キャリア安全性は1999年にエイミー・C・エドモンドソン教授によって提唱されたもので、「自分のキャリアが長期間安定した状態でいられると認識できるか」という概念です。
2000年代に「勤怠管理」を中心とする働き方改革が推し進められた中で、残業規制や有給の取得推進などが進み、働き方としては「ホワイト企業」が増えました。その一方で、最近、「ホワイトな職場になったのに、若手人材、とくに中間~優秀層の離職が増えている」というケースが生まれています。
その背景にある心理として、注目されているのが「キャリア安全性」の概念です。日本では、過去20年ほど「心理的安全性」が注目されてきましたが、若手の優秀層に活躍してもらうためには「働きやすさ」や「心理的安全性」だけでは十分ではなく、キャリア安全性が必要だという知見が広がっています。
記事では、キャリア安全性の概念、また、ホワイト企業が抱える“ゆるブラック”問題、心理的安全性とキャリア安全性の違いや関係、キャリア安全性を高める具体的な方法について紹介します。
<目次>
- キャリア安全性とは?
- キャリア安全性が求められる背景
- キャリア安全性と「ゆるブラック企業」や「パープル企業」
- キャリア安全性と心理的安全性を両立させる重要性
- キャリア安全性を高めるうえで取り組むべき3つの視座
- キャリア安全性を高める具体策
- キャリア安全性を高めるために役立つサービス
キャリア安全性とは?
まずキャリア安全性とはどういう概念かを確認します。
キャリア安全性とは?
キャリア安全性は、1999年に、ハーバード・ビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソン教授が提唱したもので、「自分のキャリアが長期間安定な状態でいられると認識できるか」という概念です。
エイミー・C・エドモンドソン教授は心理的安全性の概念を提唱した方でもあり、同じ方が新たな概念としてキャリア安全性を提唱した点が非常に興味深いといえます。
キャリア安全性の概念をもう少し分かりやすく説明すると、たとえば、ある会社で仕事しているとして、「同じ会社で5年後や10年後のキャリアを思い描ける」ようであれば、キャリア安全性は高いと言えます。
一方で、「あの先輩や上司のようになりたくない」「この職場でこのまま働いていても、市場価値が高まらないのではないか」と感じているようであれば、職場のキャリア安全性は低いということです。
このように従業員が「この先、中長期の未来に渡って、自分のキャリアが安全か?キャリア形成できるか?選択肢を持てるか?」ということがキャリア安全性です。
もう少し平易に言うと、「この職場で働き続けてキャリア発展や待遇の向上が望めるか?」「また、転職等を想定した時に選択肢を持てるだけの成長が実現するか?」です。
キャリア安全性を構成する3つの要素
キャリア安全性を構成するのは、以下の3つの要素です。
- 時間軸で見て、十分なスピードでキャリア形成できているか?
- 転職市場等を見た時、市場で通用する価値、転職先を選べるスキルが身に付いているか?
- 同期や同世代と比較して遅れたり劣っていたりしていないか?
