25卒 理系学生の動向とまとめ分析|アンケートからわかる傾向をわかりやすく解説

更新:2024/10/31

作成:2024/10/23

企業の需要増加によって、理系学生の採用はますます困難になっています。その中で、理系学生がどのような考えを持って就活しているのかを知ることは、採用活動において非常に重要です。

 

本記事では25卒の理系学生の動向をテーマに、株式会社テックオーシャンさんにTECH OFFER*1が25卒の理系学生に実施したアンケート調査結果*2を解説いただきました。採用活動の参考になる情報ばかりなので、ぜひチェックしてみてください。

*1:株式会社テックオーシャンが提供する、ダイレクトリクルーティングサービスの名称

*2:TECH OFFERに登録している2025年卒業予定の学生576人に対して行った就職活動に関する調査

<目次>

25卒理系学生の振り返り

25卒理系学生の振り返り

 

学生の就活は年度によって少しずつ変化しています。25卒はどのような実態だったのか?アンケート結果をもとに振り返っていきましょう。

仕事選びは大学での所属や専攻の影響を受けている

業界や職種などの仕事選びで重要視したのは、以下の通りです。

 

仕事選びは大学での所属や専攻の影響を受けている1

 

大学で学んだ内容を活かしたいと考えている学生が圧倒的多数を占めています。

 

仕事選びは大学での所属や専攻の影響を受けている2

 

学位別にみても、修士・博士、学士ともに大学での所属や選考を最重要視しているため、企業としても理系学生が大学で培った専門的なスキルや知識を、自社でどう活かせるかをアピールすると効果的です。

最も重視しているのは社風 / 社員の雰囲気

最も重視しているのは社風/社員の雰囲気1

 

就職活動は、複数社から内定をもらうケースも多々あります。その中で理系学生が重要視したのは、以下の通りです。

  • 社風 / 社員の雰囲気
  • 給料・待遇
  • 仕事のやりがい

特に社風 / 社員の雰囲気は注目度が高いため、採用サイトやインターンシップ、社員座談会などを通じて、実際の空気感を理系学生に伝えていくと効果的です。

 

一方、学位別で比較すると、少し異なる結果がみられました。以下を見てみましょう。

 

最も重視しているのは社風/社員の雰囲気2

 

学士の場合、仕事へのやりがいをあまり求めておらず、代わりに勤務地を重視する傾向にあります。

 

入社後の勤務先がどう決定されるのか、どれほど希望が通るのかなど、勤務場所に関する情報発信を積極的にすることが好ましいでしょう。

2番目以降に重視しているものは仕事と生活の両立

2番目以降に重視しているものは仕事と生活の両立2

 

理系学生が最も重要視しているのは、社員 / 社風の雰囲気です。しかし、次点で重要視しているものは共通しています。

  • 給料や待遇生
  • 勤務地生
  • 福利厚生

社風 / 社員の雰囲気も含めて、いかにワークライフバランスがとれるかも意識していることがわかります。精神的な充足ではなく、地に足をつけた判断をしていると見て良いでしょう。

理系学生が就職活動で後悔しているポイント

初めての就職活動を経験したケースが多い中、後悔を残した学生は多く、全体の半数以上を占めています。
理系学生が就職活動で後悔しているポイント1
理系学生が就職活動で後悔しているポイント2

 

後悔を残す点に関しては、以下の結果が見られました。

 

【修士・博士】
理系学生が就職活動で後悔しているポイント3

 

【学士】
理系学生が就職活動で後悔しているポイント4

 

就活に関する情報収集など、自身の動き方に関するものばかりです。理系学生はゼミや卒論などで、文系学生と比べて就活に時間を割きにくい傾向にあります。そうした背景が顕著に表れた結果だといえるでしょう。

 

