新卒紹介サービス比較36選|総合型~特化型まで特徴を紹介

近年、新卒採用で人材紹介サービス(新卒紹介サービス)を使う企業も多くなりました。

 

新卒紹介サービスを使えば、採用力(母集団形成力や採用ノウハウ)が低い中堅・中小企業や不人気な業種、ベンチャー企業などでも、必要な人材を確保できます。また、新卒紹介は特定属性(理系・高学歴など)に絞った採用でも効果を発揮します。

 

記事では、新卒紹介サービスの概要、料金・成果報酬の相場、新卒紹介サービスを利用するメリット・デメリットを解説します。さらに、新卒紹介を効果的に使う方法を説明すると共に、新卒紹介サービスを8選で紹介します。

<目次>

新卒紹介サービスとは?

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まずは、新卒紹介サービスの概要と料金体系などの基礎知識を確認しましょう。新卒紹介とは、中途採用における人材紹介会社・転職エージェントの新卒バージョンのサービスです。

 

採用活動中の企業は新卒紹介会社と紹介契約を締結し、採用したい人材の要件を伝えることで、新卒紹介会社は自社の登録データベースの中から企業の要件に合う学生を探し、学生本人から応募意思を獲得したうえで、求人企業側に推薦します。

 

新卒紹介のエージェントは企業と学生の間に入って、様々な調整をしてくれます。面接日程の調整、内定承諾までコーディネートしてくれるところは、新卒紹介サービスも中途の人材紹介と同じです。

新卒紹介の料金

新卒紹介サービスの料金は、初期費用が発生しない完全成果報酬型が一般的です。

 

成果報酬の金額は、中途採用の人材紹介の場合「年収の30~35%」という年収連動型になっていることが多いですが、新卒紹介の場合には固定額になっているケースが多い傾向にあります。新卒紹介における成果報酬の相場は、60~120万円程度です。

 

たとえば、エンジニア採用などの理系人材やプログラミング経験者など獲得競争が激しい属性になると、学生1人あたりの成功報酬が100万円を超えることもあります。

 

支払いは内定承諾のタイミングで発生します。ただ、入社までに内定辞退が生じた場合には全額返金となるのが一般的です。

 

また、中途の人材紹介と同様に、新卒紹介を通じて入社した学生が入社後すぐに離職した場合、企業が支払った紹介手数料が返金される制度も多くの場合用意されています。

 

返金に関しては以下ぐらいの水準が一般的です。

  • 入社後1ヵ月以内:紹介手数料の100%
  • 入社後2ヵ月~3ヵ月程度:紹介手数料の25~50%

新卒紹介で出会える学生の特徴

新卒紹介サービスを利用して紹介してもらえる学生には、ある程度共通の特徴もあります。ここでは、新卒紹介サービスで出会える学生の特徴を紹介します。

 

就活に積極的

新卒紹介を利用する学生の目的は「自分に合った会社を見つけるための情報収集」など、積極的なものです。自分から新卒紹介サービスに登録をし、多くの企業の情報収集をし応募先を見極めようとしています。そのため、就職活動には積極的なタイプが多いと言えます。

 

カウンセラーを就職活動の相談役として活用

学生が新卒紹介サービスを利用すると、担当アドバイザーが付いて就活の相談相手となります。アドバイザーは自己分析や応募書類の作成、面接対策などのサポートを行います。

 

学生は専門的なノウハウを持つアドバイザーに相談できることで、内定率を上げることが可能になります。そのため新卒紹介のアドバイザーを、就職活動の相談役として活用するために登録している学生もいます。これも就活に対しての積極性の表れといえるでしょう。

 

自分に合った企業を探したい

新卒紹介サービスを利用する学生の大きな目的の一つは、自分に合った企業を探したいということです。新卒紹介サービスには自分が知らない企業の情報が多く集まっているということを学生は期待して利用しています。

 

自分だけでは探しきれない企業も含めて紹介してもらい、その中から自分に合った企業を探したいと考えています。

 

企業としても新卒紹介サービスを利用することで、アドバイザーから学生に自社で働く魅力をアピールしてもらうことができます。そうした情報提供の中で、学生に自分に合った企業であるとポジティブに捉えてもらえる可能性は高まるでしょう。

 

