人材紹介会社を利用することは、新卒採用でも中途採用でも、企業の採用活動を成功させるために有効な手法の1つです。
「人材紹介をはじめて利用する」という人事担当者の方向けに、人材紹介会社自ら、人材紹介会社の種類から利用する際の具体的な流れや人材紹介の利用が適したケース、上手に活用するための注意点などを解説します。
<目次>
- 人材紹介会社とは?
- 人材紹介会社の種類
- 人材紹介会社を使う5つのメリット
- 人材紹介会社を使う5つのデメリット
- 人材紹介会社を利用する際の具体的な流れ
- 人材紹介会社の利用が適したケース
- 人材紹介会社を利用する際の注意点
- おすすめの人材紹介会社10選
- まとめ
人材紹介会社とは?
記事では最初に、人材紹介とは何か、人材派遣や紹介予定派遣との違いを確認しておきます。
人材紹介とは?
人材紹介は、有料職業紹介と呼ばれるサービスであり、採用活動を行う企業からの依頼を基に、求人要件に合致した候補者を推薦するものを指します。
人材紹介会社は、求人企業にヒアリングして、スペックや人物像のすり合わせ、求人内容の把握、求人票の作成。そして、自社の登録者や人材募集用のネットワークから最適な候補者を探し出して、求人紹介、応募意思の獲得、面接の日程調整、採用条件の調整、内定承諾の獲得まで、採用活動の全プロセスをサポートしてくれます。
人材紹介には、いくつかの種類がありますが、一般型・登録型と呼ばれる通常の人材紹介サービスは、完全成果報酬であり、初期費用などはなく、採用が決定(内定承諾若しくは入社)した時のみ成果報酬(紹介手数料)が発生することが一般的です。
人材紹介と人材派遣、紹介予定派遣、業務委託斡旋との違い
人材派遣と人材紹介の違い
人材派遣は、人材派遣会社が派遣労働者と雇用契約(派遣契約)を結び、労働力を求めている企業に派遣するサービスです。
派遣先となる利用企業は、派遣会社に費用を支払い、派遣会社から派遣労働者に給与が支払われます。
これに対して、人材紹介の場合は、人材紹介会社はあくまでマッチングの役割であり、労働者は入社する企業と雇用契約を結びますし、一般的には無期雇用が前提です(ただし、案件によって無期雇用派遣や契約社員スタートという場合もあります)。
このように人材派遣と人材紹介は、「労働力を求めている企業と労働者をマッチングする」という機能は似ていますが、採用の目的、雇用契約の関係、雇用形態などが全く異なります。
紹介予定派遣と人材紹介の違い
紹介予定派遣は、人材派遣から発展したサービスです。
紹介予定派遣は、最初は人材派遣として企業に派遣されている労働者を、一定期間後に直接雇用(基本的に無期雇用)に切り替えるサービスです。いわば、派遣期間をお互いの“お試し期間”として利用するイメージです。
企業が紹介予定派遣を利用する際、派遣期間中は派遣会社に派遣費用を支払い、その後、直雇用に切り替える際には紹介手数料を支払います。
上記のように紹介予定派遣は人材派遣と人材紹介の掛け合わせ的なサービスといえます。
お互いに内情や相性を見極められる反面、直雇用に切り替わるかは分かりませんので、正社員としての就業を目指す応募者にとってはリスクがあり、そこまで大きな市場規模にはなっていません。
業務委託斡旋と人材紹介の違い
業務委託斡旋とは労働者としてではなく、フリーランスや副業など業務委託で働く人を斡旋するサービスを指します。業務委託は、専門性を活かして業務を委託され働く形式です。
近年、フリーランスや副業人材が増えてきた中で、業務委託を斡旋、マッチングする会社が増えています。
企業側にとって、業務委託斡旋を使用するメリットとしては、
- 専門性を持った人材を低コストで業務を依頼できる
- 会社として固定費となる従業員を抱えなくて済む
- 教育コストがかからない
などです。
業務委託斡旋は「人材を企業とマッチングする」ことは同じですが、雇用形態が正社員ではないという点が大きく異なります。
