炎上しない不採用メールの作成ポイントとは?書き方と重要ポイントを紹介

更新:2023/07/28

作成:2022/11/24

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック執行役員

炎上しない不採用メールの作成ポイントとは?書き方と重要ポイントを紹介

近年では、インターネットの普及によって、自分の就活状況や企業の対応をSNSに投稿する求職者も多くなっています。

 

こうしたなかで注意したいのが、不採用を通知するメールの書き方です。

 

不採用メールは、採用できない事実を伝えることから求職者にネガティブな印象を与えやすいものです。

 

本記事では、不採用通知の位置づけを確認したうえで、不採用メールの書き方に関する7つのポイントを解説します。
後半では、不採用メールに関するQ&Aとすぐにアレンジできる不採用メールの例文・テンプレートも紹介します。

<目次>

不採用通知の重要性

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不採用通知は、選考活動に不可欠なものです。

 

不採用となった応募者にきちんと通知することは企業にとって必要なものである一方、応募者にとっては不採用通知はネガティブな情報であり、ある意味で心が傷つくものでもあります。

 

自社への応募者は、将来的な顧客やパートナー、取引先になるかもしれません。
また、新卒であれば別の会社に入社したのち、中途採用での縁につながる可能性もあるでしょう。

 

したがって、企業が採用活動をする場合、不採用であっても応募者からなるべく好印象を抱いてもらった状態で、やり取りを終えることが大切になります。

 

逆にひどい対応をした場合、SNSなどで炎上してしまい、企業イメージを傷つけることもあります。

不採用メールの書き方、7つの重要ポイント

不採用メールでの炎上等を防ぎ、また、応募者の悪印象をなるべくなくすためには、以下7つのポイントを押さえるとよいでしょう。

 

①結果がわかり次第すぐに送る

さんざん結果を待たされた挙げ句に不採用だった場合、企業への印象は悪くなりがちです。

 

多くの企業で、選考を通過した次選考に進む求職者への連絡が最優先になりがちです。
しかし、自社のイメージを良くするためには、不採用通知も早く送る配慮が大切です。

 

不採用通知を送る処理に手間取ると送り漏れ等も生じやすくなり、更なる悪印象につながります。

 

②わかりやすい件名を付ける

就職活動中の求職者は、登録済みの求人サイトや競合などから、たくさんのメールを受け取っています。

 

スカウトメールなどにもいえることですが、求職者が自社のメッセージを見落とさず、確実に読んでもらうためには、件名に以下のような工夫を通じてメールを目立たせる必要があるでしょう。

  • 【一次選考結果のご連絡】株式会社◯◯
  • 【株式会社◯◯】面接選考結果のご連絡 など

 

③不採用の理由を伝える必要はない

不採用メールの目的は、採用できない事実を伝えることであるため、求職者の心理的負担になるようなことを書く必要はありません。

 

ただし、新卒や若手の場合は、以下のような改善ポイントやフィードバック、アドバイスを記載することで、自社のイメージアップにつながりやすくなるでしょう。

  • 〇〇さんの介護ボランティア経験は、とても興味深いものでした。
    これから受ける面接では、ボランディア経験から得た気付きなども話せると良いかもしれません。
    頑張ってくださいね。

 

④企業イメージを損なわない丁寧な文面にする

先述のとおり、就職活動中に不快に感じたことがすぐにSNSに投稿・拡散されるような時代になっています。

 

さらに不採用通知を受け取る側は、ただでさえ「落とされた」「ダメだった」などのネガティブな感情を抱いている状態です。

 

こうしたなかで自社のイメージを維持・向上させるには、無機質・冷たい・傲慢・不快などの印象を与えない、丁寧な文面で不採用を通知する必要があります。

 

クッション言葉などを使うのも一つでしょう。不採用通知で使えるクッション言葉は、以下の記事で紹介しています。

 

⑤誤送信や名前の記載ミスに注意する

新卒採用の一次選考などでは、かなりの人数に通知を出すため、ミスが生じやすいものです。

 

しかし、エントリーした人全員に不採用メールを一斉送信したり、不採用通知に別の人の名前を記載したりするようなことがあれば、求職者に対して大変失礼になりますし、かなりの確率でSNS等にも投稿されてしまいます。

 

大規模な採用活動で起こりうる問題を防ぐには、各求職者の選考がどこまで進んだかを把握できる採用管理ツール(ATS)の導入や、誤送信などが起こらない運用フロー・ルールの整備などが重要になります。

 

⑥次につなげるための工夫を行なう

求職者のなかには、応募をした部門や職種での採用は難しくても、他の部署では活躍できる可能性のある人材もいます。

 

こうした人材に対しては、不採用メールに以下のような記載をすることで、活躍可能性の高い部署への採用が可能になることもあるでしょう。

  • 〇〇さんの高いコミュニケーション力は、弊社のカスタマーサポート部門で役立つものと存じます。
    よろしければ、カスタマーサポートのほうにもエントリーください(orもしご興味あればご返信ください)

なお、近年では人材の流動化などの要因で、転職は当たり前のものになっており、応募時の印象次第で、新卒採用で不採用だった人材が、数年後に中途採用の枠で応募してくることもあるでしょう。

 

また、同じ業界内で仕事をしていれば、不採用になった人材が将来の顧客や取引先になることがあるかもしれません。

 

不採用にした求職者との将来的な縁を考えると、ネガティブな印象をやわらげ、次につなげるための工夫は本当に大切です。

 

⑦応募書類の取り扱いを記載する

近年では、応募書類も電子ベースの提出になっており、履歴書や職務経歴書の返送などは生じにくくなっています。

 

ただ、リアルや電子ベースで個人情報を提出してもらっている場合は、処理や廃棄、返送に関して記載しておいたほうがよいでしょう。

不採用メールに関するQ&A

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本章では、不採用メールに関するよくある質問と答えを紹介します。

 

連絡はメールと電話、どちらが良い?