紹介会社の学生向けページを確認することも有効

なお、ポイントとして押さえておきたいのが、其々の新卒紹介サービスがどういった学生の集客ルートを持っているのか、どういった学生向けページを開設しているのかということです。

 

特に学生向けページにおいて、新卒紹介サービスが「自社の強みをどう打ち出しているか」を確認することは重要です。理系の学生に強い、スポーツ経験者に強い、高学歴学生に特化している、短期間での内定獲得を打ち出している、など新卒紹介サービスの強みが見えてくるでしょう。

 

契約を検討する段階で、新卒紹介サービスの学生の集客ルート、学生向けページを確認し比較することも重要です。

 

新卒紹介サービスのメリット

新卒紹介サービスを利用すると、以下のような効果やメリットによって、中堅・中小企業の新卒採用問題が解消しやすくなります。

 

新卒採用の工数を抑えられる

新卒紹介サービスを使うと、エージェントが応募意思の獲得から面接調整、内定承諾の獲得までを代行してもらえます。その結果、企業側の活動工数を大幅に抑えることが可能です。

 

新卒紹介の活用によって採用活動の工数や負担が軽減すれば、人事担当者は採用戦略の検討や面接準備、個別対応、内定者フォローなどに力を入れやすくなるでしょう。

 

基本的なスクリーニングをして推薦してくれる

新卒紹介のエージェントは、企業が求める人材要件に合わせて、データベースの中からおすすめの学生をスクリーニングしてくれます。

 

新卒の場合、ポテンシャル採用になるため中途よりもスクリーニングが難しいですが、基本的な採用要件(ターゲット)と著しく乖離した学生からの応募は防ぐことができるでしょう。

志望度アップに貢献してくれる

新卒紹介のエージェントは、学生の志望度アップの観点からも企業の強い味方になります。

 

まず、企業に推薦する前段階では、学生に対して「この地域のIT企業では最も成長していて、◯◯さんのスキルも活かせそうですが、応募の意思はありますか?」といった説明を自社の代わりにやってくれます。

 

面接でどのように自社の魅了付けをすれば良いかわからない場合も、客観的かつ的確なアドバイスをもらえます。

 

また、推薦後も内定承諾の獲得まで伴走してくれる点も大きな特徴でしょう。

 

就活状況や本音の志望度をフィードバックしてくれる

新卒学生の就活状況や自社への志望度は多くの企業が気になる情報である一方で、面と向かって聞き出しにくい内容です。

 

新卒紹介サービスを利用すれば、企業と学生の間に入ったエージェントが就活状況や志望度などの本音を聞き出し、企業側にフィードバックしてくれます。

 

「A社とB社で悩んでいる」「雰囲気は良さそうだが、将来的なキャリア面がまだ見えていない」といった本音がわかれば、不足した情報を提供することができますし、面接でどのように口説けば良いかの戦略も立てやすくなるでしょう。

 

初期費用がかからない

新卒紹介は初期費用がかからないことも大きなメリットです。採用媒体や採用イベントの場合、求人広告を掲載したりイベントに参加したりした時点で、成果に関わらず費用が発生します。しかし、新卒紹介サービスは殆が完全成果報酬型であり、初期費用はかかりません。

 

内定承諾に至らなければ費用は発生しませんし、内定辞退されてしまった場合も全額返金されます。入社した学生が一定期間定着しなかった場合も、定着期間に応じて一定額が返金される仕組みです。

 

そのため、新卒紹介サービスは、「費用を払ったのに成果が出ない状況」を回避したい場合にもおすすめです。

新卒紹介サービスのデメリット

新卒紹介サービスには中堅・中小企業にとってメリットが豊富な一方で、以下のようなデメリットや注意点もあります。

 

採用単価を落とせない

求人サイトなどの採用媒体であれば、1回の掲載で複数名採用できれば採用単価はどんどん下がっていきます。

 

一方で新卒紹介の場合は、複数名の採用で採用単価が下がるようなことはありません。新卒紹介サービスで人材を獲得すれば、1名ごとに決まった費用が発生しますので採用単価は落とせません。

自社にノウハウが溜まりづらい

新卒紹介サービスを利用した場合、母集団形成はエージェント側が実施する、また内定承諾までエージェントのコーディネートや伴走があることで、自社にノウハウが溜まりづらいというデメリットが生まれます。

 

