カッツ理論【ザ・現場ギャップvol.59】

更新:2023/07/10

作成:2019/08/07

東宮 美樹

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

カッツ理論

お世話になっております。

HRドクターを運営する株式会社ジェイックにて

取締役 兼 教育事業部長を務めます

東宮美樹と申します。

 

 

 

 

今回は「カッツ理論」について

お話させていただければと思います。

 

皆様は、カッツ理論をご存知でしょうか。

 

 

カッツ理論とは、ハーバード大学の

教授ロバート・カッツが1955年に発表した

人材に必要なスキルをまとめた理論です。

 

弊社ではよく、人材育成プランを作る上で

参考にしている理論です。

 

 

カッツ理論によると

人材に必要なスキルとは

3つに分けることができる

と言われています。

 

 

その3つとは

・テクニカルスキル

・ヒューマンスキル

・コンセプチュアルスキル

です。

 

それぞれ解説しますと、、、

 

 

 

テクニカルスキルとは

特定の業務をこなす能力のことを指します。

 

例えば営業職であれば

 

・商談を上手く進める能力

・提案書を作成する資料作成力

・見積書を作成する事務処理能力

 

などなど、目の前の業務を遂行するための

テクニカルなスキルのことを指します。

 

 

 

 

次に、ヒューマンスキルとは

他者との関係を作る能力のことを指します。

 

例えば

・上司との関係構築をする能力

・同僚とのコミュニケーションを図る能力

・自チームをまとめ上げる能力

 

などなど、立場によって変わりますが

まとめると人間関係を構築・維持する

スキルの事を指します。

 

 

 

最後に、コンセプチュアルスキルとは

目に見えないコンセプト(概念)を

定義・意味付けするスキルです。

 

例えば

・会社のミッションやビジョンを想い描く能力

・新しいルールを策定する能力

・効率的な仕組みやシステムを考える能力

 

など、目に見えないものを考え

情報を体系立てて構造化したり

不可測な将来に対して

ビジョンを打ち出したりするスキルです。

 

 

 

これらは、それぞれどの階層においても

必要なスキルですが

 

カッツ理論では、階層を

スタッフ層、管理職層、経営者層

の3つに分け、各階層毎に

上述した3つのスキルがどれだけ必要なのか

というのを示しています。

 

 

それによると

目の前の業務を効率よく

こなすことが求められるスタッフ層は

テクニカルが一番多く求められ

 

反対にコンセプチュアルスキルは

そこまで多くは求められません。

 

 

一方、理念やビジョンを掲げる立場の

経営者層は、コンセプチュアルスキルが必要になり

テクニカルスキルは、それほど多くは求められません。

 

 

そして

メンバーに対して直接、業務の指導をしたり

会社に対する新しい提案などが求められる

管理職層は、テクニカルもコンセプチュアルも

同じように求められます。

 

 

 

上記のように、各階層毎によって

それぞれ求められるスキルは変わりますが

3階層全てに同様に求められるのが

ヒューマンスキルです。

 

例えば、スタッフ層であれば

上司とのコミュニケーションはもちろん

顧客との関係構築を図っていく

必要もあります。

 

管理職層であれば

上司・経営層の意図を汲み取り

部下へ正しく、時に補填しながら

伝達することなどがありますし

 

経営層であれば

社員への理念浸透や社外との交渉など

ヒューマンスキルの使い所は

更に多岐に渡ります。

 

 

 

これからの時代

社会より一層、多様性に富んだ形へと

変化を遂げていきます。

 

その時、ヒューマンスキルは

各層を繋いで、組織として連携を図るために

必須なスキルとなっていくでしょう。

 

そのような将来の中で

貴社としてどのような人材を育てていくか

どのような組織へと成長させていくか

人を育てていく立場の私達こそ

真剣に考えていく必要があるのです。

 

 

 

 

 

今週はここまでとさせていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

来週もよろしくお願いいたします。

著者情報

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

東宮 美樹

筑波大学第一学群社会学類を卒業後、ハウス食品株式会社に入社。営業職として勤務した後、HR企業に転職。約3,000人の求職者のカウンセリングを体験。2006年にジェイック入社「研修講師」としてのキャリアをスタート。コーチング研修や「7つの習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレーニングまで幅広い研修に登壇。2014年には前例のない「リピート率100%」を達成。2015年に社員教育事業の事業責任者に就任。

著書、登壇セミナー

・新入社員の特徴と育成ポイント
・ニューノーマルで迎える21卒に備える! 明暗分かれた20卒育成の成功/失敗談~
・コロナ禍で就職を決めた21卒の受け入れ&育成ポイント
・ゆとり世代の特徴と育成ポイント
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