職場のキャリア安全性を高めるためには、3つの構成要素すべてが満たされている必要があります。
自社を振り返って、どの要素が充足していて、どの要素が不足しているのかを把握し、不足している要素に対して手を打っていくことが、キャリア安全性を高めていく上でのポイントです。なお、大切なことは「客観的に」ではなく、個々の従業員「本人がどう感じているか?」という主観的な概念だということです。
キャリア自律/キャリアオーナーシップとの違い
キャリア安全性に関連した概念として、「キャリア自律」や「キャリアオーナーシップ」があります。
キャリア自律とは、自らのキャリアを組織などに依存するのではなく自律的にキャリア開発していこうとする姿勢を指します。キャリアオーナーシップも同様で、自らのキャリアをどうしたいか?を主体的に考えて行動する姿勢です。
終身雇用という労働慣習が終わって転職が当たり前になった、また成果主義やジョブ型が導入される中で、労働者個々にとってもキャリア自律/キャリアオーナーシップが重要になっています。
20代の若手にとっては、キャリア自律は非常に浸透した概念であり、キャリア自律/キャリアオーナーシップが進んでいるからこそ、職場にキャリア安全性を求める、という文脈にもなっています。
知識労働の高度化、ソリューション提案やイノベーション創出の必要性を受けて、各企業がキャリア自律を推進する流れになっていますが、その中で職場のキャリア安全性が高くなければキャリア形成できる環境を求めて離職されてしまうことにも成りかねません。
優秀な人材に自社で活躍し続けてもらうためには、職場のキャリア安全性を高めることが重要になってくるわけで、キャリア安全性は組織内でのキャリア自律を実現させることと密接な関係があります。
キャリア安全性が求められる背景
前述した通り、いまの若手世代には、終身雇用が前提であった時代とは異なり、新卒入社した会社で一生働くという概念はありません。高校や大学にキャリア教育が浸透したということもあり、社会に出る前から自分のキャリアは自分で築くものだという認識を持っています。
また、大手企業の倒産やM&Aなども当たり前になった中で、会社が自分のキャリアの面倒を見てくれるとは思っておらず、キャリア形成する上では転職が付きものだと考えています。
また、生成AIが登場してビジネスの世界に広く浸透した中で、「AIに代替されない能力を身に付けないといけない」という気持ちも強くなっています。
さらに働き方や働くことへの価値観が多様化した中で、「キャリア形成=社内での昇進・昇格」だけではなくなっています。
たとえば、「新卒入社した会社で力を付けて転職する」「転職しながら、ある職種のプロフェッショナルとしてキャリア形成する」「副業やフリーランスとして働く」「収入をあげるよりも在宅勤務やワークライフバランにこだわりたい」といった価値観を持った人も増えています。
だからこそ今の若手は、今いる職場で成長できるか、自分が描くキャリアを実現できるか、自分の市場価値が高まるかといったキャリア安全性に注目するようになっています。
キャリア安全性と「ゆるブラック企業」や「パープル企業」
長時間労働やパワハラが横行する、また行き過ぎた目標設定や負荷で人材をつぶしていく「ブラック企業」が社会問題になり、多くのニュースで取り上げられた時期があります。
メンタルダウンによって休職者や離職者が生じ、自殺者なども生まれていることが大きな問題となり、働き方改革の機運とも相まって、この20年ほどで、ハラスメント防止や勤怠管理の厳正化⇒長時間労働の防止、有給の利用推進などは義務化され、ハラスメントや労働時間という意味では働きやすい、ホワイト企業になる取り組みが多くの企業で推し進められました。
一方で、「働きやすさ=徹底した残業管理とハラスメント対策等」になってしまった結果、管理職がフィードバックや指導に及び腰になる、目標達成よりも勤怠管理等が重視されるといった現象が起こってしまいました。その結果、先行してハラスメント防止の義務化等が進んだ大手企業を中心に、「働きやすいけど、仕事のやりがいや達成感、成長実感が得られない」という職場が生まれてしまいました。
このように働きやすいが成長できない、働きがいを感じられないキャリア安全性が低い職場は、「ゆるいけど自分の将来キャリアを潰される」という意味で「ゆるブラック企業」、また、“黒(ブラック企業)の次に黒い”という意味で「パープル企業」などと呼ばれるようになりました。そして、若手、とくに優秀層から敬遠されてしまう現象が起こっています。
もちろん働きやすさや後述する“心理的安全性”は重要です。ただ、しっかりとキャリア安全性を確保する動きを取らないと、優秀層から「ゆるブラック企業」「パープル企業」とみられて離職されてしまいます。そのような中では、働きやすさだけではなく、やりがいも追及できる環境の構築が、若手人材を定着させるために重要になっています。
キャリア安全性と心理的安全性を両立させる重要性
キャリア安全性を提唱したエイミー・C・エドモンドソン教授が提唱した概念で、先行して日本で有名になったのが「心理的安全性」です。ここでは心理的安全性の概要とキャリア安全性と両立させる重要性を確認しておきます。
心理的安全性とは?