なお、業務委託斡旋には人材紹介のようにマッチングだけして業務委託契約は企業と人材が直接契約するタイプと、人材派遣のように業務いた契約自体も企業と斡旋会社で締結し、斡旋会社から人材に業務を再委託するタイプがあります。
人材紹介会社の種類
登録型(一般紹介)
企業から求人の依頼を受けて、人材紹介会社に登録している転職希望者から該当する人材を探してマッチングする形態の人材紹介です。世の中で「人材紹介会社」と言われる会社の殆どが登録型・一般紹介です。
登録型の人材紹介サービスは、業界や職種を横断して求職者を紹介する総合型と、業界や職種、年代などを特化した形でサービスを紹介する専門型があります。一般的に、総合型はマッチングの質は低くなりますが推薦の数は多く、逆に専門型は推薦の数は少なくなりますがマッチングの質は高くなります。
人材紹介会社を利用する際には、採用ターゲットを踏まえつつ、総合型と専門型、両方を併用するとよいでしょう。
サーチ型(ヘッドハンティング)
登録型よりも高い専門性やポジションの人材を扱うのがサーチ型/ヘッドハンティングです。サーチ型の人材紹介で扱うのはCxOと呼ばれる経営層や年収1,000万以上となるような高い専門性を持った人材です。
こうした人材がたまたま転職活動をしているようなケースは限られていますので、サーチ型は「サーチ」と「ヘッドハンティング」という名前の通り、企業の求人依頼を受けて、競合企業などにいるような現職の人間をリストアップ(サーチ)して、声がけして口説く(ヘッドハンティング)することになります。
人材紹介サービス側の手間もかかり、期間も長引きますので、着手金が必要であったり、成果報酬も40%、50%などが普通だったりします。
再就職支援型(アウトプレースメント)
再就職支援型(アウトプレースメント)の人材紹介は、リストラなどによって雇用が難しくなった社員の再就職先を支援するサービスです。希望就職先を聞くカウンセリングから就職支援の研修などを行い、再就職を支援します。
業績が悪くないときにも組織強化を意図してリストラを行うアメリカでは一般的ですが、解雇規制の強い日本ではあまり一般的ではないサービスです。
アウトプレースメントが、登録型・サーチ型の人材紹介と大きく異なるのはリストラを行う企業側から費用をもらうことです。逆に、登録型やサーチ型と異なり、採用する側の企業には費用が発生しません。
人材紹介会社を使う5つのメリット
費用が無駄になるリスクがない
登録型の人材紹介会社は、採用が成功したときに紹介手数料が発生する成功報酬型が一般的です。初期費用がかかることもありませんし、採用できないのに費用が発生する恐れもありません。
また、人材紹介は成功報酬型の料金体系であることに加えて、万が一、採用した人材が早期に退職してしまった場合には、返金保証の規定が設けられていることが普通です。
返金保証とは、入社後一定期間の間に退職した入社人材に対する紹介手数料の一部または全額を返還する制度です。返還金額や期間は人材紹介会社によって異なりますが、一般的には入社後1ヶ月以内であれば全額、2か月以内であれば50%、3か月以内であれば25%といった程度です。
このように人材紹介会社は、出稿や契約の時点で費用が掛かる求人広告やダイレクトリクルーティング等と異なり、無駄な採用費用が生じるリスクがない点が大きな魅力です。
なお、人材紹介の手数料の相場や計算方法については以下の記事で詳しく解説していますので、ご興味あればご覧ください。
各種業務を代行してくれる
人材紹介会社では、求人票の作成、応募意思の獲得、面接の日程調整、応募者への合否連絡、内定後の待遇交渉と内定承諾の獲得など、採用活動に関わる業務をすべて代行します。
これにより求人企業は採用プロセスで応募対応をしたり、面接のスケジューリングをしたりする手間を削減することができます。極端に言えば、採用企業側は「面接して合否を決める」だけでよいわけで、これは採用担当者の負担軽減につながります。
