つまらない仕事【ザ・現場ギャップvol.84】

更新:2023/07/10

作成:2020/01/29

東宮 美樹

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

つまらない仕事

お世話になっております。
HRドクターを運営する株式会社ジェイックにて

取締役 教育事業部長を務めます
東宮美樹と申します。

 

少し前の話になりますが

年明けの始め、節目ということもあり

弊社の若手社員数名に

以下のような質問をしてみました。

 

Q.「入社してから今現在までで

自分を成長させてくれた

一番の要因は何だと思う?」

 

この質問を

数名の若手社員に投げかけたところ

ある女性若手社員は

 

「上司です」

 

と即答した後、以下のような話をしてくれました。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

まだ入社1年目の頃。

任せてもらえる仕事が少なく

単純作業ばかりだった私は

 

「仕事ってこんなに

つまらないものなんだ。

 

こんなのアルバイトでも

できる仕事ばかりじゃん」

 

と、自分の仕事に

価値を感じられていませんでした。

 

 

 

なのでもちろん、仕事を

一生懸命取り組むこともせず

 

せっかく毎週1時間頂いている

上司とのレビューの時間でも

毎週のように愚痴ばかり吐いていました。

 

上司は優しかったので

どんな話でも真剣に聴いてくれました。

 

いつも、私の気が済むまで

話を聞いてくれた後、優しく

「それなら、こうしてみたらどう?」

と私が仕事に前向きになれるよう

アドバイスをくれていました。

 

後輩を持った今だから分かりますが

とても有難いことでした。

 

そんなある日のこと。

その日も、いつものように

私は愚痴ばかり吐いていました。

 

今思うと、上司の優しさに

甘えてしまっていたのだと思います。

 

ですが、その日は違いました。

 

 

長々と続いた私の愚痴を

散々聞いてくれた後に、上司は

 

「いろいろ言っているけど、

頑張りたくないだけなんじゃないの?」

 

と、私の目をじっと見て

言葉を発しました。

 

とても衝撃的でした。

 

 

今まで優しく聴いてくれていた上司に

「本気で怒っている」

と、初めて感じた瞬間でした。

 

 

真正面からの指摘に

始めはとてもショックでした。

 

レビューが終わった後も

その言葉はじわじわと心に響き続け

この日のレビューをきっかけに

私は少し時間を取って考えました。

 

改めて、これまでの自分を振り返ってみると

自分の色々な一面に

気づくことができました。

 

 

例えば、これまでの私は

「頑張ることは恥ずかしい」

と思っていたところがありましたが

 

頑張っている同期を見て

「本気で取り組めることがあるのが羨ましい」

と思えることに気づきました。

 

 

あるいは、これまで

自分が所属していたコミュニティでは

「この人たちと一緒に頑張りたい」

と思えることがなかったのですが

 

上司や優しくしてくれる周囲の人たちを見て

「この人たちと一緒に頑張りたい!」

と思えるようになっていました。

 

 

そのように、色々と考えれば考えるほど

 

「今の自分は、昔とは違う!」

 

と、 胸を張って思えることに気づきました。

 

 

そして何より、レビューで上司から頂いた

 

「いろいろ言っているけど、

頑張りたくないだけなんじゃないの?」

 

という質問に立ち返ると、

 

「いや、本当は頑張りたい!」

 

と改めて思える自分自身に

気づくことが出来ていました。

 

 

そう思えてからは

少し仕事に対する考え方も変わりました。

 

「つまらない」と愚痴を吐き

一生懸命に取り組まなかった仕事も

「まずは頑張る」というところから始めました。

 

そうすると、価値観はもっと広がりました。

 

会社に入ってから先輩・上司に

対して感じていた

 

「いい人たち」

 

という、少し距離のある見方は

 

「一緒に頑張っていきたい人たち」

 

という、

自分自身も、その輪の中に含めた見方へと

気が付いたら変わっていました。

 

そして、

 

「こんな素敵な人たちとは

もう出会えないのではないか?」

 

と思えるようにもなりました。

 

さらには、そんな尊敬できる先輩たちは

「仕事のどこに楽しさを感じて

頑張ってるんだろう?」

と考えるようにもなりました。

 

そんなことを考えながら働いていたら

気づけば3年が経っていました。

 

 

今では会社や仕事が

「楽しいもの」と

感じられるようになりました。

 

 

優しい先輩たちと一緒に

一生懸命仕事をする。

 

その中で起きる

ほんの小さな面白いことを

家に帰ってから家族に話す。

 

たったそれだけのことでも

毎日が楽しくて仕方ありません。

 

 

上司が私にしてくれたように

今度は私が、後輩をそんな気持ちで

働いてもらえるように

先輩として頑張りたいと思っています。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

彼女は、元々

自分から前に出るようなタイプの子では

ありませんでした。

 

ですが昨年、全社員の中から

選考を勝ち抜いた10名しか選ばれない

社内のコンテストに選出され

 

パートナー企業等も含めた

200名を超える全社員の前で

堂々とした発表をしていました。

 

そして、見事その中でも

並みいる上司・先輩たちの中を勝ち抜き

ベスト3に選ばれるという

素晴らしい功績を収めました。

 

彼女が自分の仕事を

「つまらない」と感じていたままだったら

体験することが出来ていなかった

かもしれません。

 

 

人を育てる立場として

まさに、このような体験をしてもらえると

嬉しいですよね。

 

 

今回は、社員の成長を感じることができた

嬉しいエピソードだったので

共有させていただきました。

 

貴社でも、そのような

社員の成長を感じたエピソードがございましたら

ぜひお教えください。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
来週もよろしくお願いいたします。

著者情報

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

東宮 美樹

筑波大学第一学群社会学類を卒業後、ハウス食品株式会社に入社。営業職として勤務した後、HR企業に転職。約3,000人の求職者のカウンセリングを体験。2006年にジェイック入社「研修講師」としてのキャリアをスタート。コーチング研修や「7つの習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレーニングまで幅広い研修に登壇。2014年には前例のない「リピート率100%」を達成。2015年に社員教育事業の事業責任者に就任。

著書、登壇セミナー

・新入社員の特徴と育成ポイント
・ニューノーマルで迎える21卒に備える! 明暗分かれた20卒育成の成功/失敗談~
・コロナ禍で就職を決めた21卒の受け入れ&育成ポイント
・ゆとり世代の特徴と育成ポイント
・新人の特徴と育成のポイント 主体性を持った新人を育てる新時代の学ばせ方
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