「4:2:4の法則」【ザ・現場ギャップvol.3】

更新:2024/06/15

作成:2018/06/20

東宮 美樹

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

「424の法則」

お世話になっております。

HRドクターを運営する株式会社ジェイックにて

取締役 兼 教育事業部長を務めます

東宮美樹と申します。

 

 

今回は、「4:2:4の法則」について

お話しようと思います。

 

 

皆様は「4:2:4の法則」をご存知でしょうか。

 

 

2007年、ウエストミシガン大学の

ロバート・ブリンカーホフ教授が、

「ASTD(米国人材開発機構)」という

世界最大の人材開発カンファレンスで

”ある研究結果”を発表しました。

 

それは、「研修効果」についてのものでした。

 

その研究では

「効果の出ない研修プログラムとはどのようなものか」

について調べており、以下の様な研究結果が出たと、

まとめられていました。

 

 

 

<効果のない研修プログラムの原因分析>

 

受講者の事前の準備不足   …40%

研修プログラムの内容の問題 …20%

活用における環境上の障害  …40%

 

 

 

ご覧の通り、この研究結果によると、

一般的に大事だと考えられている

「研修内容」の影響力は、わずか20%程しかなく、

残りの80%は、研修前後の関わりに起因していました。

 

つまり、

「良い研修効果を出したいのであれば、

研修の前後にこそ、力を入れるべき」

ということが、この研究結果から言えます。

 

 

考えてもみてください。

 

もしセミナーを受ける方が

「上から言われたから一応来たけど、

現場が忙しいのに、こんな研修受けてられないよ」

なんて気持ちだったり、

 

あるいは周りが

「こんな忙しいのにセミナーで空けるんだ・・・」

なんて気持ちでいたり、

 

そんな中でセミナーを受け始めたとしたら、、、

 

 

 

あるいは

セミナーの受講者と、その上司との会話で、

 

受講者「セミナーで〇〇について学んで来たんですけど、

うちの部署で〇〇してみてはいかがでしょう」

 

上司「俺も前受けたけどさー、それって意味ある?

それより・・・」

 

なんて会話が繰り広げられていたとしたら、、、

 

 

もし上記の様な状態に

現場がなってしまっていたとしたら、

セミナーを受講させる為に投資した

時間・お金・労力などに見合ったリターンは

得られるでしょうか。

 

 

つまり、私達のような

教育を企画・実施する立場の者は

「何を行うか」という

局所的な目線だけで考えるのではなく、

「何を得たいか」という

大局的な目線で考える必要があるのです。

 

これを上手く行うことが出来れば、

先週お伝えしたような

・効果のない研修

・現場とのギャップ

・費用対効果の見誤り

などを防ぐことが出来ます。

 

 

事実、弊社でも最近は、

ただお客様に研修を実施していただくだけでなく、

研修前後もしっかりとフォローする様、

営業メンバーには伝えています。

 

講師陣に対しても、

良い研修を行うことも大事だが、

しっかりと参加者を見て、

研修を行う様に伝えています。

 

弊社の研修で良く使われる

「この研修の主役は、講師の私ではなく、

参加者のあなたです」

という言葉は、正にそれを表したものです。

 

 

それほどまでに、研修効果というものは、

研修内容以外の要因 (特に参加者の受講姿勢) に

大きく影響を受けるのです。

 

「定番の研修コンテンツ」ではなく、

「現場で効果の出る研修企画」を。

 

常に持ち続けていたい視点ですね。

 

今週はここまでとさせていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

来週もよろしくお願いたします。

 

著者情報

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

東宮 美樹

筑波大学第一学群社会学類を卒業後、ハウス食品株式会社に入社。営業職として勤務した後、HR企業に転職。約3,000人の求職者のカウンセリングを体験。2006年にジェイック入社「研修講師」としてのキャリアをスタート。コーチング研修や「7つの習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレーニングまで幅広い研修に登壇。2014年には前例のない「リピート率100%」を達成。2015年に社員教育事業の事業責任者に就任。

著書、登壇セミナー

・新入社員の特徴と育成ポイント
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