手間の軽減は、経営陣が採用活動を兼務で行ったり、専任の採用担当者がいなかったりするスタートアップやベンチャー企業、ま中小企業の場合には非常に有難いでしょう。
条件に合う人材を効率よく採用できる
人材紹介では、人材紹介会社の担当者が企業の採用要件に合致する転職希望者を探して推薦します。この際、専任担当者は転職希望者の経歴やスキルだけでなく、志向や適性も考慮して選別もしてくれます。
求人広告などだと、応募要件のハードルを厳しくし過ぎると応募者が来なくなる一方で、ゆるくし過ぎるとターゲットにならない応募者が増えて、対応が大変になることもあります。しかし、人材紹介会社であれば、ある程度曖昧なニュアンス部分も含めて求職者のフィルタリングをしてくれるため、企業は採用要件を満たした応募者に絞って選考プロセスを進めることができます。
ある程度のスキルを持った経験者を採用したい、広報や人事などの応募が集まりやすい職種であるような場合には、非常にありがたいメリットです。
求人募集までのリードタイムが短い
企業では、欠員が生じたり、新拠点のオープンに経験者が必要になったりといった急な採用ニーズが生じることもあります。
人材紹介会社では、契約を締結して求人票を作成次第、すぐに応募者への打診・推薦をスタートしてくれます。
従って急な欠員が出た場合や入社日の納期が明確に決まっている場合など、スピード重視の採用活動を展開したい場合には最適です。
非公開で募集できる
人材紹介サービスでは、「非公開」という形で求人を依頼することも可能です。
「退職予定に伴う欠員補充で社内に採用活動を知られたくない」「新規事業に伴う人材募集で競合他社に動向を知られたくない」「求人応募が殺到しないようにWeb上に公開したくない」等のニーズを持つ企業にとってはメリットです。
人材紹介会社を使う5つのデメリット
採用単価が高止まりする
採用単価とは、1人あたりの採用費用を指します。
人材紹介サービスを利用する場合、採用が成功した時に手数料(成果報酬)を支払うことになります。
若年層の場合などは定額制であることもありますが、一般的には入社人材の想定年収×30%〜35%が手数料の相場です(売り手市場が加速すると35~40%に値上がりします)。従って、年収600万円の人材を採用した場合、一人当たり180万円〜210万円の費用がかかることになります。これは他の採用手法に比べると高額といえるでしょう。
また、3人採用すれば、成果報酬も3人分発生します。求人広告やダイレクトリクルーティング等であれば、1回の利用で複数名を採用できれば、その分採用単価が下がりますが、人材紹介の場合は単価が下がりませんので、その点でも単価が高止まりします。
完全成果報酬で返金保証がある、応募者をフィルターして推薦してくれる、手間を代行してくれるというメリットの代わりに単価の高止まりがあるわけです。
大量採用に向いていない
人材紹介会社の料金形態として、一人当たりの採用に対して料金がかかる形になります。それにより、人材紹介のみで大量採用を行おうと思うと必要な金額がかなり大きくなります。
求人広告や転職イベントなどでは応募を集めることが難しい経験者層の場合は別ですが、未経験層の場合などは、大量採用を行う際には求人広告や転職イベント、ダイレクトリクルーティングなどを並行した方がよいでしょう。
紹介会社から推薦されない場合がある
採用ターゲットが市場に少ない人材を採用したい場合、人材紹介会社からの推薦はどうしても少なくなります。このこと自体は求人広告でも、ダイレクトリクルーティングだろうが同じです。但し、人材紹介会社に依頼する場合、以下のような場合も、推薦が上がってこないケースがあります。
- 自社の採用力に見合わない応募スペックを出している
- 人材紹介会社から見て求人の応募意思を取りにくい状態になっている
- 人材紹介会社と十分なコミュニケーションが取れておらず、応募意思の獲得に必要な情報を渡せていない
- 求人内容が、依頼した紹介会社の得意分野と異なっている
- 極端な紹介手数料の値引きを要求している
利用社数が増えると管理工数がかかる