心理的安全性は、「チームの中で、他メンバーが自分の発言することを拒絶したり、批判したり、罰を与えたりしないと確信を持て、チームが対人リスクを取るのに安全な場所である」と認識されている状態を指します。
上記は少しわかりづらい表現ですが、「対人リスクを取る」行為とは、「上司の意見に反対意見を述べる」「懸念点を指摘する」「的外れかもしれない質問をする」「突拍子もない提案をする」「自分の能力不足や失敗を明らかにする」といったことを指します。
心理的安全性は、Google社がプロジェクトアリストテレスと呼ばれる大規模な実証実験を行い、チームの生産性を高める要素は心理的安全性の高さである調査結果を公表して大きな注目を集めるようになりました。
日本においてもGoogleの発表を受けて、生産性の向上やイノベーションの創出が求められる中で心理的安全性の向上に取り組む企業が増えました。
しかし一方では、日本では心理的安全性は誤解されがちな面があり、「仲の良さ」「思ったことを素直に言える」「風通しが良い職場」といった理解をされて、職場環境がゆるくなってしまうだけに終わるケースが出てきました。
上記のような仲の良さ、思ったことを素直に言える、風通しのよさは心理的安全性を実現する上で大切な要素ですが、「チームの共通目標を達成するために」といった前提がなくなってしまうと、単なる仲良し集団を作ることになってしまいます。
働き方改革が、生産性向上といった要素が抜け落ちて、ハラスメント防止や勤怠管理だけで終わってしまっている部分とも似たところがあります。
その結果として、人間関係が良く、働きやすい一方で、成長機会や実感をなかなか得られず、「このまま働いていて大丈夫だろうか?」と将来が不安になってしまう“ゆるブラック”な職場を生み出すことにもつながってしまっています。
キャリア安全性と心理的安全性を両立させる重要性
以下に示す図は、心理的安全性とキャリア安全性の高低を組み合わせて4つの象限に分類し、各象限の職場における若手の離職意向がどうなるかを調べたデータです。
画像引用元:スキイキ!プロ活らぼ by マイナビ | 企業×外部人材の可能性を学ぶメディア『なぜ「心理的安全性」と「キャリア安全性」のバランスが求められているのか?企業と人材双方が育っていく解決策』
元データ:ITメディア|「心理的安全性」が高い大企業で、若手の早期離職が加速する皮肉 足りないのは何?
各象限は、以下のような職場です。
- ・第1象限|Secure:キャリア安全性も心理的安全性も高い「安全」な職場
- ・第2象限|Heavy:キャリア安全性は高いが心理的安全が低い「しんどい」職場
- ⇒“しんどいけど成長できる”のイメージです
- ・第3象限|Loose:キャリア安全性は低いが心理的安全性は高い「ゆるい」職場
- ⇒“ゆるブラック”や“パープル企業”です。
- ・第4象限|Dangerous:キャリア安全性も心理的安全性も低い「危険」な職場
まず全体を見ると、キャリア安全性が高い第1象限と第2象限の退職意向の割合は、他の2つの象限(第3象限・第4象限)と比べると明らかに低く、若手の定着においてキャリア安全性が重要であることが分かります。心理的安全性の高低によって、さほど離職意向が変わらないことが興味深い部分です。
また、キャリア安全性の低い第3象限|Looseと第4象限|Dangerousを比較してみると、「少なくても2-3年は働き続けたい(逆に言うと、“2-3年程度で転職を考えたい”)」の割合は、第4象限では23.7%であるのに対して、第3象限は13.4%と10ptほど下がります。心理的安全性が高まることで離職が抑制されている様子がうかがえます。
一方で、「すぐにでも退職したい」の割合は、約31%前後でほぼ変わっていません。心理的安全性を高めてもキャリア安全性が高まらないと、いまの若手は職場に残ることにリスクを感じる傾向が分かります。
心理的安全性はGoogleの発表通り、個人とチームのパフォーマンスを高めるために非常に大切なものです。同時に、心理的安全性を高めても、成長実感やキャリア展望などのキャリア安全性を高めないと若手層の離職は防げないことが分かります。