そのため、企業としては理系学生が比較的時間をとりやすい時期にイベントを開催するなどの工夫をすることで、学生にリーチできる可能性が高まります。

就職活動をきっかけに考えが変化する場合も多い

就職活動をきっかけに考えが変化する場合も多い2

 

学生にとって就職活動は初めての経験です。実際に就職活動を進めていった結果、途中で志望する業界や職種が変わるケースは多くあります。

 

実際、業界・職種が変わったという学生は全体の37%も存在しており、決して少ないとはいえない数値です。変化した理由としては、以下のようなものがありました。

  • 自分のやりたいことが変わった
  • インターンシップに参加して変わった
  • 選考の中で自分に合っていないと気付いた

特にインターンシップ参加をきっかけとする声が多いことから、学生と接点を作り、業界や企業への関心を高めるための施策として有効であるといえます。

また、就活を進める中で志望先が変わる可能性が少なくないことから、インターンシップで接点を持った学生への継続的なアプローチが、今後の選考への参加率を左右するでしょう。

入社前に知りたい情報は仕事選びのポイントと共通している

仕事内容や待遇・給与など、理系学生が入社前に知りたい情報は、冒頭で解説した「仕事選びで重視するポイント」と共通しています。以下を見てみましょう。

 

入社前に知りたい情報は仕事選びのポイントと共通している2

 

実際の仕事内容や会社の雰囲気を伝える手段としては、企業の働き方や社内の空気を体験できるインターンシップが効果的です。

また、待遇や給与への注目も高く、初任給の額を再検討することや福利厚生などの社内制度を改めて整備することも重要です。

理系学生の就活スケジュール動向

【最新版】理系学生の就活スケジュール動向

 

理系学生の就活スケジュールは、文系学生より早期化が進んでいると言われることが多いですが、25卒の場合はどうだったのか、詳しく見ていきましょう。

文系学生と概ね似たような動き

25卒の理系学生の就活スケジュールは、おおよそ以下の通りです。
文系学生と概ね似たような動き3
文系学生と概ね似たような動き4
3年生の6月時点で就活を開始した層が6割を超え、翌年3月時点では約半数(44.3%)が就活を終えていることから、理系学生の就活は早めに始まり早めに終わることが読み取れます。

 

これには、理系ならではの事情が関係しています。4年生にあがると、卒論や研究活動に時間を割かなくてはいけないため、先を見据えた上で就活を進めた結果、上記のような就活スケジュールになりやすいのです。

 

今後も理系学生の就活スケジュールの早期化は継続していくと考えられますが、企業の採用活動そのものも早期化せざるを得ない現状がみてとれます。学生のスケジュールを踏まえた採用戦略の検討が求められるでしょう。

就職活動における理系学生の情報収集源

就職活動における理系学生の情報収集源

25卒の理系学生がどのような方法を取っていたのか、アンケートを基に詳しく見ていきましょう。

ナビサイトなどのWebサービスが主流

理系学生が就職活動において、一番利用していサービスを見ていきましょう。


ナビサイトなどのWebサービスが主流3

 

情報収集サイトにおいては、マイナビのようなナビ媒体が依然として人気を集めています。

修士・博士においては、口コミサイトとして知られるワンキャリアの利用者も目立ちます。

一方で、理系人材に特化したダイレクトリクルーティングも利用されており、以下のように使い分けていると考えられます。

  • ナビサイト:広く情報を収集する
  • 口コミサイト:リアルな学生の声を収集する
  • ダイレクトリクルーティング:スカウトを受けて判断する

自分から能動的に動きつつ、受動的なサービスも使うという合理的な方法を取っています。

ナビサイトなどのWebサービスが主流4

 

就活についての情報もWebやSNSを使って効率的に集めており、新聞のような旧メディアは使われていません。こうしたケースから考えても、Webを主体に中心とした採用活動や情報発信が求められます。

研究室の先輩の意見を参考にしている

理系学生は、同じ研究室に在籍している先輩の意見を積極的に取り入れる傾向にあります。

 