たとえば、採用の失敗を通じた気付きや試行錯誤による採用ノウハウの蓄積がされにくいでしょう。そのため、新卒紹介サービスばかりに依存していると、採用ノウハウの蓄積が難しくなるかもしれません。

 

中長期的に採用コストを抑えていきたい場合にも、ノウハウが溜まらない・採用担当者の育成が進まないなどの理由から難航しがちです。

学生の母集団が限られてしまう

母集団が限られてしまうことも場合によってはデメリットになります。

 

新卒紹介サービスで紹介してもらえる学生は、各サービスに登録している人材のみです。就職情報サイトなどと比較すると数が多くありませんし、登録している人材の傾向も新卒紹介サービスに影響されます。

 

より多くの人材、様々な個性を持った人材に出会いたい場合には、複数の新卒紹介、また、その他のサービスなどと組み合わせて利用する必要があるかもしれません。

新卒紹介サービス18選【総合型】

新卒カレッジ

「新卒カレッジ」は、HRドクターの運営会社である株式会社ジェイックが提供する新卒紹介サービスです。

 

新卒カレッジは、中期~後期の新卒採用、中堅中小企業の新卒採用に最適な大学連携型の人材紹介サービスです。関東、中京、関西で124校(※2022年4月末時点)の大学と連携しており、中期から後期の母集団確保に強みがあります。

 

また、通常の新卒紹介サービスでは、一度に少人数しか紹介してもらえないことが多いですが、新卒カレッジでは、「学内選考会」というイベントを行っており、約20名程度の学生と一度に無料で会うことができ、参加学生と必ず面接を行うことができます。

 

さらに、参加学生には自己分析などの就活の基礎、また、挨拶やコミュニケーションなどの社会人としての基礎マナーなどの研修も提供してるので、入社後に活躍するためのスキルを養った学生と出会うことができます。

 

求人票の作成から企業紹介、面接調整、クロージングまでを代行するため、担当者は「面接して合否を決める」だけで良くなります。参加費は無料で成功報酬型となっているため、リスクを抑えたい企業にもおすすめです。

JOBRASS新卒紹介

「JOBRASS新卒紹介」は、総合人材情報サービス企業である株式会社アイデムが提供している新卒紹介サービスです。約100,000人の登録学生のなかから、エージェントが貴社の求める人材を紹介してくれます。

 

エージェントが企業様ごとに求める人物像をヒアリングしてくれますし、日程調整や志望度の確認、また内定後のフォローまで行ってくれます。

 

マイナビ新卒紹介

「マイナビ新卒紹介」は、株式会社マイナビが運営しており、就職情報サイトの「マイナビ」と連携しており、大きな母集団を持っています。

 

ひとりの学生に1人のキャリアアドバイザーがつき、ヒアリングや面接設定などを行います。手厚いサポートにより、学生に自社の魅力を伝え志望度を醸成することができます。

 

もちろん求人紹介や採用に関するアドバイス、面接日程の調整なども行ってくれます。

 

リクナビ就職エージェント

リクナビ就職エージェントは、リクルートが運営するサービスです。リクナビとの連携で大きな集客力があるので、多くの学生と出会うことができます。説明会への動員などのステップで、「推薦数が欲しい」という企業にはお勧めです。

 

また、リクルートグループの人材紹介のノウハウを活かし、学生の動機付けを行い、入社意欲などの本音を確認してもらえます。

 

type就活エージェント

「type就活エージェント」は、創業20年以上の株式会社キャリアデザインセンターが提供している新卒紹介サービスです。

 

首都圏中心に絞って学生を紹介しており、東大や早慶、MARCH、関関同立などの上位学生が約70%を占めています。留学経験や学歴で絞り込んでオファーを出すことも可能です。

 

DYM新卒紹介サービス

「DYM新卒紹介サービス」は、完全成果コミット型の新卒紹介サービスです。約3500社への導入実績があり、年間の入社実績も約5,200名(2020卒実績)と、豊富な実績があります。
 
WEBプロモーションが創業事業であることから、そのノウハウを活かして新卒学生の獲得、母集団の形成を行っています。facebookページは59,000いいねを獲得しており、TwitterやLINEなどのSNSでの広告配信、新卒情報メディアの運営なども行っており、様々な学生を紹介してもらえるのが特徴です。

 