キャリア安全性を高めるうえで取り組むべき3つの視座
キャリア安全性を高める上では、前述した3つの構成要素という視点から自社を振り返り、取り組むことが一つのやり方です。
①時間視座の視点からキャリア安全性を高める
時間視座でキャリア安全性を考えたとき、重要になってくるのはキャリア形成のスピード感です。
変化やチャレンジの少ない職場ではスキルや経験の蓄積スピードが遅くなり、時間視座の視点でキャリア安全性が低くなります。
とくにいまの若手人材は、タイパ(タイムパフォーマンス、時間効率)を重視する世代と言われており、たとえば昭和世代のように“石の上にも3年”といった感覚は薄れています。また、スタートアップ等が脚光を浴びている状況もあり、昭和世代、30代後半以上のキャリア感覚からすると「少し早い」ぐらいのタイミングで、抜擢する、異動させる、役割を与えることが良いでしょう。
②市場視座の視点からキャリア安全性を高める
市場視座でキャリア安全性について考えた場合、重要なポイントは「自分は他社で通用するのか、他社でも通用する人材になれるのか」という点です。
身に付けたスキルや経験が自社内でしか通用しないようなものだと感じている場合、「もし自社でキャリア形成できない場合、市場での選択肢がなくなる」「職場に残れば残るほど、“年齢が上がって市場価値はない状態”になり、リスクが高まる」と、市場視座の点でキャリア安全性が低くなることになります。
大切なことは、仕事を通じた成長実感をきちんと得られるように振り返りやフィードバックの機会を作る、また、社内での経験やキャリア選択肢が社内でのみ通用するものではなく、きちんと市場価値につながるのだと示すことです。職種ごとのキャリアップを整備して、自分のスキル状況を可視化したうえで成長計画を作るといった取り組みが有効です。
③比較視座の視点からキャリア安全性を高める
比較視座の視点で、キャリア安全性を高める際に意識しておくべき点は、「同世代と比較した時にキャリア形成できていると実感できるのか」という点です。
最近は、何もしなくてもCMやWeb広告、SNS等を通じて、同世代の華々しいキャリアや羨ましくなる待遇、そして、「自分もそうなれる」と思わせる情報が入ってきます。つまり、昔以上に“隣の芝生は青く見える”状態が加速しています。そうなると、キラキラした同世代と自分を比較して、キャリアへの不安や自社に対する不満が生じたりするものです。
しかし、WebサイトやSNS上のキャリアに関する情報は、キレイな一面を切り取っていたり、投稿者が自分を良く見せようと盛られていたりするものです。そのような情報に日常的に接していると、「転職した方がいいのでは?」という気持ちにもなりやすくなってしまいます。
誤った判断によって離職につながってしまわないようにするためにも、他部署との交流、他社との合同研修への参加、副業、社外の第三者とのキャリア面談等を通じて、自分の能力や待遇、現状に対する客観的な視点を持てるようにすることです。
コミュニケーションやキャリアに関する情報が、特定部署内でのやりとりのみ等になると、どうしても物事を見る視点が偏ってきます。組織全体、また、社外との接点を作ることで、キャリアに関する客観的な視点を持てるようにすることがポイントです。
キャリア安全性を高める具体策
ここまでの内容を踏まえ、どのようにして職場のキャリア安全性を高めていけばいいのかの具体的に紹介します。
キャリアプランを描くキャリア研修の実施
自分のキャリアビジョンがあるか、また、そのキャリアプランを今いる会社の中で実現できそうかは、キャリア安全性に大きく影響します。今の時代、価値観が多様化しており、会社側が一方的に“出世する”というキャリアを提示しても受け入れてもらえないということが多くあります。
キャリア研修はキャリア自律の第一歩です。キャリア研修を通じて、“漠然とした不安”を言語化して、そもそも自分がどういうキャリアを歩みたいのかを整理、そして、自分自身でキャリアを作っていくのだというキャリアオーナーシップを生み出していきます。
作りたいキャリアを描くことで、企業のミッション・ビジョンの浸透とは違う軸で、「何のために今の仕事をやっているのか」「何につなげたいのか」が明確となります。
