企業が採用活動で人材を獲得する、また、採用活動の生産性を向上するには、自社のターゲットや採用力、また採用人数等に合わせて採用ツールを活用することが大切です。
採用に関わるツールも多様になっており、「何を選べば良いかわからない」といった声もよく耳にしますし、ツールの区分や種類を把握しきれていない方もいるかもしれません。
記事では、「採用ツール」を10種類に分類し、また、各種類の特徴や活用メリット、効果的な利用方法を紹介していきます。
<目次>
- 採用ツールとは?
- 求人広告(母集団形成①)
- ダイレクトリクルーティング(母集団形成②)
- 採用管理ツール(ATS)
- 適性検査(選考補助①)
- Web面接ツール(選考補助②)
- 採用サイト、オウンドメディア(魅力付け①)
- SNS(魅力付け②)
- 採用動画(魅力付け③)
- パンフレット(魅力付け④)
- 内定者フォローツール
- まとめ
採用ツールとは?
採用ツールとは、採用活動で使われる各種ツールの総称です。
採用ツールの使用目的を大きく分けると、母集団形成、採用管理、選考補助、魅力付け、内定者フォローなどに分類できます。
以下で、それぞれの目的ごとに代表的なツールをご紹介します。
求人広告(母集団形成①)
求人広告・求人サイトを採用ツールと言われると違和感があるかもしれませんが、母集団形成は採用活動の根幹となるものですので、母集団形成に関して利用するサービス、ツールも紹介しておきます。
求人サイトに自社の求人(求人広告)を出稿して、エントリーを“待つ”スタイルです。
有料オプションを追加すれば、求職者へのDM送付や掲載結果における上位表示などが行なえます。代表的な求人広告には、以下のようなものがあります。
- マイナビ転職
- リクナビNEXT
- doda
- type など
- マイナビ就職
- リクナビ
- キャリタス就活 など
特徴・メリット
求人サイトは、新卒・中途ともに最もメジャーな採用方法です。
求人サイトには、全職種・全業界を対象とした総合型と、求人の業界・職種・地域、求職者の志向性などで絞り込んだ特化型があります。
総合型の場合、たくさんの求職者が登録している反面、掲載される求人数も莫大な数になります。
そのため、上位表示できる資金力があり、知名度もある大手企業、人気業界の企業などが有利になりやすいです。
特化型は、自社が採用したい層に効率よくアプローチできる、また、知名度が低くても仕事内容の魅力などで訴求しやすい特徴があります。
効果的な活用方法
中堅・中小企業やベンチャー企業の場合、大手企業が目立ちやすい総合型ではなく、特化型を活用することもおススメです。
特化型の求人サイトは、主に業界、職種、また登録者の属性で特徴を持っています。たとえば、
- 業界特化…飲食業界、建設業界、不動産業界など
- 職種特化…ITエンジニア、看護師、クリエイターなど
- 登録者の属性特化…理系、体育会系、美大学生など
といった形です。自社の業界や職種、採用ターゲットなどに合わせて選択するとよいでしょう。
ダイレクトリクルーティング(母集団形成②)
ダイレクトリクルーティングサービス企業の求職者データベース(匿名状態)を見て、自社の要件にマッチする人材にメッセージを送れる“攻め”の採用手法です。
代表的なサービスには、以下のようなものがあります。
- BIZREACH
- Offerbox
- Future Finder
- OpenWork
- Wantedly など
特徴・メリット
ダイレクトリクルーティングの利点は、知名度の低い中堅・中小企業、ベンチャー企業でも、優秀な人材と接触できることです。
メッセージを工夫することで、エントリーも獲得しやすくなります。
また、事前に一定の条件で検索したり、適性結果の情報や自己PRなどを確認したりして、スカウトを送信できますので、「エントリー者=わかる範囲で採用ターゲットである人」です。
したがって、うまく活用することで効率的な採用活動を実現できます。
費用は「固定費」もしくは「固定費+成功報酬」が一般的で、うまく活用すれば採用単価を抑えられる仕組みです。
効果的な活用方法
ダイレクトリクルーティングの効果性を高めるには、自社の採用要件や採用力とマッチするサービスを使うことが大切です。
また、求職者のプロフィール確認や求職者の心を動かすメッセージ作成などの工数を確保することも重要です。
送り主も人事担当者ではなく社長などの経営層からのメッセージにすれば、自社の本気度が伝わりやすくなります。
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採用管理ツール(ATS)
採用管理ツールとは、企業の採用活動に必要な業務(応募~採用)を一元管理・効率化するシステムの総称です。
求人管理、応募者管理、メッセージ送付、チャネルやステップ別の数値分析などの機能があります。
この数年、求職者の日常的なコミュニケーションツールであるLINE連携型の採用管理ツールが伸びています。
採用管理ツールにも、以下のように多彩なサービスがあります。
- sonar ATS
- 採用一括かんりくん
- Reworks cloud
- next>> など
特徴・メリット
採用管理ツールを使うメリットは、求職者の選考進捗をリアルタイムで確認できることです。また、連絡漏れやミスも起こりにくくなります。