キャリタス就活エージェント

「キャリタス就活エージェント」は、バイリンガル人材や理系人材、体育会系人材などターゲット学生別に新卒紹介を行っているサービスです。
 
バイリンガル人材に特化した就職・転職サイト「CFN」などを運営しており、バイリンガル人材が豊富です。また、MARCHクラス以上が約60%、TOEIC600以上が13%以上と優秀な学生が登録しているのも特徴です。

 

doda新卒エージェント

「doda新卒エージェント」は、ベネッセグループ&パーソルグループで共同で立ち上げた総合型エージェントです。
 
ベネッセグループではSPIの模擬試験などを通じて豊富な登録者がおり、その母集団とパーソルグループのノウハウを掛け合わせて、豊富な母集団から企業の求める人材を紹介してもらえます。

 

就職エージェントneo

就職エージェントneoは、株式会社ネオキャリアが運営する新卒紹介サービスです。業界のパイオニアとして学生登録数・紹介支援実績トップクラス。10,000社以上の利用実績があります。

 

登録学生数約21万人を誇り、企業のターゲットに合わせ学生を紹介してもらうことが可能。内定辞退率低下に向けた取り組みもサポート。首都圏以外でも学生集客や拠点を設けているため、全国での利用が可能です。

 

LHH就活エージェント(旧:Spring就活エージェント)

LHH就活エージェント(旧:Spring就活エージェント)は、アデコ株式会社が提供する新卒紹介サービス。独自の学生コミュニティを運営し、学生を集客しており、量より質を重視したサービスで、1名採用から対応可能です。

 

新卒紹介と合わせて、採用代行・RPOサービスも提供しており、新卒採用の専門スキルを持ったアドバイザーに採用業務の一部を切り出して委託することも可能です。

 

Re Agent

Re Agentは株式会社リアライブが運営する新卒紹介サービスです。集客力の高さが特徴で、イベントには年間12,000名以上の学生が来場。集客力の高さを生かし、マッチする学生をピンポイントで紹介してくれることが強みです。

 

営業職、エンジニア職に特化した採用支援チームがあることも特徴です。

 

シンクエージェント

シンクエージェントが運営する新卒紹介サービスが「キャリセン就活エージェント」です。実績10年&1,000社の採用支援。リピート率は85%。

 

企業様1社につき、1名の専任エージェントが担当し、採用設計、学生集客、セグメント、動機付けまでサポートしてくれます。

 

キャリアパーク!就職エージェント

ポート株式会社が運営するのがキャリアパーク!就職エージェントです。学生の会員登録数は約40万人と国内トップクラス。取引企業の90%にターゲット学生を紹介、約50%の企業に内定承諾者を輩出している、という特徴があります。

 

学生面談人数は年間1万人以上。契約から平均45日で内定承諾者を輩出。エリア毎の学生割合は関東が70%、関西が15%となり、地方の学生は少ないため、採用エリアを踏まえて検討することが大切です。

 

新卒紹介サービス18選【特化型】

新卒紹介サービスの中でも、高学歴、理系、ITエンジニアなど特化して学生を紹介してくれるサービスを紹介します。

 

Goodfind【高学歴】

高学歴の学生を中心に紹介してくれるのが、スローガン株式会社が運営する新卒紹介Goodfindです。

 

ケース面接、グループディスカッションなどの対策講座や、業界分析・キャリアセミナー・ロジカルシンキングなどスキルアップセミナーも数多く実施しており、参加する学生の成長意欲も非常に高いといえます。

 

リンク・アイ 新卒紹介事業【高学歴】

8割以上が上位大学の学生で占められているというリンク・アイ。運営母体は株式会社リンクアンドモチベーション。

 

リンク・アイはリンクアンドモチベーションのノウハウを生かし、自己成長、価値観の形成をサポート。働きがいあるキャリア創りの実現を支援しています。そのため意欲の高い高学歴の学生との出会いを期待できるという特徴があります。

 

アカリク【理系】

アカリクは大学院生(修士・博士)・ポスドク・研究者専用の新卒紹介サービスです。理系学生・大学院生に特化していることが大きな特徴といえます。累計登録者数は15万人以上。国内最大級の理系データベースです。

 

アカリクには大学院出身のアドバイザーが多く在籍。学生ひとりひとりに専任アドバイザーとして付き、スキル面・人物面を見極め、企業のニーズを満たす学生のマッチングをしてくれます。関東・関西の学生利用が多いですが、全国様々な地域で利用可能です。