20代~30代前半の若手社員は、社会人経験が浅く仕事に対する知識や経験は未成熟な一方で、キャリア形成への関心は非常に高くなります。
その中で、上述したように漠然とした不安が生まれたり、「自分には、まだ出し切れていない実力があるのではないか」や「もしかしたら、他に自分に向いている仕事があるのではないか」といったモヤモヤ感が出てきたりしやすいのです。
こうしたキャリアイメージがないことで出てくるモヤモヤ感に対処するには、具体的なキャリアプランを描く以外にも、自分の強みを認識して強みを軸にしたキャリアプランを考えることも有効です。強みを軸とすることで抽象度を高め、いまの仕事への意味づけしやすくなります。
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積極的なチャレンジを後押しする配置や異動
前章でも解説した通り、早期のキャリア構築ができるようにチャレンジングな配置や異動・抜擢を実施することも有効になってきます。
従来のように、雑用を中心とした長い下積み期間を経た後でないと仕事を任せてもらえなかったり、「まだ若いから」ということを理由に大きな仕事を任せてもらえなかったりすると、タイパを重視する今の若手は、成長機会を求めて離職していってしまうということになりかねません。
意欲のある人材に対しては積極的に、また「少し早いかな?」思うぐらいのタイミングでチャレンジを後押しすることで、自分が成長できている実感を得やすくなります。
いまの若手は、外部から入ってくる情報も多い分、多くの知識を持っており、変化の激しい時代についていかなければならないという焦りも強いものです。過去の感覚よりも「少し早い」タイミングで異動や抜擢をすることが有効です。
資格取得支援や学習環境、社内公募制度
資格の取得を後押ししたり、自分が望むキャリア形成を実現できる社内公募制度といった仕組みを整えたりすることも、キャリア安全性を高めるうえでは有効です。
資格は客観的にスキルを証明できるというだけでなく、目に見える形で成長実感が得られ、自分に自信が持てるようになります。早いうちに技能や経験を身に付けさせることで、「このままで大丈夫だろうか?」というキャリアに対する漠然とした不安を払拭できます。
また、自己啓発の支援や社内公募、異動希望の制度等も、自分が描いたキャリアビジョンを実現することにつながり効果があります。ただし、これらの制度はキャリアビジョンがある程度存在しないと効果が出ませんので注意が必要です。
上司や社外キャリアコンサルタントとの面談の実施
自分の成長や市場価値を正しく把握できるようにするためには、上司との1on1が有効です。上司との1on1に満足している若手は離職意向が減少するというデータもあります。仕事ぶりを身近で見てくれている上司であれば、細かい部分までフィードバックするということが可能です。
ただし、上司との1on1における不満足は、逆に離職意向を高めてしまいます。言いたいことを言えなかったり、話を聞いてもらえていないと感じてしまったりするようでは、「この職場で働き続けて大丈夫だろうか?」と不安を抱いてしまいます。
また、上司の場合、どうしても“評価者”ですので本音で相談できないという側面もあります。とくにキャリア形成のモヤモヤは、不安や不満といったネガティブな部分から始まることも多いですし、転職の話も出てきますので、上司や社内には言いにくい部分が増えてきます。
従って、キャリア面談等に関しては社内での1on1に加え、中立的な立場である外部のキャリアコンサルタントを活用することが有効です。社内の上司と社外のキャリアコンサルタントの視点を総合することで、自身のキャリア形成について、より客観的に考えられるようになります。
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振り返りの重要性
目標達成を目指し、目の前の課題解決に追われる日常業務の中では、成長実感を得にくい側面もあります。従って、半期や通期などで定期的に立ち止まって振り返りをする習慣、機会を作ることも重要になります。
