ビジネスで成果を上げるためには、社内外の関係者や顧客との円滑なコミュニケーションが不可欠です。コミュニケーション能力が高いと企業や組織にさまざまな効果をもたらします。そこで、対顧客や対社内などで必要となるコミュニケーションスキルを身に付けるために、企業でコミュニケーション研修が実施されます。
記事では、コミュニケーション研修を実施する目的やメリット、コミュニケーションを効果的にするポイント、対象や目的に応じたプログラム例を紹介します。
HRドクターを運営する研修会社ジェイックは、コミュニケーション研修;ヒューマンスキルの強化に強みをもつ研修会社です。どんな研修を提供しているかご興味あれば、ぜひ資料をご覧ください。
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<目次>
- コミュニケーション研修とは?
- コミュニケーション能力の不足で生じる課題
- コミュニケーション研修の目的
- コミュニケーション研修を実施するメリット
- コミュニケーションスキルを構成する5つの能力
- コミュニケーション研修の種類と内容
- コミュニケーション研修を設計するポイント
- コミュニケーション研修を実施するポイント
- コミュニケーション研修のおススメ10選
- まとめ
コミュニケーション研修とは?
コミュニケーション研修は、コミュニケーションの心構えをインプットしたり、社内・社外のやり取りで使える実践的なコミュニケーションスキルを身に付けさせたりするものです。
「聞く」「話す」というコミュニケーションは、誰もが子供のころから当たり前のようにやってきていると思います。にもかかわらず、なぜ企業では、コミュニケーション研修が実施されているのでしょうか。
ほとんどの仕事で成果を上げるうえでは、社内外の関係者や顧客とのコミュニケーションが不可欠となります。一口に“コミュニケーション”といっても、ビジネスでは以下のようにさまざまなコミュニケーションが求められます。
- 相手と信頼関係を築く
- 相手から情報を引き出す
- 自分の意見や情報をわかりやすく相手に伝える
- 相手から意見や考えを引き出す
- 人を動かす など
コミュニケーション能力の不足で生じる課題
「コミュニケーション能力は高い方がいい」と多くの人が思っていますが、コミュニケーション能力が不足すると、実際の仕事でどんな問題が起こるでしょうか。確認しておきましょう。
報連相が不十分になりミスが増える
仕事におけるコミュニケーションの基本は、「報告・連絡・相談」です。コミュニケーション能力が欠けている人は、往々にして報連相を怠りがちで、組織としてミスが増える原因となります。
コミュニケーション能力が不足していると、たとえば、相手の状況などに対する関心や配慮がなくなり、伝えないことで相手が困るということが想像できません。これが報連相が不十分になってしまう原因です。
ストレスによる離職率が高くなる
コミュニケーションが円滑でない職場は、働く従業員に大きなストレスを与えます。
伝えたつもりのことが伝わっていなかったり、聞いたはずの内容がいつの間にか変わっていたり、そのような状態が続けば、誰でもいやになってしまうでしょう。
また、コミュニケーション能力が不足していると、たとえば、「意見の違い」を「感情的な対立」と混同してしまうなど、心理的安全性が担保されず、“何となく居心地が悪い職場”になっていきます。
このようなストレスが、モチベーション低下や離職にもつながりかねません。組織内のコミュニケーション不足は、職場の定着率を下げてしまう可能性もあるのです。
顧客との信頼関係に悪影響を与える
クライアントとの関係維持においても、コミュニケーション能力や報連相は大切です。基本的な受発注はもとより、各種相談・トラブル対応まで全てコミュニケーションが基本となっているからです。
きちんとした報連相ができなければ、顧客との間に信頼関係を築くことはできません。とくに顧客に対する報連相の不足は、信用を失って大事な顧客を失ってしまうことにもつながります。
コミュニケーション研修の目的
本章では、コミュニケーション研修を実施する目的を3つ解説します。
相手と関係構築するコミュニケーション方法を身につける
良好な人間関係は、職場の働きやすさや仕事の生産性を大きく左右する要素です。
コミュニケーション研修を通じて、受講者は相手の言葉だけでなく、“行間”や非言語的なサインをキャッチする能力を身に付け、相手の感情や意図を適切に捉えることができるようになります。これにより、相手と信頼関係を築き、よりスムーズなコミュニケーションが可能になるでしょう。
誤解や伝達ミスを減らし、業務の効率化と品質向上を図る