研究室の先輩の意見を参考にしている2

 

学士・修士・博士ともに共通しており、どちらも半数以上の学生が参考にしています。

 

これらの点から見ても、文系学生とは異なる、理系採用ならではのアプローチがあるということがわかります。以下のような採用方法も今後検討していきましょう。

  • 研究室からの推薦
  • 先輩社員(OB・OG)からの紹介

採用イベントはWebが人気

採用イベントはWebが人気3

 

説明会などの企業イベントに関しては、リアルよりもWebの方が参加しやすい傾向にあり、中でも理系学生は顕著です。

 

学業や研究活動と就活との両立をする理系学生は忙しく、対面よりもオンライン形式の方が参加しやすい背景が読み取れます。

 

理系学生にリーチする際は、オンライン実施も含めたイベントの開催を検討することが好ましいでしょう。

 

さらに、Web・リアルといった開催形式を問わず、企業の雰囲気や担当者の態度・印象も判断材料として大きな割合を占めています。

 

採用イベントはWebが人気4

 

採用担当者は企業の顔としての役割も求められているため、自身の印象が学生の企業に対するイメージや評価にも影響を与えうることを認識しておく必要があります。

25卒の理系人材と内定承諾について

25卒の理系人材と内定承諾について

 

25卒理系学生の内定承諾にはどのような特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。

内定承諾企業との初期接点を持った時期はバラバラ

内定承諾企業との初期接点を持った時期はバラバラ1

 

理系学生と企業が接点を持てるイベントは様々なものがありますが、内定承諾企業に出会ったタイミングとして突出した時期はありませんでした。夏期インターンシップが始まる頃は増えるものの、それ以外は横ばいです。

 

ただし、相性によっては素早く内定が決まるケースもあり、24年1月に出会った企業に内定が決まっている層が最も多くみられます。

 

冬以降に出会った学生は内定承諾企業の決断までの期間が短いケースが多いため、他社との差別化や魅力付けの粒度高い対応が求められます。

内定承諾企業との接点は説明会とインターンシップが基本

内定を承諾した企業との初期接点は、以下の順位となりました。

 

内定承諾企業との接点は説明会とインターンシップが基本

 

個別説明会・夏期インターンシップでの接点が特に多く、社風/社員の雰囲気などより具体的に企業理解を深めることができるイベントが効果的といえるのではないでしょうか。

 

企業としても、好印象を持ってもらえれば選考参加にも繋げられるため、力を入れていく意義があるでしょう。

理系人材の採用ならダイレクトリクルーティングの『TECH OFFER』

アンケート調査の実施主体である「TECH OFFER」は理系人材に特化したダイレクトリクルーティングです。研究内容や研修室、大学など学生が登録した様々な情報を元に、採用担当者がオファーを送って採用できるツールになります。

  • 理系学生に企業のことを知ってもらいたい
  • イベントへの参加率を向上させたい
  • 理系採用をしている他社事例が知りたい

などのご相談も承ることができますので、理系人材の採用に関心がございましたら、ご活用ください。

 

「TECH OFFER」お問合せ先

 

注)「TECH OFFER」はHRドクター(運営元:株式会社ジェイック)の提供サービスではございません。詳しくは「TECH OFFERについて」をご覧ください。

調査概要

【25年卒学生対象(2024年調査)】

  • 調査期間:2024年6月26日〜2024年7月14日
  • 調査方法:アンケート調査
  • 調査対象:TECH OFFERに登録している2025年卒業予定の学生
  • 有効回答数:576件

調査元、会社概要

株式会社テックオーシャン

  • 【代表取締役】長井 裕樹
  • 【公式サイト】https://techocean.co.jp/
  • 【所在地】〒112-0004 東京都文京区後楽2-2-23 住友不動産飯田橋ビル2号館 7階
  • 【TEL】03-6383-0433
  • 【MAIL】info@techocean.co.jp

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