一旦足を止めて自らの成長を振り返る、上長からのフィードバックを受けることは、成長実感を得たり、キャリアを考えるきっかけになったりします。また、次の成長とキャリア形成を考える機会を設けることも大切です。定期的に、成長やキャリアに関する振り返りをすることで、キャリアの方向性を修正したり、成長を実感できたりすることでキャリア安全性が高まります。
キャリア安全性を高めるために役立つサービス
HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、職場のキャリア安全性の向上をサポートする以下のようなサービスを提供しています。
キャリア研修
キャリア自律を促進し、自分の可能性を最大限に発揮できるようなキャリアプランを描けるようにするのにお勧めなのが、強みを活かしたキャリア研修/ワークショップです。
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ジェイックが提供するキャリア研修の大きな特徴は、「強み」にフォーカスすることです。自分の強みを理解することで、仕事でのパフォーマンスを最大化できるようにするとともに、自分らしいキャリアビジョンを描きやすくなります。
ジェイックのキャリア研修/ワークショップでは、米国のギャラップ社が開発し、これまでに3,100万人(2024年3月末時点)の活用実績のある世界一の強み診断ストレングス・ファインダー®を活用し、どのような才能(無意識に繰り返し現れる思考、感情、行動のパターン)があるのかを把握します。そして、自分の才能を活用して成果に結びつけるやり方を学ぶことで最大限のパフォーマンスを発揮できるようになり、自分に自信を持つことにつながります。
また、まだ経験が浅い段階で具体的すぎるキャリアプランを描くと、現実とずれが生じやすくなります。その意味でも「強みの発揮と活用」という少し抽象度が高いレイヤーでキャリアビジョンを作ることで、今の仕事との紐づけがしやすく、社内の人事との違和感が生じにくくなることもポイントです。
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キャリア面談プラットフォーム|Kakedas(カケダス)
キャリア形成に第三者に視点を取り入れ、客観的にキャリアについて考えられるようにするのにお勧めなのが、キャリア相談プラットフォームKakedas(カケダス)です。
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身内で評価者でもある上司との1on1は、理解してもらいやすかったり、課題解決に有効なアドバイスをもらえる可能性が高かったりする一方で、本音を相談しにくいという大きなデメリットがあります。また、キャリア形成=転職という選択肢がある中で、上司や会社側は「引き留める」ことに利益が生じる側面があるわけです。従って、たとえば、「この仕事をこのままやっていって、市場価値が高まるのか不安です・・・」と相談した時、「頑張れば大丈夫だ!」と言われても、その言葉をどれぐらい信じられるか…という問題も生じます。
Kakedasを活用すると、従業員はAIによって選ばれた社外の国家資格キャリアコンサルタント10名の中から、プロフィール等も踏まえて気に入った1人を選び相談することが出来ます。第三者であり、かつ、個別の相談内容を上司や組織に知られることはないため、安心して本音で不安や不満を話すことができます。
対話の中でネガティブな感情や不満全て吐き出すと、人は自然と前向きな選択肢や行動を考える、理性が働くようになるものです。従って、上司との1on1と社外のキャリア面談Kakedasを併用することで、従業員が自身のキャリアや市場価値を客観的に認識すると共に、前向きにキャリア形成に取り組むことを促進できます。
相談内容は個人が特定されない形でレポートにまとめて組織にフィードバックされるため、職場が抱えるキャリア安全性や心理的安全性の課題について従業員の本音を把握して、有効な組織開発の施策につなげることができます。
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