 

サポーターズ【ITエンジニア】

サポーターズは新卒エンジニア採用におけるトータル支援サービス。各学年情報系学生2万人と言われている中で、7,000名のエンジニア学生が登録。国内トップクラスの登録率となっています。

 

サポーターズの特徴として、エンジニアとしての実務経験もある学生が多数登録するなど、ハイスペックなエンジニア学生が多数登録しているということがあります。

 

IT・Web系・Sier企業等 500社以上の支援実績。専任エージェントが内定承諾獲得まで手厚くフォローしてくれます。

 

Athlete Planning【体育会系】

アスリートプランニングは、体育会学生の採用支援におけるリーディングカンパニーとして、2004年から約3,000社の法人・企業の体育会学生の採用支援を行っています。

 

首都圏で1万人以上の体育会学生が毎年登録。1,000人規模の体育会就職イベントができる集客力があることも特徴です。採用活動開始前に必要な、戦略立案、プランニング、必要資料の準備等、採用体制の構築もサポートしてくれます。

 

スポナビエージェント【体育会系】

スポナビエージェントは体育会系の学生に特化した新卒紹介サービス。体育会出身者やスポーツ経験のあるカウンセラーが学生の就活をサポート。

 

しっかりと面談を行い、学生ひとりひとりの考え方、価値観、性格などを把握。企業のニーズを満たす人材を紹介してくれます。

 

新卒紹介の利用がおすすめな企業の特徴

ここまで紹介したように、新卒紹介にも総合型、特化型と様々なサービスがあります。自社に合った新卒紹介サービスを利用することがポイントになります。

 

ではどういった企業に新卒紹介サービスがおすすめでしょうか。新卒紹介サービスの利用がおすすめな企業の特徴としては次のようなものがあります。

 

新卒採用にかかる工数を減らしたい

 

新卒採用には多くの工数がかかります。ベンチャーや中小企業で、採用担当者の他の業務と兼務している、経営者が採用活動をしているなどで、新卒採用にかかる工数を減らしたい場合には、新卒紹介サービスは効果的と言えるでしょう。

 

新卒学生の採用プロセスには母集団形成、応募対応、説明会、書類選考、面接(複数回)、面接のスケジュールや選考管理、内定後フォローなど様々な業務があり、採用スケジュールも早期化・長期化する中で採用担当者には大きな負担がかかります。

 

新卒紹介サービスを利用することで採用工数を削減することが可能です。負担が軽減した分、採用担当者はコア業務に専念することができます。

 

ピンポイントにターゲット学生と出会いたい

採用したい学生の経験、スキル、属性が明確になっている場合、新卒紹介サービスを利用することでピンポイントにターゲット学生と出会える可能性が高くなります。

 

新卒紹介を行っている紹介会社に対して、採用したい人物像を提示します。新卒紹介サービスも本記事中で紹介したように、総合型やエンジニア、体育会系、理系など特化したところがあります。

 

自社の採用したい人材ニーズに合わせて新卒紹介サービスを選びましょう。そうすることでより高い確率で採用したい人材に出会えるようになりますし、ターゲット外のエントリー者への対応に工数を割かずにすみます。

 

採用コストを抑えたい

新卒紹介における成果報酬の相場は、60~120万円程度です。少人数の採用であれば、母集団の形成などに費用を使うよりも新卒紹介サービスを利用した方が、採用コストを抑えられるケースは多いでしょう。

 

また求人媒体に掲載した場合、採用に至る学生がいなくても掲載料金が発生することが一般的です。しかし、新卒紹介サービスは内定承諾もしくは入社時点で料金が発生となります。

 

理系や特定の選考学生、体育会系の学生など限定した層の人材を採用したい場合も、ピンポイントで採用活動ができるのでコスト削減できるケースは多いでしょう。

 

採用選考における途中辞退を減らしたい

新卒の就活生は複数企業に応募することが当たり前です。従って、選考途中で辞退されるケースも少なくありません。

 

一方で、採用側から見ると、選考の途中辞退はそれまでの選考に要した時間も無駄になってしまいますし、特に採用要件に当てはまっている学生の途中辞退は痛手に感じられるでしょう。

 

採用担当者としては、できる限り採用選考における途中辞退を減らしたいものです。

 