ビジネス現場では、コミュニケーションの不足や誤解が原因で、ミスや無駄な作業が発生することがあります。誤解や伝達ミスは、業務の遅延や品質の低下、トラブルを招く原因となります。
コミュニケーション研修で、ロジカルコミュニケーションのスキルを身につけることで、こうした問題を最小限に抑えることができようになります。要点を簡潔に伝えたり、5W1Hをしっかりと活用したりする方法です。これにより、業務プロセスがスムーズになり、結果として、職場の働きやすさや生産性、品質の向上が実現するでしょう。
相手に影響力を与えるコミュニケーション方法を身につける
コミュニケーションは、相手を動かし、ポジティブな変化を促す力を持っています。組織で働く上では、相手に自身の意図を効果的に伝え、影響力を発揮することがとても重要です。
コミュニケーション研修では、プレゼンテーション、ネゴシエーション、ファシリテーションなどのスキルを学びます。これにより説得力のある話し方や、相手の心を動かすコミュニケーション手法を身につけられるでしょう。
なお相手に影響力を与えるようなコミュニケーションスキルに興味があれば、デール・カーネギー・トレーニングがお勧めです。ご興味あれば資料をご覧ください。
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コミュニケーション研修を実施するメリット
コミュニケーション研修の目的や実施のメリットは、実施対象や内容によっても異なります。ですが、一般的には、以下のようなメリットが得られます。
顧客との関係構築力やヒアリング力、提案力が上昇する
コミュニケーション研修を受けると、初対面の顧客と信頼関係を作る能力、相手の状況や意見を引き出すヒアリング力、相手のニーズに合わせた商品・サービスの提案力やプレゼンテーション力などを向上させることが可能です。販売職や営業職にとって、高い成果を生みだすうえで必要不可欠な力です。
コミュニケーションミスによる問題が減少する
「人間関係」という言葉のとおり、多くの問題は人と人の「間」で生じます。人間関係が健全でなかったり、コミュニケーションが円滑にできていなかったりすると、チーム内や部門間、顧客との間などで問題が生じやすくなります。
コミュニケーション研修を実施することで、「必要な人に情報が届いていない」「報連相の頻度が足りない」「正確な情報が共有されていない」等による顧客からのクレームやプロジェクトの進捗不全、機会ロス等の問題が起こりにくくなります。
コミュニケーション力の向上につながる共通言語ができる
継続的なコミュニケーション研修の実施は、組織内に「共通言語」を作ります。組織内の共通言語は、社内のコミュニケーションを更にスムーズかつ生産的にします。
- 仕事に対する姿勢や考え方
- コミュニケーションに関する姿勢やテクニック
- 性格特性や価値基準
管理職のマネジメント力が上がる
管理職の役割は、メンバーを動かして組織目標を達成することです。従って、以下のようなコミュニケーション力の向上は、管理職の目標達成、マネジメント力UPに貢献します。
- メンバーと信頼関係を作る
- メンバーをモチベートする
- メンバーに指示を出す
- メンバーにフィードバックする
- メンバーの意見を引き出す
メンバーの主体性が向上する
研修によって管理職のマネジメント力やメンバーのコミュニケーション力が向上すると、認識のズレが少なくなり、相互理解も進みやすくなったりします。
スムーズなコミュニケーションや相互理解が進むと、メンバーにとって余計なストレスがなくなり、意見の発信や提案などの主体性の発揮につながります。いわゆる心理的安全性が高い状態です。
コミュニケーションスキルを構成する5つの能力
対人関係を良好にして、スムーズに意思疎通を図る上では、コミュニケーションスキルが不可欠です。コミュニケーソンスキルは、日常生活はもちろん、仕事を円滑に進めるためのビジネススキルとしても必須です。
コミュニケーションスキルというと、「会話力」のようなフワッとしたものをイメージする方も多いかもしれません。コミュニケーションが意思疎通である以上、「会話力」であることに間違いはありませんが、ビジネスにおけるコミュニケーションスキルを分解すると、主に以下5つの力から成り立っています。
①信頼関係を作る力
信頼関係を作る力はコミュニケーションスキルの土台となる力です。人格や相手への誠実な関心を通じて、「この人は信頼できる」「この人なら安心して話せる」「この人は理解してくれる」と相手に感じてもらうことが、コミュニケーションの基礎となります。