前述の通り、人材紹介会社は成功報酬であり、採用成功まで利用料はかかりません。そのため、推薦してもらう数を増やし、採用を成功させるためには、契約する人材紹介会社の数を増やすことが近道です。
しかし、契約する企業を増やしていくと、今度は推薦への対応、面接調整、求人要件の確認などの管理工数が増えていきます。求職者との間に人材紹介会社のエージェントが入るからこそ、手間が増えてしまうという感覚です。
採用管理ツール(ATS)などを使って、推薦ルートや管理、コミュニケーションチャネルを一元化すれば少し工数を減らせますが、メール等でのやり取りになると、契約する人材紹介会社の数を増やし過ぎると、管理が大変になっていきます。
採用に関するノウハウが社内に蓄積されづらい
人材紹介会社は、企業と求職者の仲介役として、求人企業や求人内容への魅了づけ、面接日程調整などの採用プロセスを代行してくれます。
これは求人企業の担当者にとって工数を削減できるというメリットにつながりますが、その反面、社内に採用ノウハウが蓄積されないというデメリットもあります。採用を人材紹介会社のみに依存しすぎると、自社で採用活動を行う際の足かせになる可能性あります。
人材紹介会社を利用する際の具体的な流れ
人材紹介会社を利用する際の一般的な流れをご紹介します。一連の流れを理解したうえで、採用目標やスケジュールから逆算して依頼をかけていきましょう。
人材紹介の流れ①問い合わせ
まずは、自社の募集要件に合いそうな適切な人材紹介会社を選定し、コンタクトを取るところからスタートします。
若手を希望するのであれば第2新卒や20代30代に強い人材紹介会社を。
反対に40代50代などのベテラン層やマネジメント職の経験がある人材を希望する場合は、ハイクラス向けの人材紹介会社を選ぶとよいでしょう。
また、IT・建築など特定業界に強みのある人材紹介会社や、デザイナー・エンジニア・プログラマーなど特定職種に強い人材紹介会社も存在します。
人材紹介の流れ②打ち合わせ
利用を検討したい人材紹介会社が決まったら、担当者との打ち合わせを実施します。
内容としては求人発生の背景、募集職種、求める人物像、人数、必要なスキル、給与などの条件面に加え、企業風土、企業のアピールポイントなどの確認です。
また、打ち合わせの際には必ず成果報酬の料率(採用した人材の年収の30~35%が成果報酬の相場です)と、早期離職した場合の返金規定について確認しておきましょう。
返金規定は、紹介された人材が入社後すぐに退職してしまった場合に、報酬の一部が返還される規定です。
返金額の料率は人材紹介会社によって様々ですが、1か月以内の離職は100%の返金、2~3ヵ月以内の離職は50%の返金というのが相場です。
契約する人材紹介会社を選ぶ際には、問い合わせに対するレスポンスの早さ、また、ターゲット人材の需給に関する的確なアドバイスがあるかどうかで判断するのも一つの方法です。
おススメとしては、登録者数が多い「総合型」の人材紹介会社と「専門性」のある紹介会社、両方の分野で2社程度依頼する方法です。
人材紹介の流れ③契約の締結
ヒアリングを経て互いに大筋で合意した後は、人材紹介会社との間で契約を締結します。
取り交わす契約書は「人材紹介基本契約書」などと呼ばれ、手数料率や秘密保持義務、トラブル発生時の損害賠償、返金規定などが記載されます。
人材紹介の流れ④候補者の推薦
契約後、人材紹介会社は求人票を作成、こちらの了承を経て完成したら、候補者を探し、求人を打診します。その上で、応募意思を取得した候補者を推薦してくれます。
マッチング方法は人材紹介会社によって異なりますが、職務経歴や保有スキルなどを利用して定量的な視点でマッチングを実施、そのうえで、定性的な価値観や性格を踏まえてマッチングするイメージです。
ただし、一般的に登録者が多い総合型の人材紹介会社はマッチングの質は低く、定量的な観点だけでのマッチングとなる反面、推薦量は多く、専門性の高い人材紹介会社はマッチングの質は高いですが推薦量は少なくなる傾向にあります。
