページ、紹介企業など、複数の経路から流入する候補者を一括管理することも可能です。
説明会や面接・面談の日程調整、予約管理を効率化し、候補者にメールやLINEで予約ページのURLを送信できる点も特徴の一つです。
ジョブカン採用管理|株式会社Donuts
株式会社Donutsのジョブカン採用管理は候補者とLINEでやりとり可能で、求人情報や画像を入力するだけで、誰でも簡単に自社の採用サイトを作成・更新できるツールです。
採用サイトに記載した求人情報はIndeedとGoogleしごと検索に連携・掲載されます。
応募経路やメールの履歴はもちろん、履歴書などのファイルも管理可能です。求職者が複数候補日から参加希望日時を選択できる予約フォームの作成もできます。
next|株式会社アローリンク
株式会社アローリンクのnextは、インターンや早期選考会など初回接点から内定後のフォローまでLINE上で完結するツールです。
一人ひとりのニーズに合わせて配信するコンテンツを自由にカスタマイズすることができます。
また、LINE内で求職者のアクションに合わせスコアリングし、スコアに応じてタグの振り分けやシナリオの発動などオートメーション化することも可能です。
各種求人媒体と連携し、どこから登録につながったか確認もできます。
ホームページや選考会など、友達登録の流入経路に応じてQRコードを発行することで、各導線からの登録数を分析・比較できるのです。
ZOOMとも連携しており、スムーズにweb面談を設定することもできます。
キャリタスContact|株式会社ディスコ
株式会社ディスコのキャリタスContactは、あらかじめ登録しておいた複数のメッセージを任意のタイミングで自動配信できます。
学生の持つタグなどをもとに、リマインドが必要な学生に対する追いかけ連絡を自動化できるという特徴もあります。
管理画面から発行したQRコードを使用して、エントリーや説明会に参加登録してもらうことも可能です。
採用効率化だけでなく、キャリタス就活フォーラムなど運営企業による就職イベントを利用して母集団形成ができます。
Reworks cloud|株式会社リアライブ
株式会社リアライブのReworks cloudは、メールBOXと同様の感覚でLINEを利用できます。フォルダ分けなどもできるため、担当学生別の管理もできます。
テンプレート作成、リマインドメール設定等による送信業務も自動化できることも魅力です。
LINEでは学生表示画面の下部にリッチコンテンツを作ることもできます。仕事や先輩社員の情報などを表示することにより、定期的に閲覧される仕掛けを作れます。
また、管理側画面ではTOPに、エントリー数、説明会予約・参加数、1次選考予約・参加数等、選考の進捗が一目でわかるチャートが表示されるのもReworks cloudの特徴です。
時期別・職種別・地域別・ターゲット別など、採用フロー(選考ステップ)を自由にカスタマイズすることも可能です。
LINE連携可能な採用管理システムを選ぶときの注意点は?
LINE連携可能な採用管理システムを選ぶ際、いくつか注意点もあります。ここでは4つの注意点を紹介します。
- LINEで実施できることに気を付ける
- LINEアカウントの紐づけ方法を確認する
- 気の緩みに注意する
- 新卒採用で利用する場合、費用形態に注意する
LINEで実施できることに気を付ける
上述したとおり、LINEと連携して実施できることに限界があるツールもあります。
特に既存の採用管理ツールに後からLINE連携機能を搭載した場合、LINE連携部分の使い勝手が悪いこともあるので注意が必要です。
LINEアカウントの紐づけ方法を確認する
応募の入り口がLINEとなる場合は別ですが、通常の求人サイト等から応募してくる導線の場合、求職者情報とLINEIDを紐づけないとLINE連携は利用できません。
自社の応募フローや選考フローのなかで、LINEIDの紐づけなどをどのように実施できるかを導入前にきちんと検討することが大切です。
気の緩みに注意する
LINEはプライベートで使うことが多く、メールほど気を使わなくていいのがメリットです。
ただ、気軽さゆえに不適切な内容の情報や誤った対応をしてしまうと、悪印象や企業のイメージダウンにつながりかねません。
新卒採用で利用する場合、費用形態に注意する
新卒採用は特性上、ある時期に一気にピークが集中して、管理する求職者数も非常に多くなる一方で、年度の合間には採用ツールをあまり使わないようなこともあります。
上記も踏まえて、年間費用やデータ管理をどうするかしっかり考えることが大切です。
LINE採用ツールを使って採用活動を改善しましょう
LINE連携の採用管理ツールは、使い方次第で採用活動の改善に高い効果を発揮します。
就活生や中途採用層であれは、ほぼ100%利用しているLINEを使うことで、メッセージの開封率や返信率、また、返信スピードなどが改善します。
LINE連携の採用ツールを検討するようであれば、本記事で紹介した選び方のポイントやLINNE連携の採用ツール7選も参考にして、自社に合ったものを選んでください。
なお、HRドクターを運営する株式会社ジェイックでは、代理店としてLINE連携の採用ツールを取り扱っています。
客観的な立場から複数のツールを検討したいということがあれば、お気軽にお問い合わせください。