信頼関係の構築は「スキル」で後押しできる部分もありますが、長期的、また深い信頼関係を築くには、前述したような人格や相手への誠実な関心といった内面を磨くことが大切です。
②聴く力
聴く力は相手を理解するためのスキルです。聴く力には事実や状況を把握して、相手の発言や意見を理解するためのロジカルシンキング、相手の気持ちに寄り添って注意深く共感的に聴く傾聴力などが含まれます。
聴く力を高めるトレーニングは、コミュニケーション研修においてもひとつ重要なパートです。効果的な聴き方を身につけることで、相手の言葉だけでなく、背後にある意図や感情を理解することが可能となり、コミュニケーションの質は大きく向上するでしょう。
③訊く力
相手を理解するためには、適切な質問をする(訊く)スキルも必要です。訊く力を高めることによって、相手の考えや気持ちをより深く理解し、建設的な対話を行うことが可能になります。
適切な質問をするためのポイントは大きく2つあります。
1つ目は、質問する目的を明確にすることです。情報収集のための事実確認の質問なのか、相手の意見や感情を引き出す質問なのかなどを意識し、目的や状況に合わせて質問を使い分けることで、求める事柄を引き出しやすくなります。
2つ目は、相手の立場に立って質問することです。相手にとって分かりやすく受け入れやすい言葉を使い、相手の反応に気を配り、必要に応じてフォローアップの質問をすることで、相手をより深く理解することができるでしょう。
④伝える力
伝える力は、自分の意見や思っていることを相手に伝える能力です。伝えることのゴールは「伝わる」ことです。したがって、自分の話を一方的に喋るのではなく、相手が論理的に理解できる、また感情的に受け止められる形で、相手の反応を見ながら伝えることが大切です。
伝える力には、情報を正確にわかりやすく伝えるロジカルシンキング(ロジカルコミュニケーション)、相手の感情を揺さぶって人を動かすためプレゼンテーションやストーリーテリング等の能力が含まれます。
⑤交渉する力
ビジネスでも日常生活でも、目標を達成するために相手と交渉を重ねる場面が多々あります。交渉は自分が欲しい結果を一方的に得ることではなく、相手とのwin-winを考える姿勢が重要です。
交渉のベースには相手との信頼関係が大切です。相手の状況や相手のwinを理解するためには、前述した聴く力と訊く力、そして、自分の意見や意思を相手に理解してもらうには伝える力が必要となります。交渉する力とは、「信頼関係を作る力」「聴く力」「訊く力」「伝える力」の4つを土台としたうえで相手と議論を重ね、望む成果を獲得する力です。
コミュニケーション研修の種類と内容
一口にコミュニケーション研修といっても、対象や課題に応じたさまざまなプログラムがあります。
・新入社員、若手社員向け
・中堅社員、管理職、経営幹部向け
・営業職、販売職向けといった職種別
同じ対象でも、解決したい課題やスキルレベルはそれぞれでしょう。
課題や目的は社内コミュニケーションを活性化させたい。顧客との信頼関係構築の力を強めたい。管理職のコーチング力も含めたチームビルディング力をUPさせたいなど、複数あっても良いでしょう。
重要なのは課題を明確にして目的をもって研修を活用することです。効果的なコミュニケーション研修を実施するためにも、自社の解決したい課題に合わせて適切なプログラム内容を組み合わせていきましょう。
コミュニケーションの基礎
コミュニケーションスキルの基礎では、話す、聴くだけではなく、マナーや言葉遣い、相手の目線を想像する力など、ビジネスコミュニケーションに必要となるスキルを学びます。
- 対象:おもに新入社員や若手社員
- 課題:ビジネスで使えるコミュニケーションの基礎がない、あまりコミュニケーションが得意ではない など
- 目的:コミュニケーション力を向上させるメリットや役立つシーンなどを学ぶことで、研修にポジティブなイメージを持ってもらう。また、トレーニングでスキル向上も可能であることを伝え、「自分は苦手・上達しない」などの先入観を取り払う
若手のコミュニケーション強化にご興味あれば、下記の記事も参考になるでしょう。
コミュニケーションスタイルの理解
人のコミュニケーションスタイルは特性や価値観に応じて、いくつかに分類できます。コミュニケーションスタイルが異なると、話のすれ違い、対立が起こりやすくなってしまいます。
「合わない」「苦手だ」と思う相手とは、コミュニケーションスタイルが異なっているのかもしれません。まず自分のコミュニケーションスタイルを知り、自分とは異なるコミュニケーションスタイルを理解することで、理性を働かせ、円滑にコミュニケーションを取れるようになります。
営業や販売であれば、“苦手な相手”をなくす、また社内でも感情的なコミュニケーションの対立などが減少します。