候補者から応募意思を獲得したら、人材紹介会社から候補者の履歴書や職務経歴書が人材紹介会社から提出されます。
人材紹介会社によっては履歴書や職務経歴書の提出だけでなく、「キャリアアドバイザーによる候補者の所感」を付け加えるなど、円滑に選考が進むように様々な工夫を行っていることもあります。
人材紹介の流れ⑤書類選考
人材紹介会社から推薦された求職者の書類を確認して合否を伝えます。
書類選考はなるべくスピーディーに確認・合否判断してフィードバックすることが、人材紹介会社を上手に活用するポイントのひとつです。
なお、書類だけで候補者のすべての能力を測ることはできないため、はじめのうちはボーダーライン上の人はなるべく面接して、結果を紹介会社側にフィードバックするとよいでしょう。
人材紹介の流れ⑥面接
書類選考を通過した候補者に対して面接を行います。面接の日程調整は紹介会社側で実施するケースが多いでしょう。
ただし、採用人数の多い新卒採用の場合は、企業側の標準オペレーションに載せないと対応が煩雑になるため、会社説明会に参加してもらって他ルートからの応募者と同じように扱うようなケースもあります。
面接の結果についても、なるべく早く合否を決めて、所感とともに人材紹介会社にフィードバックしましょう。なお、選考については面接だけでなく、適性検査の受検などを依頼することも可能です。
人材紹介の流れ⑦内定・入社
選考を進めていって、最終的に内定を出す場合も人材紹介会社経由で伝えます。人材紹介会社からも求職者の活動状況などをヒアリングして、待遇条件を決めて打診しましょう。
企業と人材紹介会社、また人材紹介会社と求職者の間で「勤務開始日」「待遇」「労働条件」などの細かな点をすり合わせていきます。
企業と求職者、双方の希望内容をヒアリングした上でやり取りを仲介し、円満に契約成立へと導くことも人材紹介会社の重要な役割です。
人材紹介の流れ⑧紹介手数料の支払い
一般的に中途採用の場合は入社日、新卒採用の場合には内定承諾日をもって、成果報酬の費用請求が生じます。契約した人材紹介基本契約書に記載された料率に従って紹介手数料を支払います。
なお、新卒紹介で、採用通知を出したものの入社に至らなかった(内定承諾後の辞退)場合、手数料は全額返金されることが普通です。
人材紹介会社の利用が適したケース
人材紹介会社の利用が適している、あるいは効果的と思われるのはどのようなケースなのかを整理してみました。
専門性の高い人材や即戦力が必要
専門的スキルを持つ人材を採用するのは簡単ではありませんが、人材紹介会社のデータベースには候補者の資格やスキルが登録してあるため、専門スキルを持つ人材へもピンポイントでアプローチできます。
即戦力を求める場合、求人広告では求めるスキルがない人なども応募してきてしまうので、その点を紹介会社にサーチ・フィルタリングしてもらうことに価値が生じます。
定性的なマッチングをして欲しい
募集する職種によっては、目に見える資格や営業経験などだけではマッチングしにくい特徴があります。
例えば営業職の場合、一口に“営業”といっても、法人向け・個人向け、法人向けでも大手向け・中小企業向けがあり、営業のスタイルも新規中心・ルート営業、さらに有形商材・無形サービス、単価の高低、サービスの新規性など千差万別です。
こうしたことは営業職に限らず多くの職種でも生じることですが、これらを事細かにすべて条件付けするのはあまり現実的ではありません。
しかし、マッチング精度を売りにする専門性の高い人材紹介会社であれば、定性的な条件や求職者の価値観なども踏まえて最適なマッチングをしてくれます。
急な欠員補充が必要
退職で欠員が発生し、急遽採用を行いたい場合にも人材紹介が有効です。特に基本契約を既に締結している人材紹介会社があれば、求人票の作成だけすればすぐに採用活動を始めることが可能です。
求人広告やダイレクトリクルーティングを契約する場合と比べると、かなりスピーディーに動き始めることが出来るでしょう。