かつての不採用通知は、文書や電話で行なわれていましたが、近年ではメールでの通知が一般的です。

 

手間や費用面に加えて、メールには以下のような利点もあり、特別の理由が無ければメールでの通知がよいでしょう。

  • 伝えた・伝わってないなどの誤解によるトラブルを防げる
  • 余計なこと(不採用理由など)を伝えずに済む
  • 落ち込んでいる相手へのフォローが不要
  • 人事担当者側のペースで伝えられる など

 

不採用メールへの返信は対応すべき?

不採用メールは通知であるため、基本的には求職者を口説くスカウトメールのように何度もやり取りする必要はありません。

 

ただし、企業側が「もしよろしければ、◯◯部門にもエントリーください」などの次につながるメールを送った場合、内容への質問などがくる可能性があるため、「◯日までなら大丈夫です。ぜひご検討ください。」などの簡単な返信を送ってもよいでしょう。

 

メールを送るタイミングはいつが良い?

企業側の選考にかかる日数にもよりますが、基本的には面接から3日以内、遅くとも1週間以内には送ったほうがよいでしょう。

 

ただし、企業側の事情で選考がなかなか終わらない場合は、「大変お待たせしております。選考結果は、◯日頃にはお伝えできる予定です。誠に恐縮ですが……。」などの連絡を入れるとよいでしょう。

 

一次、二次面接と最終面接とでは文面を変えるべき?

基本的には文面を変える必要はありません。ただし、理想はどの面接の不採用メールでも、面接のなかで出てきたエピソードなどを少し盛り込むことです。

 

そうすることで、無機質な印象なども解消しやすくなります。

 

ただし、コミュニケーションの量・質は、最終面接が最も多く、一次面接の場合、深く話をしていないケースが一般的です。

 

また、当然、一次面接のほうが圧倒的に対象人数は多くなりますので、あまり手間暇をかける余裕がないことも多いでしょう。

 

したがって、一次面接の場合はすべてテンプレート文面で送る等の選択も止むを得ません。

 

しかし、一次面接においても、対象者がそもそも少なかった場合や、一次でも深い話ができた場合はメールに盛り込んだほうが好印象にはつながります。

 

食い下がる応募者への対応はどうすれば?

なかには、不採用に納得できず食い下がる応募者もいます。

 

応募者の熱意は素晴らしいものですが、彼らの想いを受け入れ、採用基準や採用方法の公平性が損なわれることになってはいけません。

 

また、いまの時代は、食い下がりによって選考通過したことが、SNSなどで共有されるリスクも想定する必要があるでしょう。

 

したがって、食い下がりに対しては、メールで毅然と断わるのが、基本的な考え方になります。

 

「合格者にのみ連絡する」という対応でも良い?

合格者のみに連絡にすると、不合格の人たちはいつまでも待たされることになります。

 

人によっては、自社の合格に期待するあまり、競合へのエントリーなどができず、もどかしい想いをすることもあるでしょう。

 

こうした求職者の心理を考えると、不採用の人たちにはきちんと不採用通知をすることが望ましいでしょう。

不採用メールの例文・テンプレート

最後に、最も丁寧な不採用メールのパターン「最終面接用+書類返却あり」の例文を紹介します。

 

面接の内容や求職者の特徴に合わせて、アレンジをしてみてください。

件名
【最終面接の結果に関するご連絡】株式会社◯◯◯
 
本文
◯◯◯様
株式会社△△△の採用担当××です。
 
この度は、数ある企業のなかから弊社にご応募いただきまして、ありがとうございます。
 
また、弊社の選考のために適性検査や面接などで何度もご足労いただき、重ねて御礼申し上げます。
 
◯◯◯様との面接でのお話などを踏まえ、社内にて厳正な選考を行ないましたところ、誠に恐れ入りますが、今回は採用を見送らせていただくことになりました。
 
ご期待に添えず、大変申し訳ございません。
 
なお、今回はIT部門での採用は見送りとなりましたが、弊社のカスタマーサポート部門では、現在もエントリーを募集中です。
 
カスタマーサポート部門でしたら、◯◯◯様のコールセンターでのアルバイト経験も活かせると思います。
よろしければ、ぜひともご応募いただければと思っております。
 
もしご興味あれば、○日までに本メールにご返信ください。
 
改めて数ある企業のなかから弊社にご応募いただいたことに御礼申し上げます。
末筆になりますが、△△△様のこれからのご活躍をお祈りしております。
 
株式会社△△△
採用担当××

まとめ

不採用通知は、採用活動をするうえで必要なものです。ただ、求職者にとっては当然ネガティブな情報になります。

 

いまの時代は、不採用メールで無機質や不快などの印象を与えてしまった場合、メッセージの内容がSNSなどに投稿され、炎上の原因になることもあるでしょう。

 

また、不採用者が将来の顧客、パートナーなどになる可能性もあります。

 

したがって、なるべく悪印象を与えないように以下7つのポイントを大切にしながら不採用メールを作成することがお勧めです。

  • ①結果がわかり次第すぐに送る
  • ②わかりやすい件名を付ける
  • ③不採用の理由を伝える必要はない
  • ④企業イメージを損なわない丁寧な文面にする
  • ⑤誤送信や名前の記載ミスに注意する
  • ⑥次につなげるための工夫を行なう
  • ⑦応募書類の取り扱いを記載する

初めて不採用メールを書く場合は、当ページで紹介した例文なども参考にしてください。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック執行役員

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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