- 対象:新入社員、若手社員、販売職、営業職
- 課題:一定のコミュニケーション能力はあるが、自分と「合わない相手」や「苦手な相手」に上手なコミュニケーションができない など
- 目的:診断を通じて自分のコミュニケーション傾向を理解する。また、コミュニケーションスタイルの概念を知ることで、相手に合わせたコミュニケーションができるようになったり、苦手意識をなくす
報連相の基本
報告・連絡・相談はコミュニケーションの基本です。適切なタイミングで報連相ができないと、トラブルの原因にもなりますし、成果もあがりにくいでしょう。
報連相が適切にできることによって、周囲とのコミュニケーションが円滑になります。先輩や上司からのフィードバックやアドバイスも得やすくなり、成果があげる、また、成長のスピードを早めることができます。
仕事を進めるための基本となる報連相は、新入社員のうちに正しく習慣化することが重要です。
- 対象:新入社員、若手社員
- 課題:適切な報告・連絡・相談ができない
- 目的:報連相の目的やメリットの理解とともに、実践的な報連相スキルを身に付けることで業務上の成果を上げられるようにする
気配り力
「気配り力」はコミュニケーションの質につながります。相手の立場や都合を考慮した気配りやコミュニケーションができると、ビジネスも円滑に進みやすくなります。気配り力があることで、スムーズに物事を進めることができます。相手の立場や都合を考慮した発言や行動があれば、顧客との信頼関係も構築しやすいでしょう。
逆に言うと、気配り力が足りないとクレームやトラブルが発生しやすくなります。依頼や仕事の進行が上手くいかない、相手を苛立たせる、スムーズに決まらないといったことが増加します。気配り力はビジネスを円滑に進め、成功に導くために重要なスキルです。
- 対象:新入社員、若手社員
- 課題:気配りの欠如や気付き力、感受性の不足によるクレームやトラブルが生じている
- 目的:社内や顧客に対する「気配り」「気付き」の力を身に付けて、ビジネスの成果につなげていく
アサーティブコミュニケーション
アサーティブコミュニケーションは、相手の気持ちや状況も尊重しながら、素直に自分の気持ちや意見を伝えるコミュニケーションスキルです。
ビジネスでもプライベートでも、相手に対しても言いづらい依頼、相手と異なる意見を伝えなければならない場面はあるでしょう。アサーティブコミュニケーションのスキルを身に付けていることで、相手にも自分にもストレスが少ない伝え方をすることができるようになります。
アサーティブコミュニケーションを学ぶことで、社内・社外を問わずコミュニケーションのストレスが減少しますし、より良い意思決定や交渉をすることができるようになるでしょう。
- 対象:おもに若手社員
- 課題:自分の意見をなかなか伝えられない、自分の意見ばかり主張してしまう
- 目的:ストレスのない自己主張をするとともに、自他ともに尊重できるコミュニケーション力を身に付ける
信頼関係の構築(ラポール形成)
ラポールはもともとフランス語であり、「信頼関係」や「心が通い合う関係」を意味する心理学用語です。ビジネスを円滑に進めていくために、信頼関係の構築はとても重要なものです。
特に仕事で顧客と接する営業や販売にとって、顧客と信頼関係を構築(ラポール形成)することは成果をあげるうえで不可欠です。信頼関係が無い状態で売り込みをしても逆効果になることも多いでしょう。
管理職にとっても部下とのコミュニケーションを良好なものにするためには、信頼関係の構築が必要不可欠です。ラポール形成について学ぶことで、社外、社内の人間関係を良好にし、信頼関係の構築に役立てることができます。
- 対象:販売職、営業職、管理職
- 課題:顧客やメンバーとの信頼関係の構築をスムーズに行ないたい
- 目的:心理学を踏まえて、ラポール形成に必要な原則と、ペーシングやミラーリングといったコミュニケーションスキルを身に付ける
ヒアリング力
ヒアリング力を高めることで、たとえば、営業や販売で顧客の本質的なニーズを引き出し、ニーズに合わせた商品やサービスを提案しやすくなるでしょう。
また、ヒアリング力が身に付けば、社内において上司はメンバーの困りごとや課題を上手く聞くことができるようになり、問題を早期に把握し対応しすくなります。
- 対象:販売職、営業職、管理職
- 課題(販売職や営業職):何をヒアリングしたらいいのかわからない、表面的なニーズしか聞けていない
- 課題(管理職):メンバーの課題や業務進捗の把握ができない
- 目的:施策の検討や提案するための現状、相手の意向、モチベーションなどをしっかりと把握できるようにする