採用のノウハウやリソースが社内にない
自社内に人材採用のノウハウやリソースがない場合も、採用のプロでありノウハウを持った人材紹介会社の力を借りることが有効です。
特に業務を代行してくれる部分と併せて活用すると、例えば経営陣が採用活動を見ている場合、少数の担当者で多くの職種や人数を採用しないといけない場合などに効果的です。
求人広告などでは採用し切れない
急成長に伴う大量採用などで、求人広告などでは採用目標数を満たせないという場合にも人材紹介が利用されます。
この場合は、フィルタリング機能などよりも、「応募者に求人紹介して応募意思を獲得してくれる」点が主な価値となります。
人材紹介会社を利用する際の注意点
人材紹介サービスの検討に際しては、以下のような注意点も確認して検討していただくとよいでしょう。
紹介単価が下がらない
人材紹介の成果報酬は前述の通り、採用した人材の理論年収の30~35%が相場です。例えば理論年収が600万円の人を採用すれば、人材紹介会社に支払う手数料は180~210万円程です。
そして、人材紹介の成果報酬は採用した人数分だけ確実に費用が発生しますので、何人採用しても採用単価は落ちません。
その点、求人広告やダイレクトリクルーティングなどは、上手く活用すれば単価を下げることが可能です。人材紹介は利便性が高く、リスクもない反面、採用単価が高くなることになります。
募集したいエリアを踏まえて紹介会社を選ぶ
人材紹介会社からの人材推薦は、ヘッドハンティングなどサーチ型の場合を除けば、基本的に該当の紹介会社に登録している登録者の中から行います。
一般的には首都圏や名古屋、大阪など産業が集中しているエリアに登録者が集まる傾向があり、地方での採用を検討しているケースなどではなかなか推薦がこない可能性もあります。
採用したいエリアなどを踏まえた上で、人材紹介会社を選ぶことが大切です。
適切な紹介会社を選ぶ
業界、職種、エリアなど、採用ニーズに合致した得意分野を持った紹介会社を選ぶことが大切です。人材紹介会社のサービスには、大きくは総合型と専門型、イベント型といった特徴があります
幅広い人材にアプローチしたい、多くの人材を推薦して欲しい場合
専門性の高い人材を採用したい、マッチング精度を追求したい場合
自分の目で確かめたい場合
といった観点で、人材紹介会社の規模感や得意分野、また担当者との相性などを踏まえて契約する紹介会社を検討することが大切です。
求める人材像に幅を持たせる
人材紹介サービスを利用するにあたり、求める人材像が明確でないと、人材紹介会社が適切な候補者を紹介できなかったり、採用した人材とのミスマッチが生じたりする可能性があります。
一方で、書類選考の時点であまりに限定的な応募要件を作ってしまうと、推薦される人材の数が減り、採用の機会を逃してしまう場合もあります。書類選考の時点では、ある程度幅を設けて推薦条件を設定しておくことがおすすめです。
おすすめの人材紹介会社10選
人材紹介サービスには、幅広い業種・職種を取り扱う「総合型」と、特定の専門業界・業種に特化した「特化型」の大きく2つのタイプがあります。
記事の最後では。おすすめの人材紹介サービスを「総合型」「特化型」合わせて10社紹介します。
【総合型】リクルートエージェント|株式会社リクルート
リクルートエージェントは、株式会社リクルートが手がける人材紹介サービスで、幅広い業種・職種・地域の求人を取り扱っています。
同サービスの強みは、年間登録者約135万4,000名(2021年4月1日~2022年3月31日の間のサービス登録者数)、年間決定約5万6000名(2021年度実績)という業界トップクラスの登録人数と紹介実績があること、国内20拠点展開による全国で人材紹介が可能であることです。
https://www.r-agent.com/business/
【総合型】パソナ人材紹介サービス|株式会社パソナ