採用管理ツールを使えば、メッセージ確認のしやすさ・コミュニケーションのしやすさから、求職者からのレスポンスが良くなり、採用の歩留まりの改善につなげられるでしょう。
また、チャネル別の分析機能などもありますので、効果検証なども容易になります。
効果的な活用方法
採用管理ツールを導入するときは、自社が求める機能をまずは明確にしましょう。
母集団形成でメインに使っているサービスとのエントリー者取り込みなどの連携機能、また、求職者の多くが使うLINE、また、自社で利用する面接ツールや社内チャット(Slack・Chatwork・ZOOM)などとの連携もポイントです。
また、工数削減という点では、あらかじめ決めた条件、たとえば、「ステータスが説明会申込になったら説明会の予約確認メールを送信する」「選考ステータスが変更されたら自動で通知を飛ばす」など、アクションを自動化することもポイントです。
なお、ツールによって、「LINE連携などのコミュニケーションに強いもの」「自動化に強いもの」「採用チャネル連携に強みがあるもの」など特徴があります。
表面的な機能リストと合わせて、採用管理ツールの開発沿革などを踏まえて、自社のニーズに合うものを導入しましょう。
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適性検査(選考補助①)
適性検査とは、面接では見抜きにくい求職者の内面(人柄や価値観)、ストレス耐性、地頭などを検査するものです。
適性検査にも、以下のように多彩なサービスがあります。
- HCi‐AS
- MARCO POLO
- CUBIC
- 3Eテスト
- GAB など
特徴・メリット
適性検査には、大きく分けて性格検査と能力検査があります。適性検査を活用することで、選考や教育の精度・妥当性・生産性を高められます。
効果的な活用方法
適性検査を導入する際には、自社での「妥当性検証」、つまり、適性検査の結果が入社後のパフォーマンスに相関することを確認するのが重要です。
導入検討時には、まず、既存社員向けに適性検査を実施しましょう。
ハイパフォーマー、ミドルパフォーマー、ローパフォーマーそれぞれに適性検査を実施して、どのような特性、因子が違いを生み出すかを確認しましょう。
適性検査でわかったハイパフォーマーの行動特性や動機は、採用要件や採用基準のプログラム設計に活用できます。
また、構造化面接と適性検査を組み合わせた選考にすることで、見極め精度も向上するでしょう。
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Web面接ツール(選考補助②)
Web面接ツールはその名のとおり、Web上で求職者との面接やコミュニケーションを図れるツールです。具体的には、以下のようなツール・サービスがあります。
- interview maker
- HARUTAKA
- Hire Vue
- ZOOM
- Google Meet など
特徴・メリット
zoomやGoogle MeetなどのWeb会議ツールで面接を行なっても良いですが、Web面接に特化しているツールの場合、採用管理ツールに近い以下のような機能も備わっています。
- 次の面接官への引き継ぎ(コメント・評価・録画)
- スケジュール調整
- 選考のステータス管理
- 候補者側での動画アップロード(録画面接の実施)
- 求職者への事前・事後アンケート
採用管理ツールとの組み合わせ、また録画面接の必要性などを踏まえて、自社に合ったツールを導入しましょう。
効果的な活用方法
採用人数が多い場合などは、録画面接などを実施すると効率的です。
なお、Web面接に特化しているツールは上述のとおり、採用管理ツールと重複する機能もありますので、自社での必要性をきちんと見極めてください。
採用サイト、オウンドメディア(魅力付け①)
求人広告に掲載できる情報は限定的になりますし、ほとんどの人がスマフォを持っている現在、自社の詳細な情報や魅力、また求人情報の詳細を発信できる採用サイトやオウンドメディアは準備必須の採用ツールです。
自社ホームページ内に採用ページを準備する、また、採用サイトを構築するといったやり方が一般的ですが、加えて、noteやWantedlyなどで発信する、また、簡易的に無料の採用ページ作成サービスで作成するといったやり方もあります。
特徴・メリット
自社で採用ページや採用サイトを構築すれば、スペースや文字数の制限なく、自社の独自の魅力や価値を発信できます。
また、自社で作成した採用コンテンツが積み上がり資産になることも、オウンドメディアリクルーティングの利点です。
noteやWantedlyなどであれば、外部に発信する手段にもなります。
効果的な活用方法
noteやWantedlyなどの既存プラットフォームを使えば、自社であまりコストをかけずに内製することが可能です。
採用ブログの記事をTwitterなどのSNSにアップすれば、就職・転職潜在層へのアプローチも可能となるでしょう。
SNS(魅力付け②)
以下のようなSNSを使って魅了付けする方法です。オウンドメディアリクルーティングの一種ともいえます。
- LINE など
特徴・メリット
既存SNSを利用することで、無料もしくは低コストで始められます。