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プレゼンテーション
人を動かすために重要なのがプレゼンテーションのスキルです。プレゼンテーション力が弱いと商談やコンペで良い結果を得ることが難しくなるでしょう。また社内においても部下を動かしたり、上司に企画を納得してもらったり、といったことが難しくなります。逆に、相手に伝わる話し方ができると、人を動かしたり、影響を与えたりしやすくなります。
日本ではプレゼンテーションが苦手、という方も多いものです。しかし、必要なスキルを身に付けることで苦手意識をなくし、効果的なプレゼンテーションをすることができるようになるでしょう。
- 対象:営業職、管理職、幹部
- 課題:人を動かしたり、影響を与えたりするためのプレゼンテーション力を磨きたい
- 目的:プレゼンテーションで伝える内容・技術・手段を理解して、実践や振り返りを通じてプレゼンテーション力を高める
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聴く・褒める・叱る・質問する・伝える・指示を出す・報告を受ける
報連相がすべてのビジネスパーソンにとってコミュニケーションの基本だとすれば、聴く・褒める・叱る・質問する・伝える・指示を出す・報告を受けるといったことをテーマとしたリーダーシップを発揮するために不可欠なコミュニケーションスキルです。従って、新任管理職、リーダー候補にとっては必須で身に付ける必要があります。
初めて部下を持つ新任管理職は、どう部下に接したら良いのか、リーダーシップをどう発揮していけば良いのか悩みを持つことも多いものです。また、リーダーや管理職は部下の育成・教育もする必要があります。そのためには「聴く・褒める・叱る・質問する・伝える・指示を出す・報告を受ける」といったスキルが大切です。
- 対象:新任管理職、リーダー候補
- 課題:管理職になったばかりで、どのようにメンバーを動かすべきかを悩んでいる
- 目的:管理職として「人を動かして組織の成果を上げる」ために必要な基本的なコミュニケーションスキルを身に付ける
コーチング
コーチングのスキルは、主に管理職や幹部が部下を育てるうえで有効です。メンバーのやる気を引き出し、自立性・主体性を引き出すことは高いパフォーマンスのために欠かせません。
部下の能力を引き出し、自主的に目標達成や課題解決に取り組めるようにするには、上司となる管理職もコーチングに必要なスキルを身に付けることが重要です。
またコーチングのスキルは営業や販売でも活かせる場面が多いでしょう。ラポール形成や質問の技法を用いることで、顧客が自らのニーズに気づいて購入を検討したり、サービスを申し込んだりすることにつなげられるようになるでしょう。
- 対象:管理職、幹部、営業職
- 課題:相手の意思や主体性を引き出すコミュニケーションスキルを身に付けたい
- 目的:ラポール形成や質問の技法など、コーチングのスキルを身に付ける
チームビルディング
チームメンバーが目標に向かって協力し合うことは、大きな成果を得るうえで不可欠です。メンバー個々人が違う方向、自分の成果を最大化するような動きをしていれば、チームとして目指す成果は得られません。
チームビルディング研修を通して、メンバー同士が理解を深め、コミュニケーションが活発になり、主体性をもって課題解決や目標達成に向かっていくことができるようになるでしょう。
- 対象:管理職
- 課題:チームが協力しながら目標達成していく状態を作り上げられていない
- 目的:ファシリテーションやアイスブレーキングなどのチームビルディングに必要なスキルを身に付ける
ファシリテーション
ファシリテーションとは、会議やミーティングにおいて参加者の意見を引き出しながら、議論を円滑に進めるスキルです。会議では管理職やリーダーが進行を担うことが多いでしょう。
会議やミーティングなどうまく進行させることができない、参加者の発言を引き出せない、時間内に目指すゴールに辿り着くことができない(何も決まらない)、といったことに悩んでいる管理職の方は多いでしょう。
ファシリテーションに必要なスキルを学び、身に付けることでミーティングなどの進行を円滑に行うことができるようになります。
- 対象:管理職
- 課題:会議やミーティング、研修などをうまく舵取りできずに悩んでいる
- 目的:ファシリテーションの重要性を確認したうえで、疑似会議のロールプレイングを通してスキルの定着を目指す
フィードバック
部下の成長を促すのに、フィードバックは欠かせません。しかし、部下に対してどうすれば適切な指摘ができるのか、反感を買わずに効果的なフィードバックができるのか、と悩む中堅社員や管理職は少なくありません。