人材派遣業界で有名なパソナグループが提供している人材紹介サービスです。パソナ人材紹介サービスの特徴は大きく3つあります。
- 採用支援実績の40%を占めるハイクラス人材の採用支援に強みを持っている
- 経理・人事・法務をはじめとする管理部門系職種の採用支援を得意としている(職種別採用実績の42.3%が管理部門系)
- 各業界の豊富な知識を有するコンサルタントでチームを編成しており、ピンポイントで最適な人材の紹介が可能
上記に挙げたような、クライアント企業の経営課題や人材ニーズを深く理解したサポート体制により、同サービスは、オリコン顧客満足度®調査「転職エージェント」ランキングで、4年連続総合1位を受賞しています。
https://www.pasona.co.jp/clients/service/js/
【総合型】doda人材紹介サービス|パーソルキャリア株式会社
doda人材紹介サービスは、パーソルキャリア株式会社が手がける総合型人材紹介サービスです。
750万人(2022年12月末時点の累計)という業界トップクラスの会員数を誇っており、若手・中堅層や専門性の高い人材を始めとする多様な求職者層と、多岐に渡る幅広い業種・職種に対応しています。
法人担当のリクルーティングアドバイザーと人材担当のキャリアアドバイザーの強い連携による、人材募集から入社までをトータルでサポートする体制に強みを持っています。また、業界や職種に応じた専任担当制をとっており、専門性を活かした採用戦略のアドバイスや転職希望者への求人の魅了付けなど、企業/人材双方から高い評判を得ています。
【特化型】MS-Japan|株式会社MS-Japan
MS-Japanは、株式会社MS-Japanが提供する職種特化型の人材紹介サービスです。
MS-Japanは、経理・財務、人事・総務、法務などのバックオフィス系職種、および、会計事務所・監査法人、税理士、公認会計士、弁護士などの仕業・専門職に特化した採用支援が特徴です。
業界特化型エージェントのため、管理部門・士業に精通したキャリアアドバイザーが在籍しており、独自の集客源による他のルートでは出会えない専門職の紹介が可能です。
https://www.jmsc.co.jp/corporate/
【特化型】JAC Recruitment|株式会社ジェイエイシーリクルートメント
JAC Recruitmentは管理職人材、エグゼクティブ人材に特化した人材紹介サービスです。
同サービスを手掛けるジェイエイシーリクルートメントは、世界12カ国に広がる独自のグローバルネットワークを持っており、インターナショナル領域による事業比率は50%以上と、業界内でも圧倒的なシェアを誇っています。そのため、特に外資系企業や海外進出中の日本企業への採用支援で高い評判を得ています。
また、年収500万以上のミドルクラスの人材紹介に強みを持ち、管理職層やプロフェッショナル人材の採用支援が得意です。
JAC Recruitmentでは人材紹介の業界大手ながら、企業と求職者の双方に対する支援を1人のコンサルタントが行う「両面型(一気通貫型)」というモデルを導入しています。企業と求職者を別の担当者を対応するスタイルと比べ、双方のニーズを深く理解した上での紹介となるので、両者にとって、より満足度が高いサービスの提供が可能なります。
https://corp.jac-recruitment.jp/business/for_employers/
【特化型】マーケティング・デジタル・クリエイティブ職種専門の採用支援|株式会社マスメディアン
『宣伝会議』グループの一員である株式会社マスメディアンが提供するマスコミやクリエイティブの職種に特化した人材採用支援サービスです。
同社の強みは、マスコミ、広告、クリエイティブ分野の出版と教育事業で67年の歴史のある『宣伝会議』が保有する最先端の情報や豊富なネットワークを持っていることです。これにより、マーケティング・クリエイティブ分野の求人数・転職支援ではNo.1クラスの実績を誇っています。