新卒紹介サービスを利用すれば、担当アドバイザーが企業と学生の間に入りしっかりと学生のケアをしてくれます。学生の志望度や本音をフィードバックしてもらい対策を取ることも可能になります。また、第三者としての立場から企業の魅力付けも行ってくれます。こうしたことを通じて途中辞退を減らすことが可能になるでしょう。

 

自社の魅力を直接伝えたい

新卒紹介サービスを利用する大きなメリットは、エージェントが学生に自社の魅力を伝えてくれ、興味を持った学生との面談の機会を持てることです。

 

新卒紹介を遣えば自社に興味を持ってくれている学生に対し、面談では直接自社の魅力を伝えることができます。

 

選考過程でエージェントが学生をフォローしてくれますから、途中辞退も防ぎやすくなりますし、内定承諾に至る可能性も高くなります。

 

新卒紹介サービスの効果を最大限に引き出す方法

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新卒紹介の効果を最大限に引き出し、自社が求める人材の獲得につなげるには、以下のポイントを重視することが大切です。

 

欲しい人材や自社の魅力を具体的に伝える

新卒紹介サービスによる採用精度を高めるには、欲しい人材の特徴や自社の魅力をエージェント側に具体的に伝える必要があります。

 

ただし、人材要件があまりにも細かすぎると、紹介されにくくなります。要件が多い場合は優先順位をつけて伝えたり、必須(MUST)と希望(WANT)をしっかり区別して伝えたりすることがおすすめです。

 

担当者と密にやり取りする

新卒紹介サービスを利用するときには、学生の動員~内定承諾までのフォローをしてくれる担当者やキャリアアドバイザーに、自社の魅力や採用ターゲットなどを知ってもらうとともに、ファンになってもらうことが大切です。

 

ファンになってもらうためには、自社の採用状況、また面接の合否や求職者への印象、ポジティブ面・ネガティブ面などをしっかり共有していくことが大切になります。

 

自社の採用力や採用ターゲットに合った会社を選ぶ

新卒紹介サービスにも、さまざまな種類があります。

 

各社、得意とする領域がありますし、絞り込みが甘い一方で推薦数が強みのところ、逆に厳選して紹介してくれるところなど、タイプや特色も異なります。

 

そのため、新卒紹介サービスを活用して成果を出すには、まず、自社の求める人材像に合った学生が多く登録している紹介会社を利用する必要があります。

 

また、自社の採用力を考慮したサービス選定も欠かせません。

 

たとえば、学生を口説く力に自信がなければ、内定承諾までの手厚いフォローが備わった新卒紹介サービスがおすすめです。

 

一方で、学生を推薦さえしてもらえば自社で魅了付け・動機付けなどもできる場合は、その部分のフォローを削ってもらうことで価格交渉ができるかもしれませんし、数を送ってくれる新卒紹介サービスが向いているでしょう。

新卒紹介サービスを利用する流れ

最後に新卒紹介サービス利用の流れを紹介します。利用するサービスにより異なる部分もありますが、基本的には以下のような流れになります。

 

契約

新卒紹介サービスを比較し、自社の採用したい人物像とマッチしているサービスを契約をします。総合型、特化型と種類がありますので、まずは人物像の明確化から始める必要があります。

 

いくつか新卒紹介サービスをピックアップし、サービス内容、料金、持っている母集団の量や質、営業との相性などを比較して契約するサービスを検討することが大切です。

 

採用ターゲットのすり合わせ

新卒紹介サービスと契約を行ったら、採用ターゲットのすり合わせを行います。

 

・どんな経験や資質を持つ学生を採用したいのか
・予定する担当業務
・将来、どんな人材となって欲しいか
・入社後の教育体制
・自社の強み、魅力

 

などを担当者に伝えます。自社の強みやアピールポイントも合わせて伝えることで、アドバイザーが学生と面談した際にしっかりと自社の魅力付けを行ってもらえるようになるでしょう。

 

採用ターゲットが曖昧になると、希望とかけ離れた学生が紹介される可能性があります。事前に自社内で採用したい人物像を明確にしておく必要があります。

 

求人票の作成・確認

採用ターゲットのすり合わせが終わったら、求人票の作成を行います。求人票の作成に関しては新卒紹介サービス側が行うことが多いため、採用企業側は情報提供と内容を確認することになります。

 

求人票は学生が見て応募を検討する重要なものです。内容に誤りがないようにしっかりと確認することが必要です。

 

