2024年度の新入社員に「入社後のギャップの乗り越え方」を調査

更新:2024/08/29

作成:2024/08/29

東宮 美樹

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

HRドクターを運営する株式会社ジェイックは、当社が提供する新入社員研修の受講者に対して行った「入社後のギャップの乗り越え方」についてのアンケートの結果を発表します(回答者269名、調査日2024年7月2日-7月8日)。

<目次>

入社前と入社後の会社へのギャップ:過半数が「ない」(56.9%)

「入社前と入社後で、会社にギャップはありましたか?」と質問したところ、「ない」が56.9%、「ある」が43.1%となり、過半数が入社後にギャップを感じていないという結果となりました。

 

入社前と入社後で、会社にギャップはありましたか?

 

会社へのギャップを感じた点:業務内容や職場環境、働き方など

上記で「ある」と回答した方に、「どこにギャップを感じたのかお聞かせください」と質問したところ、以下の回答が寄せられました。

 

▶業務について
・業務内容が思っていたより多い
・思っていた仕事内容と実際の仕事内容が違う
・業務を行う上で多岐にわたる知識が必要だった
・思った以上に忙しい業務だった
・デスクワークは楽だと思っていたが、しんどかった
・もう少し人と関わる仕事だと思っていた
・残業時間が多い

 

▶職場環境、人間関係について
・会社、部署内の雰囲気
・会社の教育方針
・人間関係が思ったよりも良くなさそうだった
・部署によって雰囲気の差があること
・社風が思った以上に体育会系
・思った以上に飲み会もなく、雰囲気が明るくない
・親睦会の多さ

 

▶待遇、働き方について
・休み時間が少ない
・定時に帰る人が非常に少ない
・伝えられていた残業時間は社員全体の平均時間であり、配属部署は残業が多かった
・突然在宅勤務の制度がなくなってしまった

 

▶ポジティブなギャップについて
・実際は厳しい部分もあるがフレンドリーな会社だった
・顧客思考を持った上で成果にコミットする社員が非常に多いこと
・想定したよりも上下関係に厳しすぎず、優しい人が多かった
・いい意味で想像していた雰囲気とは違い、自分のことを考えてくれる方が多かった
・良い意味のギャップで、ガチガチした雰囲気の職場ではなく、笑い声も多々ある雰囲気だから
・堅い印象があったが、社員同士話しやすい雰囲気で質問しやすい

 

入社後のギャップを乗り越える方法

同じく冒頭の設問で「ある」と回答した方に、「入社後のギャップを乗り越える方法はありますか?特にあてはまるものを2つまで教えてください」と質問したところ、「家族、友人に話を聞いてもらう」が38.8%、「プライベートでリフレッシュする」が29.3%、「同期に話を聞いてもらう」が27.6%、「成長の機会と前向きに捉える」が23.3%、「上司、先輩、人事に相談する」「特になし」が同ポイントで15.5%、「我慢する」が11.2%となりました。

 

入社後のギャップを乗り越える方法はありますか?特にあてはまるものを2つまで教えてください

 

調査結果へのコメント

今回の調査結果について、当社執行役員の東宮は、次のように述べています。

 

「2024年卒の新入社員を対象に実施した調査では、入社から3か月が経過した新入社員の過半数が「入社後のギャップを感じていない」という結果が得られました。近年では、学生が職場見学やインターンシップに参加することが一般化し、入社前に業務や社員、社風に触れる機会が増えています。そのため、学生は十分に理解した上で就職先を選んでいる傾向があり、早期にギャップを感じる人が少ないと考えられます。

 

一方で、4割以上は入社後にギャップを感じており、特に業務や職場環境、人間関係、待遇、働き方についてギャップを感じていました。『入社後のギャップを乗り越える方法』としては、『家族、友人に話を聞いてもらう』『同期に話を聞いてもらう』といった、誰かに話を聞いてもらうという方法が多いなか、『上司、先輩、人事に相談する』という選択をする人は少ないことがわかりました。研修が終わり配属されて間もない場合も多く、上司や先輩との信頼関係がまだ構築されていなかったり、利害関係のない相手に相談したいと感じたりすることが理由として考えられます。このギャップが原因で早期退職に至ることもあります。

 

対策として、同期同士の交流を増やしたり、上司や人事担当者が定期的に個別面談を行い、新入社員の業務上の課題や不満、キャリアの希望などを把握し、必要なサポートを提供したりすることが重要です。個別面談では本音を引き出せない可能性もあるため、利害関係のない外部相談窓口やキャリア相談窓口、キャリアコンサルタントの活用も有効です。」

調査概要

調査名称:新入社員研修「入社後のギャップの乗り越え方」についてのアンケート
調査対象:当社が提供する新入社員研修の受講者
調査機関:自社調査
調査方法:Webアンケート
調査期間:2024年7月2日~7月8日
回答者数:269名

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著者情報

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

東宮 美樹

筑波大学第一学群社会学類を卒業後、ハウス食品株式会社に入社。営業職として勤務した後、HR企業に転職。約3,000人の求職者のカウンセリングを体験。2006年にジェイック入社「研修講師」としてのキャリアをスタート。コーチング研修や「7つの習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレーニングまで幅広い研修に登壇。2014年には前例のない「リピート率100%」を達成。2015年に社員教育事業の事業責任者に就任。

著書、登壇セミナー

・新入社員の特徴と育成ポイント
・ニューノーマルで迎える21卒に備える! 明暗分かれた20卒育成の成功/失敗談~
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