また、職種特化型のエージェントでありながら、採用サポートを行った企業は約6,000社と、採用実績でも定評があります。
【特化型】レバテック|レバテック株式会社
レバテックは、ITエンジニアやWebデザイナーに特化した人材紹介を行う採用支援サービスです。
レバテック株式会社は、IT・Web業界に特化した専門エージェントとして15年の実績があり、Web・アプリ開発やインフラ構築などのIT系の求人ニーズに対して強みを持っています。
レバテックの1番の特徴は、幅広い業界や職種に対応している総合型エージェントとは違い、IT・Webデザイン業界に特化した専門チームが設けられていることです。業界や業務の実情に精通したコンサルタントが仲介を担当することで、得意分野やプロジェクトとの相性といったレベルまで配慮した、抜群のマッチング精度にも定評があります。
https://levtech.jp/contact/recruit
【特化型】ポテンシャライト|株式会社ポテンシャライト
ポテンシャライトは、2017年創業の株式会社ポテンシャライトが提供する、スタートアップに特化した採用支援サービスです。
特に、シード期からシリーズAラウンドのステージにいるスタートアップ企業の人材採用支援で強みを持っています。
また、採用支援だけでなく、採用ブランディングや人事組織領域のコンサルティングもクライアントのニーズに応じて一気通貫で提供しています。
https://www.potentialight.co/service01.html
【特化型】プロコミット|株式会社プロコミット
プロコミットは、株式会社プロコミットが提供するベンチャー・スタートアップに特化した採用支援サービスです。
プロコミットは以下の3つの強みを基に「ベンチャーをメガベンチャーに変える」を掲げています。
- クライアント企業のビジネスモデルの深い理解
- 成長ステージに最適な人材の紹介
- 高いベンチャー適性を持った人材の紹介
https://www.procommit.co.jp/recruiter
【特化型】ジェイック就職カレッジ®|株式会社ジェイック
ジェイック就職カレッジ®は、HRドクターを運営する株式会社ジェイックが提供する人材紹介サービスです。
就職カレッジ®は、企業と20~30代の若手求職者が、総当たりでマッチング・面接を行う「集団面接会」というオンラインの採用イベントを実施しており、これにより、求人企業は、一度に複数の若手人材全員と接触できるメリットがあります。
また、ジェイックは採用支援・社員教育の事業を展開しており、人材紹介サービスでも、社員教育のノウハウを生かし、紹介する若手人材に事前研修を行う、入社後に活躍支援をサポートする、育成を担当する上司へのアドバイスや研修を提供するといったサポート体制で好評です。
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また、2023年から個別で推薦を行う通常の人材紹介サービスも提供していますので、イベント型ではなく、若手層を採用したい企業にはこちらがおすすめです。
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まとめ
人材紹介は、
- -自社の希望条件に適う人材を推薦してもらえる
- -採用活動のほとんどの工程を代行してもらえる
- -完全成果報酬で、費用が無駄になるリスクがない
などのメリットがあります。記事内で紹介した利用の流れ、検討するうえで把握しておきたい注意点も確認いただき、利用するかを検討ください。
なお、HRドクターを運営する株式会社ジェイックでは、
- 1.新卒学生の人材紹介(新卒カレッジ)
- 2.中途の若手ポテンシャル層の人材紹介(就職カレッジ)
という2つの人材紹介サービスを提供しています。ご興味あれば、下記より資料をダウンロードしてご覧ください。
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