中には一生懸命に部下にフィードバックしているのに、なかなか成果につながらない…と悩む管理職もいるでしょう。
- 対象:中堅社員・管理職
- 課題:メンバーのパフォーマンスを高めるフィードバックのやり方に悩んでいる
- 目的:フィードバックの目的や効果、種類などの基本を確認したうえで、ロールプレイングなどで実践しながらスキルを身に付ける。
コミュニケーション研修を設計するポイント
コミュニケーションという言葉は、非常に幅広く曖昧に使われがちです。そのため、コミュニケーション研修を効果的にするには、以下3つのポイントが大切になります。3点をきちんと整理してから研修選びをすることで、効果的なコミュニケーション研修の実施が可能になります。
対象の特定
コミュニケーション研修の対象となる階層や職種です。次の課題、また目的や目標と併せて、「誰のコミュニケーションを改善したいのか?」を明確にしましょう。
- 新入社員
- 若手社員
- 次世代リーダー
- 管理職
- 幹部
- 販売職
- 営業職
- 全社員
など
コミュニケーション課題の特定
次にコミュニケーション研修で「どんなコミュニケーションの問題を解決したいか?」という課題を特定しましょう。
- 顧客へのヒアリング力が低い
- メンバーをうまく育てられない
- 社内の人間関係やコミュニケーションに問題がある
など
目的と目標の設定
課題と対になりますが、コミュニケーション研修を通じて「何を実現したいのか?」、目的とゴールを明確にしましょう。
- 適切なタイミングで報連相ができる
- 新規顧客とスムーズに信頼関係を築ける
- 社内の衝突や機会ロスを減らす
など
コミュニケーション研修を実施するポイント
コミュニケーション研修を設計するポイントに続き、本章では、実際に研修を実施する上でのポイントをお伝えします。
コンフォートゾーンの脱却
コンフォートゾーンとは、個人が不安やストレスを感じることなく、安心して快適に過ごせる領域のことです。
たとえば、「メンバーの話に耳を傾けない」「自分だけが一方的に話をする」などのあまり良くないコミュニケーションを続けている上司が職場にいると仮定します。 この上司が、メンバーとの信頼関係を構築し、チームの目標達成などの成果を上げるには、「メンバーの話をさえぎらない」「メンバーに質問して傾聴する」といった今までの行動パターンを変える必要があります。
今までの行動パターンを変えることは、自分のコンフォートゾーンから一歩踏み出すことであり、心理的な抵抗や不快感が生じます。今までのコミュニケーションのやり方を変える、心地よいスペースから踏み出す“勇気”が必要となります。
したがって、コミュニケーション研修を効果的にするためには、コミュニケーションの原則や手法などの知識やスキル教えるとともに、受講者がコンフォートゾーンから一歩踏み出すことのサポートも重要となります。
自信の獲得
コンフォートゾーンからの脱却を後押しするには、小さな成功体験を積ませて自信を獲得できる環境をつくることも大切です。
たとえば、周囲の話にまったく耳を傾けないことで、メンバーから信頼されていない上司がいたと仮定します。もし、この上司が積極的傾聴を実践してメンバーからの報連相が増えれば、小さな成功体験ができて「自分にもできる!」という自信が生まれ、傾聴するという行動を継続するようになるでしょう。
上記は極端な例となりますが、コンフォートゾーンから抜け出してもらった先で、早めに「小さな成功体験の獲得⇒自信が得られる仕組み」があると、コンフォートゾーンの拡張が進みやすくなるでしょう。
実践を通じて経験を増やす
コミュニケーションは、ビジネスパーソンであってもなくても、誰もが日常で行なっているものです。だからこそ、知識や理論だけを学んでもなかなか行動変容には至りません。
そのため、コミュニケーション研修では、以下のサイクルを意図的に生み出すことで行動変容を促し、定着させることが大切です。
- 1.知識やスキルを学ぶ
- 2.ロールプレイングをやりながらコンフォートゾーンから一歩踏み出す
- 3.自分の日常に戻ったなかで何らかの実践をする
- 4.小さな成功を積んだり自信を獲得したりしながら習慣化する
継続する
コミュニケーション研修は、1回実施して終わりではありません。上記の実践サイクルを回すためには、継続的に実施することが大切です。
適したやり方はコミュニケーション研修の内容によっても異なりますが、定期的なフォローアップや継続実施を通じて、「実践してどうだったか?」を振り返り、足りないところを補い、成功した点を伸ばすという継続フォローをしていくことが大切になります。
HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、これらのポイントを押さえたコミュニケーション研修を提供しています。詳細はこちらをご覧ください。
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コミュニケーション研修のおススメ10選
コミュニケーションは誰もが日々行っているものです。しかし、心理学などに基づく体系を学ぶことで、より効果的なコミュニケーションができるようになります。
しっかりとした体系やノウハウに裏付けられた効果的なコミュニケーション研修を行なうためには、以下のような外部の研修会社を利用することもおススメです。対象別に合計10個のおススメ研修を紹介します。
新人若手
新人若手向けのコミュニケーション研修を紹介します。
若手の関係構築力を3段階高める「コミュニケーション研修」(株式会社ジェイック)
若手の関係構築力を3段階高める「コミュニケーション研修」は若手社員のコミュニケーション力を磨き、周囲を巻き込める影響力を持った人財を育成する研修です。
実例を踏まえたレクチャーと腹落ちしやすい映像とワークを通して、効果的に学んでいきます。ノウハウだけではなく積極的な姿勢も身に付けることができるため、主体的に業務に取り組むことも期待できます。
・自らコミュニケーションを取りに行き、周囲を巻き込める「影響力を持った人材」を育成したい
・相手の気持ちを推し量ることで周囲に好かれ、協力者となる味方を増やせる人材を育成したい
上記のような若手人材を育成したいと考えているのであれば、ジェイックの若手向けコミュニケーション研修は高い効果を見込める研修となるでしょう。
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【新入社員対象】ビジネスコミュニケーションのノウハウ・ドゥハウ(リクルートマネジメントスクール)
ビジネスで必要とされるロジカルな対話力を身に付けることで、お客様や職場でのコミュニケーションにおける課題解決をできるようにする研修です。
「聴く(傾聴力)」「訊く(質問力)」「伝える(伝達力)」スキルを学び、相手に納得してもらえるコミュニケーション力を身に付けることを目指します。
新入社員、若手時代に基本的なビジネスコミュニケーションスキルを身に付けさせたい、相手に合わせた対話力を強化したいなどのニーズに適した研修です。
販売・営業
販売・営業職向けのコミュニケーション研修を紹介します。
対面でもオンライン商談でも通じる!若手の営業力を飛躍的にアップさせる「営業トリガー研修」(株式会社ジェイック)
「営業トリガー研修」では対面でもオンラインでも使える「本質的な営業力」と「オンライン営業でのポイント」を学ぶことができます。研修の特徴は以下の3つです。
1.対面でもオンラインでも使える営業ノウハウを身につける研修
2.オンライン商談をロールプレイング形式で実践可能
3.オンライン完結型なので、ニューノーマル時代に適した研修
若手を対象とした営業特化型のコミュニケーション研修です。スキルだけではなく「営業姿勢」も鍛えるオリジナル研修プログラムであり、対面商談だけでなく、オンライン商談でも活用できる顧客との関係構築術を身に付けられます。
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ソリューション営業研修(株式会社インソース)
ソリューション営業は、お客さまの課題・お悩みに最善の解決策を提示する、あるいは企業が目指す姿の実現に向けた解決策を指します。競合他社とは違う代えがたい存在として認識してもらうことを目指します。
研修ではお客様が自信が気づいていない真のニーズや課題に辿り着き、課題の解決方法を提示していくためのスキルを学びます。顧客の課題や真のニーズを引き出すヒアリングスキルと、信頼を勝ち取るプレゼンテーションスキルを学べる研修です。
管理職
管理職向けのコミュニケーション研修を紹介します。
人を育て自らの成長も促進する「コミュニケーション研修」(株式会社ジェイック)
「人を育て、自らの成長も促進するコミュニケーション研修」は、管理職に必要な8つのスキル(聴く・叱る・褒める・質問する・伝える・指示を出す・報告を受ける・会議する)を身に付けていく研修です。ケーススタディとロールプレイングによって、実際の現場で活きるスキルを習得します。
ジェイックのコミュニケーション研修は、以下の様にしっかりと実践し改善していくために手厚いフォローがあることも特徴です。
1.相手の目線に立ったコミュニケーションを学ぶことができる