求人票には賃金や時間外労働、休日、福利厚生などの記載もあります。待遇面は多くの学生が重視する部分になりますから、競合他社と比較しながら検討し、魅力的な求人票となるようにしていく必要もあるでしょう。

 

募集開始

求人票を作成し、確認が完了したら募集開始となります。新卒紹介サービスの担当アドバイザーが学生と面談を行い、企業の採用ニーズにマッチしている学生を探します。

 

性格や仕事への考え方などを見極め、適切な人材が見つかった場合、学生に企業を紹介し応募の意思を確認します。

 

選考

アドバイザーから自社の採用ニーズにマッチする学生を紹介されたら選考を実施します。

 

学生側に対しては企業のアピールポイントをアドバイザーが伝えてくれています。その上で応募の意思がある状態です。ただ、新卒紹介の場合、企業理解や志望度が十分に高くないことも多いですので、書類選考のあとに説明会を挟むこともよくあります。

 

学生に対する書類選考や面接の合否結果の連絡、スケジュール調整に関しては新卒紹介サービスが行います。適性検査の実施なども、新卒紹介側を通じて行うことが一般的です。

 

内定

何度かの面接や適性検査などを経て、採用基準に達ししていれば新卒紹介会社を通じて内定を出します。

 

新卒紹介サービスを利用するメリットのひとつが、内定後のフォローです。本人との間にだって志望度の確認や懸念点のフィードバックなどをしてくれます。また、内定後もフォローをすることで内定辞退を防ぎやすくなります。

 

内定承諾・支払い

学生に内定承諾した場合、内定承諾書へ署名・捺印して提出してもらうことが一般的です。会社によって異なりますが、新卒紹介の場合、料金発生のタイミングは内定承諾時となることが一般的です。

 

中途採用の場合は、入社時点での料金発生が一般的ですが、新卒紹介の場合には内定承諾から入社までのリードタイムが長いため、内定承諾時点であることが一般的です。

 

入社

学生側は、内定承諾書を提出した後でも内定辞退は可能です。そのため、入社日までアドバイザーが学生をフォローしてくれます。

 

このように新卒紹介サービスは採用選考から入社に至るまでトータルでサポートしてくれます。

 

まとめ

。新卒紹介には以下のような多くのメリットがあります。

  • 採用活動の工数を抑えられる
  • 基本的なスクリーニングをして推薦してくれる
  • 学生への魅力付けのアドバイスをしてくれる
  • 就活状況や本音の志望度をフィードバックしてくれる
  • 初期費用がかからない

様々な新卒紹介サービスがありますが、中堅中小企業にはHRドクターを運営する株式会社ジェイックが実施するイベント型の新卒紹介サービス「新卒カレッジ」もおすすめです。

 

「新卒カレッジ」では一度に多くの学生と無料で会うことができますし、多くの大学と連携しているので、豊富な母集団から自社にマッチする人材を探すことができます。

 

求人票の作成から面接調整、クロージングまでを代行してもらえるので、担当者の負担も大きく減らすことができます。興味のある方は、以下のページ・資料を参考にしてみてください。

著者情報

稲本 太郎

株式会社ジェイック|シニアマネージャー

稲本 太郎

新卒で入社してから一貫して、新卒・中途の採用コンサルティング、キャリアカウンセリング、マネジメントを経験。計15年以上に渡って、採用支援の第一線で活躍している、社内でも有数の経験豊富な現役採用コンサルタントでありながら、自社採用の面接官も兼任。新人賞、トップセールス賞、MVT、社長賞、特別賞、ベストプラクティス最多ノミネートなど数々の受賞実績有り。

著書、登壇セミナー

・「厳選採用時代」にターゲットから選ばれるブランディングとは? ・明日から役立つ!「WEB面接での見極め精度を高めるポイント」 ・【23卒の採用戦略】新卒採用プロの20人から学んだ60時間を1時間に短縮】 ・インターン経由の採用を成功させるコツを徹底討論 ・ハイブリット採用が当たり前になる中でHR Techはどのように進化するのか?どう活用して新卒採用を進化させるべきなのか? ・成功企業がやっている!辞退を防ぐ採用プロセス ・学生から敬遠されがちな業界や小規模企業の採用成功事例から学ぶ新卒採用を成功させるポイント

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