SNSの場合、継続的に発信することで「アットホーム」「職場の雰囲気が良い」などの定性的な社風やメンバーの人柄を伝えられることも大きな特徴です。
求職者のニーズに合った投稿の継続や双方向のコミュニケーションを行なうことで、中小企業やベンチャー企業でもフォロワーを集めることが可能です。
効果的な活用方法
まず、採用ターゲットと発信したい自社の魅力を言語化します。
また、各SNSのユーザー層や特徴、運用負荷を検討したうえで、自社に合ったサービスを選びましょう。
たとえば、若手の女性層や特定エリアでの告知を強めたければInstagramがおススメですが、Instagramは“写真”投稿が基本です。
Twitter(テキスト140文字)と比べると、毎日写真を投稿することはかなりの負荷が生じます。
なお、SNSによる母集団形成や認知度アップには、即効性はありません。
採用にSNSを活用する場合、地道に継続することが大切です。また、導線(SNS投稿を見た求職者の誘導先)をきちんと設計する必要もあります。
採用動画(魅力付け③)
求職者に自社の特徴やイメージ、魅力を知ってもらうためにつくる動画を総称して採用動画と呼びます。採用動画の内容としてよくあるものは以下のようなものです。
- 企業説明
- 経営者メッセージ
- 社員へのインタビュー
- 社員の一日
- 職種の紹介
- 仕事内容の紹介
- 自社製品の紹介
- 社員の座談会
- インターンシップの様子 など
特徴・メリット
採用動画は、テキストや数字では言い表しにくい定性的な魅力、また、サービス概略の発信などに向いています。
- ベテラン技術者ならではのテクニック
- 活発なコミュニケーション
- 心理的安全性の高い職場 など
採用動画をうまく活用することで、ミスマッチの解消、志望度アップ、不安の解消などにつなげることができるでしょう。
また、TikTokなどでの拡散を狙って展開すれば、認知度の向上や母集団形成につなげることも可能です。
効果的な活用方法
何のために動画を作成するか、どこで使うかを明確にすることが動画活用には大切です。
自社への志望度が高い人向けであり、選考プロセスの中で見てもらう、説明会で上映する等であれば、5分を超えるような長さでしっかりとした内容でもよいでしょう。
一方で、採用サイトに掲載してエントリー増につなげたいといった意図であれば、60秒~3分程度で短く、テンポよくまとめることが大切です。
さらに、TikTokやYouTube上に掲載してフォロワー集めにつなげたいといったことであれば、再生・拡散させるように時間の短さに加えて、面白さなども大切です。
パンフレット(魅力付け④)
パンフレットは、紙で作られた求職者向けの会社案内の総称です。
特徴・メリット
紙のパンフレットは、写真を多く使ったりデザインにこだわったりすることで、自社の定性的な魅力の発信に活用できます。
Webでの情報発信が当たり前となっている中でも、紙のパンフレットの場合、「あとから見返してもらえる」「ふとめくってもらえる」「他人への共有がしやすい」といったメリットもあります。
効果的な活用方法
たとえば、企業説明会でパンフレットを配布して、説明会内で少しだけ触れて「詳しくは◯ページを見てください」と案内するとよいでしょう。
また、最近はオンデマンドで少ない部数で作成することも容易になっています。たとえば、内定時に両親への共有用として作成することも有効です。
採用サイトからデジタルデータでダウンロードできるようにしておく、ebookの形で見れるようにしておくのもよいでしょう。
なお前述のとおり、今の時代は誰もがスマフォを持っていて、その場で企業ホームページなども見れる状態です。
何のために紙のパンフレットを作成するかをしっかりと検討して、それに併せて中のコンテンツも検討しましょう。
内定者フォローツール
内定者フォローツールとは、内定承諾者の入社動機を高めたり入社準備を進めたりするために使うツールの総称です。以下のように多彩なサービスがあります。
- エブリONE
- サイバックスUniv.
- 内定者パック
- Any See
- グロービス学び放題フレッシャーズ など
特徴・メリット
入社前の知識や意欲向上に活用できるeラーニング型から、採用担当者や同期とのコミュニケーションに使えるSNS型まで、種類はさまざまです。
なかには、内定者とのイベント日程調整や、管理全般に使えるものもあります。
効果的な活用方法
ツールの種類によっても効果的な使い方は異なりますが、内定者フォローの大前提は「内定者との高い接触頻度を維持すること」です。
ツールをうまく活用することで、会社との接点を絶やさないようにすることが大切です。
ただし、あまりにも接触頻度が高すぎると内定者側がコミュニケーション疲れを起こす可能性もあるため、調整・配慮も必要です。
まとめ
今回は、以下10区分の採用ツールの特徴・メリット・活用方法を紹介しました。
- 求人広告
- ダイレクトリクルーティング
- 採用管理ツール(ATS)
- 適性検査
- Web面接ツール
- 採用サイト、オウンドメディア
- SNS
- 動画
- パンフレット
- 内定者フォローツール
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