2.気持ちにも配慮しながら自分の意見を伝えるコミュニケーションの方法を学べる
3.学びだけでなく、スキルの定着のためケーススタディとロールプレイングを実施
4.現場で実践できたら、後日より良いコミュニケーションのためのレビューを実施
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ブレークスルーコミュニケーション研修(ANAビジネスソリューション株式会社)
ブレークスルーコミュニケーション研修では、信頼関係づくりに重要なコミュニケーションの基礎をさまざまな演習を通じて学びます。
参加者の潜在的なコミュニケーション力を引き出すプログラムを使って学習を進めていきます。自分が成長することに前向きになり、「思い」だけでなく「行動」することの価値を体感できる研修です。
オンラインファシリテーション研修(株式会社インソース)
オンラインファシリテーション研修は、オンラインにおけるファシリテーターの具体的な役割や重要なスキルに特化して学ぶことができます。
Web会議の課題として、参加者の反応を読み取りにくい、発言のタイミングが難しいなどがあります。実際に顔を合わせて行う会議とWeb介護では異なるファシリテーション技術が必要です。
上記のような課題を持っている場合、Web会議をスムーズに進めて生産性を上げるスキルを学ぶ、オンラインファシリテーション研修は適しているでしょう。オンライン会議ならではの進行ポイントを習得することができます。
全社員
全社員向けのコミュニケーション研修を紹介します。
社員の主体性を引き出し、組織風土を改善する「7つの習慣®」研修
社員の主体性を引き出し、組織風土を改善する「7つの習慣®」研修は、3,000万部以上売れている「7つの習慣®」の考え方を社内に導入するための研修です。心に訴えかけ考えさせる映像をふんだんに使い、考え方の原則を教える研修になります。
「7つの習慣®」を導入することで、
・社員が主体性やリーダーシップを発揮するようになる
・価値観や意見、立場の違いによる対立がなくなる
・社員同士のコミュニケーションが活発になり、業務が円滑に進むようになる
といった未来が実現します。
ジェイックの「7つの習慣®研修」について、詳しくは以下のページより確認してください。
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2WAYコミュニケーション研修~受信力・発信力UP!~(ANAビジネスソリューション株式会社)
2WAYコミュニケーション研修は受信力と発信力の向上で、双方向のコミュニケーションを円滑にする研修です。「今、何を期待されているか?」を考える力を養うためのカードゲーム等も取り入れています。
研修では、演習を通し、実践を重ねながら実際に体験し、受信力・発信力を向上させるポイントを学びます。双方向のコミュニケーションが円滑になることで、認識の違いや情報の行き違いを防ぐことができるようになるでしょう。
オンライン(リモート)ワークコミュニケーション研修(株式会社インソース)
オンライン(リモート)ワークコミュニケーション研修は、オンライン上でも伝わるコミュニケーションスキルを高めるために、視覚・聴覚情報によるノンバーバルコミュニケーションや積極的傾聴を習得する研修です。
研修ではアクティブリスニング(積極的傾聴)とノンバーバルコミュニケーション(視覚・聴覚情報)の大切さを理解し、スキル習得を目指します。
web会議をはじめとして、オンライン(リモート)でコミュニケーションを取る機会も増えています。オンラインコミュニケーションスキルは、社会人の基本マナーになりつつあると言って良いでしょう。
まとめ
コミュニケーション研修の実施には、以下のような効果があります。
- 顧客や同僚との関係を構築しやすくなる
- 販売力や営業力が高まる
- 管理職のマネジメント力が高まる
- コミュニケーションの共通言語ができる
- 社内の信頼関係が深まる
ただし、一口にコミュニケーション研修といっても対象や課題・目的に応じてさまざまなプログラムがあります。記事では、対象・課題・目的別のプログラム例や、対象に応じたおススメの研修プログラムと研修会社を紹介しました。
外部の研修会社等もうまく活用して、ぜひ社内のコミュニケーション、また顧客への販売力を高めてみてください。HRドクターを運営する研修会社ジェイックは、ヒューマンスキルやコミュニケーション分野の研修を得意としています。ご興味あれば、ぜひサービス案内をご覧ください。
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